1. 「写真を見れば、分かると思っていたんです」
中小企業の経営者の方とお話していて、こんな言葉を聞くことがあります。
「施工例のページに、いい写真をたくさん載せたんです。でも、お客さんから『これはどこを直したんですか』と聞かれて。写真を見れば分かると思っていたんですけどね」
写真を撮った本人は、その現場を知っています。どこが傷んでいて、どこに手間をかけたのかを覚えています。だから、写真を見ればすべて伝わる気がします。
ところが、初めてサイトを開いた人は、その現場を知りません。写真は「何が写っているか」までは見せてくれますが、「何の写真か」「どこがすごいのか」までは語ってくれません。その足りない部分を埋めるのが、写真の下に添える短い説明です。この記事では、それを「キャプション」と呼びます。
「画像の説明の文字」とは、別のものです
先に、似た言葉と分けておきます。ホームページの画像には、もう1つ「説明の文字」を付けることがあります。代替テキストと呼ばれるもので、画像が見えない人や、画像が表示されない画面に向けて、画像の代わりに読まれる文字です。ふだんは画面に出ません。書き方は ホームページの画像に付ける「説明の文字」を、どう書くか にまとめてあります。
この記事で扱うキャプションは、それとは役目が違います。写真を見ている人に向けて、写真のすぐ下に、目に見える文字で添える一言です。代替テキストが「写真の代わり」なら、キャプションは「写真の補足」です。両方を付ける写真もありますし、どちらか片方だけの写真もあります。
この記事で書くこと
- 写真だけでは伝わらないこと
- 一言に入れる4つの要素:いつ・どこで・何をしているところか・見てほしい点
- 施工例・商品・スタッフ・店内での書き方の例
- 長くしないための考え方
- 写真の中の文字に頼らないこと
- 付ける写真と、付けなくてよい写真の見分け方
2. 写真だけでは、伝わらないことがある
写真は多くのことを一度に見せます。ただ、見せすぎるがゆえに、見る人がどこを見ればいいのか分からなくなることがあります。伝わらないことは、おおむね3つに分かれます。
何の写真か、分からない
たとえば、木の床が写った写真が1枚あるとします。撮った側は「張り替えた直後の床」のつもりでも、見る人には「どこかの家の床」にしか見えません。新しく張った床なのか、もともとあった床なのか、写真だけでは区別がつかないからです。
店内の写真も同じです。席が並んでいる写真を見て、それが個室なのか、カウンターなのか、何人まで座れるのかは分かりません。撮った人には当たり前の情報が、写真には写っていないのです。
どこを見ればいいか、分からない
施工の写真には、たいてい直した場所以外のものも写っています。壁、窓、空、隣の家、足元の道具。見る人の目は、写真の中をさまよいます。見てほしい場所が写真の隅にあると、気づかれないまま次の写真に進まれます。
職人の方が「ここの納まりが難しかった」と思っている場所ほど、素人の目には目立たないことが多いものです。言われなければ、そこに目が向きません。
すごさは、写真の外にある
もう1つは、写真には写らない事情です。雨の中の作業だった、住みながらの工事だった、古い建物で図面が無かった。こうした条件は、仕上がりの写真をいくら眺めても分かりません。
ところが、読む人が頼むかどうかを決めるときに効くのは、むしろこちらの情報です。「うちも住みながら工事したい」と思っている人には、その一言が判断の材料になります。技術の見せ方そのものは 職人の技術を、ホームページでどう伝えるか に書きましたが、キャプションはその入口になります。
3. 一言に入れるのは、4つの要素
では、何を書けばいいのか。キャプションに入れる要素は、次の4つです。
いつ・どこで・何をしているところか・見てほしい点
- いつ ― 何年の何月か、工事のどの段階か、季節や時間帯
- どこで ― 市区町村、建物の種類、店のどの場所か
- 何をしているところか ― 作業の名前、商品の使い方、人の役割
- 見てほしい点 ― この写真で、いちばん目を向けてほしい場所や事情
4つを全部入れると、たとえば「2025年秋、神戸市北区の木造2階建てで、外壁の古い塗膜を落としているところ。窓まわりは手作業で削っています」のようになります。例は架空ですが、この形です。
全部入れなくてよい
4つは、毎回そろえる必要はありません。写真によって、効く要素が違うからです。
施工例なら「どこで」と「見てほしい点」がよく効きます。スタッフの写真なら「何をしているところか」が中心になります。店内の写真なら「どこで」、つまり店のどの場所かが分かれば足りることもあります。迷ったら、4つのうち2つを選んでください。
