1. 「長く書けと言われたり、短くしろと言われたり」

ホームページの原稿を準備している経営者の方から、こんな相談をよく受けます。

「ある人からは、文章は長いほうが検索に強いと言われたんです。別の人からは、今どき長い文章なんて誰も読まない、写真と一言で十分だと。どっちを信じればいいのか分からなくて、原稿が止まっているんです」

どちらの助言にも、一理あります。ただ、どちらも「どのページの話か」が抜けたまま語られています。トップページの話をしている人と、サービスの説明ページの話をしている人が、同じ「文章の長さ」という言葉でぶつかっているのです。

結論から書きます。長さの正解は、ページの役割で決まります。入口になるページは短く、読む人が何かを決めるためのページは、答えに必要なだけ書く。この記事では、その線をどこで引くかを順番に書きます。

この記事で書くこと

  • 「何文字以上」という考え方を、いったん脇に置く理由
  • ページの役割ごとの、長さの決め方
  • 短くしすぎて、答えが消えてしまう問題
  • 長くても読まれる組み方
  • 同じことを何度も書かない工夫と、スマートフォンでの見え方

2. 長さは、文字数ではなく役割で決まる

まず、よく聞く「何文字以上書くと検索に効く」という話から整理します。

決まった文字数の基準は、示されていない

Googleが検索について公開している案内(検索セントラルの「有用で信頼性の高い、ユーザー第一のコンテンツの作成」)には、特定の文字数に合わせて書いていないか、という問いかけがあり、Googleが優先する文字数という設定は存在しないという趣旨の説明が添えられています。

つまり、文字数を目標にして書く理由はありません。長い記事が上に出ていることがあるのは、長いからではなく、読む人の問いに答えるために結果として長くなっている、と考えるほうが自然です。文字を足すことが目的になると、読む人にとって要らない文章が増えるだけです。

「長いと読まれない」も、半分だけ正しい

反対の「長い文章は読まれない」という話も、半分だけ正しい話です。何の会社か知りたいだけの人に、創業の想いを長々と読ませれば、閉じられます。一方で、見積もりを頼むかどうか迷っている人は、料金の条件や進め方を、驚くほど丁寧に読みます。

読まれないのは、長いからではありません。その人がそのとき知りたいことと、書いてあることがずれているからです。

ページごとに、読む人の目的が違う

ですから、長さを決める前に、ページごとに「ここで読む人は何をしに来ているか」を決めます。ざっくり分けると次のようになります。

表:ページの役割と、文章の長さの考え方(目安。業種によって変わります)
ページ読む人がしに来ていること長さの考え方
トップページ何の会社か、自分に関係あるかを確かめる短く。各段は要約と、詳しいページへの入口だけ
サービス紹介頼めるか、合うかを判断する判断に必要なだけ。何を・誰に・いくらで・どう進むか
料金予算に合うかを確かめる金額は短く、条件は省かない
よくある質問気になっている1点の答えを探す1問ごとに短く。結論を最初の一文に
会社概要実在するか、信用できるかを確かめる文章より項目と事実。表で足りる
コラム・解説1つの疑問を、腰を据えて解きたい長くてよい。ただし水増しはしない

同じサイトの中でも、ページごとに正しい長さは違います。短くするページと、必要なだけ書くページを分けて考えるのが出発点です。

3. トップページは、短くていい

トップページは、サイトの入口です。ここで読む人がしているのは、判断ではなく、仕分けです。自分に関係ある会社か、もう少し見るか、閉じるか。

トップでは、全部を説明しない

トップページが長くなる原因の多くは、サービスの説明や会社の想いを、全部トップに書こうとすることです。トップにすべてを詰めると、仕分けをしたいだけの人には重すぎ、判断したい人には中途半端になります。

トップに置く各段は、2〜3行の要約と、詳しいページへの入口で足ります。「外壁と屋根の塗り替えを、〇〇市内で承っています。工事の流れと料金は、こちらのページで詳しくご説明しています」。このくらいです。

最初の画面は、さらに短く

トップの中でも、開いてすぐ見える最初の画面は、いちばん短くていい場所です。何の会社か、どこの会社か、誰向けか、次に何を押せばいいか。この4つが分かれば十分です。最初の画面に何を置くかは トップページの最初の画面に、何を置くか で詳しく書きました。

