1. 「パートさんの募集は、媒体と貼り紙だけでやってきました」

中小企業の経営者の方とお話していて、こんな言葉をよく聞きます。

「パートさんの募集は、ずっと求人の媒体と店の貼り紙だけでやってきたんです。サイトの採用ページは社員向けのしかなくて。パートの募集もサイトに載せたほうがいいんでしょうか。載せるとしたら、何を書けばいいのか」

店舗、工場、清掃、介護、配送の仕分け。パートやアルバイトの方に支えられている職場は、とても多いと思います。そして、その募集は社員の採用とは別のやり方で回っていることがほとんどです。

ただ、応募を考えている人の動きは、社員の場合と大きくは変わりません。媒体や貼り紙で知って、応募する前に、会社名や店名で検索して確かめます。そのとき、パートの情報がどこにも無いと、確かめる材料がないまま判断することになります。

この記事で書くこと

  • パート・アルバイトの応募で、迷うところ
  • 応募を迷う人が知りたい5つのこと
  • 最初の1週間を、日ごとに書く方法
  • 時給や条件の書き方(金額ではなく、書き方の話)
  • 電話・フォーム・LINEの入口、写真、求人媒体との役割分担

社員を含めた採用ページ全体の考え方は 採用のためのホームページ ― 求人媒体との役割分担 にまとめました。この記事は、そのうちパート・アルバイトの募集だけに絞った話です。

2. パート・アルバイトの応募は、迷うところが違う

社員の応募で迷われるのは、仕事の中身や将来のことが中心です。パート・アルバイトの場合は、少し違います。

暮らしの中に、仕事を入れられるか

パートやアルバイトを探している人の多くは、ほかにも大事な予定を抱えています。子育て、家族の介護、学校、本業、通院。仕事は、その予定のすき間に入れるものです。

ですから、いちばん確かめたいのは「この仕事は、自分の暮らしの中に入るか」です。何曜日の何時から何時まで働けるのか。予定が変わったときに融通がきくのか。時給の高さより先に、続けられるかどうかを見ています。

応募する人の顔ぶれが、幅広い

子育て中の方、学生、定年を迎えた方、ほかに仕事を持っている方。人によって、気にしていることがまったく違います。

子育て中の方は急な休みの扱いを、学生はテスト期間のことを、定年を迎えた方は体力的に続けられるかを気にしています。どの人に来てほしいのかを先に決めておくと、ページの中で何を先に書くかが決まります。

社員向けのページとは、分けておく

社員とパートの募集を1つの文章にまとめると、どちらの人にも読みにくくなります。「キャリアアップ」「正社員登用」が並んでいる横に、「週2日から」と書いてあると、パートを探している人は自分向けの募集かどうか迷います。

採用ページの中で、パート・アルバイトの段を別にするか、1ページ別に作ってください。メニューや採用ページの最初で「正社員」「パート・アルバイト」を選べるようにしておくと、迷いが減ります。

3. 応募を迷う人が知りたい5つのこと

ここからが本題です。パート・アルバイトのページに書くことを、迷う人の質問の形で並べます。

① シフトは、どう決まるのか

最初に確かめられるのは、シフトの決め方です。「シフト制」と書くだけでは、何も分かりません。書いてほしいのは決まり方です。

  • 希望は、いつ、どの方法で出すのか(たとえば「2週間ごとに紙で」)
  • 曜日と時間が固定なのか、毎回変わるのか
  • 週に何日から、1日何時間から働けるのか
  • 人が足りない日に、入ってほしいと頼まれることはあるか

最後の項目は書きにくいかもしれません。ただ、あとから知るより、先に知っているほうが続きます。「繁忙期には、追加で入っていただけないかご相談することがあります。お断りいただいてもかまいません」。こう書いてあれば、読む人は自分の都合で判断できます。

② 扶養の範囲で働けるか

家族の扶養の範囲で働きたい、という方は少なくありません。そういう方が確かめたいのは、働く時間や日数を調整してもらえるかどうかです。

ここで、制度の中身をページに書く必要はありません。制度は変わることがありますし、人によって当てはまる条件が違います。書くのは、会社としてどう対応するかです。

  • 扶養の範囲で働きたい方の、時間や日数の相談に応じるか
  • 年の途中で、働く時間を調整できるか
  • 面接のときに相談してかまわないか

そのうえで、「制度の詳しい内容は、公的な案内でご確認ください」と一文添えておきます。会社が制度の解説をすると、間違ったときに応募した方が困ります。詳しく知りたい方は、所管の窓口や専門家に確認するよう案内してください。

