1. 「返したほうがいいのは分かるんですが」

中小企業の経営者の方とお話していて、こんな言葉をよく聞きます。

「Googleマップの口コミ、返信したほうがいいとは聞くんです。でも、良い口コミに毎回『ありがとうございます』と書くのも芸がないし、低い評価のほうは何を書いても言い訳に見えそうで。結局、何ヶ月も放ったらかしなんです」

この迷いは、とても自然です。口コミへの返信は、お客様への手紙のようでいて、実は誰でも読める場所に貼り出される文章です。誰に向けて書くのかがはっきりしないので、手が止まります。

先に答えを書いておきます。返信を読んでいるのは、口コミを書いた本人より、これから貴社を選ぶかどうか考えている人です。地図で貴社を見つけて、口コミを読み、返信まで読んで、頼むかどうかを決める人。その人に向けて書くと決めれば、何を書けばいいかが見えてきます。

この記事で書くこと

  • 全部の口コミに返すべきか
  • 良い口コミへの返し方
  • 低い評価への返し方(言い訳をしない・個人情報を書かない)
  • 事実と違う口コミへの書き方
  • 返信を誰が書くか
  • 口コミを、ホームページにどう生かすか

口コミの集め方そのものは 「お客様の声」を、どう集めて、どう載せるか に、地図とホームページのどちらを先に整えるかは Googleマップとホームページ、どちらを先に整えるか に書きました。この記事は、口コミが付いたあとの返信に絞ります。

2. 全部に返すか

原則は、全部に返す

結論から言うと、返せる範囲で、全部に返してください。良い口コミにも、低い評価にもです。

理由は、返信が並んで見えるからです。良い口コミにだけ返して、低い評価に返していないと、読む人は「都合の悪いものは見ないふりをする会社だ」と受け取ります。逆に、低い評価にだけ長い返信が付いていると、そこだけが目立ちます。全部に同じ温度で返していると、どれか1つが浮くことがありません。

本文のない評価には、短く

星だけで、本文が書かれていない口コミもあります。これにも返して構いません。ただし、短くです。

  • 高い評価なら「ご利用いただき、ありがとうございました。またお待ちしております」
  • 低い評価なら「ご期待に添えなかったようで、申し訳ありません。お気づきの点があれば、お聞かせいただけると助かります」

本文がないのに長く返すと、かえって不自然に見えます。

返す時期

気づいたら、早めに返すのが基本です。ただし、低い評価だけは、すぐに返さず一晩置いてください。読んだ直後は、どうしても気持ちが文章に出ます。

古い口コミに、今から返すか

何ヶ月も放っておいた口コミに、今から返してもいいか。返して構いません。遅れたことを一言添えれば十分です。「ご返信が遅くなり、申し訳ありません」。返信がないまま残っているより、ずっといい状態になります。

3. 良い口コミへの返し方

良い口コミへの返信は、簡単そうで、実はいちばん差が出ます。

定型文の使い回しは、すぐ分かる

「この度はご利用いただき誠にありがとうございます。またのご来店をスタッフ一同お待ちしております」。この一文がすべての口コミに付いていると、読む人は口コミを読まずに返していると受け取ります。

お礼の言葉を毎回変える必要はありません。変えるのは、次に書く部分です。

書かれた内容に、1つだけ触れる

返信の真ん中に、口コミに書かれていたことを1つだけ拾って触れてください。

口コミに「説明が分かりやすかった」とあれば、そこに触れる。「駐車場が広くて助かった」とあれば、そこに触れる。全部に触れる必要はありません。1つで十分です。ちゃんと読んだことが伝わるのは、この1行です。

次に来る人の役に立つことを、1つ足す

余裕があれば、次に来る人が知っておくと便利なことを1つ添えます。

「駐車場が広くて助かった」への返信なら、「土曜の午前は混み合うので、平日もご利用ください」のように。これは、口コミを書いた本人より、これから来る人に向けた一言です。ただし、宣伝を長く書くと台なしになります。1文だけにしてください。

良い口コミでも、書かないこと

  • 本人が書いていない個人の情報 ― 来店日、注文内容、施工した場所など。本人が書いていても、繰り返さないほうが安全です
  • 割引や特典の案内 ― 「次回使えるクーポンを差し上げます」のような書き方は、口コミと特典を結びつけて見えます
  • 検索を意識した言葉の詰め込み ― 地域名やサービス名を何度も入れると、読む人には不自然に見えます
図:同じ口コミへの、3つの返し方(口コミも返信も例は架空)
① 定型文
「この度はご利用いただき誠にありがとうございます」

