1. 「どこかで見たような、サイトになってしまって」
中小企業の経営者の方とお話していて、こんな言葉をよく聞きます。
「写真が無かったので、とりあえず素材サイトの写真で埋めてもらったんです。きれいなんですけど、出来上がったサイトを見たら、どこかで見たような感じで。同業のサイトにも、同じような写真が載っていて」
素材サイトの写真を使うこと自体は、悪いことではありません。条件を守って使えば、写真が足りない時期を埋める手段になります。困るのは、どこに何枚使うかを決めないまま、空いたところを全部素材で埋めてしまうことです。
すると、サイトから貴社の顔が消えます。読む人は、何社かを見比べてどこに頼むかを決めようとしています。どの会社にも載っていそうな写真は、比べる材料になりません。
この記事で書くこと
- 素材写真が向く場所と、向かない場所
- 同業と同じ写真になる問題
- 「いかにも素材」に見える写真の特徴
- 利用条件を、素材ごとに確かめる
- 素材の写真と、自社の写真の混ぜ方
- あとで自社の写真に差し替える順番
なお、画像生成AIで作った画像の扱いは AIで作った画像を、ホームページに使ってよいか にまとめてあります。この記事では、素材サイトで手に入る写真に絞って書きます。
2. 素材写真が向く場所、向かない場所
まず、どこに置くかを分けます。基準は、その場所の写真が「これは貴社です」という意味を持つかどうかです。
向く場所
素材の写真が役に立つのは、貴社そのものを見せる場所ではありません。
- 記事やお知らせの挿絵 ― 「梅雨どきの湿気」「年末の大掃除」のように、話題を伝える1枚
- 背景や区切り ― 見出しの後ろの空、ページの区切りに置く淡い風景
- 一般的な説明の補助 ― 「住宅ローンの相談」の説明に添える、書類と電卓の写真のようなもの
- 季節やできごとの告知 ― 年末年始の休業のお知らせに添える1枚
どれも、見た人が「この会社の何か」としては読まない場所です。
気をつけて使う場所
使えなくはないものの、選び方で印象が大きく変わる場所があります。
- トップの最初の画面 ― サイトの印象が1枚で決まります。人物が写った素材は避け、風景や素材の質感のように、貴社の実物と取り違えられない写真に限ります
- サービス紹介の見出し画像 ― 説明の補助としてなら使えますが、そのサービスの実際の様子だと読まれない写真を選びます
- 採用ページ ― 働く場所を想像するページなので、素材の人物が並ぶと実態と違う印象になります。使うなら、職場の様子ではなく雰囲気を伝える写真に
向かない場所
貴社そのものを見せる場所には、素材の写真を置かないでください。
- 施工例・実績 ― よその仕事の写真を、自社の仕事のように見せることになります
- スタッフ・代表 ― 実在しない社員を、いるように見せることになります
- 店内・社屋・外観 ― 来た人が、写真と違う場所に着くことになります
- 商品・料理 ― 届くもの、出てくるものとの差が、そのまま苦情になります
たとえば、記事の話題を伝える1枚、見出しの後ろの空、休業のお知らせに添える季節の写真。見た人が貴社の実物とは読まない場所です。
たとえば、トップに素材の人物の笑顔を置くと、それが貴社の社員に見えます。風景や質感の写真に限り、実物と取り違えられないものを選びます。
たとえば、施工事例のページによその家の写真を置くと、やっていない仕事を見せたことになります。実物の写真が無いなら、少ないまま載せるほうが信用されます。
分ける基準は、その場所の写真が「これは貴社です」という意味を持つかどうかです。③の場所に素材が入っているなら、そこがいちばん先に差し替える場所になります。
3. 同業と同じ写真になる問題
素材写真を使うときに、意外と見落とされるのがこの問題です。
同業ほど、同じ写真にたどり着く
素材サイトで写真を探すとき、人は業種の言葉で検索します。「リフォーム」「税理士」「介護」。同じ業種の会社は、同じ言葉で探し、同じように上に出てくる写真を選びます。結果として、同じ地域の同業のサイトに、同じ写真が載ることが起きます。