③ 急に休むことになったら

子どもの発熱、家族の通院、学校の行事。急な休みが取れるかどうかは、特に子育て中の方がいちばん気にしているところです。

書くのは、休むときの手順です。何時までに、誰に、どの方法で連絡するのか。代わりの人は誰が探すのか。本人が代わりを探さなくていいなら、それをはっきり書いてください。それだけで安心する人がいます。

「急なお休みも大丈夫です」とだけ書くのは控えてください。実際に休んだときに気まずい空気になると、言葉と違ったという受け取り方をされます。約束できる手順だけを書きます。

④ 服装・持ち物・身だしなみ

意外に多いのが、服装の質問です。制服があるのか、私服ならどこまでいいのか。髪の色、ネイル、アクセサリー。靴は自分で用意するのか。

工場や厨房、介護の現場では、安全や衛生のための決まりがあるはずです。決まりがあるなら、理由と一緒に書きます。「食品を扱うため、ネイルはお控えいただいています」。理由があると、決まりが厳しくても納得されます。

⑤ 最初の1週間は、どう過ごすのか

最後が、最初の1週間です。初めての職場で、何をさせられるのか分からないのは不安です。特にブランクのある方や、その仕事が初めての方にとっては、最初の数日がいちばん大きな壁です。ここは次の節で詳しく書きます。

4. 最初の1週間を、日ごとに書く

最初の1週間を、日ごとに書いておくと、応募を迷っている人は働き始めた自分を思い浮かべられます。立派な研修制度でなくてかまいません。実際にやっていることを、順番に書くだけです。

図:最初の1週間を、日ごとに書いた例(例は架空。職場に合わせて書き換えてください)
① 初日:職場の案内と、書類の手続き

たとえば、ロッカーと休憩室の場所、タイムカードの押し方、トイレや非常口を案内します。仕事に入るのは短い時間だけで、早めに終わることを書いておきます。

書いておくと安心されること:初日の持ち物、集合時間、最初に誰が迎えるか
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② 2〜3日目:先輩の横で、見て覚える

たとえば、決まった先輩の隣について、1つの作業だけを繰り返します。いきなり全部を覚えなくていいことを、はっきり書きます。

書いておくと安心されること:誰に教わるか、質問していい相手は誰か
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③ 4〜5日目:1つの作業を、自分で担当する

たとえば、品出しだけ、検品だけ、決まった部屋の清掃だけ、のように範囲を区切って任せます。分からないときは、そばにいる人に聞ける状態にしておきます。

ここで「できた」と感じてもらえるかで、続くかどうかが変わります
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④ 1週間後:振り返りの時間

たとえば、責任者と短い時間話して、困っていることやシフトの希望を聞きます。合わないと感じたときに、言い出せる場があることを書いておきます。

書いておくと安心されること:次に覚える作業の順番と、目安の期間

中身は職場によってまったく違います。大事なのは、実際にやっていることだけを、順番に書くことです。やっていない研修を書くと、入ってから話が違うと受け取られます。

書くのは、やっていることだけ

ここで注意したいのは、理想の研修を書かないことです。「丁寧な研修があります」と書いて、実際には初日から一人で現場に立つことになると、早く辞めてしまう原因になります。

いまの教え方がしっかり決まっていないなら、この機会に決めてください。初日に誰が迎えるか、最初の数日は誰の横につくか。それだけ決まれば、ページに書けます。

現場の人に、聞いて書く

最初の1週間の流れは、経営者より現場で新しい人を迎えている人のほうがよく知っています。実際に教えている人に、初日に何をしているかを聞いてください。

先に入ったパートの方に「最初の週に困ったこと」を聞くのも役に立ちます。そこで出てきた困りごとに、ページの中で先に答えておけます。

5. 時給と条件の書き方

時給や条件は、求人の中心です。ただし、ここでは具体的な金額ではなく、書き方の話をします。金額は地域や職種、時期で変わりますし、決めるのは貴社です。

金額だけでなく、決まり方を添える

時給を書くときは、何によって金額が変わるのかを添えます。経験の有無、時間帯、曜日、資格。「早朝と夜間は時給が上がります」「資格をお持ちの方は手当があります」のように、条件ごとに書きます。

幅で書く場合は、始めたときにいくらになる人が多いのかも書いてください。幅の上のほうだけが目に入ると、入ってから「思っていたより低かった」と感じさせてしまいます。

「〜可」「応相談」は、中身を書く

「シフト自由」「週1日から可」「時間応相談」。よく見る書き方ですが、読む人によって受け取り方が違います。「自由」が、本当に毎週好きな日を選べるという意味なのか、相談には乗るという意味なのか。中身を書いてください。

