1. 「見出しは、デザインの人が決めるものだと思っていました」

中小企業の経営者の方とお話していて、こんな言葉を聞くことがあります。

「本文の原稿は頑張って書いたんです。でも見出しは『会社概要』『サービス』『ご挨拶』くらいしか思いつかなくて。そこは作る人がうまく付けてくれるものだと思っていました」

見出しは、ページの中でいちばん目立つ文字です。それなのに、原稿の中ではいちばん後回しにされがちです。本文を書き終えてから、仕切りの札のように付けて終わる。そういう進め方が多いと思います。

ただ、ホームページを見る人の多くは、本文を頭から順に読みません。まず見出しを拾い読みして、読むかどうかを決めます。見出しが仕切りの札のままだと、拾い読みしても何も分かりません。分からなければ、本文まで降りてきてもらえません。

この記事では、見出しの付け方を、言葉の選び方と並べ方の両面から書きます。トップページの一行目(キャッチコピー)の決め方は トップページの見出しを、どう決めるか にまとめてあるので、ここではページの中に並ぶ見出し全体の話をします。

この記事で書くこと

  • 見出しが、誰にどう読まれているか
  • 「ご挨拶」「サービス」のような箱の名前を、中身に直す方法
  • 見出しの長さと言い回し
  • 大見出し・小見出しの順番を守る理由
  • 1ページに大見出しを1つにする理由
  • 検索結果やAIの回答との関係

2. 見出しは、拾い読みのための道しるべ

先に、見出しが誰にどう読まれているかを見ておきます。読み手は3種類あります。

① スマートフォンで、指で送りながら見る人

スマートフォンでページを見る人は、画面を指で送りながら、目に止まった場所だけを読みます。止まるのは、たいてい見出しです。

見出しを読んで「自分に関係がある」と思えば、その下の本文を読みます。思えなければ、そのまま送ります。見出しは、本文を読んでもらうかどうかの入口です。

② 読み上げ機能で、見出しから見出しへ飛ぶ人

目の不自由な方の中には、画面を声で読み上げる機能でホームページを見ている方がいます。この機能には、見出しだけを順に読み上げて、聞きたいところへ飛ぶ使い方があります。目で拾い読みするのと同じことを、耳でしているわけです。

このとき、見出しとして正しく組まれていない文字は、見た目が大きくても見出しとして扱われません。逆に、見出しになっていても中身が「サービス」の一語だけなら、聞いても行き先の見当がつきません。

③ 検索エンジンとAI

検索エンジンや、AIが答える検索も、ページの内容をつかむ手がかりの一つとして見出しを使っていると説明されています。どこに何が書いてあるかを、見出しの並びから判断しているわけです。

ここは一般論として受け取ってください。見出しを直せば順位が上がる、という話ではありません。ただ、①と②の人に伝わる見出しは、③にとっても読み取りやすい見出しになります。順番は、人が先です。

3. 箱の名前ではなく、中身を書く

ここがこの記事の本題です。見出しを直すときに、いちばん効く直し方は1つです。箱の名前ではなく、箱の中身を書く。

箱の名前とは何か

「ご挨拶」「サービス」「特徴」「会社概要」「について」。これらは、何が入っているかではなく、何の箱かを示す言葉です。引き出しに貼るラベルのようなものです。

ラベルは、どこに何があるかを探すときには役に立ちます。サイトのメニューに並べる言葉としては、これで構いません。ただ、ページの中の見出しとしては足りません。読む人が知りたいのは、引き出しの名前ではなく、開けたら何が分かるかだからです。

中身を書くとは何か

たとえば「当社の特徴」という見出しの下に、「見積もりは現地を見てから、翌日までにお出しします」と書いてあるとします。この場合、見出しをこう直します。

「見積もりは、現地を見た翌日までにお出しします」

本文のいちばん大事な一文を、見出しに上げてくる形です。こうすると、見出しを読んだだけで中身が分かります。本文は、その理由や条件を補う役になります。

「ご挨拶」も同じです。代表の挨拶で言いたいことが「創業から40年、同じ町で配管の修理を続けています」なら、それをそのまま見出しにします。見出しは、その節の結論を一行で言ったものと考えてください。

ページの題名と、中の見出しは役目が違う

1つだけ区別しておきます。ページそのものの題名、たとえば「会社概要」「施工事例」「採用情報」は、箱の名前で構いません。メニューから来た人が、正しいページに着いたと分かることが大事だからです。

直すのは、そのページの中に並ぶ見出しのほうです。「会社概要」のページの中に「沿革」「所在地」と並んでいるのは表の項目なので、そのままで問題ありません。手を入れたいのは、文章のかたまりの頭に付いている見出しです。

