1. 「最後に通しで見たのは、作ったときでした」
中小企業の経営者の方とお話していて、こんな言葉をよく聞きます。
「作ったときは、全部のページを確認したんです。でも、それから一度も通しで見ていなくて。この前、お客様に『電話番号、前のままですよ』と言われて、初めて気づきました」
この話は、珍しくありません。ホームページは、公開した日がいちばん正確で、そこから少しずつ今の会社とずれていきます。電話番号が変わる、営業時間が変わる、写真の社員が辞める、料金を改定する。1つずつは小さな変化ですが、サイトに反映されないまま積み重なります。
そして、そのずれに最初に気づくのは、たいてい社内ではなくお客様です。
この記事は、年に1回、上から順に見ていけば済む点検の一覧です。項目ごとの詳しい直し方は、それぞれを扱った記事にお渡しします。この記事では、何を、誰が、いつ見るかに絞って書きます。
この記事で書くこと
- 年1回の点検が要る理由 ― 更新とも、移転のときの直しとも別物です
- 誰が・いつやるか ― 日付と担当を、先に決めます
- 点検の一覧 ― 13項目を5つのまとまりに分けます
- まとまりごとの見方 ― どこを開いて、何を確かめるか
2. 点検しないと、ずれはお客様が先に見つける
点検の中身に入る前に、なぜ年に1回なのかを書いておきます。
更新と点検は、別の作業
お知らせや実績を載せる「更新」は、新しいものを足す作業です。点検は、すでに載っているものが、今も正しいかを確かめる作業です。
更新を毎月続けている会社でも、点検はしていないことがよくあります。新しい記事を足している間に、会社概要のページの代表者名が前のままになっている。こういうことが起きます。足す作業と確かめる作業は、別々に予定を組む必要があります。
大きな変更のときは、気づける
移転や社名変更のように大きな変更があったときは、たいていサイトも直します。気づけるからです。
点検が要るのは、誰も「変わった」と意識していない小さな変化のほうです。営業時間を30分ずらした、定休日を1日増やした、料金を一部だけ改定した、担当者が代わった。どれも社内では当たり前になっていて、サイトのことは思い出されません。
外で見つかると、信用のほうが減る
お客様が古い情報に気づいたとき、困るのはその1件だけではありません。「このサイトは、ほかの情報も古いのではないか」と思われます。料金も、対応エリアも、信じてもらえなくなります。
古い電話番号に電話がかかってきた、閉めた店舗の住所に人が来た、という形で見つかるならまだ分かります。多くの場合は、見た人が黙って別の会社を選ぶだけで、こちらには何も知らされません。
毎月は続かない。年1回なら回る
点検を毎月やろうとすると、まず続きません。項目が多く、毎月変わるものでもないからです。年に1回、日付を決めて、上から順に見る。これなら続きます。間に大きな変更があれば、そのときは別に直します。
3. 誰が・いつ・どう進めるか
点検でいちばん大事なのは、項目の中身より、やる日と、やる人が決まっていることです。ここが決まっていない点検は、まず行われません。
日付は、毎年必ず来る日に結びつける
「年に1回、どこかで」では、どこにも入りません。毎年必ず来る日に結びつけてください。
- 決算月 ― 会社の情報を見直す時期と重なります。登記や表記の確認とまとめてできます
- 設立月や創業月 ― 覚えやすく、ほかの行事とぶつかりにくい
- ドメインやサーバーの更新月の前の月 ― 契約の確認と一緒にできます
どれを選んでも構いません。決めたら、翌年以降の分まで、社内のカレンダーに先に入れておきます。
担当は2人。見る人と、直す人
点検は、1人でやるより2人のほうが抜けにくくなります。
- 見る人 ― 一覧を持って、上から順にサイトを開く人。総務や事務の方が向いています。会社の情報をいちばん正確に知っているからです
- 直す人 ― 見つかったずれを直す人。社内で更新している人か、制作会社か
- 経営者 ― 最後に結果を見て、料金や表記など判断が要るところを決める
見る人と直す人を同じにすると、「直せないもの」を見なかったことにしやすくなります。分けておくと、見つけたものは全部表に残ります。
時間は、半日を取る
13項目を全部見ると、慣れないうちは半日ほどかかります。1時間ずつに分けると途中で止まりやすいので、半日を1回取るほうが終わります。2年目からは、前年の記録があるので速くなります。