比べられる場面で、重なる
これがいちばん困る場面です。お客様は、同じ地域の同業を何社か並べて見ています。2社のサイトに同じ写真が載っていれば、その場で気づかれます。どちらの会社にとっても、得になりません。
それどころか、「この写真は、どちらの会社のものでもないのだな」と分かった時点で、ほかの写真まで素材ではないかと見られるようになります。
有料の素材でも、重なることはある
「お金を払った写真なら、よそとは重ならないだろう」と思われがちです。ただ、有料の素材も、ふつうはほかの会社が同じ写真を買えます。料金を払うことで使える条件が広がることはあっても、その写真を貴社だけのものにできるとは限りません。
有料か無料かより、どんな写真を選ぶか、どこに置くかのほうが、重なりやすさを大きく左右します。人気のある写真ほど、多くのサイトで使われていると考えておいてください。
重なりにくくする選び方
完全に避けることはできませんが、重なりにくくすることはできます。
- 業種の言葉で探さない ― 「リフォーム」ではなく「木目」「窓辺の光」のように、質感や光で探す
- 人物の写真を避ける ― 人の顔が写った写真は、覚えられやすく、重なったときに目立ちます
- 同業のサイトを先に見ておく ― よく使われている写真の傾向が分かります
- 切り抜きや一部の拡大で使う ― 全体をそのまま使わず、一部を大きく見せる。ただし加工してよいかは素材の条件しだいです
同業のサイトを見るときの見どころは 同業他社のホームページを、どう見るか にまとめてあります。
4. 「いかにも素材」に見える写真の特徴
同じ素材でも、見た瞬間に「素材だ」と分かる写真と、分かりにくい写真があります。分かりやすいものには、共通した特徴があります。
人の様子が、現実よりも整いすぎている
- 全員がこちらを見て笑っている ― 仕事中に、全員がカメラを見て笑うことはまずありません
- 握手やハイタッチをしている ― 「信頼」や「チームワーク」を伝えようとした写真ほど、作り物に見えます
- 服装がそろいすぎている ― 全員が新品のスーツや作業着で、汚れもしわも無い
場所が、どこの国か分からない
- 机の上に何も無い ― 書類も電話もない事務所は、実際の職場には見えません
- 窓の外や看板が、日本の街ではない ― 細かいところですが、見る人は意外と気づきます
- 設備や道具が、日本の現場と違う ― コンセントの形、ヘルメットの色や形、車の向き
光と色が、そのサイトの中で浮いている
素材の写真は、明るく、色が鮮やかに整えられていることが多いです。貴社で撮った写真と並べたとき、素材だけが別の世界に見えるのは、この光と色の差です。
業種や季節と合っていない
建設業のページに、ヘルメットの着け方が日本の現場と違う写真が載っている。冬の告知に、夏の服装の人が写っている。その仕事に詳しい人ほど、こうしたずれに気づきます。そして、詳しい人ほど、貴社の仕事を判断する立場にいます。
選ぶときは、写真を拡大して、隅まで見てください。背景の看板、机の上、服の細部。貴社のお客様が見て不自然に思うところがないかが、選ぶ基準です。
5. 利用条件は、素材ごとに確かめる
素材サイトの写真には、それぞれ利用条件がついています。「無料」と書いてあっても、何にでも使ってよいという意味ではありません。
確かめる条件
見るところは、たとえば次のような点です。
- 商用利用ができるか ― 会社のホームページは商用にあたります
- クレジット表記が要るか ― 撮影者名やサイト名の記載を条件にしているものがあります
- 加工してよいか ― 切り抜き、色の変更、文字を重ねることを制限している場合があります
- 人物写真の使い方に制限がないか ― 写っている人が特定のサービスを勧めているように見せる使い方や、印象を損なう使い方を禁じている場合があります