表:箱の名前の見出しを、中身を書いた見出しに直す(例はすべて架空)
箱の名前の見出し中身を書いた見出し読む人に起きること
ご挨拶たとえば「創業から40年、同じ町で配管の修理を続けています」どんな会社かが、本文を読む前に一行で分かる
当社の特徴たとえば「見積もりは、現地を見た翌日までにお出しします」「特徴」だけでは中身の見当がつかない。速さが自分に関係あるかを判断できる
サービスたとえば「水漏れ・つまりの修理を、神戸市北区と三田市でお受けしています」何を・どこでが分かり、頼める範囲かをその場で確かめられる
料金についてたとえば「点検は無料、修理は部品代と作業時間で決まります」金額の決まり方が分かり、問い合わせる前の不安が1つ減る
よくある質問たとえば「土日や夜でも、来てもらえますか」質問そのものを見出しにすると、自分の疑問を探しやすい

直し方は、その節の本文でいちばん言いたい一文を、見出しに上げるだけです。中身は、貴社の事実で書いてください。ページの題名やメニューの言葉は、箱の名前のままで構いません。

見出しだけを抜き出して、読んでみる

直せたかどうかの確かめ方は簡単です。ページの見出しだけを、上から順に紙に書き出して読みます。

書き出した見出しを読んで、そのページで何が分かるかが伝わるか。伝わるなら、見出しは役目を果たしています。「ご挨拶/特徴/サービス/お問い合わせ」のように、どの会社のサイトにも当てはまる並びになっていたら、直す場所です。

この確かめ方は、本文の読みやすさを直すときにも使えます。文章そのものの直し方は ホームページの文章を、読みやすく直す にまとめてあります。

4. 見出しの長さと、言い回し

中身を書くと、見出しは長くなりがちです。ここで、長さと言い回しの目安を書いておきます。本文そのものの長さの考え方は ホームページの文章は、長いほうがいいのか に書きました。

スマートフォンで2行に収まるくらい

目安は、スマートフォンの画面で2行に収まるくらいです。3行を超えると、見出しというより本文に見えて、拾い読みの目が止まりません。

収まらないときは、見出しには結論だけを残し、条件や理由は本文に回します。「見積もりは、現地を見た翌日までにお出しします(繁忙期を除く・神戸市内の場合)」なら、かっこの中は本文に書けば十分です。

逆に、一語だけの見出しは短すぎます。「品質」「安心」「実績」のような一語は、箱の名前と同じで、中身が伝わりません。

大事な言葉を、前に置く

拾い読みする人は、見出しを最後まで読まないことがあります。大事な言葉は、見出しの前のほうに置きます。

「当社では、お客様に安心していただくために、見積もりを翌日までにお出ししています」では、肝心の「翌日」が後ろにあります。「見積もりは翌日までに」と前に出すと、一目で伝わります。

同じ形を並べすぎない

1ページの見出しが全部「〜について」で終わっていたり、全部「〜のこだわり」だったりすると、どれも同じに見えます。語尾をそろえる必要はありません。言い切り、問いかけ、数字で始まるもの。中身に合った形で書けば、自然にばらけます。

問いかけの形は、よくある質問のページや、お客様の疑問に答える節で効きます。見出しに「土日でも来てもらえますか」とあれば、同じ疑問を持つ人がそこで止まります。

番号を振るかどうか

手順や段階を書く節では、見出しに番号を振ると、順番が伝わりやすくなります。「1. お問い合わせ」「2. 現地の確認」のような形です。

一方、順番に意味が無い節に番号を振ると、全部読まないといけないような印象になります。順番に意味があるときだけ振ってください。

5. 大見出し・小見出しの順番を守る

ここからは、見出しの並べ方の話です。言葉と同じくらい、並べ方も大事です。

見出しには、段がある

見出しには段があります。本で言えば、章・節・項のような関係です。ホームページでも同じで、大見出し・中見出し・小見出しと段が分かれています。制作会社の人は、これを h1・h2・h3 と呼びます。

大見出しの下に中見出し、中見出しの下に小見出し。上の段の中に、下の段が入る関係です。この入れ子が正しく組まれていると、読み上げで聞く人も、検索エンジンも、ページの骨組みをつかめます。

段を飛ばさない

よくあるのは、大見出しの次に、いきなり小見出しが来る並びです。中見出しが1段抜けています。

見た目には分からないことが多いのですが、読み上げで聞くと、骨組みが途中で崩れて聞こえます。下の段に降りるときは、1段ずつ。上の段に戻るときは、何段戻っても構いません。

