1. 「インスタは毎日上げているので、それをサイトに出せないかと」
中小企業の経営者の方とお話していて、こんなご相談をよくいただきます。
「お知らせを書く時間がなくて、ホームページはずっと同じなんです。インスタのほうは毎日上げているので、あれがそのままサイトに出てくれたら楽なんですけど。そういうのって、できるんですよね」
できます。Instagramの投稿をホームページの中に並べて表示することを、埋め込みと呼びます。投稿すれば、サイトの側にも自動で新しい写真が出る。更新が止まっていたサイトが、毎日動いているように見えます。
ただ、楽になるのは更新する側で、読む側が楽になるとは限りません。埋め込んだことで表示が重くなったり、ある日から空欄になったり、半年前の写真が並んだままになったりすることがあります。
この記事では、埋め込むと何がうれしくて、何が起きるのか。そして、埋め込むならどこに置くか、埋め込まずにリンクだけにする選択も含めて整理します。結論を先に書くと、埋め込むかどうかより、サイトとInstagramにそれぞれ何を任せるかを先に決めることが大事です。
この記事で書くこと
- 埋め込むと、何がうれしいのか
- 埋め込んだときに、サイトで起きる4つのこと
- 伝えるべきことが、SNSに流れていく問題
- 埋め込むなら、どこに置くか
- 埋め込まずに、リンクだけにする選択
- SNSとサイトの役割分担
2. 埋め込むと、何がうれしいのか
先に、良いところをきちんと書いておきます。埋め込みが合う会社は、たしかにあります。
更新の手間が、1回で済む
いちばんの利点はこれです。Instagramに投稿するだけで、サイトの側にも新しい写真が出ます。サイトの管理画面を開いて、写真を選んで、文章を書いて、という作業が要りません。
サイトの更新が止まる理由の多くは、手間です。同じ写真をSNSとサイトの両方に載せるのは、思った以上に面倒です。投稿の手間を1回にまとめられるのは、続けるうえで大きな助けになります。
お店や現場の「今」が伝わる
飲食店のその日のおすすめ、美容室の仕上がり、工務店の現場の様子。写真で雰囲気が伝わる商売では、最近の投稿が並んでいるだけで、「ちゃんと営業している」「こういう仕事をしている」ことが伝わります。
サイトの写真は、作ったときのものから変わらないことが多いものです。数年前に撮った写真だけが並んでいるより、今の様子が見えるほうが安心される場面はあります。
Instagramへの入口になる
サイトを見た人が、そこからInstagramのアカウントを見つけてフォローしてくれる。サイトとSNSの行き来が生まれるのも利点の1つです。ただし、これは埋め込みでなくても、リンクを置くだけで同じことができます。この点は後の章で書きます。
3. 埋め込んだときに、サイトで起きる4つのこと
ここからが、知っておいていただきたい側の話です。埋め込みにすると、サイトで次の4つが起きやすくなります。
① 表示が重くなる
埋め込みは、ページを開いたときにInstagramの側から写真や部品を呼び出して表示する仕組みです。自分のサイトの写真だけを読み込むより、呼び出す先が増えます。
写真が9枚並んでいれば、9枚分を外から取ってきます。表示のための部品も一緒に読み込みます。とくにスマートフォンで、電波の弱い場所で開いたときに差が出ます。ページが表示されるまで時間がかかると、読まれる前に閉じられてしまいます。
重さの原因の調べ方と、埋め込みを整理する順番は ホームページが重いと言われたときに、まず見るところ にまとめてあります。
② 連携が切れると、空欄になる
埋め込みは、サイトとInstagramのアカウントをつないだ状態で動いています。このつながりは、ずっと続くとは限りません。
- Instagramの側の仕様が変わった ― 外部への表示の仕方が変わり、以前の方法で出なくなる
- パスワードを変えた、アカウントを作り直した ― つながりが外れる
- 連携の期限が切れた ― 一定の期間ごとに、つなぎ直しが必要な方法がある
- 担当者が辞めた ― 誰が、どのアカウントでつないだのか分からなくなる
切れたとき、サイトの画面には白い枠や、何も入っていない欄が残ります。困るのは、社内の誰も気づかないことです。自分のサイトを毎日開く人はいません。お客様に言われて初めて知る、ということがよくあります。