失礼ではありませんが、ほかの口コミにも同じ文が並んでいます。読む人は、口コミを読まずに返していると受け取ります。

返していないのと、あまり変わらない
② 宣伝
「当店は創業以来、〇〇市で地域密着の〜」

口コミの内容に触れず、自社の紹介を長く書く形です。返信の欄を広告として使っているように見えます。

読む人の気持ちが、離れる
③ 内容に触れる
「駐車場のこと、うれしいお言葉です」

たとえば「駐車場が広くて助かった」という口コミなら、そこに触れて、「土曜の午前は混み合います」と次に来る人への一言を添えます。

読んだことが伝わり、次の人の役にも立つ

③の長さは、2〜3文で足ります。お礼、口コミの内容に1つ触れる、次に来る人への一言。この順番で書けば、毎回考え込まずに済みます。

4. 低い評価への返し方

ここがいちばん悩むところです。順番に書きます。

一晩置いて、別の人にも読んでもらう

先に書いたとおり、低い評価にはすぐ返さないでください。下書きを書いて、一晩置き、翌日にもう一度読みます。できれば、書いた人とは別の人にも読んでもらいます。

返信は、あとから直したり消したりすることもできます。ただ、一度出た返信は、それまでに読んだ人の記憶に残ります。

言い訳をしない

低い評価への返信で、いちばん多い失敗が言い訳を並べることです。

「その日は人手が足りず」「繁忙期で」「普段はそのようなことはないのですが」。どれも事実かもしれません。ただ、読む人には、不満を言った人に向かって、こちらの事情を説明しているように見えます。これから頼むかどうか考えている人は、「自分が不満を言っても、こう返されるのか」と思います。

理由の説明が要る場合は、1文だけにしてください。そして、その後ろに、これからどうするかを書きます。

謝る範囲を、分けて考える

謝ることを、ためらう方もいます。「謝ったら、こちらの非を認めたことになるのでは」という心配です。

ここは分けて考えてください。不快な思いをさせたことへのお詫びと、書かれた内容をすべて認めることは別です。「ご不快な思いをおかけし、申し訳ありません」は、事実関係を認める言葉ではありません。まずそこから入り、事実については必要なことだけを書きます。

個人の情報を、書かない

これは、低い評価のときほど大事です。投稿した人が誰か分かっていても、返信には書かないでください。

  • 名前、来店や依頼の日時
  • 注文の内容、工事の場所、金額
  • 電話やメールでのやり取りの中身
  • 「担当の〇〇によると、お客様は〜とおっしゃっていた」のような、その場の会話の再現

どれも、反論の材料として書きたくなるものです。ただ、読む人から見ると、不満を言うと自分のことを書かれる会社に見えます。それは、低い評価そのものより重く効きます。

話の続きは、外に出す

詳しい話が要るときは、返信の中で続けず、連絡先を書いて、外で話す形にします。

「詳しくお話を伺えれば幸いです。お手数ですが、〇〇(代表の電話番号)までご連絡いただけますでしょうか」

連絡を求めても、来ないことはあります。それで構いません。この一文は、投稿した人だけでなく、読む人に向けて「この会社は話を聞く会社だ」と伝えるためのものです。

直すことがあれば、具体的に書く

指摘が正しく、直せることなら、何を直すかを具体的に書いてください。「今後は気をつけます」ではなく、「お見積もりの際に、追加費用がかかる場合を先にお伝えするようにしました」のように。

具体的に直したことが書いてある返信は、低い評価を、かえって信頼の材料に変えることがあります。

5. 事実と違う口コミへの書き方

「書かれていることが、そもそも事実と違う」という場合もあります。ここは慎重に進めます。

まず、本当に違うのかを確かめる

返信を書く前に、社内で確かめてください。その日の担当者に聞き、記録を見ます。経営者が知らないところで、書かれたとおりのことが起きていた、ということは珍しくありません。

確かめた結果、事実だった部分があれば、そこは前の章のとおりに返します。

反論ではなく、事実を1つ添える

確かめて、事実と違うと分かった場合も、反論を並べないでください。添える事実は1つだけです。たとえば、こんな形です。

「ご不快な思いをおかけし、申し訳ありません。なお、当店では閉店時間を18時としており、ご案内の内容に行き違いがあったかもしれません。改めて店頭とホームページの表記を確認いたします」