カレンダーに入れておいた日付が近づいたら、見る人と直す人に声をかけます。前年の点検の記録を、ここで出しておきます。去年直したところと、直せずに残したところが分かります。
見る人が、パソコンとスマートフォンの両方でサイトを開き、一覧の13項目を順に確かめます。直すのは後回しにして、見つけたずれを表に書くことだけに集中します。フォームの送信だけは、この日に実際に送ります。
表に残ったずれのうち、料金や表記のように判断が要るものは経営者が決めます。決まったものから、直す人が反映します。直したら、表のその行に日付を入れます。
直したはずのところを、見る人がもう一度開いて確かめます。検索結果やGoogleマップのように、反映に時間がかかるものもここで見ます。確かめ終わった表を、翌年のために残します。
点検の日に直さないのがコツです。見る日と直す日を分けると、見落としが減り、半日で終わります。
4. 点検の一覧と、会社の情報・料金
ここから、点検の中身に入ります。まず一覧で全体を見て、そのあとまとまりごとに見方を書きます。
| まとまり | 見る項目 | 確かめること |
|---|---|---|
| ① 会社の情報 | 住所・電話番号・代表者名・営業時間と定休日 | 今の実態と同じか。会社概要だけでなく、フッター、アクセス、PDFの中まで全部の場所で同じか |
| ② 中身 | 料金・写真の古さ・リンク切れ | 旧料金が残っていないか。辞めた人や閉めた場所が写っていないか。押しても開かないリンクがないか |
| ③ 動くかどうか | 問い合わせフォーム・スマートフォンでの表示 | 実際に送って、今の担当者に届くか。スマートフォンで崩れていないか、電話番号が押せるか |
| ④ 契約と日付 | ドメインとサーバーなどの更新日・プライバシーポリシーの改定日 | 次の更新日はいつか、通知はどこに届くか。ポリシーの中身が、今のサイトの実態と合っているか |
| ⑤ 外からの見え方 | 検索での見え方・Googleマップとの一致 | 社名で検索したときに、古い情報が出ていないか。Googleマップの住所・電話・営業時間がサイトと同じか |
上から順に見ると、会社の情報で見つけたずれが、そのまま⑤の確認につながります。①と⑤は同じ紙を見ながら確かめてください。項目を貴社の事情に合わせて足すのは構いませんが、減らすのはおすすめしません。
住所・電話番号・代表者名・営業時間
最初に見るのは会社の情報です。見るときのコツは、1ページずつではなく、1項目ずつ見ることです。
たとえば電話番号なら、電話番号が書いてある場所を全部開いて、同じかどうかを確かめます。会社概要、フッター、アクセスのページ、問い合わせのページ、サービスのページの末尾。1ページずつ読むと、見慣れた番号は目が滑って読み飛ばします。項目を決めて探すと、違う番号が目に入ります。
営業時間と定休日は、とくにずれやすい項目です。祝日の扱い、昼休みの有無、季節で変わる時間。社内では当たり前になっている小さな変更が、いちばん残ります。
正しい表記を1枚の紙にまとめておくと、この確認が速くなります。紙の作り方は ホームページと名刺・封筒で、書いてあることが違う に書きました。移転や代表交代のように大きく変わったときの直し方は 移転・社名変更・代表交代のときに、サイトで直すところ にまとめてあります。
料金
料金を載せている会社は、今の料金表とサイトを並べて、1行ずつ見比べてください。料金のページだけでなく、サービスのページ、よくある質問の答え、過去のお知らせの本文にも金額が書かれていることがあります。
税込か税別かの表記、キャンペーンの終わった価格、「〇年〇月から改定」と書いたまま日付が過ぎている案内も、ここで拾います。
画像とPDFの中の文字
1つ注意があります。画像に焼き込まれた文字と、PDFの中の文字は、検索しても見つかりません。トップの大きな画像に営業時間が入っている、会社案内のPDFに旧住所が残っている。こうしたものは、目で開いて見るしかありません。点検の一覧に「画像とPDFを開く」を1行入れておいてください。
5. 写真とリンク ― 古くなったものと、切れたもの
次は、中身の古さです。文字よりも気づきにくいのが、写真とリンクです。