③ 古い投稿が、並んだままになる
埋め込みは、最新の投稿を表示します。ということは、投稿が止まると、止まった日の投稿がずっと並びます。
忙しい時期が続いて3ヶ月投稿していない。すると、サイトのトップには3ヶ月前の季節の写真が出ています。夏のメニューが冬まで並んでいる、終わったキャンペーンの告知が残っている、ということが起きます(例は架空です)。
更新を楽にするために入れたはずの埋め込みが、更新が止まっていることを目立たせてしまう。投稿の頻度に波がある会社ほど、この点は気をつけてください。
④ 何が出るかを、サイトの側で選べない
埋め込みは、基本的に新しい順に並びます。サイトに載せたい投稿だけを選ぶ、ということが難しい場合があります。
社内の飲み会の写真、スタッフの私的な話題、軽い冗談の投稿。Instagramでは自然でも、初めて会社を調べに来た人が見るサイトに並ぶと、印象が違って見えることがあります。SNSとサイトでは、見に来る人が違うということを覚えておいてください。
外の部品を読み込むときは、プライバシーポリシーも確かめる
もう1つ付け加えると、外の部品を読み込むと、その部品の提供元がクッキーなどで閲覧の情報を扱うことがあります。プライバシーポリシーにどう書くかは ホームページのプライバシーポリシーに、何を書くか にまとめました。どこまで書くべきかは業種によっても違うので、気になる場合は専門家に確認してください。
4. サイトで伝えるべきことが、SNSに流れていく
埋め込みの話で、いちばん見落とされやすいのがこの章です。技術の問題ではなく、情報の置き場所の問題です。
「インスタに書いてあります」は、サイトに書いていないのと同じ
埋め込みを入れると、サイトの更新がInstagramに任されていきます。すると、だんだん大事な情報までInstagramにしか書かれなくなります。
- 営業時間の変更や、臨時休業
- 料金の改定
- 新しく始めたサービス
- 対応できるエリアの変更
これらがInstagramの投稿の中にだけあると、1ヶ月もすれば流れて、誰も掘り返せません。サイトには、何年も前の営業時間が書いてあるままということになります。埋め込みの欄に最新の投稿が出ていても、その投稿がいつも料金の話をしているわけではありません。
投稿の文字は、サイトの文字として扱われにくい
埋め込みで表示されるのは、多くの場合、写真が中心です。投稿の文章は、表示されなかったり、短く切られていたりします。
また、埋め込みで外から呼び出した内容は、サイトに直接書いた文字と同じようには扱われないことがあると考えておいてください。検索で探されたい情報や、確かめに来た人に読んでほしい情報は、サイトの本文に文字で書いておくほうが安全です。
サイトの役目は、確かめに来た人に答えること
Instagramで貴社を知った人が、次にすることは、たいてい確かめることです。どこにあるのか、いくらなのか、どうやって頼むのか。その答えを探しにサイトを開きます。
そこで、また写真が並んでいるだけだったら、その人は答えを見つけられません。サイトは、SNSで興味を持った人が確かめに来る場所です。どちらに時間を使うかの考え方は ホームページとSNS、どちらに時間を使うべきか に書きました。
5. 埋め込むなら、どこに置くか
それでも埋め込みたい、という場合もあると思います。写真で伝わる商売なら、十分に意味があります。その場合は、置く場所と見せ方で、ここまでの注意の多くを小さくできます。
トップの最初の画面には、置かない
いちばん避けたいのは、トップページを開いて最初に見える場所に、埋め込みを置くことです。
最初の画面には、「何の会社か」「どこの会社か」「どう頼めばいいか」を置きます。ここに埋め込みがあると、表示がいちばん重い部分を、いちばん最初に読み込むことになります。連携が切れたときの空欄も、いちばん目立つ場所に出ます。
置くなら、ページの下のほうか、専用のページ
置き場所として無理がないのは、次の2つです。
- トップページの下のほう ― 会社の説明やサービスを読み終えたあとに、「最近の様子」として置く
