1. 前回の続きとして、4業種を足します
中小企業の経営者の方とお話していて、こんな言葉をよく聞きます。
「同業のホームページを何件か見てみたんです。でも、どこも似たようなことが書いてあって。御社ならうちの場合、何を載せますか」
以前、業種別・ホームページに必ず載せるもの ― 士業/工務店/飲食/運送 という記事を書きました。反応が大きかったので、その第2弾として、クリニック・美容・小売・教室の4業種を整理します。
この4業種は、聞かれないまま判断されています
この4つには共通点があります。いずれも、来る人が「行く前に」全部確かめようとする業種だということです。士業や工務店であれば、まず問い合わせて、話しながら条件を詰めていきます。ところが、クリニックも美容室も小売店も教室も、多くの人は誰にも聞かずに行くかどうかを決めます。聞かずに決めるということは、書いていないことは無いのと同じという意味です。
この記事で分かること
この記事では、4業種それぞれについて「必ず載せる5つ」と「つまずきやすいところ」を書きます。読み終えたら、貴社のサイトを開いて、その5つが書いてあるか探してみてください。
2. 4業種に共通する、前提の1つ
具体的な話に入る前に、1つだけ共通の前提を書いておきます。
この4業種は、いずれも「今日か、今週か」で判断されます。士業への相談は来月でも構いませんが、体調が悪い人は今日の診療時間を見ますし、髪を切りたい人は今週の予約枠を見ます。時間に関する情報が古いだけで、判断が止まる業種だということです。
「営業時間が古い」は、それだけで失点になります
私が現場で見てきた限り、この4業種でいちばん多い問題は、デザインでも文章でもなく更新が止まっていることです。年末年始の告知が3月まで載っている、臨時休診のお知らせが去年のもの、料金が改定前のまま。
見る側は「更新されていない=今もやっているか分からない」と受け取ります。これは信用の問題なので、どれだけ見た目を整えても取り返せません。
| 業種 | 来た人が最初に見るもの | 古いと致命的になる情報 |
|---|---|---|
| クリニック・歯科・治療院 | 今日診てもらえるか/予約は要るか/どこに停めるか | 診療時間・休診日・臨時休診 |
| 美容室・ネイル・エステ | いくらか/誰が担当するか/今週空いているか | 料金表・予約枠・スタッフの在籍 |
| 小売店・専門店 | 今日開いているか/その品を置いているか/取り寄せできるか | 営業時間・取扱いの有無 |
| 教室・スクール・習い事 | いつやっているか/月いくらか/見学できるか | 開講曜日・月謝・体験の受付 |
4業種に共通しているのは、判断が「今日か、今週か」で行われることです。士業への相談は来月でも構いませんが、この4業種は時間に関する情報が古いだけで判断が止まります。デザインを整える前に、まずここが今の状態になっているかを確かめてください。
地図アプリとセットで考える
もう1つ。この4業種は、ホームページより先にGoogleマップで見つけられます。順番が逆になっている会社が、本当に多いです。サイトを作る前に、地図側の営業時間・写真・電話番号を整えるほうが先に効く場面があります。詳しくは Googleマップとホームページ、どちらを先に整えるか に書きました。
3. クリニック・歯科・治療院
見に来る人が確かめているのは、「今日診てもらえるか」「予約は要るか」「どこに停めるか」です。順番もこのとおりです。症状の説明よりも先に、この3つを見ています。
必ず載せる5つ
- 診療時間と休診日。曜日ごとの表で、午前と午後を分けて。受付終了時刻は診療終了時刻と別に書きます。ここを一緒にすると、閉まる直前に来られて困るのは現場です
- 予約の要否。完全予約制か、予約優先か、当日受付のみか。「予約優先」は、予約なしでも診てもらえるのか分かりません。「ご予約の方を優先しますが、当日の受付も承ります」まで書きます
- 診療科目と、対応できる範囲。「内科」だけでは足りません。実際に多い相談の言葉で。専門的な処置について、対応できるものとできないものを分けて書きます
- 駐車場。有無、台数、場所。「駐車場あり」だけだと、満車のときにどうするかが分かりません。近隣のコインパーキングの案内まで書いてあると親切です
- 医師・院長の経歴。出身校、勤務歴、所属学会、資格。ここは事実を並べるだけで信頼になります
つまずきやすいところ
この業種には、他の業種にはない事情があります。医療広告ガイドラインという行政の指針があり、医療機関の広告やウェブサイトの表現には制限がかかります。患者さんの体験談や、術前術後の写真の扱いには、特に注意が必要な領域です。
私たちは法律の専門家ではないので、断定的なことは書きません。ただ、実務としては「良さそうに見せる表現ほど、確認が必要になる」とお考えください。「日本一」「絶対に治る」といった表現、他院との比較、患者さんの声、施術前後の写真。このあたりは、掲載の前に必ず、行政の窓口や医療広告に詳しい専門家に確認してください。
