1. 「お客さんは近所の人ばかり。ホームページ、要りますかね」

中小企業の経営者の方とお話していて、こんな言葉をよく聞きます。

「うちは近所のお客さんと、紹介だけで回っているんです。遠くの人に見てもらう必要もないし、ホームページって本当に要るんでしょうか」

もっともな疑問です。地域で商売をしている会社は、お客様の顔が見えています。遠くの知らない人に向けて、立派なサイトを作る必要はありません。

ただ、近所のお客様も、頼む前にスマートフォンで調べます。紹介された人は、聞いた名前で検索します。チラシを見た人は、どんな会社かを確かめます。そのときに何も出てこない、あるいは何年も前の情報が出てくると、紹介でつながりかけた話が、そこで止まることがあります。

地域で商売をする会社のホームページは、遠くに届けるためのものではありません。近所の人が、頼む前に確かめる場所です。この記事では、その場所に何を置けばいいかを、全体の地図として書きます。

この記事で書くこと

  • 3つの入口 ― 近所のお客様は、どうやって貴社にたどり着くか
  • 地域名の書き方 ― 住所だけでなく、お客様の呼び方で書く
  • Googleマップとの関係 ― 地図は入口、サイトは確かめる場所
  • 安心する情報 ― 近所の人が、頼む前に見ているところ
  • 紙・口コミ・紹介とのつなぎ方 ― サイトだけで集めようとしない

対応エリアの書き方、アクセスのページ、Googleマップの整え方は、それぞれ別の記事で詳しく書いています。この記事は、それらがどこでつながるかを見渡すためのものです。

2. 近所のお客様は、3つの入口からやって来る

地域の商売では、お客様がたどり着く道は、だいたい3つに分かれます。

  • 探して来る ― 「業種名 地域名」で検索する、地図アプリで近くの店を探す
  • 聞いて来る ― 知り合いに紹介される、口コミで名前を聞く
  • 見かけて来る ― 店の前を通る、看板や工事車両を見る、チラシが届く

3つの入口は、それぞれ入ってくる人の状態が違います。探して来る人は、まだ貴社を知りません。聞いて来る人は、名前だけ知っています。見かけて来る人は、名前と場所をなんとなく知っています。

それでも、3つとも最後は同じ行動をとります。スマートフォンで名前か業種を調べて、地図かホームページを開き、頼んで大丈夫そうかを確かめる。ここで答えが見つかれば連絡が来ます。

図:近所のお客様がたどり着く3つの入口と、確かめに来るもの(例は架空)
① 探して来る
たとえば「リフォーム 〇〇区」で検索

まだ貴社を知りません。地図の上の数件と、検索結果の数件を見比べます。何の会社で、自分の地域に来てくれるかを、最初の画面で確かめます。

地域名と業種が、すぐ目に入るか
② 聞いて来る
たとえば「〇〇工務店がいいよ」と紹介される

名前だけを知っています。社名や屋号で検索して、紹介してくれた人の話と合っているかを見ます。出てくるものが古い、少ないと、聞いた話との差に不安を持ちます。

名前で検索したときに、今の姿が出るか
③ 見かけて来る
たとえば近所で工事の車や看板を見る

名前と場所を、なんとなく覚えています。思い出したときに検索して、どんな仕事をしているか、料金の目安はどうかを確かめます。看板と同じ名前で出てこないと、たどり着けません。

紙や看板と、同じ名前で出てくるか

例はすべて架空です。入口は違っても、最後はスマートフォンで確かめるところに集まります。地域商売のサイトは、この「確かめる場面」に答えるように組み立てます。

この図の3つの入口に、それぞれ打つ手があります。探して来る人には地域名とGoogleマップ(第3章・第4章)。聞いて来る人と見かけて来る人には、安心できる情報と、紙や紹介とのつなぎ方(第5章・第6章)。順に見ていきます。

3. 地域名は、お客様の呼び方で書く

探して来る人は、業種名と地域名を組み合わせて検索します。サイトの中に地域名が無ければ、その組み合わせには当たりにくくなります。

住所欄だけでなく、本文に書く

地域名が、ページのいちばん下の住所欄にしか無いサイトはよくあります。住所は正確に書くべきですが、それだけでは足りません。本文の中で、どこで何をしている会社かを、地域名と一緒に書いてください。

