1. 「サイトから来るのは、ほとんど求人の電話なんです」

警備会社を経営されている方とお話していて、こんな言葉をよく聞きます。

「うちのホームページ、問い合わせの電話が鳴ると、たいてい『求人を見たんですが』なんです。それはありがたいんですが、仕事の依頼はほとんど来なくて。工事会社さんやイベントの主催者さんにも見てもらいたいんですけどね」

警備会社のサイトには、ほかの業種にはあまりない事情があります。見に来る人が、はっきり2種類に分かれているということです。

1種類目は、警備を頼みたい会社の人です。建設会社の現場の担当者、施設を管理している会社の人、イベントの主催者。2種類目は、警備の仕事を探している人です。初めて警備の仕事をする人も、経験のある人もいます。

この2種類の人は、知りたいことがまったく違います。ところが、多くの警備会社のサイトでは、トップページに会社の理念と求人の案内が並び、発注する人が確かめたいことが奥に埋もれていることがよくあります。電話が求人ばかりになるのは、サイトの入口がそちらに向いているからかもしれません。

この記事では、施設警備・交通誘導・イベント警備を請ける会社が、サイトのどこに何を置くかを順に書きます。

この記事で書くこと

  • 発注する人と働きたい人の入口を、トップページで分ける
  • 対応できる警備の種類・地域・人数の規模の書き方
  • 急な依頼への対応と、見積もりの取り方
  • 守秘に配慮した、実績の書き方
  • 認定などの表示と、確かめる先
  • 求人のページに書く、仕事の内容・研修・勤務の形

2. 見に来る人は2種類。入口から分ける

最初に決めるのは、トップページの入口です。発注を考える会社と、働きたい人の入口を、最初の画面の近くで分けてください。

同じページで両方に話すと、どちらにも届きにくい

1つのページで両方に話そうとすると、文章がどっちつかずになります。発注する人に向けて「経験豊富な警備員が対応します」と書いた直後に、「未経験の方も歓迎です」と書いてある。読む人によっては、どちらかが引っかかります。

個人のお客様と法人のお客様を相手にする会社が入口を分ける考え方は、個人のお客様と法人のお客様、両方を相手にする会社のホームページ にまとめました。警備会社の場合は、相手が「お客様」と「これから一緒に働く人」なので、分ける理由はもっとはっきりしています。

図:トップページで分ける、2つの入口と共通の土台(例はたとえばの書き方です)
入口① 発注をお考えの方
警備のご依頼・お見積もり

対応できる警備の種類、地域、人数の規模、急な依頼への対応、見積もりの取り方。たとえば「工事現場の交通誘導を、〇〇市と周辺で、1名から承ります」のように、種類と地域と規模を一文に入れます。

見積もり依頼のフォームと電話番号へ
入口② 働きたい方
警備スタッフの募集

仕事の内容、研修、勤務の形、給与の支払い方、応募から働き始めるまで。たとえば「施設警備と交通誘導のスタッフを募集しています」のように、どの仕事の募集かを先に書きます。

募集のページと応募の入口へ
共通の土台
会社の情報と、認定などの表示

社名、所在地、代表者、認定に関する表示、連絡先。発注する人も働きたい人も、最後にここを確かめます。どちらの入口から入っても、ここにたどり着けるようにしておきます。

どのページからも1回で開ける場所に

入口を分けても、会社は1つです。トップの最初の画面には、主な仕事を一文で書き、そのすぐ下に2つの入口を並べるのが基本の形です。電話番号も、依頼と求人で分けられるなら分け、分けられないなら「お電話の際は、ご依頼か求人かをお伝えください」と添えます。

どちらを主にするかは、会社の今の課題で決める

どちらを大きく置くかは、会社によって違います。人が足りない会社は求人の入口を、仕事を増やしたい会社は依頼の入口を大きくします。今の課題に合わせて、入口の大きさを入れ替えられる作りにしておくと、半年後に状況が変わっても直しやすくなります。

3. 発注する人向け:種類・地域・人数の規模を書く

発注を考える会社の担当者が最初に確かめるのは、自分の現場や施設を、この会社が受けられるかどうかです。ここが分からないと、問い合わせの前で止まります。

警備の種類ごとに、何をするかを書く

「各種警備」とまとめて書くのではなく、受けている警備の種類ごとに、見出しを分けて書きます。

  • 施設警備 ― ビル、商業施設、工場、病院などで、出入りの確認や巡回、受付、鍵の管理をする仕事。常駐か、決まった時間だけか
  • 交通誘導 ― 道路工事や建設現場、駐車場の出入り口で、車や歩く人を安全に誘導する仕事。工事の現場が中心か、駐車場が中心か
  • イベント警備 ― 祭り、スポーツ大会、コンサート、地域の催しなどで、人の流れを整え、混雑や事故を防ぐ仕事。屋外か屋内か、どのくらいの来場者の規模まで経験があるか