- 専用のページ ― 「ギャラリー」「最近の仕事」などのページを作り、そこにだけ置く
どちらも、確かめに来た人が必要な情報を読み終えたあとに目に入る位置です。重さの影響も、空欄のときの影響も小さくなります。
並べる数は、少なめに
埋め込む投稿の数は、多ければいいわけではありません。数が増えるほど、読み込む量も増えます。最近の様子が分かればいいので、数枚で足ります。
さらに、ページの下のほうに置くなら、その場所までスクロールしたときに初めて読み込むようにする方法もあります。最初の表示の重さを抑えられます。
空欄になったときの備えをしておく
連携が切れることを前提に、備えておきます。
- 表示されないときの代わりを用意する ― 空欄ではなく、「最新の様子はInstagramでご覧いただけます」という文とリンクが出るようにしておく
- 誰がつないだかを記録する ― どのアカウントで、いつ設定したかを、社内の分かる場所に残す
- 月に1回、自分で開いて見る ― スマートフォンで、自社のサイトの埋め込みの欄が表示されているかを確かめる
投稿すればサイトも変わるので、手間は1回で済みます。その代わり、表示が重くなり、連携が切れると空欄になります。投稿が止まると、古い写真が並んだままになります。
サイトは軽いまま、空欄になる心配もありません。見たい人はInstagramへ移ります。たとえば、ヘッダーとフッター、お問い合わせの近くに置きます。
月に1回、Instagramに上げた写真から良いものを選んで、実績やお知らせに文字を添えて載せます。手間は少し増えますが、何を見せるかを選べます。
どれか1つを選ぶ必要はありません。②はどの形でも置いておくのがおすすめです。①か③を足すかどうかは、投稿の頻度と、サイトで見せたいものが決まっているかどうかで判断してください。
6. 埋め込まずに、リンクだけにする選択
埋め込みの注意を並べてきましたが、実は、埋め込まなくても得られる利点のほうが多いのです。
リンクだけでも、Instagramへの入口になる
第2章で書いた3つの利点のうち、「Instagramへの入口になる」は、リンクを1つ置くだけで得られます。見たい人は、ボタンを押してInstagramに移ります。そこで最新の投稿を全部見られます。
置く場所は、ヘッダーかフッター、それにお問い合わせの近くです。アイコンだけでなく、「Instagramで最新の様子を見る」のように文字を添えると、押してもらいやすくなります。
逆向きのリンクも忘れないでください。Instagramのプロフィール欄に、サイトのURLを置く。SNSで知った人が確かめに来る道は、こちらが本線です。
手で選んで載せるほうが、残るものがある
もう1つの方法は、Instagramに上げた写真から、月に1回、数枚を選んでサイトに載せることです。
「〇月の現場から」「今月の新しいメニュー」のように、お知らせや実績として、短い文を添えて載せます。手間は少し増えますが、何を見せるかをこちらで選べますし、外の連携に頼らないので壊れません。文字を添えるので、検索やあとから確かめる人にも残ります。
お知らせの欄に何を書けばいいかは 「お知らせ」の欄に、何を書けばいいか にまとめました。1本3〜5行で足ります。
動画も、考え方は同じ
Instagramに短い動画を上げている会社も多いと思います。動画をサイトに出す場合も、そのまま並べるより、伝えたいことに合う1本を選んで、文章と一緒に置くほうが伝わります。動画をサイトに載せるかどうかの判断は ホームページに、動画は載せたほうがいいのか に書きました。
7. SNSとサイトの役割分担
最後に、埋め込みの話の土台になる、役割分担を整理します。ここが決まっていれば、埋め込むかどうかは自然に決まります。
動く情報はSNS、変わらない情報はサイト
分け方は、次の一言で足ります。
- Instagram ― その日のこと、今の様子。今日の現場、今日のおすすめ、季節の写真
- サイト ― あとから確かめたいこと。何の会社か、料金、営業時間、対応エリア、頼み方、終わった仕事の記録
営業時間や料金を、Instagramの投稿だけに書かない。これだけ守れば、埋め込みを入れても入れなくても、サイトの役目は果たせます。
素材は1つ、出し先と粒度を変える
