1. なぜ多くの中小企業で「マーケが根付かない」のか

「SNSも回している。広告も出している。それでも、なかなか成果が安定しない。」

こう感じたことがある中小企業の経営者は、決して少なくないはずです。

雄喜晃株式会社の代表として、これまで様々な企業のマーケティング現場を見てきた中で、ひとつの共通点が見えてきました。

「今のやり方ではダメだ」と、社長自身は気づいている。にもかかわらず、それを変えてくれる人が社内にいない。

結果、気づけば数百万円単位の予算を広告代理店に預け、「月次レポート」という名前の成果報告書を受け取るだけのサイクルに陥っている。

レポートを見ても、事業が本当に前に進んでいるのか判然としない。でも、誰にどう聞けばいいのかも分からない。──そんな構造を、私たちは何度も目にしてきました。

この記事では、なぜマーケティングが中小企業の社内に”根付かない”のか、その本当の理由を整理したうえで、雄喜晃がどんな視点で解決に伴走しているかをお伝えします。

2. 理由①:マーケが完全に”属人化”している

多くの中小企業で起きているのが、**「特定の1人しか、その業務の全体像を理解していない」**という状態です。

  • SNS運用のパスワードを知っているのは、ある社員1人だけ
  • 広告アカウントの設計意図は、担当者の頭の中にしかない
  • 過去の施策の振り返りは、誰かのGoogleドキュメントに散在している

このような会社で必ず起きるのが、担当者が退職した瞬間、マーケ全体が止まるという現象です。

新しい人が入っても、前任の意図も履歴も追えない。また、ゼロからやり直し。これまで何度繰り返してきたか分からない、“リセットの連続”です。

属人化を許している状態は、言い換えれば**「仕組み化できていない」状態**と同義です。誰でも──入社3ヶ月の新人でも、アルバイトでも、外部パートナーでも──同じプロセスを辿れば同じ水準のアウトプットが出せる。そういう組織になっていない。

経営者として、これは放置できない課題のはずです。にもかかわらず、目先の施策が回っているうちは、つい優先度を下げてしまう。そうしているうちに、組織は”属人化”を前提とした運用に固定化されていきます。

属人化は、気づいた瞬間から意図的に剥がしにいかないと、絶対に直りません。

3. 理由②:KPIが”目的”にすり替わっている

もうひとつ、中小企業のマーケ現場で頻発する問題があります。

KPIが、いつのまにか”目的”になってしまっている。

本来、KPIは「ゴールに近づいているかを測るための手段」でした。売上を上げるために、商談数を追う。商談を増やすために、リード数を追う。リードを増やすために、広告のクリック率を追う。こうして、階層的に指標を分解していきます。

ところが現場では、気づけば「クリック率を上げること」自体が目的になっている。

  • フォロワー数を増やすために投稿している(なぜフォロワーが必要なのかは曖昧)
  • CPAを下げるために予算を絞った(結果として商談数も落ちている)
  • 月次レポートの数字を良くすることが、仕事のゴールになっている

これは**「ミクロ視点に陥っている」**ということです。目の前の指標は動いているように見えるのに、事業全体では何も前進していない。そういう状態が生まれます。

経営者から見ると、これほど歯がゆい状況はありません。現場は真面目に数字を追って動いているので、一見、問題があるようには見えない。だから指摘もしにくい。

KPIは、**「何のために、何を、どこまで追うのか」**が常に上位目的と紐づいていないと機能しません。

KPIの設計とは、数字を決めることではなく、事業のゴールから逆算して”追うべき理由”まで言語化する作業なのです。ここが欠けたまま数字だけが一人歩きしている会社は、想像以上に多いと感じています。

4. 理由③:「代理店任せ」の構造が、変革を止める

3つ目は、もっとも根深い問題です。

マーケティングを”外注”に依存している構造そのものが、社内にノウハウが蓄積されない原因になっています。

「今のやり方では、いつか限界が来る」──経営者自身はうすうす気づいています。

でも、マーケティングの戦略を描き、現場を動かし、仕組みを作る人が、社内にいない。仕方なく広告代理店やコンサルに任せる。代理店は成果のレポートは送ってくれるけれど、貴社の組織に”マーケティングを回す力”を残してはくれません。

