1. 「会社向けの話と、仕事を探す人向けの話が混ざっていて」

地域で人材派遣や人材紹介をしている会社の経営者の方とお話していて、こんな言葉をよく聞きます。

「うちのサイト、会社さん向けの案内と、お仕事を探している方向けの案内が、トップページで一緒になっているんです。どっちから見ても分かりにくいと言われて。派遣と紹介の違いも、たぶん伝わっていないと思います」

人材の仕事をしている会社のサイトには、ほかの業種にはない難しさがあります。見に来る人が2種類いて、しかも扱っている仕事も2種類あるということです。

見に来るのは、人を探している会社の人と、仕事を探している人です。扱う仕事は、人材派遣と人材紹介です。派遣は、貴社が雇った人に、相手の会社で働いてもらう形です。紹介は、相手の会社が直接雇う人を探して、引き合わせる形です。

つまり、サイトの中には「会社向けの派遣」「会社向けの紹介」「働く人向けの派遣」「働く人向けの紹介」の4つの話があります。これが1つのページに混ざると、読む人は自分に関係のある話を探しきれません。

この記事では、地域で派遣や紹介をしている会社が、サイトのどこに何を置くかを順に書きます。

この記事で書くこと

  • 人を探す会社と、仕事を探す人の入口を分ける
  • 会社向けに、対応できる職種・地域・期間を書く
  • 依頼から人が来るまでの流れと、料金の考え方
  • 働く人向けに、登録の流れ・仕事の例・面談の場所・相談できること
  • 許可の表示や求人の書き方で、確かめておくこと

2. 4つの話を、入口で分ける

最初に決めるのは、トップページの入口です。人を探している会社と、仕事を探している人の入口を、最初の画面の近くで分けてください。そのうえで、それぞれの入口の中で、派遣と紹介の話を分けます。

同じ言葉が、相手によって違う意味になる

入口を分ける理由は、読む人が違うからだけではありません。同じ言葉が、相手によって違う意味に読まれるからです。

たとえば「すぐにご紹介できます」と書いたとします。会社の人は「すぐに人が来てくれる」と読みます。仕事を探している人は「すぐに仕事が見つかる」と読みます。どちらも嘘ではなくても、同じ一文で両方に約束することになります。

個人と法人の両方を相手にする会社が入口を分ける考え方は、個人のお客様と法人のお客様、両方を相手にする会社のホームページ にまとめました。発注する会社と働く人とで入口を分ける作り方は、警備会社のホームページに、何を載せるか でも書いています。人材の会社の場合は、そこに派遣と紹介の区別が重なります。

表:入口ごとに、派遣と紹介で書くことを分ける(例はたとえばの書き方です)
入口人材派遣で書くこと人材紹介で書くこと
人を探している会社対応できる職種・地域・期間、依頼から人が来るまでの日数の目安、時間あたりの料金の決まり方、合わなかったときの扱い紹介できる職種と地域、面接から採用までの流れ、採用が決まったときだけ費用がかかるのかどうか、手数料の決まり方
仕事を探している人登録の流れ、今ある仕事の例、雇用の形(貴社に雇われて働くこと)、給与の支払い方、働き始めてからの相談先相談から紹介までの流れ、相手の会社に直接雇われること、費用の扱い、紹介を断ってもよいか

派遣だけ、紹介だけを扱っている会社は、表の片方の列だけで足ります。両方を扱っているなら、入口を2つに分けたうえで、それぞれの中で「派遣」「紹介」の見出しを立てると迷われません。どちらの入口からも、会社の情報と許可の表示には1回でたどり着けるようにしておきます。

どちらの入口を大きくするか

どちらを大きく置くかは、今の課題で決めます。登録してくれる人が足りないなら働く人の入口を、取引先を増やしたいなら会社の入口を大きくします。人材の会社は、季節や景気で足りないほうが入れ替わります。半年後に入れ替えられる作りにしておくと、作り直さずに済みます。

3. 会社向け:職種・地域・期間を書く

人を探している会社の担当者が最初に確かめるのは、自分の会社が探している人を、この会社が出せるかどうかです。ここが分からないと、問い合わせの前で止まります。

職種は、仕事の名前で並べる

「各種職種に対応」とまとめず、実際によく受けている職種を、仕事の名前で並べます。

  • 事務の仕事 ― たとえば一般事務、受付、データの入力、経理の補助
  • 工場や倉庫の仕事 ― たとえば製造の工程、検品や梱包、仕分け、フォークリフトを使う作業
  • 販売や接客の仕事 ― たとえば店頭の販売、催事の応援、コールセンター
  • 専門の資格が要る仕事 ― 扱っているなら、どの資格の人を出せるか

