1. 第3弾として、4業種を足します

中小企業の経営者の方とお話していて、こんな言葉をよく聞きます。

「うちは地元で長くやっているので、ホームページは会社の住所と電話番号があれば十分だと思っていたんです。でも最近、『サイトを見たけど、肝心なことが書いてなかった』と言われることがあって」

これまでに、業種別・ホームページに必ず載せるもの ― 士業/工務店/飲食/運送 と、業種別・ホームページに必ず載せるもの ― クリニック/美容/小売/教室 を書きました。この記事はその第3弾で、不動産・介護福祉・自動車整備・葬儀の4業種を整理します。

この4業種は、家族で決められています

この4つには共通点があります。いずれも、本人だけでなく家族が一緒に、あるいは本人の代わりに調べている業種だということです。

住まいを借りる・売る、親の介護の相談先を探す、車検を出す、葬儀を頼む。どれも暮らしの節目で、金額が小さくなく、一度決めるとやり直しがききにくい。だから、問い合わせる前に、家族の誰かが念入りに確かめています。書いていないことは、その確認の場で「分からない会社」として外されます。

この記事で分かること

4業種それぞれについて、「必ず載せる5つ」と「つまずきやすいところ」を書きます。読み終えたら、貴社のサイトを開いて、その5つが書いてあるか探してみてください。

2. 4業種に共通する、前提の2つ

具体的な話の前に、4業種に共通する前提を2つ書いておきます。

「誰が、いくらで、どこまで」を先に見られる

1つ目。この4業種は、金額の分かりにくさと、誰が担当するかの見えにくさで、問い合わせが止まりやすい業種です。

仲介の手数料、介護の自己負担と実費、車検の総額、葬儀の総額。どれも「何が含まれて、何が別か」が分かりにくい。見る側は、金額そのものよりあとから増えないかを心配しています。しかも、家族の間で「いくらまでなら出せるか」を相談してから連絡してくることが多いので、相談の材料になる数字が書いていないと、家族の話し合いがそこで止まります。そして、家に来る人、親を預ける人、車を預ける人、最期を任せる人がどんな人かを知りたがっています。

表示のルールがある業種が多い

2つ目。この4業種の多くには、免許や許認可、広告の表示に関する業界のルールがあります。何をどう書いてよいか、何を書く必要があるかが、業種ごとに決まっている場合があります。

私たちは法律の専門家ではないので、具体的な中身はこの記事では書きません。業界の表示ルールがあるので、所管の窓口や業界団体の案内で確認してください。ここは、この記事の全体を通しての前提です。制作会社が「大丈夫です」と言っても、掲載した責任は貴社の側にあります。

表:4業種が、問い合わせの前に確かめられていること(例はたとえばの書き方です)
業種問い合わせ前に見られるもの書き方を間違えると止まる箇所
不動産(賃貸・売買・管理)扱っている地域と種類/売却なら相談の進め方/店の場所と営業日決まった物件が載ったまま。売却の相談がいきなり査定の入力欄だけ
介護・福祉どんな方が使えるか/費用の考え方/送迎や訪問の範囲/見学できるか理念だけが長い。費用が制度の話だけで実費が分からない
自動車整備車検の総額/何日かかるか/代車があるか/自分の車を診てもらえるか「車検〇〇円〜」の下限だけ。追加の整備をどう決めるかが書いていない
葬儀夜中でもつながるか/総額と含まれるもの/式場の場所と広さ安いプランの金額だけが大きく、総額が見えない

4業種に共通しているのは、本人と家族の両方が見て、「あとから増えないか」「誰が担当するか」を確かめていることです。どの業種にも業界の表示ルールがあるので、書き方は所管の窓口や業界団体の案内で確認してください。

3. 不動産(賃貸・売買・管理)

見に来る人が確かめているのは、「この地域の、この種類の相談を受けてくれるか」「相談したらどう進むか」「店はどこにあるか」です。

必ず載せる5つ

  • 扱っている地域と、扱っている種類。賃貸の仲介か、売買か、管理か。住まいか、店舗や事務所か。全部扱っているなら、どれが中心かも書きます。売りたい人と借りたい人は、探している言葉がまったく違います
  • 売却や管理の相談の進め方。相談したら何が起きるのか。査定に費用がかかるかどうか、その後に連絡が何回来るのか、断ったらどうなるのか。ここが分からないと、売却の相談は来ません
  • 店の場所と、営業日・営業時間。定休日、駐車場、予約なしで行けるか。来店の前に確かめる人が多い業種です
  • 担当する人。名前と、どの地域や分野に詳しいか。売買や管理は付き合いが長くなるので、誰が担当するかは大事な判断材料です
  • 免許など、会社の基本情報。この業種には免許の表示を含めた業界の表示ルールがあります。会社概要に何をどう書くかは、所管の窓口や業界団体の案内で確認してください

