1. 「AIで作った画像、使っても大丈夫ですか」

中小企業の経営者の方とお話していて、こんな言葉をよく聞きます。

「写真が足りないので、AIで画像を作ってみたんです。思ったよりきれいにできて。これ、ホームページに使っても大丈夫なんでしょうか。なんとなく、後ろめたい気もしていて」

この迷いは、まっとうな迷いだと思います。画像生成AIで作った画像は、ここ数年で見違えるほど自然になりました。ぱっと見ただけでは、撮った写真と区別がつかないものも増えています。だからこそ、使いどころを間違えると困ったことが起きます。

先に結論を書きます。AIで作った画像は、使ってよい場所と、使わないほうがよい場所がはっきり分かれます。分ける基準は、AIで作ったかどうかではありません。その画像を見た人が「これはこの会社の実物だ」と受け取るかどうかです。

この記事で書くこと

  • 判断の軸を1つに決める
  • 使ってよい場面と、その条件
  • 使わないほうがよい場面と、その理由
  • 実物と誤解される画像が、信用を落とす流れ
  • AIで作ったと分かる書き添え方
  • 利用規約と、人物・ブランドの扱い

なお、文章をAIに書かせる話は ホームページの文章を、AIにどこまで書かせていいか にまとめてあります。この記事は、画像に絞って書きます。

2. 判断の軸は1つ:実物だと読まれるかどうか

AIで作った画像を使うかどうかで迷ったら、問いを1つに絞ってください。この画像を見た人は、これを貴社の実物だと思うか。

会社のサイトの写真は、実物だと思って見られている

ホームページを見に来る人は、たいてい何社かを比べています。そのとき写真は、文章よりも先に「この会社はどんな会社か」を伝えます。

施工事例の写真を見れば、この会社がこういう仕事をした、と受け取ります。店内の写真を見れば、行けばこういう場所がある、と受け取ります。会社のサイトに載っている写真は、何も書いていなければ実物だと思われるのが前提です。

同じ画像でも、置く場所で意味が変わる

ここが大事なところです。たとえば、木の家の内装を描いたきれいな画像が1枚あるとします。

  • トップの見出しの後ろに薄く敷いてある → 雰囲気を伝える背景として見られる
  • 「施工事例」のページに並んでいる → この会社が建てた家として見られる

画像そのものは同じでも、置いた場所が意味を決めます。ですから、「この画像は使ってよいか」ではなく、「この画像をこの場所に置いてよいか」で考えます。

迷ったら、来た人の目で考える

もう1つの確かめ方があります。その画像を見て問い合わせてきた人が、実際に現場や店に来たとき、がっかりしないか。がっかりする可能性があるなら、その場所にAIの画像は向きません。

3. 使ってよい場面

まずは、使って差し支えない場面から書きます。共通しているのは、見た人が実物だと受け取らない場所だということです。

イメージ図・説明の図

仕組みや流れを説明するための図は、AIの画像が役に立つ場面です。

  • 工程の説明 ― 「ご相談から完成まで」の流れに添える絵
  • 考え方の説明 ― 「断熱材がどこに入るか」のような、目に見えにくいものの図
  • まだ形の無いもの ― 始めたばかりのサービスの、使われ方のイメージ

ただし、説明の図はAIより手で描いた図や、線と文字で組んだ図のほうが伝わることも多いです。正確さが要る図は、AIに任せると細部がずれます。寸法や順番が大事な図は、人が描いて確かめるほうが安心です。

背景・余白の飾り

見出しの後ろに敷く模様、ページの区切りに置く淡い風景、季節の挨拶に添える飾り。こうした主役ではない画像は、使って問題が起きにくい場所です。

見る人は、背景の画像を「この会社の何か」としては読みません。雰囲気を作る役目だけを果たしていれば十分です。

記事やコラムの挿絵

ブログやお知らせの記事に添える挿絵も、使いやすい場面です。「冬の結露」「引っ越しの段取り」のような記事に、話題を伝える絵を1枚置く。記事の中身を指し示す絵であって、貴社の実物を見せる写真ではないので、誤解は起きにくくなります。

使ってよい場面でも、守る条件

使ってよい場面でも、条件が2つあります。

  • 何を説明する絵かが、文章で書いてある ― 画像だけで意味を持たせず、そばの文章が主役になっている
  • 実物の代わりにしていない ― 本当は実物の写真を置くべき場所を、AIの画像で埋めていない

