1. 「書いてください、とは言いにくくて」
中小企業の経営者の方とお話していて、こんな言葉をよく聞きます。
「Googleマップの口コミが、何年も数件のままなんです。お客さんには喜んでもらえていると思うんですけど、『書いてください』とお願いするのは、なんだか押しつけがましい気がして」
この気持ちは、よく分かります。商売を丁寧にしている方ほど、お客様に手間をかけさせることに抵抗があります。
ただ、口コミは頼まなければ、ほとんど書かれません。そして、頼み方には越えてはいけない線があります。この記事では、線の内側で、気持ちよく頼む方法を書きます。
届いた口コミへの返し方は Googleマップの口コミに、どう返信するか に、ホームページに載せる「お客様の声」の集め方は 「お客様の声」を、どう集めて、どう載せるか にまとめました。この記事は、その手前の「頼む」ところだけを扱います。
この記事で書くこと
- 頼まないと書かれない理由と、頼むこと自体は問題ないこと
- いつ頼むか、誰が頼むか
- 頼み方の文面の例
- 書き方を指定しない、内容を誘導しない
- やってはいけないこと(特典との交換、身内やスタッフの投稿)
- 書かれないとき、悪い口コミが来たとき
2. 頼まなければ、書かれない
満足した人ほど、書く理由がない
口コミを書くのは、お客様にとって手間です。アプリを開いて、星を選んで、文章を考える。満足して帰った人には、わざわざその手間をかける理由がありません。
一方で、不満があった人には、書く理由がはっきりあります。伝えたいことがあるからです。何もしないでいると、書く理由を持っている人の声のほうが、先に並びやすくなります。
これは、お客様の満足が足りないという意味ではありません。書く人と書かない人で、理由が違うというだけです。だから、満足してくれた人にも、書く理由を渡す。それが「頼む」ということです。
頼むこと自体は、問題ない
ここは誤解されやすいので、先に書きます。お客様に口コミをお願いすること自体は、問題ありません。Googleも、事業者がお客様に口コミを依頼することを認めています。
問題になるのは、頼み方のほうです。見返りを渡す、良い評価だけを集めようとする、書く内容を指定する。こうした頼み方は、Googleのルールで禁じられています。ルールの中身は変わることがあるので、頼み方を決めるときは、Googleのヘルプで最新の案内を確認してください。
口コミは、近所の人が確かめる場所
口コミを読むのは、これから頼むかどうかを考えている人です。地域で商売をしている会社では、Googleマップで見つけた人が、口コミを読んでから電話をかけるという流れがよくあります。
地域の商売で、お客様がどんな入口から来るかは 地域で商売をする会社の、ホームページの全体像 に書きました。口コミは、その入口のひとつで「確かめる」役目を担っています。
3. いつ頼むか、誰が頼むか
仕事が終わって、すぐ
頼むタイミングは、仕事が終わってすぐです。工事の引き渡し、施術や作業が終わったとき、品物を手渡したとき、最後の打ち合わせの終わり際。お客様の中に、さっきまでのことがいちばん鮮やかに残っているときです。
1週間経つと、具体的なことは薄れます。書いてもらえても、「良かったです」の一行になりがちです。場面のある口コミは、その日のうちに頼んだときに出てきます。
残っている用事は、先に片付ける
仕事が終わっても、まだ頼まないほうがいい場面があります。
- 手直しが残っているとき ― 直しを終えてから頼みます
- 請求の話がついていないとき ― お金の話が片付いてから頼みます
- お客様が急いでいるとき ― その場では一言だけにして、あとでメッセージを送ります
ここで気をつけたいのは、「満足していそうな人にだけ頼む」のとは違うということです。残っている用事を片付けてから頼むのであって、頼む相手を選ぶのではありません。頼むなら、全員に同じように頼みます。
頼むのは、その仕事を担当した人
誰が頼むかも大事です。いちばん自然なのは、その仕事を担当した人です。現場に来た職人さん、施術をしたスタッフ、窓口で対応した担当者。お客様が顔を覚えている人から頼まれると、「この人のためなら」と思ってもらいやすくなります。