読む人は、自分の会社で足りていない仕事の名前を探しています。受けていない職種は、受けていないと書くほうが、合わない問い合わせが減ります。

なお、派遣という形では受けられない仕事もあります。どの仕事が当たるかは、事業の形によって確かめ方が違うので、所管の窓口や専門家に確認したうえで、受けられる範囲を書いてください。

地域は、市町村の名前と、働く人の住まいで

地域の会社の強みは、近くに住んでいる人を出せることです。「〇〇県全域」と書くより、登録している人が多い市町村や、よく人を送っている地域の名前を並べるほうが伝わります。

「この地域なら、通勤30分ほどの方をご紹介しやすいです」のように、働く人の通勤の目安で書くのも1つの方法です。数字は、貴社の実際の登録の状況で書いてください。

期間と人数を、幅で書く

会社の担当者は、どのくらいの期間、何人まで頼めるかを気にします。

  • 期間 ― 長く働いてもらう形か、繁忙期だけの短い形か、1日だけの応援を受けるか
  • 人数 ― 1名から受けるか、まとまった人数のときは何日前までに相談してほしいか
  • 働く時間帯 ― 日中だけか、夜や土日の仕事も受けるか

人数は、実際に出せた規模で書きます。出したことのない人数を出せるように見せないことが、いちばん大事です。

4. 会社向け:依頼から人が来るまでと、料金の考え方

派遣と紹介で、流れが違うことを書く

会社の担当者が意外と知らないのが、派遣と紹介とで、誰が人を決めるかが違うということです。

派遣では、貴社が雇っている人の中から、仕事に合う人を選んで送ります。紹介では、貴社が候補の人を引き合わせ、相手の会社が面接をして、採用するかどうかを決めます。この違いが分かっていないと、「面接はいつですか」「いつから来てもらえますか」の話がかみ合いません。

サイトには、それぞれの流れを短く書きます。

  • 派遣の流れ ― ご相談(仕事の中身・期間・人数・時間帯)、仕事の条件のすり合わせ、人選、働き始め、働き始めてからの様子の確認
  • 紹介の流れ ― ご相談(求める人の経験・条件)、候補の方のご紹介、面接、採用の決定、入社
  • 日数の目安 ― ご相談から人が来るまで、または候補の方をご紹介するまでの目安を、貴社の実際の日数で書く

合わなかったとき、辞めたときの扱い

会社の担当者がもう1つ気にするのは、来てもらった人が合わなかったとき、どうなるかです。

派遣なら、交代の相談をどう受けるか。紹介なら、入社してすぐに辞めてしまった場合に、手数料の扱いがどうなるか。決めている扱いがあるなら、その考え方だけでも書いておくと、相談のハードルが下がります。細かい条件は契約で決めることなので、サイトには「こういう場合の扱いを、契約の前にご説明します」と書く形で構いません。

料金は、金額より決まり方を書く

料金の書き方も、派遣と紹介で違います。

  • 派遣 ― 働いた時間をもとに料金を決める形があります。職種、経験、時間帯、期間、人数で変わるので、何で決まるかを並べます
  • 紹介 ― 採用が決まったときに手数料をいただく形があります。採用が決まらなければ費用がかからないのか、手数料は何をもとに決まるのかを書きます

紹介の手数料の決め方や示し方には、業としての決まりがあります。何をどこまで示す必要があるかは、所管の窓口や専門家に確認してください。この記事では決まりの中身は書きません。

金額を出せる場合は、条件を添えて幅で書きます。たとえば「事務の仕事で、日中の時間帯の場合は、1時間あたり〇円から〇円が目安です」のような形です。数字は貴社の実際のもので書いてください。出せない場合でも、「お見積もりは、職種・時間帯・期間をお聞きしたうえで、その日のうちに目安をお伝えします」のように、いつ分かるかを書くだけで、問い合わせは入りやすくなります。

5. 働く人向け:登録の流れと、面談の場所

ここからは、もう1つの入口です。仕事を探している人が、登録や相談の前に確かめていることを書きます。

「登録」が何をすることなのかを書く

初めての人にとって、「登録」という言葉は、何をされるのか分からない言葉です。登録したらすぐに働かされるのではないか、断れないのではないか、と身構える人もいます。

登録とは何をすることで、登録したあとに何が起きるのかを、順番に書きます。登録しても、紹介された仕事を断ってよいなら、そう書いてください。

図:登録の申し込みから働き始めるまでを、働く人がすることで書く(例は架空)
① 登録のお申し込み

フォームか電話で、お名前と連絡先、希望の働き方を伺います。この時点で、経歴をくわしく書く必要はありません。

働く人がすること:面談の希望日を、2〜3日選んで伝える
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② 面談(来社かオンライン)