2つ目が崩れやすいところです。「施工事例の写真がまだ無いから、ひとまずAIで」という使い方は、使ってよい場面ではありません。次の章で書きます。

4. 使わないほうがよい場面

ここからが本題です。実物だと読まれる場所には、AIの画像を置かないでください。具体的には、次のような場所です。

表:置く場所ごとに、AIで作った画像を使えるかを分ける(例は架空)
置く場所見た人の受け取り方AIの画像
施工例・実績この会社が実際にやった仕事使わない。たとえば「外壁塗装の事例」に作った画像を置くと、やっていない仕事を見せたことになる
商品・料理注文すると届くもの、出てくるもの使わない。届いたものとの差が、そのまま苦情になる
スタッフ・代表この会社で働いている人使わない。実在しない人を社員のように見せる形になる
店内・社屋・外観行けばこういう場所がある使わない。来た人が建物を見つけられない、または「違う」と感じる
トップの最初の画面この会社を代表する1枚使うなら、実物に見えない絵柄か、ごく淡い背景に限る
工程の説明・記事の挿絵・背景説明のための絵、飾り使ってよい。何の絵かを文章で添える

分ける基準は、見た人がその画像を「この会社の実物」と受け取るかどうかだけです。同じ画像でも、置く場所が変われば答えが変わります。

施工例・実績

いちばん避けたい場所です。実績のページは、この会社に頼むとどうなるかを確かめるために見られるページだからです。そこに作った画像があれば、やっていない仕事を見せていることになります。

実績がまだ少ない場合でも、作った画像で埋めるより、少ないまま載せるほうが信用されます。実績が無い段階での作り方は 実績が1件も無い会社の、実績ページの作り方 にまとめました。

商品・料理

商品や料理の写真は、注文すると届くもの、出てくるものとして見られます。色、大きさ、盛り付け、質感。AIの画像は、そのどれもが実物より整って見えがちです。届いたものとの差は、そのまま苦情や返品の理由になります。

スタッフ・代表

働いている人の写真は、会社の顔です。実在しない人を、自社の社員のように見せることになるので、AIの画像は使わないでください。顔を出したくない社員がいる場合は、後ろ姿や手元の写真、または写真を載せずに名前と担当だけを書く方法があります。

店内・社屋・外観

場所の写真は、来る人が目印にします。AIの画像を置くと、来た人が建物を見つけられないことが起きます。見つけられたとしても、「写真と違う」という最初の印象から付き合いが始まることになります。

5. 実物と誤解される画像が、信用を落とす理由

「少しくらい良く見せても、誰も困らないのでは」と思われるかもしれません。ただ、誤解される画像は、思っている以上に大きく信用を削ります。理由は4つあります。

① 来た人は、差に気づく

ホームページを見て問い合わせてきた人は、いずれ実物に会います。店に来る、現場を見る、商品を受け取る。そのときに差があれば、気づかれます。差が小さくても、「写真と違う」という印象は残ります。

② 1枚の誤解が、ほかの写真まで疑わせる

ここがいちばん重いところです。1枚が作った画像だと分かると、見た人はほかの写真も本物なのかを疑い始めます。本当に撮った施工写真まで、作り物に見えてしまいます。積み上げてきた本物の写真の価値が、1枚で下がります。

③ 見る人には、細部の不自然さが分かる

AIの画像は、全体はきれいでも細部が崩れることがあります。道具の形、手の指、看板の文字、配管のつながり。同業者や、その仕事に詳しいお客様ほど、こうした不自然さに気づきます。「この会社は、自分の仕事の写真が無いのか」と受け取られると、技術そのものを疑われます。

④ あとから説明するのが難しい

指摘されてから「あれはイメージでした」と説明するのは、苦しい立場です。先に書いておけば済んだことが、あとから言うと言い訳に聞こえます。だから、使うなら最初から分かる形にしておくことが大事です。

なお、業種によっては、広告や表示のルールの上で、実物と違う印象を与える画像が問題になる場合もあります。どこまでが許されるかは業種によって違うので、気になる場合は所管の窓口や専門家に確認してください。

