1. 「検索したら、昔の電話番号が出てきまして」
中小企業の経営者の方とお話していて、こんな言葉をよく聞きます。
「移転のときに、自分のところのホームページはちゃんと直したんです。でもこの前、新しいお客様から『前の番号にかけたらつながらなかった』と言われて。調べてみたら、どこかの名簿サイトに昔の住所と電話がそのまま載っていたんです」
自社のサイトは、自分たちで直せます。ところが、貴社の情報はサイトの外にも散らばっています。業界の名簿、地域の情報サイト、求人媒体、団体の会員一覧、地図アプリ、何年も前の取材記事。載せた覚えのない場所に、載せた覚えのない時期の情報が残っていることは珍しくありません。
しかも、社名で検索すると、自社サイトより上に外の掲載が並ぶことがよくあります。
この記事と、ほかの記事の分担
移転や社名変更のときに自社サイトの中でどこを直すかは、移転・社名変更・代表交代のときに、サイトで直すところ にまとめました。この記事は、その続きです。自社サイトの外に残った情報を、どう見つけて、どう直すかを書きます。
この記事で書くこと
- 洗い出し ― 社名と古い情報で検索して、残っている場所を一覧にする
- 仕分け ― 自分で直せるもの、掲載元に頼むもの、直せないものに分ける
- 依頼 ― 掲載元への修正依頼の書き方と、文例
- 上書き ― 直せないものを、自社サイトの側で打ち消す方法
2. 外に古い情報が残るのは、誰のせいでもない
先に、なぜ外に古い情報が残るのかを整理しておきます。理由が分かると、どこを探せばいいかも見えてきます。
自分で載せたものと、載せられたものがある
外の掲載には、2種類あります。1つは、貴社が自分で登録したものです。求人媒体、地図アプリの店舗情報、SNSのプロフィール、業界のポータルへの登録など。もう1つは、相手が独自に集めて載せたものです。団体の会員一覧、地域の情報サイト、取材記事、各種の企業名簿などがこちらに入ります。
前者は、貴社の側に管理画面があります。後者は、ありません。ここが、直し方を分ける境目になります。
載せた人が、もう社内にいない
登録した人が辞めていたり、部署を移っていたりすると、どこに登録したのか、誰も覚えていない状態になります。ログインのメールアドレスが退職した人の個人アドレスだった、ということもよく起きます。
掲載元は、貴社の変更を知らない
相手が載せた情報は、相手が直さない限り変わりません。そして相手は、貴社の移転も、電話番号や営業時間の変更も知りません。知らせなければ、そのまま何年でも残ります。悪気はなく、知らないだけです。
残りやすい情報は、だいたい4つ
古いまま残って実害が出やすいのは、次の4つです。
- 住所 ― 旧住所にお客様や配送が来てしまう
- 電話番号 ― つながらない、または別の人につながる
- 営業時間・定休日 ― 閉まっている時間に来られてしまう
- ホームページのURL ― リニューアル前のURLに飛んで、「ページが見つかりません」になる
どれも、古い情報を見た人は連絡できずに終わります。連絡が来ないので、こちらは気づけません。冒頭の方のように、誰かが教えてくれて初めて分かります。
3. 社名で検索して、残っている場所を洗い出す
まずは、どこに何が残っているかを調べます。手間に見えますが、一巡するのにそれほど時間はかかりません。
検索する言葉は、新しい情報ではなく古い情報
コツは、古い情報のほうで検索することです。新しい情報で探しても、古いページは出てきません。
- 社名 ― まずはこれ。「株式会社」の有無や、略称でも試す
- 旧住所 ― 番地まで入れて検索する。ビル名だけでも試す
- 旧電話番号・旧FAX番号 ― ハイフンあり、なし、括弧つきで、それぞれ検索する
- 旧URL・旧ドメイン ― 昔のアドレスを、そのまま検索欄に入れる
- 旧社名・旧店名 ― 社名が変わったことがあれば
- 社名+地名、社名+業種 ― 地域の情報サイトや業界の名簿が出やすい
検索結果は2〜3ページ目まで見てください。古い掲載は、後ろのほうに沈んでいます。沈んでいても、旧電話番号で検索した人には出てきます。
地図アプリも、別に見る
Googleマップでも、社名と旧住所で検索してください。移転前の場所に、古い店舗情報がもう1つ残っていることがあります。自分で登録した覚えがなくても、地図の情報は誰でも追加を提案できるので、別の人が登録していることがあります。
見つけたら、その場で一覧に書く
見つけたものは、記憶に頼らず、その場で表に書いてください。
| 見つけた場所 | 古いままの項目 | 直し方 | 状況 |