読む人は、自分が頼みたい仕事の名前を探しています。受けていない種類は、受けていないと書くほうが、合わない問い合わせが減ります。

対応する地域は、市町村の名前で

「〇〇県全域」と書くより、実際によく伺う市町村の名前を並べるほうが伝わります。範囲の外でも受ける場合は、「その他の地域はご相談ください」と添えます。遠い現場で交通費や移動の時間がかかる場合は、その扱いも書いておくと、見積もりの話が早くなります。

人数の規模を、幅で書く

発注する人が気にするのは、何人まで出してもらえるかです。工事現場なら1〜2名で足りることが多いですが、大きなイベントでは人数が一気に増えます。

  • 少ない人数から受けるか ― 「1名から承ります」と書けるなら、小さな工事の担当者が連絡しやすくなります
  • 多い人数のとき ― 「〇名を超える場合は、日程に余裕をもってご相談ください」のように、条件を添えて書きます
  • 協力会社との連携 ― 人数が多い現場で、ほかの警備会社と組むことがあるなら、そのことも書いておきます

人数は、貴社が実際に出せた規模で書いてください。出したことのない人数を、出せるように見せないことがいちばん大事です。

4. 急な依頼への対応と、見積もりの取り方

急な依頼を受けるかどうかを、はっきり書く

警備の依頼には、急なものが少なくありません。工事の日程が前倒しになった、予定していた警備会社の手配がつかなくなった、イベントの来場者が予想より増えそうになった。こうした場面で探している人は、今から頼んで間に合うかどうかだけを確かめています。

  • 何日前までの依頼なら受けやすいか ― 目安の日数を書きます
  • 前日や当日の依頼を受けるか ― 受けるなら受付の時間帯を、受けないなら受けないと書きます
  • 人数が揃わない場合 ― 手配ができないと分かったとき、いつまでに連絡するかを書きます

「24時間対応」と書く場合は、実際にその時間に電話がつながる体制があるかを確かめてから書いてください。守れない約束を書くと、急いでいる人ほど離れます。

見積もりの決まり方を書く

警備の料金は、人数、時間、日数、時間帯、仕事の種類で変わります。1つの金額で言い切れないのは当然ですが、何で金額が決まるかは書けます。

  • 人数と時間 ― 何名で、何時から何時までか
  • 時間帯と曜日 ― 夜間や早朝、休日の扱い
  • 期間 ― 1日だけか、数ヶ月にわたる長い現場か
  • 現場の条件 ― 資格を持つ人の配置が要る現場か、移動に時間がかかるか

資格を持つ人の配置が要るかどうかは、現場の種類や場所によって違います。どの現場で何が要るかは、所管の窓口に確認したうえで、受けられる範囲を書いてください。

図:見積もり依頼から当日までを、発注する人がすることで書く(例は架空)
① 見積もりのご依頼

フォームか電話で、現場の場所、日時、警備の種類、おおよその人数を伺います。分からない項目は「未定」で構いません。

発注する人がすること:場所と日時と、何を警備してほしいかを伝える
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② 現場の確認

必要に応じて、図面や写真を見せていただくか、現場を下見します。ここで、人数と配置の考え方をすり合わせます。

発注する人がすること:工事の内容や、人や車の通りの様子を伝える
▼
③ お見積もり

人数、時間、日数、時間帯ごとの金額を書面でお出しします。日程や人数が変わったときの扱いも、ここでお伝えします。

日程の変更や取りやめの決まりは、この段階で書面にしておきます
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④ 当日と、終わったあと

当日の集合時間と、現場での連絡役をお伝えします。終わったあとの報告の形と、請求のまとめ方も書いておきます。

発注する人がすること:当日の現場の責任者と連絡先を伝える

各段の中身は、貴社の実際の進め方で書いてください。読む人が知りたいのは、社内の手配の手順ではなく、自分がいつ何を伝えればいいかです。急ぎの依頼を受けるなら、①の横に「お急ぎの場合はお電話で」と添えます。

見積もりのフォームは、聞く項目を絞る

見積もりのフォームで聞く項目は、最初の返事で金額の幅を出せるかどうかで決めます。場所、日時、警備の種類、おおよその人数。この4つがあれば、最初の返事はできることが多いはずです。細かいことは、そのあとの電話やメールで伺えば足ります。項目の決め方は 見積もり依頼のフォームは、何をどこまで聞けばいいか に詳しく書きました。