6. AIで作ったと分かるように書き添える

使ってよい場面で使う場合も、AIで作った画像だと分かるように書き添えておくことをおすすめします。隠す理由がないものは、書いておいたほうが余計な疑いを招きません。

書き添えの例

書き方は短くて構いません。たとえば、次のような一文です。

  • 説明の図に添える ― 「イメージ図です(画像生成AIで作成)」
  • 記事の挿絵に添える ― 「挿絵は画像生成AIで作成したものです」
  • サイト全体でまとめて書く ― 「当サイトのイラストの一部は、画像生成AIで作成しています。施工事例・店内・スタッフの写真はすべて実際に撮影したものです」

3つ目の書き方は、使い分けをしている会社にとって効きます。作った画像と撮った写真の線引きを、こちらから先に示すことになるので、撮った写真のほうの信用が上がります。

置く場所は、画像のすぐそば

書き添えは、画像のすぐ下か、すぐ横に置きます。ページの一番下にまとめて書くだけだと、画像を見た人の目には入りません。見た人が、見たその場で分かる位置に置くのが基本です。

「イメージ」だけでは足りない場面

「写真はイメージです」という一文はよく見かけます。ただ、これは撮った写真にも使われる言い方なので、作った画像だという意味までは伝わりません。施工事例や商品のそばのように、実物と取り違えやすい場所の近くに置く画像には、「画像生成AIで作成」まで書いておくほうが誤解がありません。

画像の説明の文字にも書く

画像には、見えない人のための「説明の文字」を付けます。ここにも、作った画像であることを書いておきます。たとえば「工程の流れを示すイメージ図(画像生成AIで作成)」のように書きます。書き方そのものは ホームページの画像に付ける「説明の文字」を、どう書くか にまとめてあります。

背景の飾りまで書く必要はあるか

背景の模様や淡い風景のように、何かを説明しているわけではない飾りには、1枚ずつ書き添える必要はあまりありません。その場合は、先ほどの「サイト全体でまとめて書く」形で足ります。迷ったら、書いておく側に倒してください。書いて困ることは、ほとんどありません。

7. 権利と利用規約、人物とブランドの扱い

最後に、作る前と使う前に確かめておくことを書きます。ここは一般論にとどめます。細かいところは業種や使い方によって違うので、気になる場合は専門家に確認してください。

利用規約は、作るサービスごとに違う

画像を作るサービスは、それぞれに利用規約があります。確かめるのは、たとえば次のような点です。

  • 商用利用ができるか ― 会社のホームページは商用にあたります
  • 作った画像を、誰がどう使えるか ― 作った側が自由に使えるか、条件がついているか
  • 書き添えが求められているか ― AIで作ったと表示することを条件にしているサービスもあります
  • 無料の範囲と有料の範囲で、条件が違わないか ― 同じサービスでも、契約の形で扱いが変わることがあります

規約は改定されます。作った日に、使ったサービスの名前と、そのときの規約の該当部分を保存しておいてください。どの画像をいつ、どのサービスで作ったかを一覧にしておけば、担当者が変わっても説明できます。権利の全体像は ホームページの写真と文章、権利はどうなっているか にまとめました。

人物の顔を、実在の人に似せない

人物が入る画像を作るときは、実在の人に似せないでください。有名人に似た顔、特定の誰かを思わせる顔は、その人の権利や名誉に関わるおそれがあります。

また、社員の写真を元にして、別の姿に作り変えた画像をスタッフ紹介に使うのも避けたほうが無難です。実物の写真を整えて使うのと、作り変えた画像を実物のように見せるのとは別のことだからです。

実在のブランドや商品に似せない

ロゴ、キャラクター、他社の商品、有名な建物。実在のブランドや商品を思わせる画像も、作らないでください。指示した覚えがなくても、作られた画像の中に、どこかで見たようなロゴや文字のようなものが紛れていることがあります。

使う前に、画像を拡大して隅まで見てください。看板、服の胸元、器の柄、背景の建物。文字やマークに見えるものがあれば、その画像は使わないのがいちばん安全です。

作る前に、ほかの手を考える

最後に1つ。実物の写真が無いからAIで、と考える前に、ほかの手があります。手元の写真から選び直す、写真を使わずに文字と図で組む。こちらのほうが、かえって貴社らしいサイトになることも多いです。選び方は 手元にある写真から、ホームページに使う写真を選ぶ に、写真に頼らない組み方は 写真が1枚も無い会社の、ホームページの作り方 に書きました。