いちばん効くのは「見てほしい点」
4つの中で、いちばん書き忘れられ、いちばん効くのが見てほしい点です。
「いつ・どこで・何を」は、写真の中身を説明する言葉です。それに対して「見てほしい点」は、読む人の目を動かす言葉です。「左下の継ぎ目に注目してください」「奥の棚まで、同じ高さでそろえています」。この一言があると、読む人は写真をもう一度見直します。見直したとき、初めて手間に気づきます。
撮った人には意味が分かります。初めて見る人には、どこかの家の外壁にしか見えません。見る場所が決まらないので、目はすぐ次の写真へ移ります。
何の写真かは分かります。ただ、ページの見出しと同じことを繰り返しているだけで、写真ごとの違いは伝わりません。並んだ写真が、すべて同じに見えます。
どこの、どんな建物かが分かります。そして、ふだん見えない雨どいの裏に目が向きます。見る人が自分の家と比べたり、手間に気づいたりできます。
②と③の差は、文字数ではありません。その写真にしか当てはまらない言葉が入っているかどうかです。ページの見出しで言えることは、写真の下で繰り返さなくて構いません。
形容詞より、事実を書く
「美しい仕上がり」「こだわりの空間」「笑顔のスタッフ」。こうした言葉は、写真を見れば分かることを言い直しているだけです。美しいかどうかは、読む人が写真を見て決めます。
キャプションに書くのは、写真を見ても分からない事実のほうです。「美しい仕上がり」と書く代わりに、「継ぎ目が見えないよう、板の向きをそろえています」と書く。形容詞を事実に置き換えるだけで、一言の重みが変わります。
4. 種類ごとの書き方:施工例・商品・スタッフ・店内
ここからは、写真の種類ごとに書き方を見ていきます。挙げる例はすべて、たとえばの形です。貴社の事実で置き換えてください。
施工例
施工例の写真は、キャプションがいちばん効く写真です。直した場所と、そこにかけた手間を書きます。
たとえば「築30年の木造住宅。腐っていた土台を、柱を支えながら部分的に入れ替えました」。どんな建物で、何をしたかが分かり、「柱を支えながら」という一言で、簡単な作業ではないことが伝わります。
施工前と施工後を並べるときは、どこが変わったかを指す一文を添えます。並べ方と撮り方は 施工前と施工後の写真を、比べられる形で撮る にまとめてあります。
商品
商品の写真では、写真から分からない大きさ・使い方・使う場面を書きます。
たとえば「手のひらに収まる大きさです。机の端に置いても、書類の邪魔になりません」。大きさは写真では伝わりにくい情報です。背景が無地だと、なおさら分かりません。実物の大きさが分かる一言があると、買ったあとの「思ったより小さかった」が減ります。
色の違いがある商品なら、写真の色が実物とどれくらい近いかも書いておくと親切です。「画面によって、実物より明るく見えることがあります」。
スタッフ
スタッフの写真では、名前と役割、そしてその人に何を頼めるかを書きます。
たとえば「現場の担当です。お見積もりから引き渡しまで、同じ者が伺います」。名前と肩書きだけより、読む人が「この人が来るのか」と思い浮かべられます。
作業中の写真なら、何をしているところかを書きます。「仕上げの前に、塗りむらを光に当てて確かめています」。人柄を形容詞で書くより、仕事の場面を一言で書くほうが、その人らしさが伝わります。
名前や顔を載せる場合は、本人に載せる場所を伝えて、了解を得てからにしてください。確かめ方は 手元にある写真から、ホームページに使う写真を選ぶ に書いてあります。
店内
店内の写真では、店のどの場所で、何に使える場所かを書きます。
たとえば「奥の個室です。4名まで、ベビーカーのまま入れます」。席の写真だけでは、何人座れるのか、子ども連れで行けるのかは分かりません。来る前に知りたいことを、写真の下に一言置いておきます。
| 写真の種類 | 入れるとよい要素 | たとえば、こう書く |
|---|---|---|
| 施工例 | どこで/何をしたか/見てほしい点 | 「築30年の木造住宅。腐っていた土台を、柱を支えながら入れ替えました」 |
| 施工の途中 | いつ(工程のどの段階か)/見てほしい点 | 「塗る前の下地処理です。ここを省くと、塗膜がはがれやすくなります」 |
| 商品 | 大きさ/使い方/使う場面 | 「手のひらに収まる大きさです。机の端に置いても、書類の邪魔になりません」 |
| スタッフ | 名前と役割/何を頼めるか | 「現場の担当です。お見積もりから引き渡しまで、同じ者が伺います」 |
| 店内 | どこで(店のどの場所か)/何に使えるか | 「奥の個室です。4名まで、ベビーカーのまま入れます」 |