写真の古さは、写っているもので見る
写真は、撮った日付ではなく写っているもので古さを見ます。次のどれかに当てはまる写真は、差し替えの候補です。
- 辞めた人が写っている ― 社員紹介だけでなく、現場や店内の写真にも写り込んでいます
- 今はもう無いものが写っている ― 閉めた店舗、移った事務所、手放した車両や設備
- 古いロゴや看板が写っている ― ロゴを変えた会社では、写真の中に旧ロゴが残ります
- 季節が合わない ― トップの写真が真夏の現場のまま一年中出ている、などです
写真は、すぐに撮り直せないこともあります。その場合は、まず差し替えが要る写真に印をつけて、表に残すだけで構いません。撮り直す時期は、別に決めれば足ります。
実績や事例の日付
実績のページに日付を載せている場合は、いちばん新しい実績がいつかを見てください。何年も前の実績が最新になっていると、「今は仕事をしていないのか」と読まれることがあります。新しい実績を足すかどうかは更新の話なので、ここでは最新の日付を記録するだけにします。
リンク切れ
リンクは、押してみないと切れているか分かりません。点検の日に、サイトの中のリンクを、全部押してみてください。とくに切れやすいのは次の場所です。
- 外のサイトへのリンク ― 取引先、所属している団体、紹介されたページ。相手の都合でURLが変わります
- SNSへのリンク ― 使わなくなったアカウントや、名前を変えたアカウント
- PDFへのリンク ― ファイルを差し替えたときに、名前が変わって切れることがあります
- 埋め込んだ地図や動画 ― 表示されずに、白い枠だけになっていることがあります
切れていたリンクは、直すか、外します。直し先が分からないものは、無理に残さず外すほうが安全です。
6. 動くかどうか ― フォームは送り、スマートフォンで開く
ここは、見るだけでは分からない項目です。実際に操作して確かめます。
フォームは、実際に1通送る
問い合わせフォームは、見た目が正しくても、届かなくなっていることがあります。担当者が代わって通知先のメールアドレスが古いまま、迷惑メールのフォルダに振り分けられている、送信の設定が切れている。どれも、画面の上では何も分かりません。
点検の日には、社外のメールアドレスから、テストとして1通送ってください。確かめるのは次の4つです。
- 届いたか ― 受け取るはずの人の受信箱に届いているか。迷惑メールのフォルダも見る
- 誰に届いたか ― 今の担当者に届いているか。辞めた人のアドレスに届いていないか
- 自動返信が出たか ― 送った側に、受け付けの返信が届いているか。文面の中身が今と合っているか
- 送信後の画面 ― 送ったあとの画面に、古い営業時間や返信の目安が書かれていないか
届かなかった場合は、点検の中でいちばん急ぐ項目です。ほかの項目より先に直してください。フォームが届いているかの確かめ方と、迷惑メールの罠は 問い合わせフォームで、人はどこで手を止めるのか にも書いてあります。
スマートフォンで開く
点検は、パソコンだけでやると抜けます。同じ一覧を、スマートフォンでもう一度見てください。見るのは次のところです。
- 崩れていないか ― 文字がはみ出す、横にスクロールしてしまう、画像が切れる
- 電話番号が押せるか ― 押したら、そのまま今の番号に電話がかかるか
- メニューが開いて、閉じられるか ― 開いたまま戻れない形になっていないか
- 地図が開くか ― 地図のボタンを押して、今の住所が出るか
電話番号は、画面に見えている番号と、押したときにかかる番号が別に設定されていることがあります。見た目だけ直して、押したときの番号が古いままというずれは、実際に押さないと見つかりません。
7. 契約・日付と、外からの見え方
最後の2つのまとまりは、サイトの外にあるものです。サイトをいくら見ても出てこないので、別に確かめます。
ドメインとサーバー、保守の契約の更新日
ドメイン、サーバー、SSL、制作会社との保守の契約。それぞれに更新日があります。点検の日には、次の3つを表に書き出してください。
- 次の更新日 ― 年に1回か、数年に1回か
- 更新の通知が届く先 ― 今も読まれているメールアドレスか。辞めた人や、制作会社のアドレスになっていないか
- 支払い方法 ― 登録しているカードの有効期限が、次の更新日より先か
