1. 「同業のサイトを見たら、落ち込むだけでした」

中小企業の経営者の方とお話していて、こんな言葉をよく聞きます。

「競合のホームページは見ておいたほうがいい、とは言われるんです。でも見たら見たで、うちより立派に見えて落ち込むだけで。制作会社には『あそこみたいな感じで』って頼んだんですけど、出来上がったら、なんだか似たようなサイトになっちゃって」

この話、本当によく伺います。そして、たいていの場合、見ること自体は正しいのに、見る目的がずれています。

同業他社のサイトを見るのは、真似をするためではありません。お客様が何社かを見比べるとき、その並びの中で貴社がどう見えているかを知るためです。お客様は貴社のサイトだけを見て決めるわけではありません。必ず、何社か開いて比べています。

この記事で分かること

この記事では、同業他社のサイトの見方を、手順として書きます。誰を見るか、どの端末でどう開くか、何を比べるか、比べた結果をどう読むか。そして、見たあとに真似してはいけないものも書きます。

最後まで読んでいただくと、手元に1枚の比較表が残るはずです。その表は、制作を頼むときにもそのまま使えます。着手前に決めておくことは ホームページを作る前に、決めておく5つのこと にまとめてあるので、あわせてご覧ください。

2. 同業のサイトを見るときに、よく起きる4つのこと

先に、見方がずれたときに何が起きるかを書きます。どれも、真面目に調べた結果として起きることです。

自分が思う競合を見てしまう

いちばん多いのがこれです。業界で名前の通った会社、昔から張り合ってきた近所の会社、展示会でよく見かける会社。経営者が頭に浮かべる競合は、お客様が比べている相手と一致しないことがよくあります。

お客様は業界の事情を知りません。知っているのは、検索したら出てきた会社だけです。業界では無名でも、検索で上に出てくる会社が、お客様にとっての比較相手になります。

自分の目で見てしまう

経営者は、同業のことをよく知っています。だから他社のサイトを開くと、書いていないことまで補って読んでしまいます。「ここは大きい現場をやっているから」「あそこの社長は職人上がりだから」。

ところが、お客様にはその知識がありません。書いていないことは、無いのと同じです。同業の目で見ると、サイトの出来ではなく、会社の評判を見ることになります。

感想で終わってしまう

「おしゃれだった」「うちより立派だった」「写真がきれいだった」。見終わって残るのが感想だけだと、次に何を直せばいいかが出てきません。

感想は人によって違いますし、同じ人でも日によって変わります。比べた結果を判断に使うには、あるか無いかで記録する必要があります。やり方は5章で書きます。

良いところを真似してしまう

そして、感想の先にあるのがこれです。良く見えたところを集めて「こういう感じで」と頼む。出来上がるのは、比べられたときに見分けのつかないサイトです。

似たサイトが並んだとき、お客様は何で選ぶか。たいていは値段か、たまたま最初に開いた会社です。真似をすると、選ばれる理由が増えるどころか減ってしまいます。

3. 誰を見るか:お客様の検索で、一緒に出てくる会社

見る相手の選び方です。ここで、比べる意味のほとんどが決まります。

地域名と業種で検索する

お客様が実際に打ち込みそうな言葉で、検索してください。たいていは「地域名+業種」です。「西宮 外壁塗装」「北区 税理士」「垂水 整体」のような形です。

検索語は2〜3通り試すと、出てくる顔ぶれの違いが分かります。業種名をお客様の言葉に置き換えたもの(「外壁塗装」ではなく「家の塗り替え」)や、困りごとそのもの(「雨漏り 修理」)も試してみてください。お客様が使う言葉は、業界の言葉とずれていることが多いからです。

履歴の影響を受けない閲覧モードで検索すると、普段の自分の閲覧に左右されにくくなります。お客様が多い地域が自社と離れているなら、その地域の名前で検索します。

上から5社。広告とポータルは分けて数える

出てきた結果の、上から5社を見ます。10社も20社も見る必要はありません。お客様も、そこまでは開かないからです。

このとき、広告の枠と、比較サイトやポータルサイトは、会社の数に入れずに分けておきます。お客様がそこから流れることはありますが、比べるのはあくまで各社のサイトです。地図の枠に出てくる会社も、サイトを持っていれば候補に入れてください。