短くしても、具体的に

ただし、短いことと、ぼんやりしていることは違います。「確かな技術で、お客様に寄り添います」は短いですが、何も伝わりません。短くするときこそ、業種・地域・対象を具体的な言葉で書く。短さは、具体的であって初めて役に立ちます。

想いを書きたいときは、置き場所を分ける

トップに会社の想いや創業のいきさつを書きたい、というご相談もよくあります。書くこと自体は良いことです。ただ、トップの真ん中に長く置くと、仕分けをしに来た人の邪魔になります。想いは代表挨拶や会社案内のページに置き、トップには一行と入口だけ。読みたい人は、そこから読みに行きます。

4. 判断に使うページは、必要なだけ書く

トップと反対に、短くしすぎてはいけないのが、読む人が何かを決めるためのページです。サービス紹介、料金、進め方、よくある質問。ここで読む人は、問い合わせるかどうかを決めようとしています。

「必要なだけ」の目安は、聞かれることの数

では、どこまで書けば「必要なだけ」なのか。いちばん分かりやすい目安は、電話や商談で実際に聞かれることが、ページの中で答えられているかです。

  • 何をしてくれるのか ― 対応する範囲と、対応しない範囲
  • 自分は対象に入るか ― 地域、規模、業種
  • いくらかかるのか ― 金額か、金額の決まり方
  • どう進むのか ― 問い合わせてから終わるまでに、お客様がすること
  • 何が心配か ― よく聞かれる不安への答え

この5つに答えると、文章は自然に一定の長さになります。長さは目標ではなく、答えた結果です。答えが少ない商売なら短く済みますし、条件が多い商売なら長くなります。どちらも正解です。

並べる順番は サービス紹介のページは、どの順番で書けばいいか にまとめてあります。長さに迷ったら、順番の型に当てはめてみると、足りないところと余っているところが見えてきます。

初めての人に合わせて書く

もう1つ、長さを決める物差しがあります。誰の知識に合わせて書くかです。同業者や慣れたお客様なら一言で通じることも、初めて頼む人には説明が要ります。

迷ったら、初めて頼む人に合わせてください。慣れた人は分かっているところを読み飛ばせますが、初めての人は書かれていないことを補えません。専門用語を使うなら、最初に出てきたところで一言だけ言い換えを添える。それだけで、長さはほとんど変わらずに、読める人が増えます。

詳しい解説は、別のページに分ける

判断に使うページでも、書きすぎることはあります。工法の違い、材料の選び方、制度の仕組み。知っておくと役に立つけれど、頼むかどうかの判断には要らない解説です。

こうした解説をサービスページに詰め込むと、判断に必要な情報が埋もれます。判断に要るものはサービスページに、深い解説はコラムにと分けて、サービスページからは一行で案内するのがおすすめです。コラムを書くかどうかの考え方は ホームページでブログやコラムを書くべきか に書きました。

5. 短くしすぎて、答えが消える

「短く、シンプルにしたい」というご相談もよく受けます。それ自体は悪くないのですが、削りすぎて、読む人が知りたかった答えまで消えているページをよく見かけます。

答えが消える、よくある形

  • 「詳しくはお問い合わせください」で終わる ― 料金や対応範囲を、全部問い合わせに回している
  • 「柔軟に対応します」と書く ― 何ができて、何ができないのかが書かれていない
  • 見た目を優先して、文字を減らす ― 大きな写真と短い一言だけで、中身の説明が無い
  • 大事なことを画像の中に入れる ― 文字が小さくなり、検索にも読まれにくい

どれも、ページとしてはすっきり見えます。ただ、読む人は判断の材料を得られないまま、別の会社のページを開きます。

図:削りすぎたページと、必要なだけ書いたページ(例はすべて架空)
削りすぎた例
「お庭のことなら、何でもご相談ください」

短くて感じはいいのですが、剪定なのか、造園なのか、草刈りなのかが分かりません。どの地域に来てくれるのか、いくらくらいかも書かれていません。読む人は、自分の用事を頼めるのか分からないまま閉じます。

印象は残るが、判断ができない
必要なだけ書いた例
「〇〇市・△△町の、庭木の剪定と草刈り」

たとえば、対応する作業を3つ並べ、高木の伐採はお受けしていないと書く。料金は木の高さで決まると書き、よくある例を3つ添える。依頼から作業までの流れを4段で示す。長くはなりますが、読む人は自分の用事が頼めるかを決められます。