相手が間違っていると言わずに、正しい情報だけを置く形です。読む人は、どちらが正しいかを自分で判断します。

心当たりがないとき

記録をいくら見ても、該当するお客様が見当たらないこともあります。別の店との勘違いかもしれません。

その場合も、決めつけずに書きます。「お調べしましたが、該当するご利用の記録を確認できませんでした。お手数ですが、詳しい状況を〇〇までお知らせいただけますでしょうか」。「嘘だ」「なりすましだ」とは書かないでください。

削除を求めたいとき

明らかに規約に反する口コミ、たとえば営業と関係のない中傷や、個人を攻撃する内容は、Googleに報告する仕組みがあります。

ただ、何が削除の対象になるか、どう報告するかは、Googleが決めていて、案内も変わることがあります。手順は、Googleのヘルプで最新の案内を確認してください。報告しても、削除されるとは限りません。削除を待つ間も、返信は返信として書いておくほうが安全です。

書かれた内容が名誉や信用にかかわる深刻なものだと感じた場合は、返信で争わず、弁護士などの専門家に相談してください。業種や状況によって判断が違うので、所管の窓口や専門家に確認するのが確実です。

表:低い評価の場面ごとの、返し方の骨組み(例はすべて架空)
場面返信に書くこと書かないこと
待ち時間が長かったお詫び。たとえば「予約の枠を見直しました」のように直したことを1つ「その日は混んでいて」という事情の説明を何文も
対応が悪かったお詫びと、外で話す連絡先。社内で共有したこと担当者の名前、その場の会話の再現
事実と違うお詫びのあと、正しい情報を1つだけ置く「事実無根です」のような強い言葉、相手の間違いの指摘
心当たりがない記録が見当たらないことと、詳しく聞かせてほしいというお願い「なりすまし」「他店と間違えている」という決めつけ
星1つ、本文なし短いお詫びと、気づいた点を聞かせてほしいという一文長い弁明、自社の紹介

どの場面でも、個人の情報は書かない、反論は並べない、直すことがあれば具体的に書くの3つは共通です。中身は、貴社の事実で書いてください。

6. 返信を誰が書くか

返信の中身が決まっても、書く人が決まっていないと、また放ったらかしに戻ります。

書く人と、最後に確かめる人を決める

経営者が全部書くか、店長や担当者が書くか。どちらでも構いません。大事なのは、出す前に最後に確かめる人を1人決めておくことです。

良い口コミへの返信は、現場の担当者が書いたほうが、内容に触れやすくなります。低い評価への返信は、現場が下書きを書き、経営者か責任者が確かめてから出す形が安全です。

返信の型を、1枚にまとめる

担当者が変わっても同じ温度で返せるように、返信の型を1枚の紙にまとめておきます。

  • 書くこと ― お礼かお詫び、口コミの内容に1つ触れる、次に来る人への一言か直したこと
  • 書かないこと ― 個人の情報、言い訳、反論、特典の案内
  • すぐ出さないもの ― 低い評価は一晩置き、確かめる人に回す

型があると、書く人が迷わず、返信の質も揃います。

気づける仕組みを作る

返信が止まる理由の多くは、口コミが付いたことに気づいていないことです。Googleビジネスプロフィールの通知を、誰が受け取るかを決めてください。

もう1つ、管理する人が1人だけだと、その人が辞めたときに誰も返信できなくなります。管理できる人を、社内に2人以上置いておくと安心です。

外に頼むときの注意

返信を外部に任せる方法もあります。ただ、現場を知らない人が書くと、どうしても定型文に近づきます。そして、低い評価への返信は、事実を知っている社内の人が確かめないと、書いてはいけないことを書いてしまうおそれがあります。任せる場合も、確かめる人は社内に残してください。

7. 口コミを、ホームページにどう生かすか

口コミは、返して終わりではありません。ホームページを直すための材料としても使えます。

何度も出てくる言葉は、サイトに足りない説明

口コミを並べて読むと、同じことが何度も書かれていることがあります。

  • 「駐車場があるか分からなかった」 ― アクセスのページに、台数と入り方を書く
  • 「料金が思っていたより高かった」 ― 料金のページに、高くなる条件を書く
  • 「予約が取りにくい」 ― 予約のページに、混む時間帯の目安を書く