つまずきやすいところ

いちばん多いのは、すでに決まった物件が、サイトに載ったままになっていることです。問い合わせて「もう決まりました」と言われると、見る側は残りの物件も信用しなくなります。物件情報の出し方や、いつまで載せてよいかにも業界の表示ルールがあるので、確認したうえで、更新が追いつかない物件はサイトに載せないという判断もありえます。

もう1つ、売却の相談の入口が、査定の入力欄だけになっているケース。住所や面積をいきなり入力させられると、「入れたら営業の電話が何度も来るのでは」と身構えます。「まずはお話だけでも構いません」「お電話でのご相談も承ります」と添え、相談のあとどう進むかを3〜4段階で書いておくと、入口が広がります。

それから、売買や管理のお客様は、親から受け継いだ家を、子どもの世代が相談することもよくあります。遠方に住むご家族が調べている前提で、対応地域と、来店しなくても相談できるかどうかを書いておいてください。

管理を任せたいオーナーに向けたページも、分けて考えます。オーナーが確かめているのは、どこまで任せられるか、手数料の考え方、空室が出たときに何をしてくれるか、報告がどのくらいの間隔で来るかです。借りたい人向けの物件情報と同じページに混ぜると、どちらの人も目当ての情報を探しにくくなります。

4. 介護・福祉(訪問・通所・施設・福祉用具など)

見に来る人が確かめているのは、「うちの親が使えるか」「いくらかかるか」「家から通えるか、来てもらえるか」です。この業種は、調べている人の多くがご家族です。

必ず載せる5つ

  • サービスの種類と、どんな方が使えるか。何をしてくれるところなのかを、制度の名前だけでなく、1日の過ごし方や、来てもらったときに何をするかの言葉で書きます
  • 費用の考え方。公的な制度で決まる部分と、食事代やおむつ代のような事業所ごとの実費の部分を、分けて書きます。制度の話だけだと、月にいくら払うのかが分かりません。たとえば「ご利用の多い例で、月あたりの実費はこのくらい」と幅で示すだけで、判断がしやすくなります
  • 送迎や訪問の範囲。市や町の名前で。「〇〇市内」だけでなく、範囲の外でも相談できるかどうかも
  • 見学と相談の受付。見学できるか、予約は要るか、誰に連絡すればいいか。ケアマネジャーを通す必要があるのか、家族から直接連絡していいのかは、初めての方がいちばん迷うところです
  • 空き状況と、働いている人。空き状況はいつ時点のものかを添えて。職員の人数や、どんな資格を持つ人がいるかも、ご家族の安心材料になります

つまずきやすいところ

理念や想いから書き始めて、条件が後ろに埋もれていることです。想いは大切ですが、ご家族は、仕事の合間や夜に急いで調べていることが多いです。条件が先、想いは後の順で並べてください。

もう1つ、業界の言葉がそのまま並んでいるケース。「通所」「短期入所」「ケアプラン」「要介護度」。業界の中では当たり前でも、初めて親の介護に向き合うご家族には分からない言葉が多いです。業界の言葉を使うなら、すぐ後ろに普段の言葉で言い直すだけで、読める人が増えます。

問い合わせの受け方も見直してください。ご家族は、仕事が終わった夜や休日に調べていることが多いです。電話の受付時間が平日の日中だけなら、メールでの相談を受け付けておき、「翌営業日までにお返事します」と書いておく。それだけで、調べたその日のうちに一歩進められます。

それから、写真の扱いです。利用者の方が写った写真を載せるときは、ご本人とご家族の同意を、どの範囲で取っているかを事業所の中で決めておいてください。同意の取り方や退職した職員の写真の扱いは、社員紹介ページは、本当に要るのか に書いた考え方がそのまま使えます。また、この業種にも事業所の指定や表示に関するルールがあるので、所管の窓口の案内で確認してください。

5. 自動車整備(車検・点検・修理・板金)