長くなっても、読む人が自分で決められる

2枚目は1枚目よりずっと長くなりますが、増えたのは読む人の問いへの答えだけです。飾りの言葉は増えていません。長さに迷ったら、増えた文章が誰のどの問いに答えているかを確かめてください。

削るときは、答えではなく飾りを削る

文章を短くしたいときに削るのは、答えではなく、飾りの言葉です。「お客様の笑顔のために」「真心を込めて」「地域の皆さまとともに」。こうした言葉は、どの会社にも書けるので、削っても情報は減りません。

逆に、条件、範囲、金額、手順。この4つは、短くしたいときほど残してください。ページが短くなったのに問い合わせで同じことを聞かれるなら、削ったのが答えのほうだった、という合図です。

6. 長くても読まれる組み方

判断に使うページは、ある程度長くなります。長いページを読んでもらうには、文章の上手さより、組み方が効きます。

要点を、各段の最初に置く

長いページを読む人は、上から順に全部を読むわけではありません。目で拾いながら、自分に関係のあるところを探しています。ですから、各段の最初の一文に、その段の結論を書く。最初の一文だけを拾い読みしても、ページ全体の話が分かる状態が理想です。

理由や例は、その後ろに置きます。結論を後ろに置くと、拾い読みする人には伝わりません。

見出しを、ページの地図にする

見出しは、読む人にとってのページの地図です。見出しだけを順に読むと、何がどこに書いてあるかが分かるようにしておきます。見出しが「について」「ご案内」だけだと、地図の役目を果たしません。「料金は、木の高さで決まります」のように、見出し自体に中身を持たせると、拾い読みの助けになります。見出しの付け方は ホームページの「見出し」を、どう付けるか にまとめました。

1つの段落には、1つの話

1つの段落に話を2つ3つ詰めると、どこに何が書いてあるか分からなくなります。段落を分けるのは、話が変わるときです。並べられるものは箇条書きに、比べるものは表に。文章で書くより、形で見せるほうが早く伝わるものは、形にします。

ページの頭に、目次を置く

縦に長いページでは、ページの頭に目次を置くのも手です。目次があると、読む人は自分に要るところだけに飛べます。全部を読ませるのではなく、要るところを選ばせる。長いページを読みやすくするのは、この発想です。

1文の長さや言葉の選び方といった文章そのものの直し方は、別の記事でまとめていますので、ここでは組み方の話にとどめます。

7. 同じことを繰り返さない、スマホで確かめる

文章が長くなる原因のうち、読む人にとっていちばん損なのが、同じことの繰り返しです。そして長さの感じ方は、パソコンとスマートフォンでまったく違います。

同じ説明が、ページごとに出てくる

トップにも、サービスページにも、会社概要にも、同じ会社紹介の文章が載っている。どのページの冒頭にも、同じご挨拶が入っている。こうしたサイトはよくあります。1ページずつ見れば問題ないのですが、続けて読む人にとっては、同じ文章を何度も読まされていることになります。

決め方は単純で、1つの事実には、1つの置き場所を決めることです。会社の沿革は会社概要に、料金の詳しい条件は料金ページに。ほかのページでは要約を一行書き、置き場所へ案内します。こうしておくと、内容が変わったときに直す場所も1つで済みます。

同じページの中の繰り返しも削る

同じページの中で、最初と最後に同じことを書いている場合もあります。「〇〇が強みです」と冒頭で書き、まとめでもう一度同じ言い回しで書く。まとめで繰り返すなら、言い換えるか、次にしてほしい行動に変えるほうが、読む人の役に立ちます。

繰り返してよいものもある

ただし、何でも1回にすればいいわけではありません。電話番号や問い合わせの入口は、繰り返して構いません。読む人が決めた瞬間に、すぐ手の届くところにあるべきものだからです。繰り返さないのは説明の文章で、繰り返してよいのは次の一歩への入口、と分けて考えてください。

スマートフォンでは、同じ文章が長く見える

パソコンの広い画面で読んでちょうどいい長さの文章も、スマートフォンでは縦に何画面分にも伸びます。原稿の長さは、スマートフォンの画面で確かめてください。パソコンで確認していると、ここに気づけません。