経営者が、すべての現場にいられるわけではありません。だからこそ、誰が頼んでも同じ言葉になるように、頼み方を決めておくことが大事です。言葉は次の節で書きます。
件数を、社員のノルマにしない
1つ、避けてほしいことがあります。口コミの件数を、社員の目標やノルマにすることです。
ノルマになると、頼み方が強くなります。何度も念を押す、目の前で書いてもらおうとする。件数を合わせるために、社員が自分や家族で書いてしまうことも起こり得ます。頼むことは決まりにしても、書かれた件数で人を評価しない。これが安全な線です。
4. 頼み方の文面(たとえば)
ここでは、そのまま使える形の例を出します。どれもたとえばの文面なので、貴社の言葉に直して使ってください。
その場で、口頭で
「今日はありがとうございました。もしよろしければ、Googleマップに感想を書いていただけると、これから頼む方の参考になるので助かります。お時間のあるときで構いません」
ポイントは3つです。
- 「もしよろしければ」で始める ― 断ってもいい、という余地を残します
- 何のためかを一言添える ― 「これから頼む方の参考に」と言われると、書く理由になります
- 「今すぐ」と言わない ― その場で書いてもらおうとすると、お客様は断れなくなります
その日のうちに、メッセージで
口頭で頼んだら、その日のうちに、口コミを書く画面へのリンクを送ります。メールでも、ふだんLINEでやりとりしているお客様ならLINEでも構いません。
「本日はありがとうございました。先ほどお話しした口コミの件です。お手すきのときに、下のリンクから書いていただけます。もちろん、無理にとは申しません。今後ともよろしくお願いいたします」
口コミを書く画面へのリンクは、Googleビジネスプロフィールの管理画面から取り出せます。画面の場所は変わることがあるので、ヘルプで最新の手順を確かめてください。
紙で渡すなら、カード1枚
紙で渡す場合は、名刺くらいの大きさのカードで十分です。
- 一言のお願い ― 「よろしければ、ご感想をお聞かせください」
- 口コミを書く画面へのQRコード ― 読み取ると、すぐ書ける画面が開くもの
- 会社名 ― どこの口コミを書けばいいか、迷わないように
カードに「星5つをお願いします」「〇〇について書いてください」とは書きません。理由は次の節で書きます。
送るのは、1回だけ
メッセージを送っても、書かれないことはあります。催促は、しないでください。送るのは1回だけです。2回目、3回目を送ると、お願いが負担に変わります。
引き渡し、作業の終わり、品物の手渡し。手直しや請求の話が残っていれば、先に片付けます。
「もしよろしければ、Googleマップに感想を」。今すぐとは言わず、何のためかを添えます。
メールかLINEで、口コミを書く画面へのリンクを送ります。紙なら、QRコードつきのカードを渡します。
良い口コミにも、低い評価にも、短く返します。返信は、これから来る人も読んでいます。
①〜③を、全員に同じように行います。頼む相手を選ばないことが、いちばん安全な頼み方です。
5. 書き方を指定しない、内容を誘導しない
頼むときに、つい言いたくなる言葉があります。それを言わないことが、この節の中身です。
星の数を、お願いしない
「星5つでお願いします」「高い評価をいただけると」。気持ちは分かりますが、星の数をお願いするのはやめてください。評価を誘導する頼み方になります。
星の数は、お客様が決めるものです。こちらから言えるのは、「感想を書いていただけると助かります」までです。
書いてほしい言葉を、渡さない
もう1つ気をつけたいのが、書く内容の指定です。
- 「対応が早かった、と書いてもらえると」
- 「〇〇市の工務店、と入れていただけると」
- 「例文を用意したので、これをそのまま」
どれも、口コミをお客様の言葉ではなくしてしまいます。地域の名前やサービス名を入れてもらうと検索に効く、という話を耳にすることがあります。ただ、入れてほしい言葉を頼んだ時点で、それは誘導です。
誘導された口コミは、読む人に伝わらない
ルールの話を抜きにしても、指定して書いてもらった口コミは伝わりません。同じ言い回しが並んだ口コミは、読む人にすぐ見抜かれます。