見に来る人が確かめているのは、「総額でいくらか」「何日かかるか」「その間の足はあるか」です。

必ず載せる5つ

  • 車検の費用を、総額で。国などに納める費用と、工場の整備料金を分けて書き、軽自動車・普通車などの車の大きさごとに、総額の例を出します。たとえば「軽自動車で、特に交換する部品がない場合の総額の例」のように、条件つきで
  • かかる日数と、当日の受け取りができるか。朝預けて夕方受け取れるのか、数日かかるのか。予定が立たないと、予約できません
  • 代車の有無と条件。無料か有料か、台数に限りがあるか、予約が要るか。代車があるかどうかで、選ぶ工場が変わる人がいます
  • 対応できる車と、作業の範囲。軽自動車、普通車、輸入車、トラック。車検だけか、板金や塗装、タイヤ交換まで受けるか。受けない車も書いておくと、合わない問い合わせが減ります
  • 工場と、整備をする人。工場の中の写真、作業する人の名前や経歴。整備工場として受けている認証などの表記には業界のルールがあるので、所管の窓口や業界団体の案内で確認してください

つまずきやすいところ

いちばん多いのは、「車検〇〇円〜」と下限の金額だけを大きく出すことです。実際の見積もりがその倍近くになると、金額が高いことよりも言っていたことと違うことのほうで不信を持たれます。下限を書くなら、実際に多い金額の幅も一緒に書いてください。条件つきの金額の出し方は、ホームページに料金を載せるか、載せないか にまとめてあります。

もう1つ、追加の整備をどう決めるかが書いていないケース。点検してみて交換が必要な部品が見つかったとき、勝手にやられて請求が増えるのでは、と心配する人がいます。「交換が必要な部品は、作業の前にお電話で確認します。了解をいただいたものだけ作業します」と一行書くだけで、初めての方が預けやすくなります。

それから、この業種は車検の時期が来た人が、急いで探すことが多いです。トップページの最初の画面に、車検の予約の入口と電話番号を置いておくと、探している人がすぐ動けます。

予約の入力欄も、増やしすぎないでください。車種や年式、車検の満了日まで最初に全部書かせると、手元に書類がない人はそこで止まります。名前と連絡先と希望の日だけで受け付けて、細かいことは折り返しの電話で聞くほうが、予約は入りやすくなります。

6. 葬儀

見に来る人が確かめているのは、「今すぐつながるか」「全部でいくらか」「どこで、どのくらいの人数でできるか」です。この業種は、急いで探す人と、前もって調べておく人の2種類がいます。

必ず載せる5つ

  • 夜中でもつながる電話番号。受付が24時間かどうかを、番号のすぐ横に書きます。急いでいる人は、まずここだけを探しています。番号は大きく、文字で、タップでかかるように
  • 総額の目安と、含まれるもの・含まれないもの。プランの金額に何が入っていて、何が別になるのか。飲食や返礼品のように人数で変わるもの、寺院へのお礼のように葬儀社に払うものではない費用も、別になることを書いておきます
  • 式場の場所と広さ。何人くらいまで入れるか、駐車場、控室や宿泊ができるか。自宅や寺院などでの葬儀にも対応するかどうか
  • お受けできる形。家族だけの小さな式、通夜を行わない形、宗教や宗派への対応など、どんな形を受けているかを書きます
  • 事前の相談と、担当する人。前もって相談できるか、見積もりだけでもよいか。誰が担当し、当日も同じ人が付くのか

つまずきやすいところ

いちばん多いのは、いちばん安いプランの金額だけが大きく出ていることです。実際には人数や内容で総額が変わるのに、最初に見た金額が頭に残ります。あとで総額を聞いて「話が違う」と感じた家族は、その場では言わなくても、親戚や知人に話すことがあります。プランの金額の横に、「ご利用の多い内容での総額の例」を並べるほうが、信頼されます。料金の表示にも業界の表示ルールがあるので、所管の窓口や業界団体の案内で確認してください。

もう1つ、急いでいる人と、前もって調べている人の入口が同じケース。急いでいる人には、事前相談の案内も式場の紹介も要りません。電話番号と「すぐにお迎えに伺います」の一文だけです。トップページの最初の画面で、「お急ぎの方」と「事前にご相談の方」の入口を分けておくと、どちらの人も迷いません。

それから、写真の選び方です。式場の写真は、実際の広さと明るさが分かるものを選んでください。広く見せる写真だけを並べると、家族だけの小さな式を考えている人が「うちには大きすぎる」と感じて離れます。

事前相談の案内の書き方にも気を配ってください。前もって葬儀のことを調べるのは、縁起でもないと感じながら、それでも気になってという方が多い場面です。「ご相談やお見積もりだけでも承ります。その場でお決めいただく必要はありません」と添えておくと、連絡しやすくなります。