真ん中の列から、2つ選べば足ります。右の例は形を示すための架空のものです。貴社の写真の場合は、撮った人に「この写真で何を見てほしいか」を聞いて、その答えを書いてください。
5. 長くしない
キャプションを書き始めると、伝えたいことが増えていきます。ここで気をつけたいのが、長さです。
一言から二行まで
キャプションの長さは、一言から、スマートフォンで見て二行に収まるくらいを目安にしてください。
写真の下の文字は、写真と一緒に一目で読まれるものです。長くなると、写真と文章の両方を行き来しなければならず、どちらも頭に入りません。スマートフォンでは、長いキャプションが写真の下に何行も続き、次の写真が画面の外へ押し出されます。
長くなるなら、本文に移す
書きたいことが二行に収まらないときは、キャプションではなく、本文に書く内容です。
施工の経緯、お客様のお困りごと、工期や費用の目安。こうした情報は、写真の下ではなく、事例の本文として書いたほうが読まれます。キャプションには、その中から写真に関係する一点だけを残します。実績1件ぶんの書き方は 実績ページに何を書くと、次の依頼につながるか にまとめてあります。
1枚に、言いたいことは1つ
1つのキャプションに、言いたいことを2つも3つも入れないでください。「下地を丁寧に処理し、雨どいの裏も塗り、ご近所への挨拶も欠かさず」と並べると、どれも印象に残りません。
1枚の写真に、伝えることは1つ。ほかに伝えたいことがあるなら、それが写っている別の写真を選び、その下に書きます。写真と言葉が一対一になっていると、読む人は迷いません。
同じ言い回しを、繰り返さない
写真が10枚並んでいるページで、10枚とも「丁寧に施工しました」と書いてあると、読む人はキャプションを読まなくなります。どの写真にも当てはまる一言は、どの写真の説明にもなっていないからです。
その写真にしか当てはまらない言葉を探してください。見つからない写真は、キャプションを付けなくて構いません。それは次の節で書きます。
6. 写真の中の文字に頼らない
キャプションを写真の下に置く代わりに、写真そのものに文字を書き込んでいるサイトを見かけます。施工例の写真に「Before」「After」と大きく入れる、商品写真の上に説明を重ねる、といった形です。
写真に焼き込んだ文字で、起きること
写真の中に入れた文字は、見た目には同じように読めます。ただ、いくつか困ることが起きます。
- スマートフォンで小さくなる ― 写真が縮むと、中の文字も一緒に縮みます。パソコンで読めた文字が、スマートフォンでは読めないことがあります
- 読み上げで読まれない ― 画面を読み上げて使う人には、写真の中の文字は届きません
- 直すのに手間がかかる ― 一言を変えたいだけでも、写真を作り直すことになります
- 検索で拾われにくい ― 写真の中の文字は、ページの文章として扱われにくいと考えたほうが安全です
文字は、写真の外に、文字で置く
直し方は単純です。写真には文字を入れず、写真のすぐ下に、文字として置く。これだけで、上の4つはまとめて片付きます。
施工前と施工後の区別も、写真の中ではなく、写真の下に「施工前」「施工後」と文字で添えます。写真を差し替えるときも、文字だけ直せば済みます。画像の中の文字の問題は、代替テキストの記事の中でも詳しく書いています。
キャプションと、画像の説明の文字の関係
キャプションを付けた写真には、代替テキストも付けるのか。ここで迷う方がいます。
考え方は、役目を分けて、同じ文を2回書かないことです。代替テキストには、写真に何が写っているかを書きます。キャプションには、写真を見ても分からない事情や、見てほしい点を書きます。キャプションがすぐ下にあると、読み上げでは両方が続けて読まれることがあるので、同じ文が2回聞こえないようにしておきます。
7. 全部に付けなくてよい
ここまで書くと、すべての写真にキャプションを付けなければと思われるかもしれません。そうではありません。付ける写真と、付けない写真を分けてください。
付けたほうがいい写真
付けたほうがいいのは、写真を見ただけでは、何の写真か、どこを見ればいいかが分からない写真です。
- 施工例と、施工の途中 ― 直した場所と手間は、言われないと気づかれない
- 商品 ― 大きさや使い方は、写真だけでは伝わりにくい
- スタッフ ― 誰で、何を頼める人かは、顔だけでは分からない
- 道順や入口 ― どちらへ進むかは、写真だけでは示せない
付けなくていい写真
反対に、付けなくていい写真もあります。
- 飾りの写真 ― ページの雰囲気をつくるための写真。言葉を添えると、かえって目障りになります
