1. 「取引先のサイトに、うちを載せてもらえることになって」

中小企業の経営者の方とお話していて、こんな言葉をよく聞きます。

「取引先が協力会社の一覧にうちのリンクを載せてくれるそうなんです。ありがたいんですが、何を渡せばいいのか分からなくて。それと、リンクは多いほど検索にいいと聞いたことがあるんですが、こちらからも何か頼んだほうがいいんでしょうか」

この質問には、2つの話が混ざっています。1つは、外のサイトからのリンクをどう受けるか。もう1つは、リンクの数を増やすべきかどうかです。

結論から言えば、前者は丁寧に受けたほうがいい話で、後者は無理に増やさなくていい話です。リンクには、増やすと役に立つものと、増やすとかえって危ないものがあります。この記事では、その分け方を書きます。

この記事で書くこと

  • 外からのリンク ― 自然で役に立つものと、避けたいもの
  • 外へのリンク ― 何に張るか、新しいタブで開くか
  • 点検 ― リンク先が消えた・別の会社になったとき
  • 頼み方 ― 取引先に載せてもらうときに渡すもの

2. リンクは、ページどうしの紹介状

最初に、リンクの考え方を1つに揃えておきます。リンクは、ページどうしの紹介状だと考えてください。

外からのリンクは、誰かに紹介してもらうこと

取引先のサイトに貴社へのリンクがある。これは、取引先が「この会社と付き合いがあります」と紹介してくれている状態です。読む人にとっては、貴社が実在して、実際に取引があることの裏付けになります。

検索エンジンも、ほかのサイトからのリンクを、そのページの評価の材料の1つにしているとされています。ただ、ここで大事なのは順番です。まず人にとっての紹介として意味があり、そのうえで検索エンジンも参考にしている。人にとって意味のないリンクは、検索エンジンにとっても意味が薄いと考えておくと、判断を誤りません。

外へのリンクは、誰かを紹介すること

逆に、貴社のサイトから外へ張るリンクは、貴社が誰かを紹介していることになります。所属している団体、取引先、許認可を確かめられる窓口のページ。

紹介した相手が、ある日なくなっていたり、まったく別の会社に変わっていたりしたら、紹介した側の信用にも響きます。外へのリンクは、張ったあとも責任が残るものです。これは第6章で詳しく書きます。

3. 自然で、役に立つリンク

では、どんなリンクなら自然なのか。基準は1つで、実際にある関係が、そのままリンクになっているかどうかです。

取引先からのリンク

いちばん身近なのがこれです。元請けの会社の「協力会社一覧」、仕入れ先の「取扱店一覧」、納品先の「パートナー紹介」。取引の関係があるから載っているリンクは、読む人にとっても意味があります。

協力会社を探している会社は、こうした一覧から候補を見つけることもあります。リンクがあれば、その場で貴社のサイトを開いて確かめられます。

加盟している団体からのリンク

業界の組合や協会、同業の団体には、会員の一覧を公開しているところがあります。会員として名前が載り、そこからリンクされているのは、その業界の一員であることの証明になります。

加盟していても、一覧に載っていない、あるいはリンクが古いアドレスのままになっていることがあります。一度、自社の名前で団体のサイトを確かめてみてください。

地域の団体からのリンク

商工会議所や商工会、商店会、地域の行事の実行委員会。地域で商売をしている会社にとって、こうした団体からのリンクは自然です。地元の行事に協賛したときに、協賛企業として名前とリンクが載ることもあります。

地域の名前で探している人にとって、地域の団体のページに載っていることは、近くで実際に営業している会社だという安心につながります。

取材や紹介の記事からのリンク

地域の情報誌のサイトや、業界の媒体に取り上げられたときのリンクもあります。頼んで載せてもらったのではなく、取り上げられた結果としてのリンクです。これも、自然なリンクの代表です。