|---|---|---|---|
| たとえば Googleマップの店舗情報 | 営業時間、ホームページのURL | 自分で直す(管理画面がある) | 〇月〇日に修正、反映を確認 |
| たとえば 求人媒体の掲載ページ | 勤務地の住所 | 自分で直す(ログインを再発行) | 登録メールが退職者のアドレス。再発行を申請中 |
| たとえば 加盟している団体の会員一覧 | 住所、電話番号 | 掲載元に頼む(事務局へ) | 〇月〇日にメールで依頼、返事待ち |
| たとえば 地域の情報サイト | 電話番号、旧URL | 掲載元に頼む(修正依頼のフォーム) | 〇月〇日に送信 |
| たとえば 数年前の取材記事 | 旧住所 | 追記をお願いする。断られたら直せない扱い | 自社サイトに移転のお知らせを残して対応 |
列は4つで足ります。大事なのは「直し方」の列を、見つけた時点で埋めてしまうことです。いつ頼んだかを書いておくと、返事が来ないときに追いかけられます。
この一覧は残してください。次に何かが変わったとき、そのまま直す場所のリストになります。
4. 「自分で直す」「頼む」「直せない」の3つに分ける
一覧ができたら、3つに分けます。分けておくと、どこから手を付けるかで迷いません。
たとえばGoogleビジネスプロフィール、SNSのプロフィール、求人媒体の自社の管理画面、自分で登録したポータル。ログインさえできれば、今日直せます。
たとえば団体の会員一覧、地域の情報サイト、取引先のサイトの紹介欄、取材記事。どのページの、どの項目を、どう直すかを書いて依頼します。
運営が止まったまま残っているサイトや、連絡しても反応の無い掲載です。追いかけ続けるより、自社サイトの側で正しい情報をはっきり出します。
①と②は直すもの、③は打ち消すものです。一度は頼んでみて、動かなかったものだけを③に回すと、手間と結果の釣り合いが取れます。
迷ったら、ログインできるかどうかで決める
自分で登録したか覚えていない掲載は、ログインできるかどうかで決めてください。手元のメールアドレスでパスワードを再発行できるなら①、できなければ運営元に問い合わせる②として扱います。
優先順位は、実害の大きい順
全部を一度に直す必要はありません。順番は2つで決めます。
- 実害の大きい項目から ― 電話番号と住所が先。営業時間とURLが次
- 検索で上に出る場所から ― 社名で検索して1ページ目に出るものが先。後ろのほうに沈んでいるものは後回し
いちばん先に手を付けるのは、ほとんどの場合Googleマップです。社名で検索したときに大きく出るうえ、電話とルート案内がその場で押せるので、古いままだといちばん早く実害が出ます。地図とサイトの関係は Googleマップとホームページ、どちらを先に整えるか に書きました。
5. 自分で直せるものを、先に片付ける
①に入ったものは、今日から直せます。ここで止まる理由は、ほとんどがログインです。
まず、ログインできるかを確かめる
次の順で確かめてください。
- 登録したメールアドレスを探す ― 会社の代表アドレス、担当者のアドレス、昔使っていたフリーメールのどれか
- パスワードの再発行を試す ― 再発行のメールが届くアドレスかどうかが分かれ目
- 届かないなら、運営元に問い合わせる ― 本人確認の書類を求められることがあります。時間がかかるので早めに
ログインできたら、登録メールアドレスを、会社で共有しているアドレスに変えておいてください。個人のアドレスのままだと、その人が辞めたときにまた同じことが起きます。
Googleビジネスプロフィールで見るところ
地図の店舗情報は項目が多く、見落としが出ます。住所と電話番号のほかに、次を確かめてください。
- 営業時間と、祝日などの特別な営業時間 ― 通常の時間だけ直して、特別な時間が古いまま残っていることがあります
- ウェブサイトの欄 ― リニューアル前のURLのままになっていないか。押して、新しいページが開くか確かめる
- 重複している店舗情報 ― 移転前の場所に古い情報が残っていたら、閉業や重複の報告をする
営業時間の書き方は 営業時間・定休日を、ホームページにどう書くか にまとめてあります。
求人媒体とSNSのプロフィール
求人媒体は、募集を終えた古い求人に旧住所が残りがちです。SNSは、プロフィール欄の住所とリンク先を見てください。リンク先が古いURLのままだと、押した人は「ページが見つかりません」の画面に着きます。
直したら、日付を書いておく