見た目の大きさのために、見出しを使わない

いちばん多い崩れ方がこれです。文字を大きく太くしたいだけの場所に、見出しを使っている形です。

電話番号を大きく見せたい。キャンペーンの一文を目立たせたい。強調したい一文を太くしたい。こうした場所を見出しにすると、読み上げでは見出しとして読まれ、骨組みの中に、話の区切りではないものが混ざります。

逆の崩れ方もあります。本当は見出しなのに、太字の段落で書いているだけ、という形です。見た目は見出しに見えても、読み上げや検索エンジンからは、ただの本文に見えます。

見た目の大きさと、見出しかどうかは、別々に決められます。見出しを小さめの文字にすることも、見出しではない文字を大きくすることもできます。制作会社には「ここは見た目だけ大きくしたい」「ここは見出しにしたい」と分けて伝えてください。

図:同じ見た目でも、骨組みは3通りに分かれる(例は架空)
① 順番どおり
大見出し → 中見出し → 小見出し

たとえば、ページの題名「外壁塗装」の下に、中見出し「塗り替えの時期の目安」、その下に小見出し「色あせ」「ひび割れ」。拾い読みでも読み上げでも、骨組みがそのまま伝わります。

見出しだけで、ページの目次になる
② 段を飛ばす
大見出し → 小見出し

中見出しが抜けて、題名の下にいきなり細かい項目が並びます。目で見る分には気づきにくいのですが、読み上げで聞くと、どの話の中の項目なのかが分からなくなります。

見た目は同じでも、骨組みが崩れる
③ 大きさのために使う
電話番号や強調の一文が見出しになっている

目立たせたいだけの文字が見出しとして組まれています。見出しだけを抜き出すと「お電話はこちら」「今だけ」が目次に混ざり、何のページか分かりにくくなります。

目次に、話の区切りではないものが混ざる

3つとも、画面で見ると同じように見えることがあります。違いは、見出しだけを抜き出したときに目次として読めるかどうかです。見た目の大きさは、見出しとは別に決められます。

6. 1ページに、大見出しは1つ

段の話の続きです。いちばん上の段、大見出しの使い方を書いておきます。

大見出しは、そのページの題名

大見出しは、そのページが何のページかを示す題名です。本で言えば、表紙の題名にあたります。

1ページに大見出しが3つも4つもあると、読み上げで聞く人も、検索エンジンも、どれがこのページの題名なのか迷います。仕組みの上では複数置くことも許されていますが、1ページに1つにしておくほうが分かりやすいというのが、私たちの考えです。

よくある2つの崩れ方

1つ目は、全ページで、ロゴや社名が大見出しになっている形です。どのページを開いても、大見出しは「株式会社〇〇」。これでは、ページごとの題名が伝わりません。社名はどのページにも出ますが、題名は各ページの中身にします。

2つ目は、トップページの大見出しが、写真の中の文字だけになっている形です。一行目を画像に描き込んでいると、見出しとしての文字がどこにもありません。トップの一行目は、文字として置き、それを大見出しにします。

大見出しと、検索結果のタイトル

大見出しと、検索結果に表示されるページのタイトルは、別のものです。タイトルはページの裏側に書く情報で、大見出しは画面に出る文字です。

別のものですが、言っていることはそろえてください。検索結果で「外壁塗装の料金」と書かれたタイトルを押して、開いたページの大見出しが「ようこそ」では、正しいページに着いたのか迷います。タイトルの直し方は 検索結果に出ている自社の見え方を、直す にまとめてあります。

7. 検索結果やAIの回答との関係と、点検の手順

最後に、検索やAIとの関係を一般論として整理し、見出しを点検する手順を書きます。

見出しに、言葉を詰め込まない

検索で見つけてほしい言葉を、全部の見出しに入れたくなるかもしれません。「神戸 外壁塗装 安い」を、見出しのたびに繰り返す形です。

これはやめてください。読む人には不自然に見えますし、検索の面でも評価につながるとは考えにくい書き方です。地域名や業種は、中身を書いた結果として自然に入る分だけで十分です。

問いの見出しと、すぐ下の答え

AIが答える検索では、ページの中から、問いと答えの組みを材料にしていると考えられています。どう選んでいるかは公開されていませんが、問いの形の見出しの直後に、1文目で答えを書く形は、人にとっても読みやすい形です。

「土日でも来てもらえますか」という見出しなら、すぐ下の1文目に「土曜日は伺います。日曜日はお休みをいただいています」と書く。理由や条件は、その後に続けます。詳しくは AIが答える検索で、自社を紹介してもらうには に書きました。

サービスのページは、順番と見出しを一緒に決める

見出しは、ページの順番と切り離せません。サービス紹介のページなら、何を・誰に・いくらで・どう進むか、という順番を先に決め、その各段に中身を書いた見出しを付けます。順番の決め方は サービス紹介のページは、どの順番で書けばいいか にまとめてあります。