「〇〇市〇〇区で、戸建ての外壁と屋根の塗装をしています」。この一文がトップの最初のほうにあるだけで、読む人は自分の地域の会社だと分かります。ページの題名にも、業種と地域名を入れておくと、検索結果に出たときに伝わりやすくなります。

市区町村に加えて、地元の呼び方を使う

お客様は、行政の地名だけで話すわけではありません。駅の名前、地区の呼び名、商店街の名前、昔からの地名。地元の人が普段使う言葉で場所を伝えるほうが、ずっと伝わります。

「〇〇駅から歩いて5分、〇〇商店街の中ほどです」「〇〇小学校の近くです」。こうした書き方は、地図を開かなくても場所が思い浮かびます。近所の人にとっては、住所の番地より目印のほうが分かりやすいことが多いのです。

地域名だけを差し替えたページは作らない

地域名で検索されたいからといって、文章は同じで地域名だけを変えたページを何十枚も作るのは、やめてください。読む人にとって中身が無く、検索の面でも評価されにくいと言われています。

地域ごとのページを作るなら、その地域でやった仕事や、その地域ならではの事情を書きます。中身が違えば、ページを分ける意味が出ます。どこまでを対応地域として書くか、市区町村の並べ方、条件付きの範囲の書き方は 「対応エリア」を、ホームページにどう書くか に詳しくまとめました。

4. Googleマップは入口、ホームページは確かめる場所

地域の商売では、Googleマップ(Googleビジネスプロフィール)とホームページの両方が関わってきます。2つは役割が違います。

役割を分けて考える

  • Googleマップ ― 見つけてもらう場所。電話と道順が、その場から押せる
  • ホームページ ― 確かめてもらう場所。何ができて、いくらで、誰が対応するのかを書ける

地図には、載せられる情報の量に限りがあります。料金の考え方、頼んだあとの流れ、頼めない条件。こうした話は、サイトのほうが向いています。地図で見つけて、サイトで確かめて、電話をかける。この流れがつながっていると、どちらか片方だけより話が進みやすくなります。

どちらを先に整えるかは、業種によって変わります。来店や訪問がある商売か、そうでないかで答えが分かれます。判断の仕方は Googleマップとホームページ、どちらを先に整えるか に整理しています。

名前・住所・電話・営業時間を、そろえる

両方を持つなら、まずやることは1つです。会社の名前、住所、電話番号、営業時間の書き方を、地図とサイトで完全にそろえることです。

「〇〇町1丁目2-3」と「〇〇町1-2-3」、「株式会社〇〇」と「〇〇」、半角と全角の数字。こうした小さな差が、読む人には「同じ会社かな」という引っかかりになります。休業日や営業時間を変えたときも、片方だけ直して、もう片方が古いまま、ということが起きやすいので気をつけてください。

地図から来た人が、最初に見るところ

Googleマップの「ウェブサイト」の欄から来た人は、サイトの最初の画面で、地図で見た情報と同じものを探します。何の会社か、どこにあるか、今日開いているか、電話番号。この4つが最初の画面ですぐ分かるようにしておくと、地図とサイトの間で迷いません。

来店がある商売なら、場所の案内も大事です。地図で近くまで来た人が、最後に入口を見つけられるかどうかは、アクセスのページで決まります。書き方は 「アクセス」のページで、来る人を迷わせない にまとめました。

地図に出るかどうかは、こちらでは決められない

1つ書いておきます。Googleマップの検索結果に、どの会社がどの順番で出るかは、Googleの側が決めることです。サイトを作れば地図で上に出る、という関係ではありません。

こちらでできるのは、正しい情報を載せ続けること、口コミに返事をすること、サイトとの表記をそろえることです。地道ですが、確かめに来た人が安心できる状態を保つことにはなります。

5. 近所の人が見て安心する情報

地域のお客様が頼む前に気にしていることは、遠くのお客様とは少し違います。値段や実績に加えて、この人たちが近所に来ても大丈夫かを見ています。

どの業種にも共通して見られるところ

  • 誰がやっているか ― 代表や担当者の顔と名前。家に上がる、相談をする商売ほど見られます
  • どこにあるか ― 建物の写真、入口、駐車場。近所の人は、通りがかりに見た建物と照らし合わせます
  • いつ連絡がつくか ― 営業時間、定休日、電話に出られない時間と折り返しの目安
  • 近所への気づかい ― 工事の前の挨拶、車の止め方、作業する時間帯
  • 地域でやった仕事 ― 了解をいただいたうえで、「〇〇区で〇〇をしました」と地域名つきで
  • いつからここにいるか ― 創業の年、この場所に移ってからの年数。事実だけを書きます