5. 実績は、守秘に配慮して書く

警備会社の実績は、ほかの業種より書きにくいものです。どの施設を、どんな体制で守っているかは、それ自体が守るべき情報だからです。

書かないほうがよいもの

まず、書かないものを決めます。

  • 警備の配置や人数の細かい内容 ― どこに何人立っているか、何時に巡回するか
  • 施設の中の様子が分かる写真 ― 出入り口、監視の設備、鍵の保管場所が写ったもの
  • 相手の了解を取っていない施設名や会社名

こうした情報は、悪意のある人の手がかりになります。実績として見せたい気持ちより、守っている相手の安全を先に置いてください。

業種・規模・種類・期間で書く

そのうえで、書ける形はあります。施設や現場の種類、規模、警備の種類、期間の4つで1件を書く形です。

  • たとえば「市内の商業施設/常駐の施設警備/〇年からお受けしています」
  • たとえば「道路工事の現場/交通誘導/〇名で〇ヶ月」
  • たとえば「地域の夏祭り/イベント警備/来場者の誘導と会場の巡回」

上の例はすべて架空です。社名を出さなくても、読む人は「うちと似た現場を受けたことがあるか」を探せます。どんな現場を受けてきたかの幅が分かれば、それが判断の材料になります。実績の1件ごとの書き方は 実績ページに何を書くと、次の依頼につながるか にまとめてあります。

名前を出すなら、了解と記録が先

施設名や会社名を出したい場合は、契約の中身を読み直し、相手の了解を取ってからにしてください。了解はメールなどで記録に残し、担当者が代わっても確かめられるようにしておきます。どこまで出せるかに迷う場合は、専門家に確認してください。

写真を載せるなら、警備員の後ろ姿や、施設が特定できない場所での様子にします。働いている人の顔を出すかどうかは、本人の了解を取ってから決めます。

6. 認定などの表示は、所管の窓口に確認する

警備の仕事を営むには、認定を受けている必要があります。発注する人の中には、認定を受けている会社かどうかを、サイトで確かめる人がいます。働きたい人も、同じところを見ることがあります。

何をどう書くかは、所管の窓口に確認を

認定に関わる表示には、決まりがあります。認定の番号の書き方、どこに表示するか、ほかに書いておくことがあるか。こうした中身は、業種や地域によって扱いが違うことがあるので、所管の窓口に確認してください。この記事では、決まりの中身そのものは書きません。

確かめたうえで、会社の情報のページに載せ、どのページからも1回で開けるようにしておきます。番号を載せる場合は、更新や変更があったときに直し忘れないよう、載せた場所を一覧にして残しておくと安心です。

資格は、誰が持っているかと一緒に

警備の仕事に関わる資格を持っている人がいるなら、どの資格を持つ人が何名いるかを書きます。発注する人にとっては、資格を持つ人を配置できるかどうかが、受けてもらえるかの分かれ目になることがあるからです。

人数は、今在籍している人で数えてください。資格を持つ人が辞めたとき、数字を直し忘れやすいところです。資格や許認可の載せ方、期限切れや退職のときの直し方は 資格・許認可・受賞歴を、ホームページにどう載せるか に書きました。

7. 求人向け:仕事の内容・研修・勤務の形を書く

ここからは、もう1つの入口です。警備の仕事を探している人が、応募の前に確かめていることを書きます。

仕事の内容を、種類ごとに具体的に

「警備のお仕事」とひとまとめにせず、施設警備、交通誘導、イベント警備で、1日の仕事がどう違うかを書きます。

  • 施設警備 ― 屋内が中心か、立ち仕事と座り仕事の割合、受付や巡回の様子
  • 交通誘導 ― 屋外が中心で、暑さや寒さの中での仕事になること。現場が日によって変わるか
  • イベント警備 ― 土日や祝日が多いか、決まった日だけ働けるか

屋外の仕事の大変さも、隠さずに書いてください。入ってから「聞いていなかった」となる人が減れば、続けてくれる人が増えます。

研修の中身を、働き始めるまでの流れで書く

未経験の人がいちばん不安に思うのは、何も知らないまま現場に出されるのではないかということです。警備の仕事には、働き始める前と、その後も続けて受ける研修についての決まりがあります。時間や中身は、所管の窓口に確認したうえで書いてください。

  • 働き始める前の研修 ― どこで、何日くらい、どんなことを学ぶか。研修の間の給与の扱い
  • 最初の現場 ― 先輩と一緒に入るか、一人で立つのはいつからか
  • その後の研修 ― 定期的にどんな研修があるか。資格を取るための支えがあるか