直したら、一覧の「状況」に日付を書きます。地図アプリなど、反映まで日数がかかるものもあるので、数日後にもう一度開いて、本当に変わっているかを確かめてください。
6. 掲載元に頼むときの、連絡の書き方
②に入ったものは、掲載元に連絡します。ここは、文面を短く、具体的にするだけで、通りやすさが変わります。
連絡先を探す
窓口は、ページの下のほうか、運営者の情報のページにたいていあります。
- 情報サイト・名簿サイト ― 掲載情報の修正依頼のフォームがあることが多い
- 団体の会員一覧 ― 会費の連絡が来る事務局がそのまま使えます
- 取材記事 ― 媒体の編集部へ。取材のときの担当者が分かればその方へ
- 取引先のサイト ― 普段のやり取りの相手に頼むのがいちばん早い
依頼文に入れるのは、5つだけ
掲載元は、多くの会社の情報を扱っています。読んですぐ直せる形で送ってください。
- 誰か ― 社名と、担当者の名前
- どのページか ― 掲載ページのURL。分からなければ、ページの名前
- どの項目か ― 住所、電話番号、営業時間、URLのどれか
- 何から何へ ― 古い情報と、新しい情報を並べて書く
- 確かめる先 ― 正しい情報が載っている自社サイトのURL
「情報が古いので直してください」だけだと、相手が調べ直すことになります。古い情報と新しい情報を並べれば、相手は写すだけで済みます。
文例
文例を2つ置きます。どちらも例なので、社名や項目は貴社のものに置き換えてください。
例:「〇〇協会 事務局 御中。いつもお世話になっております。株式会社〇〇の△△です。貴会サイトの会員一覧(URL:〜)に掲載いただいている弊社の情報が、移転前のままになっておりました。お手数ですが、次のとおりご修正をお願いできますでしょうか。住所:旧〇〇市〇〇町1-2-3 → 新〇〇市△△町4-5-6。電話番号:旧000-000-0000 → 新000-000-1111。現在の情報は弊社サイト(URL:〜)にも掲載しております。どうぞよろしくお願いいたします。」
取材記事の場合は、書き換えではなく追記をお願いする形にすると、受けてもらいやすくなります。記事は、取材した時点の事実として書かれているからです。
例:「〇年〇月に掲載いただいた記事(URL:〜)では、大変お世話になりました。その後、弊社は〇年〇月に移転いたしました。記事の内容はそのままで構いませんので、末尾などに『〇年〇月に移転しました。現在の所在地は〜』と一行加えていただくことはできますでしょうか。難しい場合は、どうぞお気になさらないでください。」
最後の一文のように断る余地を残すと、相手は返事がしやすくなります。
返事が来ないとき
一覧に送った日を書いておき、しばらくして変わっていなければ、一度だけもう一度送ります。それでも動かなければ、③として扱って構いません。
有料の掲載を勧められたとき
修正の連絡をきっかけに、有料の掲載プランを案内されることもあります。修正だけで済むのかを、先に確かめてください。直すために要らない契約をする理由はありません。削除をお願いするという選択もあります。
直す連絡のついでに、リンク先のURLが新しいものになっているかも見てもらうと一度で済みます。リンクの考え方は 取引先や団体からのリンクと、外へのリンクをどう考えるか に書きました。
7. 直せないものは、自社サイトで上書きする
最後に、③に入ったものです。運営が止まっているサイト、連絡先の無い名簿、返事の来ない掲載。これらを追いかけ続けても、手間ばかりかかります。相手のページを直す代わりに、自社サイトの側で正しい情報をはっきり出します。
正しい情報を、文字で、どのページにも
古い情報でつながらなかった人は、社名で検索し直して自社サイトに来ます。そこで正しい情報がすぐ目に入ることが大事です。
- 会社概要とアクセスのページ ― 住所、電話番号、営業時間を、略さずに書く
- 全ページの下の部分 ― 住所と電話番号を、どのページからでも見えるところに
- 画像ではなく文字で ― 画像に焼き込んだ文字は、検索エンジンが読み取りにくく、スマートフォンで押して電話もかけられません
表記の揺れにも気をつけてください。サイトの中で住所の書き方が2通りあると、どれが正しいのか分かりにくくなります。揃え方は ホームページと名刺・封筒で、書いてあることが違う にまとめました。
古い情報を、あえて自社サイトに書いておく
少し意外かもしれませんが、古い情報を自社サイトに書いておくと役に立ちます。
例:「〇年〇月に、〇〇市△△町へ移転しました。旧所在地(〇〇市〇〇町)には、現在お伺いいただいても対応できません。」