- トップの大きな写真 ― すぐ近くに見出しの一行があるなら、それがキャプションの代わりです
- すぐ横の本文で説明している写真 ― 同じことを写真の下でも書くと、二重になります
迷ったときは、その写真を初めて見た人が「これは何ですか」と聞きそうかどうかで決めてください。聞かれそうなら付ける。聞かれなさそうなら付けない。
付けるなら、同じページの中でそろえる
1つのページの中で、付ける写真と付けない写真が混ざっていても構いません。ただ、施工例が並ぶ一覧のように、同じ種類の写真が並ぶ場所では、全部に付けるか、全部に付けないかをそろえてください。
1枚だけ説明が無いと、その写真だけ情報が欠けているように見えます。書き方の型もそろえておくと、読む人は2枚目からキャプションの読み方が分かります。
写真を渡すときに、一言を添えてもらう
キャプションを書くのに、いちばん手がかりを持っているのは、写真を撮った人です。社内で写真を集めるときに、「この写真で何を見てほしいか」を一言ずつ添えてもらうと、あとが楽になります。
現場の担当者に「何がすごいの」と聞いても、「普通にやっただけです」と返ってくることがあります。その場合は、「この写真の中で、省こうと思えば省けた作業はどれか」と聞いてみてください。そこが、見てほしい点です。
8. 雄喜晃の伴走:写真の一言を、お話を伺って書き添えます
私たち雄喜晃のホームページ制作では、キャプションを、経営者の方への宿題にはしません。写真をお預かりするときに、それぞれの写真で何を見てほしいかを伺い、その答えから一言を書きます。
私たちがやること
お預かりした写真を、ページの役目に沿って選び、明るさ・向き・大きさを整えて載せます。そのうえで、キャプションを付ける写真と付けない写真を分け、付ける写真には、いつ・どこで・何をしているところか・見てほしい点から要素を選んで、一言を書き添えます。同じ種類の写真が並ぶ場所では、書き方の型をそろえます。
写真の中に文字が焼き込まれている場合は、文字を写真の外に出して、文字として載せ直します。代替テキストも、キャプションと同じ文が重ならないように分けて付けます。
公開後に写真を足すときも、同じ扱いにします。月5回までの更新代行が月額に含まれているので、写真と一緒に「何の写真か」を一言いただければ、キャプションまで付けて反映します。
料金と条件
料金は制作費0円、月額8,800円(税別)からです。6ページ構成のプランは月額13,800円(税別)です。サーバー、独自ドメイン、SSL、保守はすべて月額に含まれます。
最低契約期間は6ヶ月です。7〜35ヶ月で解約された場合、サイトは非公開になります。36ヶ月以上ご継続いただいた場合は、サイトをお渡しします。
私たちがやらないこと
先に書いておきます。私たちは、撮影はお受けしていません。写真は、貴社で撮っていただいたものを整えて載せるところまでが私たちの仕事です。
また、写真に写っていないことや、実際には行っていない作業を、キャプションに書き足すことはしません。「美しい」「こだわりの」といった、どの写真にも当てはまる言葉で枠を埋めることもしません。キャプションを整えることで、検索の順位が上がる、問い合わせが増えるとお約束することもいたしません。
実際にお作りしたサイトは 制作実績、料金と条件は ホームページ制作のページ に載せてあります。神戸市北区鈴蘭台を拠点に、2025年10月から活動しています。
「写真は載せているのに、何の写真かと聞かれる」という方は、一度ご相談ください。
9. まとめ:写真が語らない一点を、一言で足す
写真の下に添える一言で押さえることは、5つです。
- 画像の説明の文字とは分ける ― 代替テキストは写真の代わり、キャプションは写真を見ている人への補足
- 4つの要素から選ぶ ― いつ・どこで・何をしているところか・見てほしい点。とくに見てほしい点を書く
- 一言から二行まで ― 1枚に言いたいことは1つ。長くなるなら本文に移す
- 写真の中の文字に頼らない ― 文字は写真の外に、文字として置く
- 全部に付けなくてよい ― 「これは何ですか」と聞かれそうな写真に付け、同じ種類が並ぶ場所ではそろえる
写真は、多くのことを一度に見せてくれます。それでも、撮った人が見てほしかった一点は、言葉にしないと伝わらないことがあります。その一点を一言で足すのが、キャプションの役目です。
まずは今日、自社の施工例や商品のページを開いて、写真を1枚ずつ見てください。初めて見る人が「これは何ですか」と聞きそうな写真に、何と答えるか。その答えが、そのままキャプションになります。
ぜひ一度、お話を聞かせてください。貴社の写真に、見てほしい一点を添えるところから、ご一緒します。