逆に、自由に書いてもらった口コミには、こちらが思いもしなかったことが書かれます。「駐車場が広くて助かった」「子どもを連れて行っても嫌な顔をされなかった」。そういう一言が、次のお客様の背中を押します。そして、その一言は、ホームページで何を伝えるべきかの手がかりにもなります。
書いている横に、立たない
その場でスマートフォンを出して、書き始めてくださるお客様もいます。そのときは、横で画面をのぞかないでください。見られていると、思ったことを書けません。「ありがとうございます」と一言お伝えして、その場を離れるくらいでちょうどいいです。
6. やってはいけないこと:特典との交換と、身内の投稿
ここは、はっきり禁止事項として書きます。
割引や特典と、引き換えにしない
「口コミを書いてくれたら、次回お安くします」「書いてくれた方に粗品をプレゼント」。よく見かける方法ですが、口コミと、割引・特典・プレゼント・抽選への参加を引き換えにしてはいけません。Googleのルールで禁じられています。
ルールに反した口コミは、削除の対象になることがあります。さらに、見返りを渡して書いてもらった口コミを、そうと分からない形で並べることは、表示に関するルールの上でも問題になる場合があります。どこからが問題になるかは業種によって違うので、気になる場合は所管の窓口や専門家に確認してください。
家族・友人・スタッフに、書かせない
もう1つが、身内に書いてもらうことです。
- 家族や親戚、友人 ― 実際に利用していても、身内の口コミは公平な感想として読まれません
- 社員やアルバイト、元社員 ― 自社のことを書くのは、利害のある立場からの投稿になります
- 取引先や同業の仲間 ― 「お互いに書き合おう」という頼まれごとも、同じです
利害のある立場からの口コミも、Googleのルールで禁じられています。そして、こうした口コミは、近所の人には案外すぐ分かります。身内の名前が並んでいるのを見つけた人は、ほかの口コミまで疑うようになります。
書く人を、お金で手配しない
口コミを書く人を手配します、という営業が来ることがあります。お金を払って書いてもらう口コミは、頼み方の問題ではなく、作り話です。断ってください。
| 頼み方 | 判断 | 理由 |
|---|---|---|
| 仕事が終わってすぐ、「よろしければ」と口頭で頼む | やってよい | お願いするだけなら問題ない。全員に同じように頼む |
| 口コミを書く画面へのリンクを、1回だけ送る | やってよい | 書く手間を減らすだけで、中身には触れていない |
| 「書いてくれたら次回お安くします」と案内する | やってはいけない | 特典と引き換えの口コミになる |
| 満足していそうなお客様にだけ頼む | やってはいけない | 良い評価だけを集める頼み方になる |
| 「〇〇市の工務店、と入れてください」と頼む | やってはいけない | 書く内容の誘導になる |
| 社員や家族に、お客様として書いてもらう | やってはいけない | 利害のある立場からの投稿になる |
判断は、Googleのルールを一般的に読んだものです。ルールは変わることがあるので、Googleのヘルプで最新の案内を確認してください。迷う頼み方は、やらないほうに倒すのが安全です。
7. 書かれなくても普通。悪い口コミが来ても慌てない
頼んでも、書かれないのが普通
頼み方を整えても、書いてくださるのは、頼んだ人の一部です。お客様にも都合があります。忘れてしまうこともありますし、文章を書くのが苦手な方もいます。
これは失敗ではありません。頼んだのに書かれなかったお客様も、気持ちよく帰ってくださったお客様です。書かれた件数を毎月数えて落ち込むより、頼む流れが毎回同じように回っているかを見てください。口コミは、少しずつ積み上がるものです。
少なすぎると感じたら、手間を見直す
それでも少なすぎると感じたら、見直すのは頼み方の「手間」のほうです。
- リンクを送っているか ― 口頭だけだと、お客様は帰ってから自分で探すことになります
- リンクの先が、書く画面になっているか ― 会社の情報が開くだけだと、書く場所を探させることになります
- 頼み忘れていないか ― 忙しい日ほど抜けます。引き渡しの手順の中に入れておきます
見直すのは手間であって、お願いを強くすることではありません。
悪い口コミが来たら