公開後の更新で、崩れやすい

見出しの骨組みは、公開したときより、あとから社内で書き足したときに崩れやすくなります。お知らせやブログを書く画面には、文字の大きさを選ぶ感覚で見出しの段を選べるボタンがあります。そこで「少し大きくしたい」という理由で段を選ぶと、前の節で書いた崩れ方がそのまま起きます。

社内で書く人がいるなら、決めごとを1つだけ伝えておいてください。「記事の中の見出しは中見出しから始め、その下に小見出しを使う。大きくしたいだけのときは見出しを使わない」。これだけで、更新のたびに骨組みが崩れることはかなり防げます。

点検の手順

自社のサイトの見出しを点検するときは、次の順に進めると迷いません。

  • 見出しの一覧を出してもらう ― 制作会社に、ページごとの見出しを段ごとに一覧で出してもらう
  • 大見出しが1つかを見る ― 全ページで社名になっていないか、画像の中の文字だけになっていないか
  • 段の順番を見る ― 飛んでいる段、大きさのために使われた見出しが無いか
  • 中身を見る ― 見出しだけ読んで、そのページで何が分かるかが伝わるか
  • 長さを見る ― スマートフォンで2行に収まるか、大事な言葉が前にあるか

1〜3は制作会社の仕事、4と5は貴社の事実が要る仕事です。中身の言葉は、貴社にしか書けません。ただ、本文をすでに書いているなら、見出しの材料はその中にあります。

8. 雄喜晃の伴走:見出しは、原稿の段階から一緒に付けます

私たち雄喜晃のホームページ制作では、見出しを、本文を書き終えたあとの仕切りの札にはしません。原稿を組み立てる段階から、各節で何を言いたいかを伺い、それを見出しにします。

私たちがやること

お預かりした原稿や、お打ち合わせで伺ったお話から、各節のいちばん言いたい一文を拾い、中身を書いた見出しに直します。ページごとに大見出しを1つにし、中見出し・小見出しの段を順番どおりに組みます。見た目だけ大きくしたい箇所は、見出しとは分けて組みます。

公開前には、全ページの見出しだけを抜き出した一覧をお見せします。その一覧を読んで中身が伝わるかを、一緒に確かめてからお渡しします。公開後の見出しの書き換えも、月5回までの更新代行が月額に含まれているので、ご連絡いただければこちらで反映します。

料金と条件

料金は制作費0円、月額8,800円(税別)からです。6ページ構成のプランは月額13,800円(税別)です。サーバー、独自ドメイン、SSL、保守はすべて月額に含まれます。

最低契約期間は6ヶ月です。7〜35ヶ月で解約された場合、サイトは非公開になります。36ヶ月以上ご継続いただいた場合は、サイトをお渡しします。

私たちがやらないこと

先に書いておきます。貴社の事実に無いことを、見出しのために作文することはしません。「業界最安」「地域No.1」のような、根拠を示せない言葉で見出しを飾ることもしません。

また、検索されたい言葉を見出しに詰め込むことはしません。見出しを直すことで、検索の順位が上がる、問い合わせが増えるとお約束することもいたしません。

実際にお作りしたサイトは 制作実績、料金と条件は ホームページ制作のページ に載せてあります。神戸市北区鈴蘭台を拠点に、2025年10月から活動しています。

「本文は書けたのに、見出しがいつも『サービス』『ご挨拶』で止まってしまう」という方は、一度ご相談ください。

9. まとめ:見出しだけで、ページの目次になる

ホームページの見出しで押さえることは、5つです。

  • 箱の名前ではなく、中身を書く ― その節でいちばん言いたい一文を、見出しに上げる
  • 見出しだけを抜き出して読む ― 目次として読んで、ページの中身が伝わるかを確かめる
  • スマートフォンで2行、大事な言葉は前 ― 長い条件は本文に回す
  • 段の順番を守り、大きさのために使わない ― 見た目の大きさと見出しかどうかは、別々に決められる
  • 大見出しは1ページに1つ ― そのページの題名にし、検索結果のタイトルとそろえる

見出しは、デザインの飾りではなく、読む人がページの中で迷わないための道しるべです。そして中身の言葉は、貴社の事実を知っている人にしか書けません。

まずは今日、自社のトップページの見出しだけを、上から順に紙に書き出してみてください。並んだ言葉を読んで、何の会社か、何が分かるページかが伝わるか。それだけで、直す場所が見えてきます。

ぜひ一度、お話を聞かせてください。貴社のページの見出しを、中身の伝わる言葉にするところから、ご一緒します。