表:外からのリンクの種類と、考え方(例はすべて架空です)
リンクの種類たとえば考え方
取引先からのリンク元請けの会社の「協力会社一覧」に、社名とリンクが載る実際の取引があるから載っている。自然で、読む人の役に立つ
加盟団体・地域の団体からのリンク業界の組合の会員一覧、商店会の加盟店紹介、地域の行事の協賛企業一覧業界や地域の一員であることの裏付けになる。載っているか、アドレスが今のものかを確かめる
取材・紹介の記事からのリンク地域の情報誌のサイトで、新しい取り組みが紹介される取り上げられた結果としてのリンク。頼まずに得られるもの
お金で買うリンク「リンクを〇本張ります」という営業から、順位を上げる目的で買う検索のガイドラインに反しうる。影響を受けるのは貴社のサイト
意味のない相互リンク付き合いのない会社や、関係のない業種のサイトと、リンクを交換し合う読む人にとって紹介の意味がない。数を増やすためだけのリンクは避ける

分かれ目は、リンクの前に実際の関係があるかどうかです。関係があってリンクが生まれたものは自然で、リンクのために関係を作ったものは避けたほうが安全です。

4. 避けたいリンク

ここからは、避けたほうがいいリンクの話です。ここは一般論としてお読みください。

お金で、リンクを買う

「貴社へのリンクを〇本張ります」「被リンクで順位を上げます」。こうした営業を受けることがあります。検索の順位を上げる目的でリンクを売り買いすることは、検索エンジンが公開しているガイドラインに反しうるとされています。

そして、問題になったときに影響を受けるのは、リンクを売った側ではなく、リンクを受けた貴社のサイトです。順位が下がる、検索結果に出にくくなる、といったことが起こりえます。こうした営業への答え方は 「SEO対策やります」という営業電話に、どう答えるか に、見積書に紛れ込んでいたときの見分け方は 見積書に「SEO対策費」と書かれていたら、何を聞くか にまとめました。

協賛や広告で載るリンクは、別の扱いになる

ややこしいのが、地域の行事への協賛や、媒体への広告掲載でリンクが載る場合です。お金を払っていますが、目的は順位ではなく、協賛や宣伝そのものです。

こうしたリンクには、「広告や協賛のリンクです」と検索エンジンに伝える印を付けるのが一般的とされています。印を付けるのは載せる側の作業なので、貴社がやることは特にありません。協賛そのものを避ける必要はありません。ただ、「リンクがもらえるから協賛する」という考え方はしないほうが無難です。

意味のない相互リンク

「リンクを交換しませんか」という依頼が来ることもあります。相手が実際の取引先なら、お互いに載せ合うのは自然です。問題になるのは、関係のない相手と、数を増やすためだけに交換するリンクです。

昔は、業種もばらばらな会社が並ぶ「リンク集」のページをよく見かけました。読む人にとっては、どこに何があるのか分からないページです。紹介の意味がないリンクを並べても、貴社の信用は上がりません。

自分で作った別のサイトから、リンクを集める

もう1つ、見落とされがちなものがあります。中身の薄いサイトをいくつも作って、本体のホームページへリンクを集めるやり方です。業者から勧められることがありますが、これも数を作るためだけのリンクです。避けてください。

5. 外へのリンクを、どう張るか

次は、貴社のサイトから外へ張るリンクです。紹介する側として、気をつけることを書きます。

何に張るか

外へのリンクは、読む人がそこへ行く理由があるものだけに張ります。よくあるのは次のようなものです。

  • 所属している団体 ― 会社概要の「加盟団体」の欄から
  • 主な取引先 ― 先方の了解を取ったうえで
  • 許認可を確かめられる窓口のページ ― 登録番号を確かめたい人のために
  • 貴社のSNSや地図 ― 今も使っているものだけ

何でも張ればいいわけではありません。外へのリンクが多いと、読む人はそのたびに貴社のサイトから離れます。貴社のサイトで用件が済むなら、外へ送る必要はありません。

リンクの文字は、行き先が分かる言葉で

リンクの文字を「こちら」「詳しくはこちら」にしているサイトをよく見ます。これだと、押す前に行き先が分かりません。「〇〇協会の会員一覧」のように、行き先の名前をそのままリンクの文字にしてください。読む人にも検索エンジンにも、どこへ行くリンクかが伝わります。