ウェブ制作会社が「大丈夫です」と言ったからといって、責任を負うのは掲載した医療機関側です。ここは正直に申し上げます。私たちも、判断が付かないものは「確認をお願いします」とお伝えします。
もう1つ。症状の解説ページを大量に作れば集患できる、という考え方は、以前ほど効かなくなりました。同じ内容のページが世の中に大量にあるためです。それよりも、診療時間・予約・駐車場・医師の経歴という、そのクリニックにしか書けない情報を正確に載せるほうが、確実に効きます。
4. 美容室・ネイル・エステ
見に来る人が確かめているのは、「いくらか」「どれくらい時間がかかるか」「誰がやるか」です。
必ず載せる5つ
- 料金。メニューごとに、税込みで。「カット 4,400円〜」の「〜」が何で変わるのかまで書きます。長さなのか、指名なのか、シャンプーが別なのか。会計で想定と違うと、次は来ません
- 所要時間。これが抜けているサイトが本当に多いです。「カット60分」「カラー+カット150分」。予定が立たないと予約できません
- スタッフ。何人いるか、指名できるか、指名料はいくらか。写真が難しければ、経歴と得意な施術だけでも構いません
- 得意な施術。「何でもできます」ではなく、「くせ毛の扱い」「白髪をぼかす染め方」「ショートカット」のように。探している人は、その言葉で探しています
- 予約手段。電話、予約サイト、LINE、フォーム。どれか1つに絞らないでください。電話が苦手な人と、アプリを入れたくない人の両方がいます
つまずきやすいところ
写真をきれいに撮ることに集中して、料金と時間が後回しになるケースです。スタイル写真は確かに効きますが、料金と所要時間が書いていないサイトは、写真がどれだけ良くても予約に至りません。
もう1つ、「初回限定」の価格だけを大きく出す構成は、短期的には効きますが、2回目以降の料金が分からないと不安になります。通常料金を同じ画面に並べて書くほうが、結果として長く来てくれる人が増えます。なお、価格の表示方法には景品表示法などの関わる場面があるので、割引や「通常◯◯円のところ」といった表現を使うときは、根拠を残しておくか、専門家に確認してください。
それから、この業種は予約サイト経由の集客に依存しやすいという事情があります。自社サイトを持つ意味は、手数料のかからない予約導線を1本持っておくことにあります。すぐに置き換わるものではありませんが、少しずつ比率を変えていくための土台になります。
5. 小売店・専門店
見に来る人が確かめているのは、「その商品が置いてあるか」「今日開いているか」「停められるか」です。
必ず載せる5つ
- 取扱商品。全点は要りません。取扱メーカー、ブランド、カテゴリを並べるだけで十分です。「◯◯社の製品を扱っています」の一行が、そのまま検索の入口になります
- 在庫の考え方。ここが難しいところです。全商品の在庫をリアルタイムで出すのは、小さな店には現実的ではありません。「店頭在庫はお電話でご確認ください」と書いておくだけで足ります。書いていないと、電話していいのかどうかも分かりません
- 営業時間と定休日。臨時休業を含めて最新に。年末年始と大型連休の告知は、毎回必ず更新してください
- 駐車場。台数と場所。近隣の提携駐車場があるなら、その名前まで
- 通販の有無。やっているならリンク、やっていないなら「店頭販売のみです」と書く。取り寄せや配送に対応するなら、その条件も
つまずきやすいところ
商品を全部載せようとして、途中で止まることです。数百点の商品を1点ずつ登録しようとすると、まず終わりません。取扱カテゴリと代表的な数点だけで公開して、あとから足すほうが確実です。
もう1つ、「在庫は常に変動します」と書いて、それで終わりにしてしまうケース。事実ではありますが、見る側が知りたいのは「聞けば分かるのか」です。確認手段を書いてください。
そして、この業種はホームページよりGoogleマップの写真のほうが効く場面が多いです。店内の様子、棚の写真、商品の並び。サイトの完成を待たずに、地図側の写真を増やすほうが早いことがあります。手持ちの素材が少ない場合の進め方は 写真が1枚も無い会社の、ホームページの作り方 にまとめてあります。
6. 教室・スクール・習い事
見に来る人が確かめているのは、「うちの子が通えるか」「いくらかかるか」「いつ、どこで」です。この業種は、通う本人と、お金を払う人が違うことが多いのが特徴です。
必ず載せる5つ
- 月謝と、その他の費用。入会金、教材費、発表会費、年会費。「月謝8,000円」とだけ書いて、後から年間で数万円かかると分かると、不信につながります。かかるものは全部並べてください
- 対象年齢。「3歳から」「小学生対象」「大人のクラスあり」。ここが分からないと、問い合わせの前に諦める人が出ます
- 体験の有無と条件。無料か有料か、何回できるか、体験のあとに入会を迫られないか。「その場でご入会いただく必要はありません」の一行が効きます
- 場所と時間割。曜日ごとのクラス表。振替ができるかどうかも書いてください。共働きのご家庭にとって、ここは月謝と同じくらい重要です
- 講師。経歴、指導年数、資格。誰が教えるかは、教室選びの中心にあります
つまずきやすいところ