表:よくある書き方を、迷わせない書き方に直す(例はすべて架空)
よくある書き方直した書き方直した理由
シフト自由たとえば「2週間ごとに、働ける曜日と時間を出していただきます。土日のどちらかは入っていただけると助かります」「自由」の範囲が人によって違って読まれる。決まり方とお願いを分けて書く
扶養内OKたとえば「扶養の範囲で働きたい方は、面接のときにご相談ください。働く時間や日数を一緒に決めます」会社ができるのは時間の調整。制度の説明は公的な案内に任せる
急な休みもOKたとえば「お休みの連絡は、当日の朝までに店長へ電話でお願いします。代わりの人はこちらで探します」「OK」は約束にならない。手順を書くと、休むときの姿が想像できる
未経験歓迎たとえば「最初の1週間は、決まった先輩の隣で1つの作業から始めます」歓迎の言葉より、どう教わるかのほうが安心につながる
服装自由たとえば「上着とエプロンは貸し出します。動きやすいズボンと、滑りにくい靴でお越しください」自由の範囲が分からないと、初日に迷う。用意するものを具体的に

左の書き方は、どれも悪気のない言葉です。ただ、読む人によって意味が変わります。真ん中のように、決まり方と手順で書くと、入ってからの「話が違う」が減ります。中身は、貴社で実際にやっていることで書いてください。

交通費、まかない、貸し出すもの

時給以外の条件も、パートの方にとっては大事な判断材料です。交通費が出るか、上限はあるか。まかないや社員割引はあるか。制服や道具は貸し出すのか。小さなことでも、書いてあると比べる材料になります。

求人の書き方には、ルールがある

求人の内容には、書き方のルールがあります。条件を実際より良く見せる書き方や、応募できる人を一部の人に限るような書き方には、気をつける必要があります。業種や雇い方によって違うので、所管の窓口や専門家に確認してください。迷ったときは、事実だけを書くのがいちばん安全です。

6. 応募のしやすさ:電話・フォーム・LINE

ページを読んで「応募してみよう」と思った人が、そこで止まらないようにします。

入口は、2つまでに絞る

電話、フォーム、メール、LINE。入口が多いほど応募しやすくなる、とは限りません。受ける側が全部を同じ早さで返せないなら、かえって返事が遅れます。

目安は2つまでです。たとえば「電話とフォーム」「電話とLINE」。どれを選ぶかは、来てほしい人がふだん何を使っているかと、受ける側が誰か、で決めてください。

フォームは、聞くことを最小限に

パートの応募フォームで、履歴書と同じ項目を全部聞く必要はありません。最初の連絡で要るのは、名前、連絡先、働きたい曜日と時間帯くらいです。詳しいことは面接で聞けます。

項目を増やすほど、スマートフォンで入力している途中で止まる人が出ます。項目の減らし方は 問い合わせフォームの項目は、いくつまで減らせるか にまとめてあります。

LINEで受けるなら、返す人を決めてから

LINEは、ふだん使い慣れている人には応募のハードルが低い入口です。ただ、誰が、いつまでに返すかを決めないまま始めると、返事が止まります。営業時間外に届いたメッセージをどう扱うかも、先に決めておきます。サイトとのつなぎ方は LINEで問い合わせを受けるとき、ホームページとどうつなぐか に書きました。

電話なら、受付時間と「何と言えばいいか」

電話で受けるなら、受付時間と、電話に出る人を書きます。お店の忙しい時間に電話をかけて、慌ただしく対応されると、応募する気持ちがしぼみます。

「お電話の際は『ホームページの求人を見て』とお伝えください」と一文添えておくと、かける側も何と言えばいいか迷いません。

応募のあとに何が起きるか

どの入口でも、応募したあとの流れを書いておきます。何日以内に連絡があるか。面接はどこで、どれくらいの時間か。履歴書は要るのか。見学だけでもできるのか。

「まずは見学だけでもかまいません」と書ける職場なら、ぜひ書いてください。いきなり応募するのは重いと感じている人にとって、見学はちょうどいい一歩になります。

7. 写真と、求人媒体との役割分担

写真は、働く場所と、手元

パートの募集で効く写真は、働く場所と、作業している手元です。売り場、作業台、休憩室、ロッカー。働き始めたら毎日見る景色を見せます。

働いている人の顔を載せる場合は、本人の同意を取ってください。顔を出したくない人もいます。手元や後ろ姿だけでも、職場の空気は伝わります。

先に働いているパートの方の短い一言を添えるのも効きます。「子どもが小学生のうちは、週3日の午前だけで続けています」のような、本人の言葉です。作文はせず、聞いた言葉をそのまま使ってください。聞き方は 採用ページの「社員インタビュー」を、どう作るか が、パートの方にもそのまま使えます。