例:「以前お使いいただいていた電話番号は、現在つながりません。新しい番号は000-000-1111です。」
旧住所や旧電話番号で検索した人にも、このページが見つかるようになります。外の古い掲載を見た人が確かめようとしたときの着地点になります。お知らせを1本書き、アクセスのページに一行添えれば十分です。
旧URLは、新しいページへ転送する
外の掲載が古いURLを指したまま直らない場合は、自社サイトの側で受け止めます。旧URLにアクセスした人を、新しいページへ自動で転送する設定をしておけば、外の掲載が古いままでも、押した人はちゃんと貴社のページに着きます。
そのためには、古いドメインを手放さずに持っておくことが前提です。転送の設定と、旧URLと新URLの対応表の作り方は リニューアルでURLが変わるときに、失うもの に書きました。
営業時間は、外に書く場所を絞る
営業時間は、住所や電話番号より変わりやすい情報です。外の掲載に書けば書くほど、変わったときに直す場所が増えます。外に載せるときは、営業時間は地図の店舗情報と自社サイトだけに置き、ほかの掲載には「最新の営業時間はホームページでご確認ください」と書いておくのも1つのやり方です。
年に1回、もう一度検索する
年に1回、決算の頃などに、社名と旧情報でもう一度検索してみてください。新しく載った名簿や情報サイトが見つかることがあります。
8. 雄喜晃の伴走:外に残った情報を、一覧にするところから
私たち雄喜晃には、「どこかに古い情報が残っているらしいが、どこから手を付ければいいか分からない」というご相談も来ます。まずやるのは、残っている場所を一緒に洗い出して、3つに分けることです。
私たちがやること
社名や旧住所、旧電話番号、旧URLで検索して、残っている場所を一覧にするところからお手伝いします。そのうえで、自社サイトの会社概要、アクセス、全ページの下の部分に、正しい情報を文字で載せます。移転や番号変更のお知らせを残し、旧URLからの転送も設定します。直せない外の掲載を、自社サイトの側で受け止める形に整えるのが私たちの仕事です。
掲載元への修正依頼の文面も、下書きをお作りします。Googleビジネスプロフィールは、ウェブサイトの欄のURLと営業時間がサイトと揃っているかを一緒に確かめます。
料金と条件
料金は制作費0円、月額8,800円(税別)からです。6ページ構成のプランは月額13,800円(税別)です。サーバー、独自ドメイン、SSL、保守はすべて月額に含まれます。月5回までの更新代行も同じ月額の中なので、移転のお知らせを出す、営業時間を直す、といった書き換えは、ご連絡いただければこちらで反映します。
最低契約期間は6ヶ月です。7〜35ヶ月で解約された場合、サイトは非公開になります。36ヶ月以上ご継続いただいた場合は、サイトをお渡しします。
私たちがやらないこと
掲載元との交渉や、削除の請け負いはしません。外のサイトに何を載せるかは、そのサイトの運営元が決めることです。依頼の連絡は、貴社の名前で出していただくほうが、相手も受け止めやすくなります。私たちは、その文面を一緒に作るところまでです。
また、修正のついでに有料の掲載サービスや名簿への登録をお勧めすることもしません。古い情報が検索結果から消えることや、検索の順位をお約束することもいたしません。
実際にお作りしたサイトは 制作実績、料金と条件は ホームページ制作のページ に載せてあります。神戸市北区鈴蘭台を拠点に、2025年10月から活動しています。
「自社のサイトは直したのに、外にまだ古い情報が残っている」という方は、一度ご相談ください。
9. まとめ:外の古い情報は、探して、分けて、受け止める
自社以外のサイトに残った古い情報を直すときに押さえることは、5つです。
- 古い情報のほうで検索する ― 社名、旧住所、旧電話番号、旧URLで。2〜3ページ目まで見る
- 見つけたら一覧に書く ― 場所、項目、直し方、状況の4列で足りる
- 3つに分ける ― 自分で直す、掲載元に頼む、直せない。迷ったらログインできるかで決める
- 頼むときは、古い情報と新しい情報を並べる ― 相手が写すだけで済む形にして、根拠のURLを添える
- 直せないものは、自社サイトで受け止める ― 正しい情報を文字で載せ、旧情報のお知らせを残し、旧URLは転送する
外の情報は、全部を直すことはできません。それでも、古い情報を見た人が、最後に貴社のサイトで正しい情報にたどり着けるようにしておけば、実害はかなり抑えられます。
まずは今日、旧電話番号で一度検索してみてください。何が出てくるかで、次にやることが決まります。