図:AIで作った画像を、載せる前に確かめる順番
① 置く場所は、実物だと読まれる場所か

施工例・商品・スタッフ・店内・外観なら、ここで止めます。実物の写真を用意するか、写真を使わない組み方に変えます。

読まれる場所なら、AIの画像は置かない
▼
② 細部に、文字・マーク・実在の人に似た顔がないか

画像を拡大して、看板や服、背景の建物まで見ます。どこかで見たようなロゴや顔に見えるものがあれば、その画像は使いません。

▼
③ 作ったサービスの利用規約を確かめたか

商用利用ができるか、書き添えが求められているかを確かめ、作った日と規約の該当部分を残します。

▼
④ 書き添えと、説明の文字を付けたか

画像のすぐそばに「画像生成AIで作成」と書き、説明の文字にも同じことを入れます。

ここまで済んだら、載せて構いません

①で止まる画像がいちばん多いはずです。使うかどうかは、画像の出来ではなく、置く場所で決まります。

8. 雄喜晃の伴走:実物を見せる場所には、実物の写真を置きます

私たち雄喜晃のホームページ制作では、最初にページごとに「実物を見せる場所」と「説明や雰囲気で足りる場所」を分けます。どこに何の画像が要るかを決めてから、素材を集める順番を考えます。

私たちがやること

施工例、商品、スタッフ、店内のように実物を見せる場所には、貴社で撮っていただいた写真を、明るさ・向き・大きさを整えて載せます。手元の写真から使えるものを一緒に選ぶところからお手伝いします。

説明の図や背景のように実物でなくてよい場所は、図や文字で組む方法も含めて、何がいちばん伝わるかを一緒に考えます。貴社でAIの画像を作られた場合は、置く場所が合っているか、書き添えと説明の文字が付いているかを確かめてから載せます。

公開後に実物の写真が撮れたら、送っていただければ差し替えます。月5回までの更新代行が月額に含まれているので、写真がそろった順に入れ替えていけます。

料金と条件

料金は制作費0円、月額8,800円(税別)からです。6ページ構成のプランは月額13,800円(税別)です。サーバー、独自ドメイン、SSL、保守はすべて月額に含まれます。

最低契約期間は6ヶ月です。7〜35ヶ月で解約された場合、サイトは非公開になります。36ヶ月以上ご継続いただいた場合は、サイトをお渡しします。

私たちがやらないこと

先に書いておきます。私たちは、撮影はお受けしていません。写真は、貴社で撮っていただいたものを整えて載せるところまでが私たちの仕事です。

また、施工例・商品・スタッフ・店内の場所に、AIで作った画像を実物のように置くことはしません。実在の人物やブランドに似せた画像も載せません。画像を整えることで検索の順位が上がる、問い合わせが増えるとお約束することもいたしません。

実際にお作りしたサイトは 制作実績、料金と条件は ホームページ制作のページ に載せてあります。神戸市北区鈴蘭台を拠点に、2025年10月から活動しています。

「AIで画像を作ってみたけれど、どこまで使っていいのか判断がつかない」という方は、一度ご相談ください。

9. まとめ:使うかどうかは、置く場所で決める

AIで作った画像をホームページに使うときに押さえることは、5つです。

  • 判断の軸は1つ ― 見た人が「この会社の実物」と受け取るかどうか
  • 使ってよいのは、説明の図・背景・挿絵 ― 何の絵かを文章で添え、実物の代わりにしない
  • 使わないのは、施工例・商品・スタッフ・店内・外観 ― 実物だと読まれる場所には、実物の写真を置く
  • 作ったと分かるように書き添える ― 画像のすぐそばと、説明の文字に書く
  • 規約と細部を確かめる ― 作るサービスごとに条件を確かめ、実在の人やブランドに似たものは使わない

AIの画像は、使いどころさえ守れば便利な道具です。困るのは、実物を見せるべき場所を、作った画像で埋めてしまうことです。1枚の誤解が、本物の写真の信用まで下げてしまいます。

まずは今日、貴社のサイトを開いて、AIで作った画像がどこに置いてあるかを確かめてみてください。施工例や店内のページに入っていたら、そこから差し替えるのが先です。