媒体は出会う場所、サイトは確かめる場所

求人媒体と自社のサイトは、役割が違います。媒体は知ってもらう場所で、サイトは確かめてもらう場所です。

  • 媒体 ― 条件の要点を載せ、「職場の様子は、ホームページでご覧いただけます」とURLを添える
  • サイト ― 媒体の枠に入りきらない、シフトの決め方、最初の1週間、急な休みの手順、写真を載せる
  • 店頭の貼り紙 ― 募集していることと、詳しくはサイトへ、と伝える。QRコードを添える

大事なのは、媒体とサイトで条件が食い違わないことです。時給や勤務時間を変えたら、両方を同じ日に直してください。食い違いがあると、どちらが正しいのか分からず、応募をやめてしまいます。

募集していない期間の、ページの扱い

媒体の掲載は期限が来ると消えますが、サイトは残ります。だからこそ、募集を締め切ったら、ページにそう書いてください。終わった募集が残っていると、応募した人をがっかりさせます。

「現在、パート・アルバイトの募集は行っていません。次の募集はこのページでお知らせします」と書いておけば、ページは残せます。次に募集するときは、ここを書き換えるだけで済みます。

手を付ける順番

  • 今週 ― 先に働いているパートの方に、応募するとき迷ったことと、最初の週に困ったことを聞く
  • 今月 ― シフトの決め方、急な休みの手順、最初の1週間を書き出し、1ページにまとめる
  • 次の募集から ― 媒体と貼り紙にサイトのURLを入れ、条件を変えたら両方を同じ日に直す

8. 雄喜晃の伴走:パートの方の募集も、1ページから作れます

私たちがやること

私たち雄喜晃は、パート・アルバイトの募集ページを作るとき、まずいまどんな方が働いていて、どんな方に来てほしいかを伺います。そのうえで、シフトの決め方、急な休みの手順、最初の1週間、服装の決まりを、貴社で実際にやっていることから書き起こします。

写真は、貴社で撮っていただいたものを、整えて載せます。応募の入口を電話・フォーム・LINEのどれにするかも、受ける方の体制を伺ってから決めます。

料金と条件

料金は制作費0円、月額8,800円(税別)からです。6ページ構成のプランは月額13,800円(税別)です。サーバー、独自ドメイン、SSL、保守は月額に含まれます。月5回までの更新代行も同じ月額の中なので、募集を始めたときや締め切ったとき、時給を変えたときの書き換えも、ご連絡いただければこちらで反映します。

最低契約期間は6ヶ月です。7〜35ヶ月で解約された場合、サイトは非公開になります。36ヶ月以上ご継続いただいた場合は、サイトをお渡しします。

私たちがやらないこと

時給や勤務の条件そのものを、私たちが決めることはしません。条件は経営の判断です。扶養や社会保険など制度の中身について、私たちから判断をお伝えすることもしません。そこは公的な案内や専門家にご確認ください。

また、実際にはやっていない研修や、作文した働く人の声を載せることはいたしません。応募の数をお約束することもしません。

「パートさんの募集が、いつも媒体頼みになっている」という方は、一度ご相談ください。実際にお作りしたサイトは 制作実績、料金と条件は ホームページ制作のページ に載せてあります。神戸市北区鈴蘭台を拠点に、2025年10月から活動しています。

9. まとめ:時給より先に、続けられる姿を見せる

パート・アルバイトの募集ページで押さえることは、5つです。

  • 社員向けのページと分ける ― 同じ文章に混ぜると、自分向けかどうか迷われる
  • 暮らしとの両立に答える ― シフトの決め方、扶養の範囲での相談、急な休みの手順、服装を、決まり方と手順で書く
  • 最初の1週間を、日ごとに書く ― 実際にやっていることだけを、順番に
  • 時給は、決まり方と一緒に ― 「〜可」「応相談」は中身を書く。制度の解説はしない
  • 入口は2つまで、媒体とは役割を分ける ― 媒体で知ってもらい、サイトで確かめてもらう

パートやアルバイトを探している人は、時給の高さより先に、自分の暮らしの中で続けられるかどうかを見ています。その答えがページにあれば、迷っていた人が一歩を踏み出しやすくなります。

今日できることを1つだけ挙げます。いま働いているパートの方に、「応募する前に、何がいちばん不安でしたか」と聞いてみてください。その答えが、ページのいちばん上に書くことです。

ぜひ一度、お話を聞かせてください。貴社の職場で働く姿が伝わる募集ページを、一緒に作るところからご一緒します。