勤務の形と、給与の支払い方

働きたい人が比べているのは、自分の生活に合う働き方ができるかです。

  • 勤務の時間帯 ― 日中だけ、夜だけ、長い時間の勤務など、どんな形があるか
  • 働く日数 ― 週に何日から働けるか、決まった曜日だけでもよいか
  • 現場までの移動 ― 会社に寄ってから行くか、現場に直接行くか。交通費の扱い
  • 給与の支払い方 ― 月にまとめてか、それ以外の受け取り方があるか
  • 貸してもらえるもの ― 制服や装備は貸してもらえるか

条件は、実際に用意しているものだけを書きます。パートやアルバイトとして働く人向けの書き方は パート・アルバイト募集のページを、どう作るか に、求人媒体とサイトの分け方は 採用のためのホームページ ― 求人媒体との役割分担 にまとめました。求人媒体で見つけた人も、応募の前に社名で検索して、貴社のサイトを確かめに来ます。

応募の入口は、電話を残す

警備の仕事を探している人の中には、フォームに長く書くより電話で聞きたい人もいます。応募の入口は、フォームと電話の両方を用意し、電話の受付時間を書いておくと、問い合わせが入りやすくなります。

8. 雄喜晃の伴走:2つの入口を、一緒に組み立てます

私たち雄喜晃は、警備会社のサイトを作るとき、最初に「今、仕事と人のどちらを増やしたいか」を伺うところから始めます。その答えで、トップページの入口の大きさが決まるからです。

私たちがやること

  • 発注する人と働きたい人の入口を分ける ― トップの最初の画面に主な仕事を一文で書き、2つの入口を並べます
  • 警備の種類・地域・人数の規模を、伺った事実で書く ― 受けていない仕事は、受けていないと書きます
  • 見積もりの流れと、フォームの項目を組む ― 最初の返事に要る項目だけを聞く形にします
  • 実績を、守秘に配慮した型で書く ― 種類・規模・期間で書き、載せる範囲は貴社とお客様で確かめていただきます
  • 求人のページを、仕事の種類ごとに組む ― 研修や勤務の形を、伺った内容で書きます
  • 写真は、貴社で撮っていただいたものを整えて載せます ― 施設や配置が分かるものが写っていないかも一緒に見ます

料金と条件

料金は制作費0円、月額8,800円(税別)です。6ページ構成のプランは月額13,800円(税別)です。サーバー、独自ドメイン、SSL、保守は月額に含まれます。月5回までの更新代行も同じ月額の中なので、募集の条件が変わったときや、新しい実績が増えたときも、ご連絡いただければこちらで反映します。

最低契約期間は6ヶ月です。7〜35ヶ月で解約された場合、サイトは非公開になります。36ヶ月以上ご継続いただいた場合は、サイトをお渡しします。

私たちがやらないこと

  • 撮影には伺っていません。写真は、貴社で撮っていただいたものを整えて載せるところまでです
  • 認定の表示や研修の決まりについての判断はしません。表示の中身や必要な手続きは、所管の窓口に確認していただくようお願いしています
  • 守秘の範囲を、こちらで決めることもしません。どこまで書けるかは、契約の中身とお客様の了解で決めていただきます
  • 検索順位や、問い合わせ・応募の増加をお約束することもしません

実際にお作りしたサイトは 制作実績、料金と条件は ホームページ制作のページ に載せてあります。神戸市北区鈴蘭台を拠点に、2025年10月6日に設立した会社です。

「サイトから来るのは求人の電話ばかりで、仕事の依頼につながっていない」という方は、一度ご相談ください。

9. まとめ:頼みたい人と働きたい人に、別々に答える

警備会社のホームページで押さえることは、5つです。

  • 入口を2つに分ける ― 発注を考える会社と、働きたい人。トップの最初の画面の近くで分け、会社の情報は共通の土台にする
  • 種類・地域・人数の規模を書く ― 警備の種類ごとに見出しを分け、市町村の名前と、出せる人数の幅を書く
  • 急な依頼と見積もりの決まり方を書く ― 間に合うかどうかの目安と、金額が何で決まるか。フォームは最初の返事に要る項目だけ
  • 実績は、守秘に配慮して書く ― 配置や施設の中の様子は出さず、種類・規模・期間で書く。名前を出すなら了解と記録が先
  • 求人は、仕事の内容・研修・勤務の形を具体的に ― 認定や研修の決まりは、所管の窓口に確認してから書く

警備の仕事は、頼む人にとっても、働く人にとっても、中が見えにくい仕事です。どちらの人にも、自分に関係のあることだけを先に見せてあげると、サイトの役目が変わります。

まず、今日できること

先月かかってきた電話を思い出して、依頼と求人がそれぞれ何件だったかを数えてみてください。そのうえで、貴社のサイトのトップページを開き、発注する人がどこをたどれば見積もりの入口に着くかを確かめます。3回以上たどらないと着かないなら、そこが最初に直す場所です。