全部を最初から書く必要はありません。ただ、近所の人ほど、知っている人の顔や見慣れた建物を手がかりにします。その手がかりをサイトに置いておくと、初めての人も紹介された人も安心しやすくなります。

業種によって、最初に確かめられるところは違う

同じ地域の商売でも、業種によって、お客様が最初に確かめることは変わります。代表的な4つの形で並べると、こうなります。

表:地域で商売をする4つの形と、近所の人が最初に確かめること(例はすべて架空)
商売の形最初に確かめることサイトに書いておくこと
店舗(飲食・美容・小売など)今日開いているか、どこに入口があるか、予約が要るかたとえば、営業時間と臨時休業の案内を最初の画面に。駐車場の有無と、混みやすい時間帯の目安
工務店・リフォーム自分の地域に来てくれるか、工事中に近所へ迷惑がかからないかたとえば、対応する市区町村の名前。工事前のご近所への挨拶、車の止め方、作業時間の決まり
士業(税理士・行政書士など)誰が話を聞いてくれるのか、相談に行きやすいかたとえば、代表の写真と経歴、相談の流れ、事務所の入口の写真。初めての相談で持っていくもの
出張サービス(修理・清掃など)家に来るのはどんな人か、出張費がかかるかたとえば、伺うスタッフの顔と名前、出張費がかからない範囲、到着までの目安と連絡の方法

例はすべて架空です。表の中身は、貴社の事実に置き換えてください。近所のお客様は「頼めるか」と同じくらい「近くに来て大丈夫か」を見ています。業種ごとの細かい項目は、地域の事情で変わります。

書けないことは、書けないと書く

自宅を事務所にしている、電話に出られない時間が長い、店舗を持たずに動いている。地域の小さな会社には、書きにくい事情もあります。

その場合も、隠すより一文で書いておくほうが安心につながります。「作業中は電話に出られないことがあります。当日中に折り返します」。近所の人は、できないことより、連絡がつかないことのほうを不安に思います。

6. 紙・口コミ・紹介と、サイトをつなぐ

地域の商売では、ホームページだけで集客が完結することはあまりありません。紙、口コミ、紹介。サイトは、それらの入口から来た人の受け皿として組み立てます。

紹介された人は、名前で検索する

紹介でつながる会社ほど、社名や屋号で検索したときに何が出るかを見ておいてください。紹介した人の話と、サイトの中身が合っていれば、話はそのまま進みます。古い写真、終わったキャンペーン、つながらない電話番号が出てくると、紹介の勢いが止まります。

紹介してくれる人が、説明しやすいかどうかも大事です。「ここを見てもらえば分かるよ」と言えるページが1枚あると、紹介する側も楽になります。何の会社で、どこで、何をしてくれて、いくらくらいか。それが1枚で分かるページです。

チラシ・看板・車は、サイトと同じ言葉で

チラシや看板、工事車両の表示を見た人は、そこに書いてあった名前で検索します。紙に書いた名前とサイトの名前がずれていると、たどり着けません。社名、屋号、電話番号、サービスの呼び方を、紙とサイトでそろえてください。

チラシにQRコードを載せるなら、行き先はトップページではなく、チラシに書いた内容のページにします。紙とウェブの役割の分け方、QRコードの使い方は 会社案内・チラシとホームページの、役割分担 に書きました。

口コミは、その場でお願いする。特典とは交換しない

口コミは、地域の商売ではとても大きな手がかりです。お願いするなら、仕事が終わったその場で、口頭でお願いするのがいちばん自然です。

ただし、口コミを書いてもらう代わりに、割引や特典をつけることはしないでください。読む人に見抜かれますし、Googleの口コミの決まりにも合わない形です。決まりの細かいところは変わることがあるので、最新の案内も確かめてください。集め方と載せ方は 「お客様の声」を、どう集めて、どう載せるか にまとめてあります。

どの入口から来たかを、聞いておく

3つの入口のどれが効いているかは、聞かないと分かりません。問い合わせフォームに「何で知りましたか」を任意で1問だけ置く、電話で最初に伺う。紹介なら、誰からの紹介かも書き留めておくと、お礼を伝えることもできます。