- ロゴや印刷物に使えるか ― ロゴへの使用を禁じているもの、チラシなど印刷物での使い方に条件があるものがあります
同じサイトの素材でも、1枚ずつ違うことがある
ここが落とし穴です。同じ素材サイトの中でも、写真によって条件が違うことがあります。無料の写真と有料の写真、人物が写っている写真とそうでない写真で、条件が分かれていることもあります。「このサイトは商用可だった」という記憶で、別の写真まで使わないでください。
ホームページ以外に使うときも、確かめ直す
サイトに載せた写真を、あとからチラシや名刺、看板に使いたくなることがあります。ホームページで使えた写真が、印刷物でも同じ条件で使えるとは限りません。使う場所が増えるたびに、条件を見直してください。
条件は、取得した日に残しておく
素材サイトの規約は改定されます。写真を取得した日に、その写真の条件が書かれたページを保存しておくと、あとで説明が要るときに困りません。どの写真をどこから、いつ取ったかの一覧も一緒に残します。権利の考え方の全体は ホームページの写真と文章、権利はどうなっているか にまとめました。
条件の読み方で迷う場合や、業種によって気をつける点がある場合は、専門家に確認してください。
6. 素材の写真と、自社の写真の混ぜ方
多くの会社は、素材だけ、自社の写真だけ、のどちらかではなく、両方を混ぜて使うことになります。混ぜ方で、サイトの印象が変わります。
割合ではなく、役割で分ける
「素材は3割まで」のような割合で考えるより、役割で分けるほうがうまくいきます。
- 自社の写真 ― 実物を見せる役。施工例、スタッフ、店内、商品
- 素材の写真 ― 説明を助ける役、雰囲気を作る役。挿絵、背景、季節の告知
役割が決まっていれば、迷ったときに「この場所はどちらの役か」で決められます。
同じ並びに置かない
自社の写真と素材の写真を、同じ一覧の中に並べないでください。たとえば施工例の一覧の中に、1枚だけ素材が混ざっていると、その1枚が浮いて見えるうえに、ほかの写真まで疑われます。スタッフ紹介に、1人だけ素材の人物を置くのも同じです。
光と色をそろえる
同じページに両方を置くときは、明るさと色合いをそろえます。素材の写真は明るく鮮やかなことが多いので、自社の写真に合わせて、素材のほうを少し落ち着かせるとまとまります。ただし、色を変えてよいかは素材の条件を確かめてからです。
写真の縦横の比率もそろえます。同じ並びの写真は、同じ形に切りそろえるだけで、まとまりが出ます。
自社の写真のほうを、主役にする
ページの中で大きく扱うのは、自社の写真のほうです。素材の写真は、脇役の大きさにとどめる。これだけで、素材が入っていても貴社のサイトとして見えるようになります。手元の写真からどれを主役にするかは 手元にある写真から、ホームページに使う写真を選ぶ にまとめてあります。
写真が本当に1枚も無い時期は、素材で埋める前に、文字と図で組む方法もあります。写真が1枚も無い会社の、ホームページの作り方 に書きました。
7. あとで自社の写真に差し替える順番
素材で始めたサイトは、少しずつ自社の写真に置き換えていきます。全部を一度に撮り直す必要はありません。差し替える順番を先に決めておくと、撮れた写真から迷わず入れ替えられます。
施工例・スタッフ・店内・外観・商品に素材が入っているなら、最初に外します。撮れていなければ、写真を外して文字で書くだけでも構いません。
サイトの印象を決める1枚です。外観、仕事の手元、道具など、貴社でしか撮れない1枚に置き換えます。
それぞれのサービスの、実際の作業の様子に置き換えます。よく問い合わせが来るサービスのページから進めます。
実際の職場と、働いている人の様子に置き換えます。写る人には、載せてよいかを先に確かめます。
ここは素材のままでも構いません。自社の写真が増えてきたら、少しずつ入れ替えます。
順番は、見た人が「これは貴社だ」と受け取る度合いが強い場所からです。撮りやすい写真から差し替えるのではありません。