業界のライバルは、入れなくていい

検索に出てこない会社は、今回は外します。たとえ業界で一番の会社でも、お客様の比較の場に出てこないなら、比べる意味が薄いからです。

逆に、思ってもみない会社が入ってくることがあります。隣の市の会社、業態が少し違う会社、開業して間もない会社。意外な顔ぶれでも、それがお客様から見た並びです。そこに貴社が入っているか、何番目にいるかも、一緒に書き留めておいてください。

4. どう見るか:初めて探している人の目で開く

相手が決まったら、開き方です。ここで、自分の目からお客様の目に切り替えます。

スマートフォンで開く

パソコンではなく、スマートフォンで開いてください。お客様の多くは、スマートフォンで検索して、そのまま開いています。パソコンで見るときれいなサイトが、スマートフォンでは文字が小さかったり、電話番号がなかなか出てこなかったりします。

開くときは、検索結果からそのまま開きます。トップページのURLを直接打ち込まない。お客様と同じ入り方をすると、最初に見えるページも同じになります。

知らない会社として、3秒で何が分かるか

開いたら、最初の画面を3秒だけ見て、閉じるつもりで見てください。そのとき、次の4つが分かるかどうかを確かめます。

  • 何の会社か。業種と、何を頼めるかが分かるか
  • どこの会社か。地域名が見えるか。自分の家から頼める範囲か
  • いくらくらいか。金額か、少なくとも目安があるか
  • 問い合わせはどこか。電話番号かボタンが、探さずに見つかるか

4つすべてが3秒で分かるサイトは、多くありません。ほとんどの会社が、どれか1つか2つは欠けています。欠けている項目が会社ごとに違うことも、並べてみると分かってきます。

貴社のサイトも、同じ条件で開く

5社を見たら、最後に貴社のサイトも同じ手順で開いてください。検索から、スマートフォンで、知らない会社として。自社のサイトは、いちばん正しく見られないサイトです。中身を全部知っているからです。

3秒で4つのうちいくつ分かったか。他社と同じ基準で数えると、身内の目では気づかなかった欠けが見えてきます。

社外の人に、1分だけ見てもらう

できれば、業界と関係のない人にも頼んでください。家族、友人、別の業種の知り合い。「この6社の中で、どこに電話したいか」とだけ聞いて、理由を聞きます。経営者が気にしていた点と、まったく違う理由が返ってくることがよくあります。

5. 何を比べるか:6つの項目を、○×で並べる

いよいよ比べます。見る項目は6つに絞ります。

6つの項目

  • 料金の出し方。金額が載っているか、目安だけか、「お問い合わせください」か
  • 実績の数と中身。件数と、1件ごとに何が書いてあるか
  • 対応エリア。市町村名まで書いてあるか
  • 問い合わせの方法。電話、フォーム、その他。受付時間は書いてあるか
  • 更新の新しさ。お知らせや実績の、最新の日付はいつか
  • 代表や人の顔。誰がやっている会社か、見えるか

料金を載せるかどうかの考え方は ホームページに料金を載せるか、載せないか に詳しく書きました。比べるときは、載せ方そのものを1つの項目として見ます。

感想ではなく、あるか無いかを書く

ここが肝心です。表のマスには、感想を書かずに○か×を付けてください。「実績:おしゃれ」ではなく、「実績:○(12件、金額の記載なし)」のように書きます。

○×にすると、見た目の印象に引っ張られなくなります。デザインが立派な会社でも、項目ごとに見ると×が並ぶことがあります。逆に、地味なサイトに○が多いこともあります。

表:同業のサイトで見る6項目と、自社と比べたときの使い方
見る項目見るところ自社と比べたときの使い方
料金の出し方金額・目安・「お問い合わせください」のどれか。料金のページがあるか全社が伏せているなら、条件つきの目安を出すだけで1社だけ違って見える
実績の数と中身件数と、1件ごとに困りごと・対応・結果が書いてあるか。写真だけか件数で負けていても、1件ごとの中身で並びの中から抜けられる
対応エリア市町村名まで書いてあるか。「近隣」「地域密着」だけで終わっていないか地名を並べるだけで、お客様が「頼める範囲か」を迷わなくなる
問い合わせの方法電話・フォームの有無、受付時間、返信の目安。スマートフォンで探さずに見つかるか受付時間と返信の目安を書いている会社が少なければ、そこが空白
更新の新しさお知らせ・実績の最新の日付。1年以上前のままになっていないか他社が止まっているなら、動いている会社であることがそのまま信用になる
代表や人の顔代表の名前と写真、考えが書いてあるか。誰がやっている会社か分かるか顔の見えない会社が並ぶ中では、人が見えるだけで問い合わせの心理的な壁が下がる