両方を回すときのコツは、SNS用とサイト用で、別々に内容を考えないことです。
仕事中に撮った写真をInstagramに上げる。月に1回、その中から1つを選んで、サイトのお知らせや実績に「〇月、△△市で□□をしました」と書き直して載せる。素材は同じで、出し先と粒度だけを変えます。新しく何かを作らないので、手間がほとんど増えません。
埋め込むかどうかを決める、3つの質問
最後に、判断のための質問を3つ置いておきます。
- Instagramに、週に何回か投稿が続いていますか ― 止まりがちなら、埋め込みは古い写真を目立たせます。リンクだけにしてください
- 投稿の中身は、初めての人に見せても困らないものですか ― 社内向けの話題が多いなら、手で選んで載せる形が合います
- 連携が切れたとき、気づいて直せる人がいますか ― いないなら、壊れるものを増やさないほうが安全です
3つとも「はい」なら、ページの下のほうに埋め込む意味はあります。1つでも迷うなら、まずはリンクだけにして、様子を見るので十分です。あとから足すのは簡単です。
8. 雄喜晃の伴走:埋め込むかどうかの判断から、一緒に考えます
私たち雄喜晃には、「インスタをサイトに出したい」というご相談もいただきます。そのとき、すぐに埋め込みを入れることはしません。まず、Instagramとサイトにそれぞれ何を任せるかを、一緒に決めるところから始めます。
私たちがやること
- 役割分担を決める ― 投稿の頻度と中身を伺い、サイトに書くべき情報と、Instagramに任せる情報を分けます
- リンクを置く ― サイトからInstagramへ、Instagramのプロフィールからサイトへ、両方向の道を作ります
- 埋め込むなら、置き場所を決める ― トップの最初の画面を避け、空欄になったときの代わりの表示も用意します
- 選んだ写真を載せる ― 投稿から選んでいただいた写真を、お知らせや実績として文章を添えて載せます
料金と条件
料金は制作費0円、月額8,800円(税別)からです。6ページ構成のプランは月額13,800円(税別)です。サーバー、独自ドメイン、SSL、保守は月額に含まれます。月5回までの更新代行も同じ月額の中なので、「今月はこの写真を載せたい」とご連絡いただければ、こちらで反映します。埋め込みに頼らなくても、サイトを止めずに済みます。
最低契約期間は6ヶ月です。7〜35ヶ月で解約された場合、サイトは非公開になります。36ヶ月以上ご継続いただいた場合は、サイトをお渡しします。
私たちがやらないこと
Instagramの投稿そのものを、代わりに作ることはしません。撮影や投稿の文章は、現場を知っている貴社の方が書くほうが伝わるからです。また、フォロワーの数や、埋め込みによって問い合わせが増えることをお約束することもしません。
実際にお作りしたサイトは 制作実績、料金と条件は ホームページ制作のページ に載せてあります。私たちは神戸市北区鈴蘭台を拠点に、2025年10月から活動しています。「SNSは続いているのに、サイトがずっと止まっている」という方は、一度ご相談ください。
9. まとめ:埋め込む前に、何を任せるかを決める
Instagramの投稿をホームページに埋め込むかどうかを決めるときに、押さえることは4つです。
- 利点は、更新の手間が1回で済むこと ― 写真で伝わる商売なら、今の様子が見えることにも意味がある
- 注意は、重さ・空欄・古い投稿・選べないこと ― そして、伝えるべきことがSNSに流れていくこと
- 埋め込むなら、最初の画面を避ける ― ページの下のほうか専用ページに、数を少なめに。空欄の備えも
- リンクだけにする、手で選んで載せる、という選択もある ― 利点の多くは、埋め込まなくても得られる
そして、いちばん大事なのは役割分担です。動く情報はInstagram、変わらない情報はサイト。これが決まっていれば、埋め込みは「入れても入れなくてもいいもの」になります。
今日できることを1つだけ挙げます。貴社のInstagramのプロフィール欄に、サイトのURLが入っているかを確かめてください。あわせて、サイトの営業時間と、最近Instagramで告知した営業時間が同じかどうかも見てみてください。違っていたら、直すのはサイトの側です。