この3つのどれかが古いと、ある朝サイトもメールも止まります。止まったときの切り分けと、止めないための手当ては ドメインやサーバーの更新を忘れて、サイトが止まったとき にまとめてあります。
プライバシーポリシーの改定日
プライバシーポリシーには、制定日や改定日が書いてあります。点検の日には、その日付から今までの間に、サイトで受け取る情報が変わっていないかを見てください。フォームの項目を増やした、予約の受付を始めた、アクセス解析を入れた。こうした変化があれば、ポリシーの中身が実態とずれている可能性があります。
何を書くかは業種によって違います。中身の判断は、所管の窓口や専門家に確認してください。書く項目の整理は ホームページのプライバシーポリシーに、何を書くか にあります。
検索での見え方
自社名で検索して、出てくる画面を見てください。パソコンとスマートフォンの両方でです。見るのは、検索結果に出ている説明文に、古い情報が残っていないかです。旧住所、旧料金、終わったキャンペーン。サイトを直しても、検索結果に反映されるまでには時間がかかるので、直したあとの1ヶ月の確認でもう一度見ます。
Googleマップとの一致
最後に、Googleマップで自社を開きます。Googleビジネスプロフィールに登録している場合は、その中身です。住所、電話番号、営業時間、定休日、ホームページのURLが、①で確かめたサイトの情報と同じかを見ます。
祝日や年末年始の特別な営業時間も、ここで確かめます。サイトとGoogleマップで営業時間が違うと、どちらを信じればいいか分からず、電話で確かめる手間をお客様にかけることになります。
8. 雄喜晃の伴走:点検で見つかったずれを、直すところまで
私たち雄喜晃がお作りするサイトでは、サーバー、独自ドメイン、SSL、保守が月額に含まれています。契約と更新日の管理はこちらで行うので、一覧の④のうち、契約の更新にあたる部分は貴社の作業から外れます。
私たちがやること
点検で見つかったずれは、ご連絡いただければこちらで反映します。月5回までの更新代行が月額に含まれているので、電話番号の直し、料金の差し替え、写真の入れ替え、切れたリンクの修正も、この範囲で対応します。フォームのテスト送信をされるときは、こちらでも届いているかを一緒に確かめます。
料金は制作費0円、月額8,800円(税別)から、6ページ構成は月額13,800円(税別)です。最低契約期間は6ヶ月です。7〜35ヶ月で解約された場合、サイトは非公開になります。36ヶ月以上ご継続いただいた場合は、サイトをお渡しします。
私たちがやらないこと
会社の情報が正しいかどうかを、こちらで判断することはしません。住所や営業時間、料金を決めるのは貴社です。私たちは、決まったものを正しく載せる側です。
プライバシーポリシーの中身が法律の上で足りているかの判断もしません。そこは専門家にご確認ください。そして、点検をきっかけに、作り直しを勧めることもしません。ずれは、直せば済むことがほとんどです。
実際にお作りしたサイトは 制作実績、料金と条件は ホームページ制作のページ に載せてあります。神戸市北区鈴蘭台を拠点に、2025年10月から活動しています。「作ってから一度も通しで見ていない」という方は、一度ご相談ください。
9. まとめ:日付を決めて、上から順に見る
ホームページの年1回の点検で押さえることは、5つです。
- 更新と点検は別の作業 ― 足す作業とは別に、載っているものが今も正しいかを確かめる日を取る
- 日付と担当を先に決める ― 決算月や設立月に結びつけ、見る人と直す人を分ける
- 1項目ずつ、全部の場所で見る ― 電話番号なら電話番号を、画像とPDFの中まで探す
- フォームは送り、スマートフォンでは押す ― 見ただけでは分からない項目は、操作して確かめる
- サイトの外も見る ― 契約の更新日、検索結果、Googleマップがサイトと同じか
点検で見つかるずれは、1つずつは小さなものです。ただ、小さなずれが3つ見つかったお客様は、残りの情報も信じなくなります。年に1回、半日を取るだけで、そのずれは社内で先に見つけられます。
まずは今日、社内のカレンダーを開いて、来年の点検の日を1日入れてみてください。日付さえ入れば、点検はほぼ始まったようなものです。どこから見ればいいか迷うという方は、一度ご相談ください。