これまでの仕事、働ける曜日と時間、通勤できる範囲を伺います。持ち物と、かかる時間の目安を先にお伝えします。

働く人がすること:本人確認の書類など、案内された持ち物を用意する
▼
③ お仕事のご紹介

条件に合う仕事があれば、仕事の中身、場所、時間、時給をお伝えします。合わないと感じたら、お断りいただいて構いません。

断ってよいことは、サイトに一行書いておくと登録の不安が減ります
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④ 働き始めてから

働き始めてからも、担当者が様子を伺います。職場で困ったことは、担当者に相談できます。

働く人がすること:困ったことがあれば、早めに担当者に伝える

各段の中身は、貴社の実際の進め方で書いてください。読む人が知りたいのは、社内の手続きではなく、自分がいつ何をすればいいかです。紹介の相談も受けているなら、③の「お仕事のご紹介」が「求人のご紹介と面接の調整」に変わることを、別の見出しで書き分けます。

面談の場所と、行き方を具体的に

面談に来てもらう会社なら、どこに、どうやって行けばいいかを書きます。

  • 住所と、最寄りの駅やバス停からの道順 ― ビルの何階か、入口がどこか
  • 駐車場や駐輪場 ― 車や自転車で来てよいか
  • かかる時間と持ち物 ― 何分くらいか、何を持っていけばいいか
  • 服装 ― ふだんの服でよいなら、そう書きます。迷う人が多いところです
  • 来社以外の方法 ― オンラインや電話で面談できるか、出張して登録の相談会をしているか

建物の入口の写真が1枚あるだけでも、迷う人が減ります。

相談できることを、先に並べる

仕事を探している人の中には、こんなことを相談していいのかと迷っている人が少なくありません。受けている相談を、先に並べておきます。

  • 長く働いていなかった期間があっても、相談できるか
  • 週に何日、1日何時間からなら紹介してもらえるか
  • 子どもの送り迎えや家族の介護に合わせた働き方を相談できるか
  • 派遣で働くか、直接雇われる仕事を探すか、迷っている段階でもよいか
  • 働き始めた職場が合わなかったとき、誰に言えばいいか

実際に受けていない相談は、書かないでください。並べた相談のうち、よく聞かれるものは 「よくある質問」を作ると、電話の本数が変わる の考え方で、質問と答えの形にしておくと、電話で同じ説明を繰り返す時間が減ります。

6. 働く人向け:仕事の例は、事実だけで書く

今ある仕事の例を、条件まで書く

仕事を探している人は、どんな仕事が、どんな条件で出ているかを見て、登録するかどうかを決めます。仕事の例を載せるなら、次の項目をそろえます。

  • 仕事の中身 ― 何をする仕事か。立ち仕事か、座り仕事か
  • 場所 ― 市町村と、最寄りの駅。通勤の手段
  • 時間と日数 ― 何時から何時まで、週に何日
  • 時給と、交通費の扱い ― 実際に出している金額で
  • 期間 ― 長く働く仕事か、期間が決まっている仕事か

求人の中身は、事実だけで書いてください。実際より良く見せた条件で人が来ても、働き始めてから「聞いていた話と違う」となり、続きません。そして、その人はもう登録してくれません。

終わった募集を、残したままにしない

人材の会社のサイトでいちばん多いのは、もう人が決まった仕事が、募集中のまま残っていることです。見た人が問い合わせて「その仕事は終わりました」と言われると、ほかの仕事の情報まで信じてもらえなくなります。

仕事の例を載せるなら、誰がいつ更新するかを決めておきます。更新が追いつかないなら、個別の求人を並べるのではなく、「最近多いお仕事の例」として職種と条件の幅を載せる形にするほうが、古くなりにくくなります。

求人の情報の示し方そのものにも、業としての決まりがあります。正しく、今の内容で示すことを含めて、何が求められるかは所管の窓口や専門家に確認してください。

自社の社員の募集とは、分けて置く

人材の会社は、登録して働く人の募集と、自社で働く社員の募集の2つを抱えていることがあります。営業や、働く人の担当をする社員の募集です。

この2つが同じ「求人」の欄に並ぶと、読む人が混乱します。自社の社員の募集は、会社の情報の近くに「採用情報」として別に置いてください。採用のページの作り方は 採用のためのホームページ ― 求人媒体との役割分担 に、短い時間で働く人向けの書き方は パート・アルバイト募集のページを、どう作るか にまとめました。

7. 許可の表示と、会社の情報

許可の番号などは、所管の窓口に確認して載せる

派遣や紹介を業として行うには、許可などの手続きが要ります。会社の担当者も、働く人も、許可を受けている会社かどうかを、サイトで確かめることがあります。

許可の番号の示し方、どこに表示するか、ほかに公開しておく情報があるか。こうした中身は、派遣か紹介か、事業の形によって扱いが違うことがあるので、所管の窓口(都道府県の労働局など)や専門家に確認してください。この記事では、決まりの中身そのものは書きません。