読み方は左から右です。左の項目を、真ん中の観点で各社ごとに○×で記録し、右の列で自社の打ち手に置き換えます。注目するのは、貴社だけ×の項目より、全社が×の項目です。そこが、出すだけで目立つ空白になります。

行に会社、列に項目

表の組み方は単純です。縦に会社を6行(5社と貴社)、横に6項目。紙でも表計算でも構いません。マスには○か×と、短い補足だけを入れます。

見た日付の欄も1つ作っておいてください。いつ見たかを書いておくと、半年後に見直すときに比べられます。検索に使った言葉も、同じ欄に書いておくと便利です。

表が埋まると、2つのことが見えます

1つは、貴社に×が付いている項目です。もう1つは、全社に×が付いている項目です。多くの方は前者に目が行きます。ですが、使いでがあるのは後者のほうです。次の章で書きます。

6. 見つけたものを、どう読むか

他社にあって自社に無いものを、全部埋めなくていい

表を見ると、貴社だけ×の項目がまず目に入ります。それを全部○にしたくなりますが、埋めた結果は「他社と同じ」です。並びの中では、それ以上目立ちません。

もちろん、お客様が判断に必要とするもの、たとえば対応エリアや連絡先が欠けているなら、埋めるべきです。ただしそれは、選ばれる理由ではなく、外されない理由だと考えてください。

どこにも無いものを探す

表でいちばん見てほしいのは、縦に×が並んでいる列です。5社とも、どこもやっていないこと。

たとえば、5社すべてが料金を「お問い合わせください」にしているなら、目安の金額を出すだけで、並びの中で1社だけ違って見えます。全社が実績を写真だけで載せているなら、1件ごとに「何に困っていて、何をして、どうなったか」を書くだけで目立ちます。全社が「地域密着」とだけ書いて市町村名を書いていないなら、対応する地名を並べるだけで違います。

どこにも無いものは、出すだけで目立ちます。新しい工夫をする必要はありません。他社が出していないものを、貴社が出せるかどうか。それだけです。

出せないものは、無理に出さない

注意も書いておきます。×を○にするために、事実でないことを書いてはいけません。料金の幅が大きすぎて出しにくい、実績を載せる許可が取れていない。そういう事情があるなら、無理に出すより、出せる形を探すほうが先です。

料金なら条件つきの目安、実績なら社名を伏せた形。出し方を変えると、出せるものは意外と多いものです。

よく見えるのに、問い合わせが少なそうな会社

比べていると、デザインが立派で、写真もきれいで、思わず感心するサイトに出会います。ところが表にすると、料金も×、実績も×、対応エリアも×。こういうサイトは珍しくありません。

外から本当の問い合わせ数は分かりませんので、断定はできません。ただ、お客様の側に立つと、見た目が良くても判断材料が無いサイトは、比べる段階で選びにくいはずです。見分けるときは、次のようなところを見ます。

  • 実績が写真だけで、何をした仕事か書いていない
  • お知らせの最新の日付が、1年以上前のまま
  • 料金について、どのページにも一言も無い
  • 問い合わせのボタンはあるが、受付時間も返信の目安も無い

見た目に引っ張られて「うちもこうしたい」と思ったときほど、表に戻って○×を確かめてください。落ち込む必要がないことが、たいてい分かります。

7. 真似してはいけないものと、見たあとの使い方

文章・写真・デザインは、真似しない

同業のサイトから借りてはいけないものが3つあります。文章、写真、デザインです。

文章と写真には著作権があります。言い回しを少し変えただけの文章や、他社サイトの写真の転用は、問題になることがあります。どこからが問題になるかの考え方は ホームページの写真と文章、権利はどうなっているか に整理しました。デザインも、配置や配色を丸ごとなぞれば、見る人にはすぐ分かります。

同じに見えると、選ばれない

権利の問題がなくても、真似はおすすめしません。理由は単純で、同じに見える会社が並ぶと、お客様は違いを探せなくなるからです。

違いが見つからなければ、最後は値段で比べるか、最初に開いた会社に決めるかになります。真似をして得られるのは、他社と並ぶことだけです。借りていいのは「何を載せているか」という項目の考え方までで、中身は貴社のものを使ってください。