7. 4業種に共通して、最後に効くもの

業種ごとの話をしてきましたが、最後に共通することを3つ書きます。

総額と条件を、同じ場所に書く

4業種とも、最初に見た金額と、実際の総額がずれたときに信頼を失います。下限の金額だけを出すのではなく、条件と、実際に多い金額の幅を同じ場所に書いてください。何が含まれて、何が別になるのか。あとから増える可能性があるものは、先に書いておくのがいちばんの対策です。

書き方に迷ったら、商談や電話で毎回聞かれる質問を、そのまま金額の下に並べるところから始めてください。「これは別料金ですか」「途中で増えることはありますか」。答えを先に書いておくと、電話の最初の数分がその確認に使われなくなります。

担当する人の顔と名前を出す

家に来る人、親を預ける人、車を預ける人、最期を任せる人。どの業種も、人で選ばれる仕事です。写真が難しければ、名前と経歴と、どんな仕事を担当しているかだけでも構いません。少人数の会社ほど、ここが他社との違いになります。

家族が代わりに見ても、話がつながるように

4業種とも、サイトを見るのがご本人とは限りません。遠方に住むご家族が調べて、親に番号を伝えることがよくあります。どのページにも社名と電話番号を入れておく、「ご家族からのご相談も承ります」と書いておく、来店しなくても相談できるかを書いておく。見た人と電話をかける人が違っても、話がつながるように作ってください。

8. 雄喜晃の伴走:載せる項目を、ヒアリングの質問にします

私たち雄喜晃は、「原稿をご用意ください」とは申し上げません。この記事に書いたような項目を、そのままヒアリングの質問として使い、伺った内容をこちらで整理して載せる形にします。総額の例の出し方、追加費用の書き方、家族向けの一文も、貴社の実際の数字と運用を伺ったうえで文章にします。

料金と、契約の条件

料金は制作費0円、月額8,800円(税別)からです。6ページ構成の場合は月額13,800円(税別)です。サーバー、独自ドメイン、SSL、保守は月額に含まれ、月5回までの更新代行も同じ月額の中です。空き状況の更新や、料金の改定、営業日のお知らせなども、ご連絡いただければこちらで反映します。

条件も先に書いておきます。最低契約期間は6ヶ月です。7〜35ヶ月で解約された場合、サイトは非公開になります。36ヶ月以上ご継続いただいた場合は、サイトをお渡しします。

私たちがやらないこと

貴社の表示が業界のルールに合っているかどうかの判断は、私たちはしません。免許や許認可、広告の表示に関わるところは、所管の窓口や業界団体の案内で貴社に確認していただくようお願いしています。判断がつかない表現は、「確認をお願いします」とお伝えします。

また、物件情報が毎日のように動く不動産会社の場合、月5回の更新では足りないことがあります。その場合は、物件の情報は別の仕組みに任せて、サイトでは会社と相談の進め方を伝える役割に絞る、といった形をご提案します。予約や物件管理のシステムの開発もしていません。合わないものを合うように見せることはしません。

実際にお作りしたサイトは 制作実績、料金と条件は ホームページ制作のページ に載せてあります。神戸市北区鈴蘭台を拠点に、2025年10月6日に設立した会社です。

同業のサイトを見ても、自社の場合に何を書けばいいか分からないという方は、一度ご相談ください。

9. まとめ:家族が確かめていることに、先に答える

この4業種で必要なことは、3つです。

  • 総額と条件を書く ― 仲介や査定の進め方、介護の実費、車検の総額、葬儀の総額。あとから増えるものは先に書く
  • 自業種で最後に確かめられていることに答える ― 不動産なら相談の進め方、介護なら費用と送迎の範囲、自動車整備なら日数と代車、葬儀なら夜中の連絡先
  • 家族が見ても分かるようにする ― 担当する人の顔と名前、どのページにも電話番号、「ご家族からのご相談も承ります」の一文

そして、免許や許認可、広告の表示に関わるところは、業界の表示ルールがあるので、所管の窓口や業界団体の案内で確認してください。

まず、今日できること

貴社のサイトを、離れて暮らすご家族になったつもりで開いてみてください。親のために調べている人が、この記事の「必ず載せる5つ」を見つけられるかどうか。見つけられなければ、その人は何も言わずに別の会社を親に勧めます。そこを足すだけで、問い合わせの中身が変わることがあります。

自社の業種で何を載せればいいか整理してみたいという方は、一度ご相談ください。