教室の理念や想いから書き始めてしまうことです。想いは大切ですが、探している側の順番は、条件が先で、想いが後です。月謝も曜日も分からないまま長い理念を読まされると、その時点で閉じられます。理念は、条件を確かめた人が次に読む場所に置いてください。
もう1つ、問い合わせフォームが長すぎるケース。体験の申し込みに、住所も生年月日も勤務先も要りません。名前と連絡先と、希望の曜日だけで十分です。ここで手が止まる理由は 問い合わせフォームで、人はどこで手を止めるのか に整理しました。
そして、この業種は年度と季節で動きます。新学期前、夏休み前、発表会の時期。募集の告知を出すタイミングが決まっているので、自分で更新できる形にしておくか、更新を頼める体制にしておくことが、他の業種より重要になります。
7. 4業種に共通して、最後に効くもの
業種ごとの話をしてきましたが、最後に共通することを3つ書きます。
スマートフォンで見て、電話がかけられるか
この4業種は、閲覧の大半がスマートフォンです。そして最後の行動は、電話か予約です。電話番号がタップで発信できない、予約ボタンが画面の下に埋もれている。この2つだけで、動きが変わります。他の落とし穴は スマートフォンで見たときに、人が離れる7つのこと にまとめました。
「対応できないこと」を書く
クリニックなら扱っていない診療、美容室なら対応できない施術、小売なら取り寄せできないもの、教室なら受け入れられない年齢。ここを書いておくと、合わない問い合わせが減り、合う問い合わせが増えます。
良いことしか書いていないページは、逆に警戒されます。先に断っておくほうが、信用されます。
更新できる形にしておく
営業時間、休業、料金、募集。この4つが変わったときに、自分で直せるか、頼めば直るか。ここが決まっていないサイトは、1年で必ず古くなります。作るときの費用より、直せるかどうかのほうが、この4業種では効きます。
8. 雄喜晃の伴走:業種の型を持ったうえで、貴社の話を聞きます
私たち雄喜晃は、「原稿をご用意ください」とは申し上げません。お話を伺った内容をこちらで整理して、載せる形にします。この記事に書いたような項目は業種ごとの型として持っているので、貴社に必要なものを聞き出すところから担当します。
実際にお作りしてきたのは、物流・運送、クリニック、飲食・テイクアウト、設備工事、文具店、理容、イベント展示会といった業種です。業種ごとに、見た人が最後に確かめる場所が違うというのは、そこで得たものです。
料金と、契約の条件
料金は制作費0円、月額8,800円(税別)からです。1ページのライト、〜6ページのスタンダードが13,800円、それ以上の規模はグロースとしてご相談を承ります。サーバー、独自ドメイン、SSL、保守はすべて月額に含まれ、月5回までの修正更新も同じ月額の中です。代表の木戸がヒアリングから制作、運用まで直接担当します。
条件も先に書いておきます。最低契約は6ヶ月です。7ヶ月目以降はいつでも解約でき、違約金はありません。ただし、7〜35ヶ月目で解約された場合、サイトは非公開になります。36ヶ月以上ご継続いただいた場合は、ドメイン代等のご負担を条件に、サイトをお渡しします。
私たちがやらないこと
一方で、私たちがやらないことも書いておきます。予約システムや会員機能の開発は、私たちの範囲外です。美容室の予約や教室の会員管理は、既存の予約サービスと組み合わせるほうが確実です。また、在庫が日々動く小売店の場合、月5回の修正では足りないことがあります。その場合は、ご自身で更新できる仕組みにするか、別の形をご提案します。合わないものを合うように見せることはしません。
「同業のサイトを見ても、何を書けばいいか分からない」という状態であれば、私たちは間違いなくお役に立てます。ご相談いただいたら、貴社のホームページのサンプルを先に無料でお作りします。見て断っていただいても費用はかかりません。実際にお作りしたサイトは 制作実績、料金と条件は ホームページ制作のページ に載せてあります。神戸市北区鈴蘭台を拠点に、2025年10月から活動しています。
9. まとめ:聞かずに決められる業種だからこそ、書いておく
この4業種で必要なことは、3つです。
- 時間と場所とお金を、最初に書く ― 診療時間、所要時間、営業時間、月謝。行く前に全部確かめられています
- 自業種で最後に確かめられていることに答える ― クリニックなら予約と駐車場、美容なら料金と時間、小売なら在庫の確認手段、教室なら費用の総額と時間割
- 対応できないことも書く ― 合わない問い合わせが減り、合う問い合わせが増えます
この3つが揃えば、デザインの良し悪しに関係なく問い合わせは動きます。逆に、ここが埋まっていないサイトは、どれだけ見た目を整えても動きません。
まず、今日できること
まずは、貴社のサイトを開いて、この記事の「必ず載せる5つ」を探してみてください。探して見つからなければ、見に来た人も見つけられていません。そして見つけられなかった人は、何も言わずに別の店や医院を選びます。そこを足すだけで、多くの場合は動きます。
ぜひ一度、お話を聞かせてください。分析や提案だけで終わらせず、実際に載る形にするところまでご一緒します。