新しいタブで開くか、同じタブで開くか

外へのリンクを押したときに、新しいタブで開くか、同じタブで開くか。これはよく聞かれます。決まった正解はありませんが、考え方はあります。

  • 新しいタブで開く ― 外のサイトを見たあとも、貴社のサイトが残ります。会社概要から団体のページを確かめに行く、といった使い方に向きます
  • 同じタブで開く ― 戻るボタンで戻れます。スマートフォンでは、タブが増えると戻り方が分からなくなる人もいます
  • どちらにしても ― サイトの中で揃えてください。ページによって開き方が違うと、読む人が迷います

中小企業のサイトでは、外へのリンクは新しいタブ、サイトの中のリンクは同じタブと分けるやり方がよく使われます。その場合は、リンクの横に外へ出ることが分かる小さな印を付けておくと親切です。新しいタブで開く設定にするときは、安全のための指定も一緒に入れるのが一般的です。作り手に、その指定が入っているかを聞いてみてください。

6. リンク先が消えた・別の会社になったときの点検

外へのリンクは、張った日のまま止まっています。けれど、リンク先は動きます。

リンク切れより怖いこと

リンクを押して「ページが見つかりません」が出る。これはまだ分かりやすい状態です。本当に困るのは、リンク先がまったく別のサイトに変わっている場合です。

取引先が廃業してドメインを手放すと、そのドメインを別の誰かが取ることがあります。そこに、元の会社とは関係のない広告だらけのサイトや、怪しいサイトが置かれる。貴社のサイトから、そこへ人を送っていることになります。読む人から見れば、貴社がそのサイトを紹介しているのと同じです。

会社名が変わった・合併した

廃業ほどではなくても、取引先の社名が変わった、合併して別の会社の一部になった、ということもあります。リンクは開いても、貴社のサイトに書いてある社名と、開いた先の社名が違う。読む人は、どちらが正しいのか迷います。

点検は、年に1回押してみる

対処は単純です。年に1回、外へのリンクを全部押してみてください。開いた先が、今も同じ会社の、同じ内容のページかを確かめます。点検の全体の進め方は ホームページの年1回の点検リスト にまとめました。

図:外へのリンクを点検するときの流れ(担当や時期は例です)
① 外へのリンクを、一覧に書き出す

会社概要の加盟団体、取引先、SNS、地図、許認可の窓口など、外へ出るリンクを1枚の表にします。どのページの、どこに張ってあるかも一緒に書きます。

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② 1本ずつ押して、開いた先を見る

開くかどうかだけでなく、開いた先が同じ会社か、社名が今のものか、内容が紹介したときのままかを見ます。

開かない・別のサイトになっている・社名が違う、のどれかがあれば印を付ける
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③ 直すか、外すか

新しいアドレスや社名が分かるものは直します。分からないもの、別のサイトになっているものは、すぐに外します。残しておく理由はありません。

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④ 外から貴社へのリンクも、確かめる

取引先や団体のサイトで、貴社の社名とアドレスが今のものになっているかを見ます。古ければ、先方に直してもらうよう連絡します。

一覧は、翌年の点検の出発点として残しておきます

③で迷ったら、外すほうを選んでください。リンクが1本減っても困る人はいませんが、知らないサイトへ人を送るのは困ります。

貴社のアドレスが変わったときも、先方に知らせる

逆向きの点検もあります。リニューアルや社名変更で貴社のアドレスが変わったときは、リンクしてくれている取引先や団体に、新しいアドレスを知らせてください。古いアドレスのまま残っていると、そこから来た人が行き止まりに着きます。

7. 取引先に載せてもらうときの頼み方

最後に、冒頭の質問に戻ります。取引先や団体に、貴社を載せてもらうときに何を渡すか。

渡すものは、3つに絞る

載せてくれる側は、貴社のことを詳しく知っているとは限りません。こちらで用意して渡すほうが、間違いが起きません。渡すのは次の3つです。

  • 正式な社名 ― 「株式会社」が前か後ろか、英字や記号の表記まで、名刺や登記と同じもの
  • リンク先のアドレス ― 会社のトップか、関係のあるサービスのページか。こちらで決めて、1つだけ渡す
  • 説明の1行 ― 「神戸市で〇〇の施工をしています」のように、何の会社かが分かる短い文