スマートフォンで見たときに気をつけたいのは、次のようなところです。

  • 長い段落 ― 画面が文字で埋まり、どこを読んでいるか分からなくなる。段落を短く切る
  • 横に広い表 ― 横にはみ出して読めなくなる。縦に並べ替えて表示する形にする
  • 問い合わせの入口が遠い ― 長いページの最後にしかボタンが無いと、途中で決めた人が探すことになる。途中にも置く
  • 折りたたみの使いすぎ ― よくある質問などで、答えを開かないと見えない形は便利ですが、大事な条件まで畳むと読まれません

スマートフォンで人が離れる原因は スマートフォンで見たときに、人が離れる7つのこと に一覧でまとめました。文章の長さとあわせて、一度ご自分のスマートフォンで確かめてみてください。

8. 雄喜晃の伴走:長さは、ページの役割を決めてから一緒に整えます

私たち雄喜晃は、原稿の長さを「何文字くらいで」とお願いすることはしません。先に、ページごとに読む人が何をしに来ているかを一緒に決め、そのうえで長さを整えます。

私たちがやること

最初のお打ち合わせで、電話や商談でよく聞かれることを伺います。それを、どのページで答えるかに振り分けます。トップに置くのは要約と入口だけ。判断に使うページには、聞かれることへの答えを必要なだけ。深い解説は、別のページへ。

いただいた原稿は、飾りの言葉を削り、条件や範囲が抜けていないかを確かめてから、要点が先に来る形に組み直します。同じ説明が複数のページに出てくる場合は、置き場所を1つに決めて整理します。仕上がりは、スマートフォンの画面で確かめてからお見せします。

公開した後も、問い合わせで同じことを聞かれるようになったら、その答えをページに足します。月5回までの更新代行が月額に含まれているので、こうした小さな書き足しも、ご連絡いただければこちらで反映します。

料金と条件

料金は制作費0円、月額8,800円(税別)からです。6ページ構成にする場合は月額13,800円(税別)です。サーバー、独自ドメイン、SSL、保守は月額に含まれます。

最低契約期間は6ヶ月です。7〜35ヶ月で解約された場合、サイトは非公開になります。36ヶ月以上ご継続いただいた場合は、サイトをお渡しします。

私たちがやらないこと

検索のために、文字数を水増しすることはしません。読む人の問いに答えていない文章は、増やしても役に立たないからです。同じ理由で、どの会社にも当てはまる飾りの言葉で行数を埋めることもしません。検索の順位をお約束することもいたしません。

また、貴社の事実を、こちらで作文して補うこともしません。分からないところは、伺ってから書きます。

「原稿を書いてはみたけれど、長すぎるのか短すぎるのか分からない」という方は、一度ご相談ください。実際にお作りしたサイトは 制作実績、料金と条件は ホームページ制作のページ に載せてあります。神戸市北区鈴蘭台を拠点に、2025年10月6日に設立した会社です。

9. まとめ:長さを決めるのは、文字数ではなく読む人の問い

ホームページの文章の長さで押さえることは、5つです。

  • 文字数を目標にしない ― 決まった文字数の基準は示されていません。長さは答えた結果です
  • トップは短く、入口に徹する ― 要約と、詳しいページへの案内だけで足ります
  • 判断に使うページは、必要なだけ書く ― 電話や商談で聞かれることに、ページの中で答える
  • 削るなら、答えではなく飾りを削る ― 条件・範囲・金額・手順は残す
  • 繰り返さず、スマートフォンで確かめる ― 1つの事実に1つの置き場所。長さはスマホの画面で見る

「長いほうがいい」も「短いほうがいい」も、ページを決めずに語られている限り、どちらも半分だけの答えです。どのページで、誰が、何を決めるのか。そこから考えると、長さは自然に決まります。

今日できることを1つ挙げるなら、先月、電話や商談で聞かれたことを5つ書き出し、それぞれがサイトのどのページで答えられているかを確かめてみてください。答えが見つからないものがあれば、そこが書き足すべき場所です。答えが3か所にも4か所にもあるものは、1つにまとめる場所です。

ぜひ一度、お話を聞かせてください。ページごとの役割を決めるところから、ご一緒します。