これは代理店が悪いわけではありません。代理店の役割は、あくまで「施策を実行すること」までです。社内の人材育成、業務フローの整備、ナレッジの蓄積は、本来の契約範囲ではないのです。

つまり、代理店任せにしている限り、社内には何も残らない。同じことを、次の年も、その次の年も繰り返す構造になってしまう。

「やってくれる人がいないから代理店に頼む」という判断自体は、決して悪くありません。問題は、“任せっぱなし”にする限り、いつまで経っても自走できる状態にならないということです。

認識はある。でも、それを変える手を打っていない。この状態を3年、5年と続けることは、経営判断として決して得策ではありません。

5. 処方箋:マーケを「人」ではなく「仕組み」に変える3ステップ

ここまで、マーケが根付かない3つの理由を見てきました。では、どう変えるのか。

答えはシンプルです。「人」に依存している部分を、「仕組み」に置き換えていくこと。

Step 1|現状の棚卸しと”属人化マップ”を作る

まずは、社内のマーケティング業務を一覧化し、誰が何をやっているか、ナレッジがどこにあるかを可視化します。

この段階で、「この人しか分かっていない領域」が浮き彫りになります。それが改善の起点です。

Step 2|ゴールとKPIをツリー構造で結び直す

売上 → 商談 → リード → 流入 → 施策 と、上位目的から下位指標まで階層で繋げ直します。

これをやると、現場が追っているKPIの多くが、実は事業成果に直結していないことが見えてきます。追うべき指標が絞り込まれ、見るべきダッシュボードも自然とシンプルになります。

Step 3|オペレーションを”再現可能な手順”に落とす

投稿企画の作り方、広告運用のチェック項目、レポートのフォーマット、定例会議の進行。日々の業務を、誰がやっても同じ水準でできる手順書に変えていく。これが「仕組み化」の本体です。

この3ステップは、言われれば当たり前に聞こえるかもしれません。しかし、**「社内の現場に入って、実際に手を動かしながら定着まで伴走する」**人がいなければ、絵に描いた餅で終わります。

多くの会社が挫折するのは、Step 1〜3の設計ができないからではなく、日々の業務の中で定着させる工程に、専任の実行者がいないからです。

6. 雄喜晃が「伴走者」として果たす役割

私たち雄喜晃株式会社のコンサルティングが、ほかの支援会社と明確に違う点はひとつです。

分析や提案だけで終わらず、実務に入り込み、現場と一緒に手を動かし、仕組み化まで見届ける。

レポートを作って提出するのが私たちの仕事ではありません。貴社のSlackに入り、会議に参加し、投稿カレンダーを一緒に埋め、KPIを週次で見直し、担当者が変わっても回る手順書を一緒に作る。そこまでやって初めて「マーケが社内に根付いた」と呼べると、私たちは考えています。

「分析だけ欲しい」「戦略だけ描いてほしい」──そういうご相談の場合、雄喜晃は最適な選択肢ではないかもしれません。

しかし、「社内に動かせる人がいない。でも、ちゃんと仕組みとして残したい」。そう考えている経営者の方には、私たちは間違いなくお役に立てる自信があります。

“四方良し”のビジネスモデル──お客様・そのエンドユーザー・会社・従業員、全員が幸せになる関係──を、現場から作りにいく。それが雄喜晃のスタンスです。

7. まとめ:マーケを”経営の仕組み”に変える

マーケティングが社内に根付かない会社には、3つの共通した構造があります。

  • 属人化:特定の1人しか全体を理解していない
  • KPIの目的化:手段が目的にすり替わり、ミクロ視点に陥っている
  • 代理店任せ:認識はあるが実行者がいないため、外注依存が固定化している

この3つを変えるには、外から分析するだけでは足りません。現場に入って一緒に仕組みを作る伴走者が必要です。

「うちの会社も、たぶんこの構造に近いかもしれない」。 そう感じられた方は、ぜひ一度お話を聞かせてください。

まずは貴社の状況を整理するところから。そこから、何ができるかを一緒に考えましょう。