社名の表記を、どこでも揃える

1つ目の社名が、いちばん大事です。取引先のサイト、団体の名簿、貴社のサイト、Googleマップで、社名の書き方が少しずつ違っていることはよくあります。

全角と半角、「株式会社」と「(株)」、英字の大文字と小文字。小さな違いでも、読む人は「同じ会社かな」と一瞬迷います。社名や住所の表記を1枚にまとめておく方法は ホームページと名刺・封筒で、書いてあることが違う に書きました。その1枚を、そのまま先方に渡せば済みます。

頼むときの言い方

実際に頼むときは、たとえば次のような伝え方で足ります。

「協力会社の一覧にお載せいただけるとのこと、ありがとうございます。社名の表記とリンク先、ご紹介の文を1行お送りしますので、こちらでお願いできますでしょうか。もし変わったときは、こちらからご連絡いたします」

最後の一言が効きます。変わったときに連絡すると先に伝えておくと、相手も古いまま放っておかずに済みます。

こちらからも載せるかは、関係で決める

載せてもらったら、こちらからも載せ返したほうがいいか。これは、関係があるなら載せて構いませんし、無理に載せる必要もありません。主な取引先として紹介したい相手なら、相手の了解を取って載せればいい。お礼のためだけに、関係の薄いリンクを増やす必要はありません。

8. 雄喜晃の伴走:リンクは、増やすより整えます

私たち雄喜晃は、リンクの数を増やすための提案はしません。今あるリンクが、正しい相手に、正しい名前でつながっているかを整えるところをお手伝いします。

私たちがやること

貴社のサイトから外へ出ているリンクを書き出し、切れているもの、別のサイトになっているもの、社名が古いものを確かめます。直すか外すかを貴社と決めて、実際に反映します。外へのリンクの開き方も、サイトの中で揃えます。

取引先や団体に載せてもらうときに渡す、社名の表記、リンク先のアドレス、説明の1行も、一緒に用意します。

料金と条件

料金は制作費0円、月額8,800円(税別)からです。6ページ構成のプランは月額13,800円(税別)です。サーバー、独自ドメイン、SSL、保守は月額に含まれます。月5回までの更新代行も同じ月額の中なので、点検で見つかったリンクの直しや、取引先の社名変更の反映も、ご連絡いただければこちらで行います。

最低契約期間は6ヶ月です。7〜35ヶ月で解約された場合、サイトは非公開になります。36ヶ月以上ご継続いただいた場合は、サイトをお渡しします。

私たちがやらないこと

リンクの購入や、関係のない相手との相互リンクの取り次ぎはしません。中身の薄いサイトを作ってリンクを集めることもしません。どれも、問題になったときに影響を受けるのが貴社のサイトだからです。検索の順位をお約束することもいたしません。

「リンクのことは気にしたことがなかった」「取引先から何を渡せばいいか聞かれて困っている」という方は、一度ご相談ください。実際にお作りしたサイトは 制作実績、料金と条件は ホームページ制作のページ に載せてあります。神戸市北区鈴蘭台を拠点に、2025年10月から活動しています。

9. まとめ:関係があって、リンクがある

ホームページのリンクを考えるときに押さえることは、5つです。

  • リンクは紹介状 ― 人にとって意味のあるリンクが、検索エンジンにとっても意味がある
  • 実際の関係から生まれたリンクは自然 ― 取引先、加盟団体、地域の団体、取材の記事
  • 買ったリンク・意味のない相互リンクは避ける ― 影響を受けるのは、リンクを受けた貴社のサイト
  • 外へのリンクは、張ったあとも点検する ― 年に1回押して、別のサイトになっていたらすぐ外す
  • 載せてもらうときは、社名・アドレス・説明の1行を渡す ― 社名の表記はどこでも揃える

リンクを増やすことより、今あるリンクが正しくつながっていることのほうが、貴社の信用を守ります。

今日できることを1つだけ挙げます。貴社の会社概要を開いて、外へ出ているリンクを1本ずつ押してみてください。開いた先が、今も紹介したときのままの相手かどうか。それだけで、点検の半分は終わります。

ぜひ一度、お話を聞かせてください。貴社のリンクを、正しい相手に正しい名前でつなぐところから、ご一緒します。