Step 1(今週):表を1枚作る

ここからは使う順番です。最初は、検索して5社を選び、6項目を○×で埋めるところまで。慣れれば1時間ほどで終わります。貴社の行も、同じ基準で忘れずに埋めてください。

Step 2(制作の前):制作会社に、その表を渡す

制作やリニューアルを頼むなら、この表を最初の打ち合わせに持っていってください。「あそこみたいに」と伝えるより、はるかに話が早くなります。

表があると、制作会社は、貴社の地域でどの項目が空いているかをすぐに把握できます。貴社が出せるものと、どこにも無いものの組み合わせから、何を目立たせるかの話に入れます。打ち合わせの準備全体については 制作会社との打ち合わせを、1回で終わらせる準備 にも書きました。

Step 3(半年ごと):同じ手順で見直す

競合のサイトも変わります。新しい会社が上に出てくることもあれば、どこかが料金を出し始めることもあります。半年に1回、同じ検索語、同じ手順で表を作り直してください。

日付を入れて残しておくと、前回との違いがひと目で分かります。全社×だった列に○が増えていたら、そこはもう空白ではありません。次の空白を探します。

8. 雄喜晃の伴走:比べる表から、ご一緒します

私たち雄喜晃のホームページ制作は、デザインの好みから話を始めません。最初のお打ち合わせで、貴社の地域と業種で実際に検索し、お客様の目に並ぶ会社を一緒に見るところから始めます。

私たちがやらないこと

先に、やらないことを書きます。「あの会社のサイトのようにしてください」というご依頼を、そのまま形にすることはしません。他社の文章や写真を流用することも、デザインをなぞることもしません。並んだときに見分けがつかなくなるのは、貴社にとって損だからです。

また、分厚い競合調査レポートを作って納品する、ということもしていません。判断に使うのは表1枚で足ります。検索順位を約束するような話もいたしません。お約束できないことは、最初から申し上げないようにしています。

私たちがやること

並びの中で空いている場所を一緒に見つけ、貴社が事実として出せるものでそこを埋めます。料金の目安、実績の中身、対応する地名。新しく作るのではなく、貴社がすでに持っているものを、出せる形にする仕事です。分析や提案だけで終わらせず、実際のページに落とし込むところまで担当します。

料金は制作費0円、月額8,800円(税別)からです。サーバー、独自ドメイン、SSL、保守はすべて月額に含まれます。月5回までの更新代行も同じ月額の中なので、半年ごとの見直しで見つかった空白も、ご連絡いただければこちらで反映します。6ページ構成のプランは月額13,800円(税別)です。

条件も書いておきます。最低契約期間は6ヶ月です。7〜35ヶ月で解約された場合、サイトは非公開になります。36ヶ月以上ご継続いただいた場合は、サイトをお渡しします。

「同業の中で、うちのサイトがどう見えているのか分からない」という経営者の方は、一度ご相談ください。実際にお作りしたサイトは 制作実績、料金と条件は ホームページ制作のページ に載せてあります。神戸市北区鈴蘭台を拠点に、2025年10月から活動しています。

9. まとめ:見るのは他社ではなく、並びの中の自社

同業他社のサイトを見るときに押さえることは、5つです。

  • 見る相手は、お客様の検索で一緒に出てくる会社 ― 地域名+業種で検索して、上から5社
  • 初めて探している人の目で開く ― スマートフォンで、知らない会社として、3秒で4つが分かるか
  • 6項目を○×で並べる ― 料金・実績・対応エリア・問い合わせ・更新・人の顔。感想は書かない
  • 全社が×の列を探す ― どこにも無いものは、出すだけで目立つ
  • 文章・写真・デザインは真似しない ― 同じに見えると、選ばれる理由が無くなる

そして、できた表は制作会社に渡し、半年に1回作り直してください。

競合のサイトを見て落ち込む必要はありません。見るべきは他社の出来栄えではなく、お客様が並べて見たときの貴社の位置です。位置が分かれば、何を出せばいいかも決まります。

まずは今日、お客様が打ち込みそうな言葉で、一度検索してみてください。

ぜひ一度、お話を聞かせてください。並びの中で貴社が選ばれる理由を、一緒に見つけていきましょう。