頼み方が正しくても、低い評価の口コミが来ることはあります。全員に同じように頼んでいれば、なおさらです。それは、口コミが本物であることの裏返しでもあります。
来たときにやることは3つです。
- すぐに返さない ― 一晩置いて、事実を社内で確かめてから返します
- 言い訳をせず、個人の情報を書かない ― 返信を読んでいるのは、書いた本人より、これから来る人です
- 直せることは、直してから書く ― 何を変えたかを具体的に書きます
返信の書き方は、冒頭で紹介した返信の記事に詳しくまとめました。してはいけないのは、悪い口コミを薄めるために、身内に良い口コミを書いてもらうことです。前の節で書いたとおり、それはルール違反ですし、見る人には分かります。
口コミと、Googleマップの投稿は役割が違う
口コミが少ないうちも、Googleマップの中で会社の様子を伝える手段はあります。「投稿」です。口コミはお客様が書くもの、投稿は会社が書くもの。役割は違いますが、どちらも確かめに来た人に向けたものです。使い方は Googleマップの「投稿」は、使ったほうがいいのか にまとめました。
8. 雄喜晃の伴走:頼む流れを、ホームページの側からも支えます
私たち雄喜晃のホームページ制作では、口コミをホームページとつながったものとして扱います。口コミを読んで来た人が、ホームページで確かめる。ホームページを見た人が、口コミも確かめる。その行き来ができるように整えます。
私たちがやること
ホームページに、Googleマップの口コミのページへのリンクを置きます。こちらで選んだ口コミだけを並べるのではなく、読む人が全部を自分で見に行ける形にします。
頼むときの文面やカードの言葉も、この記事の例をもとに、貴社の言葉で一緒に作ります。届いた口コミに書かれていたこと、たとえば「駐車場が分かりにくかった」「料金が先に分かって安心した」といった声は、よくある質問やアクセスのページに反映します。
料金は制作費0円、月額8,800円(税別)からです。6ページ構成のプランは月額13,800円(税別)です。サーバー、独自ドメイン、SSL、保守はすべて月額に含まれます。月5回までの更新代行も同じ月額の中なので、口コミで分かったことをサイトに戻す書き換えも、ご連絡いただければこちらで反映します。
条件も書いておきます。最低契約期間は6ヶ月です。7〜35ヶ月で解約された場合、サイトは非公開になります。36ヶ月以上ご継続いただいた場合は、サイトをお渡しします。
私たちがやらないこと
口コミをこちらで書くこと、書く人を手配することは、一切しません。特典と引き換えに口コミを集める仕組みを作ることも、お受けしていません。口コミの件数や評価の点数をお約束することもしません。口コミは、貴社のお客様が書くものだからです。
悪い口コミの削除を代わりに請け負うことも、していません。返信の考え方はお伝えしますが、口コミの扱いを決めるのはGoogleで、書いた言葉は書いた人のものです。
「お客様には喜んでもらえているのに、口コミが何年も増えない」という方は、一度ご相談ください。実際にお作りしたサイトは 制作実績、料金と条件は ホームページ制作のページ に載せてあります。神戸市北区鈴蘭台を拠点に、2025年10月から活動しています。
9. まとめ:頼むことは、線の内側で
Googleの口コミを頼むときに押さえることは、5つです。
- 頼まなければ、書かれない ― 満足した人ほど書く理由がない。頼むこと自体は問題ない
- 仕事が終わってすぐ、担当した人が頼む ― 頼む相手は選ばず、全員に同じように
- リンクは1回だけ送る ― 書く手間を減らす。催促はしない
- 書き方を指定しない ― 星の数も、入れてほしい言葉も頼まない
- 特典と交換しない、身内に書かせない ― 禁止事項。ルールはGoogleのヘルプで最新を確認する
口コミは、件数を急いで増やすものではありません。毎回同じように、気持ちよく頼むことを続けた結果として、少しずつ積み上がるものです。
まずは今週、仕事が終わったお客様お一人に、「もしよろしければ」と一言だけ頼んでみてください。言ってみると、思っていたほど押しつけがましくないことが分かると思います。
ぜひ一度、お話を聞かせてください。貴社のお客様の言葉が、次のお客様に届く流れを、一緒に作ります。