確かめたうえで、会社の情報のページにまとめて載せ、どのページからも1回で開けるようにしておきます。許可の更新や、事業所の移転があったときに直し忘れないよう、許可に関わる情報を載せた場所を一覧にして残しておくと安心です。サイトのほか、パンフレットや求人の掲載先にも同じ番号が載っていることが多いからです。資格や許認可の載せ方、更新のときの直し方は 資格・許認可・受賞歴を、ホームページにどう載せるか に書きました。

担当者の顔が見えるようにする

人材の会社は、担当者との相性で選ばれることの多い仕事です。

担当者の名前と、どの地域や職種を受け持っているか、ひとこと添えるだけでも違います。写真を載せるかどうかは、本人の了解を取ってから決めてください。担当者が辞めたときに、名前を消し忘れないことも大事です。

8. 雄喜晃の伴走:4つの話を、入口から整理します

私たち雄喜晃は、人材派遣や人材紹介の会社のサイトを作るとき、最初に「今、増やしたいのは取引先か、登録してくれる人か」を伺うところから始めます。その答えで、トップページのどちらの入口を大きくするかが決まるからです。

私たちがやること

  • 会社向けと働く人向けの入口を分ける ― トップの最初の画面に主な仕事を一文で書き、2つの入口を並べます。それぞれの中で、派遣と紹介の見出しを分けます
  • 職種・地域・期間を、伺った事実で書く ― 受けていない職種は、受けていないと書きます
  • 依頼の流れと、登録の流れを組む ― どちらも、相手がいつ何をすればいいかの順で書きます
  • 仕事の例と相談できることを、伺った内容で書く ― 実際にある条件だけを載せ、終わった募集を残さない更新の段取りも一緒に決めます
  • 写真は、貴社で撮っていただいたものを整えて載せます ― 面談の場所の入口や、担当者の写真などです

料金と条件

料金は制作費0円、月額8,800円(税別)です。6ページ構成のプランは月額13,800円(税別)です。サーバー、独自ドメイン、SSL、保守は月額に含まれます。月5回までの更新代行も同じ月額の中なので、仕事の例を入れ替えたいときや、担当者が変わったときも、ご連絡いただければこちらで反映します。

最低契約期間は6ヶ月です。7〜35ヶ月で解約された場合、サイトは非公開になります。36ヶ月以上ご継続いただいた場合は、サイトをお渡しします。

私たちがやらないこと

  • 撮影には伺っていません。写真は、貴社で撮っていただいたものを整えて載せるところまでです
  • 許可の表示や、公開する情報についての判断はしません。何をどう載せるかは、所管の窓口や専門家に確認していただくようお願いしています
  • 求人の条件を、こちらで作ったり良く見せたりすることはしません。載せるのは、貴社から伺った事実だけです
  • 検索順位や、問い合わせ・登録の増加をお約束することもしません

実際にお作りしたサイトは 制作実績、料金と条件は ホームページ制作のページ に載せてあります。神戸市北区鈴蘭台を拠点に、2025年10月6日に設立した会社です。

「会社向けの話と、仕事を探す人向けの話が、サイトの中で混ざってしまっている」という方は、一度ご相談ください。

9. まとめ:人を探す会社と、仕事を探す人に、別々に答える

地域の人材派遣・人材紹介の会社のホームページで押さえることは、5つです。

  • 入口を2つに分け、その中で派遣と紹介を分ける ― 同じ一文で、会社と働く人の両方に約束しない
  • 会社向けには、職種・地域・期間・人数を書く ― 仕事の名前で並べ、受けていないものは受けていないと書く
  • 流れと料金は、派遣と紹介で書き分ける ― 誰が人を決めるか、何で料金が決まるか、合わなかったときの扱い
  • 働く人向けには、登録の流れ・面談の場所・相談できることを書く ― 仕事の例は事実だけで、終わった募集を残さない
  • 許可の表示や公開する情報は、所管の窓口に確認してから載せる ― 載せた場所を一覧にして、更新のときに直し忘れない

人材の仕事は、人を探す会社にとっても、仕事を探す人にとっても、頼んだあとどうなるかが見えにくい仕事です。それぞれの人に、自分に関係のある話だけを先に見せることで、サイトの役目がはっきりします。

まず、今日できること

貴社のトップページを開いて、「派遣」「紹介」「登録」という言葉が、それぞれ誰に向けて書かれているかに印を付けてみてください。会社向けと働く人向けの文が同じ段落に入っているところがあれば、そこが最初に分ける場所です。