差し替えの一覧を作っておく
順番を決めたら、素材の写真がどのページのどこに入っているかを一覧にしておきます。ページ名、場所、今の写真、差し替える写真の内容、の4つが書いてあれば十分です。撮る前にこの一覧を見れば、何を撮ればよいかが決まります。
撮るときは、差し替える場所から逆に考える
一覧ができると、撮る写真がはっきりします。「トップの1枚は横向きで、文字を重ねる余白が要る」のように、置く場所の形から撮り方が決まります。社内のスマートフォンで撮るときの段取りは ホームページの写真を、社内のスマートフォンで撮る にまとめました。
差し替えたら、素材の一覧から消す
差し替えが済んだら、最初に作った素材の一覧からその写真を消します。今どの素材がどこで使われているかが分かる状態を保っておくと、条件の見直しのときにも迷いません。
8. 雄喜晃の伴走:素材で始めて、貴社の写真に置き換えていきます
私たち雄喜晃のホームページ制作では、写真がそろっていない段階でも、どこに素材を使い、どこを貴社の写真にするかを、ページごとに一緒に決めます。
私たちがやること
最初に、ページの一覧と、それぞれの場所の写真が「実物を見せる役」か「説明や雰囲気の役」かを分けます。実物を見せる場所には、貴社で撮っていただいた写真を、明るさ・向き・大きさを整えて載せます。説明や雰囲気の場所に素材の写真を使う場合は、利用条件を確かめたものだけを選び、どの写真をどこから取ったかを一覧にしてお渡しします。
差し替えの順番も一緒に決めます。写真が撮れたら、送っていただければ、決めた順番どおりに差し替えます。月5回までの更新代行が月額に含まれているので、写真がそろった順に入れ替えていけます。
料金と条件
料金は制作費0円、月額8,800円(税別)からです。6ページ構成のプランは月額13,800円(税別)です。サーバー、独自ドメイン、SSL、保守はすべて月額に含まれます。
最低契約期間は6ヶ月です。7〜35ヶ月で解約された場合、サイトは非公開になります。36ヶ月以上ご継続いただいた場合は、サイトをお渡しします。
私たちがやらないこと
先に書いておきます。私たちは、撮影はお受けしていません。写真は、貴社で撮っていただいたものを整えて載せるところまでが私たちの仕事です。
また、施工例・スタッフ・店内・商品の場所に、素材の写真を実物のように置くことはしません。条件が確かめられない写真や、出どころが分からない写真も使いません。写真を入れ替えることで検索の順位が上がる、問い合わせが増えるとお約束することもいたしません。
実際にお作りしたサイトは 制作実績、料金と条件は ホームページ制作のページ に載せてあります。神戸市北区鈴蘭台を拠点に、2025年10月から活動しています。
「素材の写真で埋めたサイトが、どこかで見たような感じになっている」という方は、一度ご相談ください。
9. まとめ:素材は脇役に置き、主役は貴社の写真にする
素材サイトの写真をホームページに使うときに押さえることは、5つです。
- 置く場所で分ける ― 挿絵・背景・説明の補助には向き、施工例・スタッフ・店内・商品には向かない
- 同業と重ならないように選ぶ ― 業種の言葉ではなく質感や光で探し、人物の写真を避ける
- 「いかにも素材」を外す ― 整いすぎた人、どこの国か分からない場所、浮いた光と色
- 条件は1枚ずつ確かめる ― 商用利用、クレジット表記、加工、人物の使い方、印刷物への転用
- 差し替えの順番を決めておく ― 貴社そのものを見せる場所から、自社の写真に置き換える
素材の写真は、写真が足りない時期を埋める手段としては役に立ちます。ただ、素材だけで組んだサイトには、貴社の顔がありません。素材は脇役に置き、主役は少しずつ貴社の写真にしていく。この順番を守れば、素材から始めても困ることはありません。
まずは今日、貴社のサイトを開いて、素材の写真がどこに入っているかを数えてみてください。施工例やスタッフのページに入っていたら、そこが最初に差し替える場所です。