低い評価に何度も出てくる言葉は、来る前に知っておきたかったことです。それをサイトに書いておけば、同じ不満は減っていきます。良い口コミに何度も出てくる言葉は、貴社の強みとしてサイトに書けます。

口コミの本文を、勝手に転載しない

良い口コミを、そのままサイトに載せたくなることがあります。転載するなら、投稿した本人の許可を取ってください。許可が取れない場合は、Googleマップのページへのリンクを置く形にします。このあたりの考え方は、冒頭で紹介した「お客様の声」の記事に詳しく書きました。

星の数や件数を、サイトに書かない

たとえば「Googleの評価4.8」のように、星の数をサイトに書く会社もあります。ただ、星の数も件数も、日々変わります。サイトに書いた数字は、すぐに古くなり、地図と食い違います。載せるなら、数字ではなく、地図のページへのリンクにしておくほうが安全です。

実績のページと、つなぐ

口コミに具体的な仕事の話が書かれていたら、それは実績のページの材料にもなります。もちろん、お客様の許可を取ってからです。どんな依頼で、何をして、どうなったか。実績の書き方は 実績ページに何を書くと、次の依頼につながるか に、地域の商売でサイトと地図をどうつなぐかの全体像は 地域で商売をする会社の、ホームページの全体像 にまとめてあります。

8. 雄喜晃の伴走:口コミで分かったことを、サイトに戻します

私たち雄喜晃のホームページ制作では、口コミをサイトを直すための材料として扱います。

私たちがやること

最初のお打ち合わせで、貴社のGoogleマップの口コミを一緒に読みます。何度も出てくる言葉を拾い、アクセス、料金、よくある質問など、どのページに何を書き足せばいいかを決めます。サイトと地図の名前・住所・電話番号・営業時間の表記も揃えます。

返信については、貴社に合った返信の型を一緒に作り、低い評価への返信で迷ったときは、下書きを一緒に確かめます。

料金と条件

料金は制作費0円、月額8,800円(税別)からです。6ページ構成のプランは月額13,800円(税別)です。サーバー、独自ドメイン、SSL、保守はすべて月額に含まれます。月5回までの更新代行も同じ月額の中なので、口コミで分かったことをサイトに書き足すときも、ご連絡いただければこちらで反映します。

最低契約期間は6ヶ月です。7〜35ヶ月で解約された場合、サイトは非公開になります。36ヶ月以上ご継続いただいた場合は、サイトをお渡しします。

私たちがやらないこと

口コミを割引や特典と引き換えに集める方法は、ご提案しません。自作自演の口コミや、知り合いに頼んで書いてもらう口コミも、お手伝いしません。短い間に数が増えても、貴社が負うものが大きすぎるからです。

また、低い評価の削除をお約束することもしません。削除するかどうかを決めるのはGoogleです。地図の順位や、問い合わせの件数をお約束することもいたしません。返信の文面を、貴社の確認なしに出すこともしません。

「口コミに返せていないまま、何ヶ月も経っている」という方は、一度ご相談ください。実際にお作りしたサイトは 制作実績、料金と条件は ホームページ制作のページ に載せてあります。神戸市北区鈴蘭台を拠点に、2025年10月から活動しています。

9. まとめ:返信は、次に来る人への手紙

Googleマップの口コミに返信するときに押さえることは、5つです。

  • 返せる範囲で、全部に返す ― 低い評価だけ、良い口コミだけ、と分けない
  • 良い口コミには、内容に1つ触れる ― 定型文の使い回しは、読む人に分かります
  • 低い評価は、一晩置いて、言い訳しない ― 個人の情報は書かず、話の続きは外に出す
  • 事実と違うときは、正しい情報を1つだけ置く ― 削除の手順は、Googleのヘルプで最新の案内を確認する
  • 何度も出てくる言葉は、サイトに書き足す ― 口コミは、サイトに足りない説明を教えてくれます

返信を読んでいるのは、口コミを書いた本人だけではありません。これから貴社を選ぶかどうかを考えている人です。その人に向けて書けば、良い口コミにも低い評価にも、何を書けばいいかが決まります。

今日できることを1つだけ挙げます。貴社の口コミを、新しい順に10件読んでみてください。返信が付いていないものがいくつあるか、同じ言葉が何度出てくるか。それだけで、返すことと、サイトで直すことが見えてきます。

口コミへの返し方に迷っている、という方は、一度ご相談ください。