入口ごとの数が見えてくると、チラシを続けるか、地図を整えるか、紹介してくれる人との関係を大事にするかの判断がしやすくなります。

7. 手を付ける順番

全部を一度に整える必要はありません。次の順で進めると、手が止まりにくくなります。

Step 1(今日):スマートフォンで、自社を探してみる

まず、自分のスマートフォンで、社名と「業種名 地域名」の2通りで検索してください。何が出てくるか、地図に何が載っているか、サイトの最初の画面に何が見えるか。お客様と同じ画面を見るところから始めます。

Step 2(今週):名前・住所・電話・営業時間をそろえる

Googleマップ、ホームページ、名刺、チラシ、看板。並べてみて、表記の違いを直します。休業日や営業時間が古いところがあれば、そこが最優先です。

Step 3(今月):最初の画面と、安心する情報を足す

サイトの最初の画面に、何の会社か・どこか・いつ開いているか・電話番号を置きます。そのうえで、第5章の項目から、貴社の業種で確かめられることを2つか3つ書き足します。

Step 4(翌月から):地域でやった仕事を積み、入口を聞く

了解をいただいた仕事を、地域名つきで少しずつ載せます。問い合わせのたびに、どの入口から来たかを書き留めます。

制作を外に頼む場合、地元の会社に頼むか、遠くの会社に頼むかでも迷うと思います。選ぶときに確かめることは 神戸でホームページ制作を頼むとき、どこを見て選ぶか に書きました。神戸以外の地域でも、見るところは同じです。

8. 雄喜晃の伴走:近所のお客様が確かめる場所を、一緒に整えます

私たち雄喜晃は、神戸市北区鈴蘭台を拠点に、2025年10月6日に設立した会社です。私たち自身も地域の会社なので、近所のお客様が、紹介や看板から確かめに来るという流れは、身近なものとして考えています。

私たちがやること

最初のお打ち合わせで、お客様がどの入口から来ることが多いのか、どの地域の、どんな方なのかを伺います。そのうえで、地域名の入れ方、最初の画面に置く情報、近所の人が安心する情報を、貴社の業種に合わせて原稿にし、ページに組みます。

Googleマップとサイトの表記がずれていないかも、一緒に確かめます。紙のチラシや名刺と、サイトの名前・電話番号がそろっているかも見ます。

料金と条件

料金は制作費0円、月額8,800円(税別)です。6ページ構成のプランは月額13,800円(税別)です。サーバー、独自ドメイン、SSL、保守は月額に含まれます。月5回までの更新代行も同じ月額の中なので、営業時間や休業日が変わったとき、地域でやった仕事を足したいときも、ご連絡いただければこちらで反映します。

最低契約期間は6ヶ月です。7〜35ヶ月で解約された場合、サイトは非公開になります。36ヶ月以上ご継続いただいた場合は、サイトをお渡しします。

私たちがやらないこと

地域名だけを差し替えたページを大量に作ることはしません。口コミを特典と交換する仕組みを作ることも、作文した口コミを載せることもしません。地図や検索の順位、問い合わせの件数をお約束することもいたしません。

実際にお作りしたサイトは 制作実績、私たち自身の料金と条件は ホームページ制作のページ に載せてあります。紹介と近所のお客様で回っているけれど、調べられたときの受け皿が無いという方は、一度ご相談ください。

9. まとめ:遠くに届けるより、近くで確かめられるように

地域で商売をする会社のホームページで押さえることは、5つです。

  • 3つの入口を意識する ― 探して来る、聞いて来る、見かけて来る。どこから来ても、最後はスマートフォンで確かめる
  • 地域名は、お客様の呼び方で書く ― 住所欄だけでなく本文に。地元の目印も使う
  • Googleマップは入口、サイトは確かめる場所 ― 名前・住所・電話・営業時間をそろえる
  • 近所の人が安心する情報を置く ― 誰が、どこで、いつ、近所にどう気を配っているか
  • 紙・口コミ・紹介とつなぐ ― 同じ名前で出てくるように。口コミは特典と交換しない

地域の商売にとって、ホームページは、遠くのお客様を呼ぶための看板ではありません。近所のお客様が、頼む前にそっと確かめる場所です。そこに今の姿があれば、紹介も看板も、そのまま連絡につながります。

今日できることを1つだけ挙げます。スマートフォンで、自社の名前を検索してみてください。紹介された人が最初に見る画面が、そこにあります。

ぜひ一度、お話を聞かせてください。貴社のお客様がどこから来ているかを伺うところから、ご一緒します。