1. 「4月に入ってから、採用ページが去年のままだと言われまして」
中小企業の経営者の方とお話していて、こんな言葉を聞くことがあります。
「4月の半ばに、応募を考えている学生さんから『募集要項の年度が去年のままでした』と言われたんです。異動も新しい料金も、社内では全部終わっていたのに、サイトだけが3月で止まっていました」
4月は、会社の中で変わることが一度に重なる月です。人事異動があり、新しい社員が入り、料金や制度が改まり、部署の名前が変わることもあります。採用も、ちょうど次の年度の募集に切り替わる時期です。
社内では、それぞれの担当がそれぞれの準備を進めています。異動の発令、新人の受け入れ、新しい料金表の印刷。ところが、ホームページを直すことは、どの準備の中にも入っていないことがよくあります。全部が終わって一息ついた頃に、外の人から古さを指摘されて気づく。冒頭の話は、その典型です。
年1回の点検とは、分けて考える
サイト全体を年に1回見直す方法は、ホームページの年1回の点検リスト にまとめてあります。フォームが届くか、ドメインの更新日はいつか、といった項目はそちらに任せます。
この記事で扱うのは、年度替わりに合わせて動く情報だけです。4月1日を境に古くなるものを、3月のうちに洗い出し、当日に切り替える。点検とは目的も時期も違うので、別の予定として組むほうが回ります。
この記事で書くこと
- 4月に重なる変化 ― なぜ年度替わりに古い情報が残りやすいのか
- 直す場所の一覧 ― 担当者名、社員紹介、採用、料金、会社概要、お知らせ、PDF
- 3月中に準備して、4月1日に切り替える段取り ― 誰が、いつ、何をするか
- 年の表記の直し忘れ ― 「2026年度」「令和8年度」が残る場所と、探し方
2. 4月は、変わることが一度に重なる
1つずつなら、気づける
営業時間を変えた、担当者が1人代わった。こうした変化が1つだけなら、サイトを直すことを思い出せます。年度替わりがやっかいなのは、変化が同じ日に、別々の部署で起きるからです。
- 人事異動 ― 窓口の担当者、部署の責任者、営業所長が代わる
- 新入社員 ― 社員紹介や採用ページに載せる人が増える。社員数も変わる
- 料金や制度の改定 ― 4月1日から新しい料金、新しい受付の決まりになる
- 組織の変更 ― 部署の統合や名前の変更、役員の交代がある
- 採用の年度替わり ― 今年度の募集を閉じ、次の年度の募集を始める
それぞれの担当は、サイトを見ていない
人事の担当は異動の発令で、営業の担当は新しい料金の説明で手一杯です。どちらも、自分の変更がサイトのどこに載っているかまでは把握していません。サイトの担当者がいる会社でも、各部署から知らせが来なければ直しようがありません。
結果として、4月に入ってからも、異動した人の名前が問い合わせ先に残り、旧料金が料金表に残り、去年の募集要項が採用ページに残ります。1つずつは小さなずれです。ただ、同じ時期に重なると、サイト全体が「去年の会社」に見えます。
4月は、外からも見られている
この時期は、外の人がサイトを開く理由も増えます。新しい担当者に連絡したい取引先、新しい料金を確かめたいお客様、次の年度の募集を探している学生や、転職を考えている方。見られる時期に古いままになっていることが、年度替わりのずれの重さです。
3. 直す場所の一覧
まず、年度替わりで動きやすい場所を一覧にします。
| 変わること | 直す場所 | 見落としやすいところ |
|---|---|---|
| 人事異動 | 問い合わせ先の担当者名、部署の窓口、営業所ごとの責任者 | 自動返信のメールの署名、サービスのページ末尾の「担当:〇〇」 |
| 新入社員 | 社員紹介、採用ページの先輩の声、会社概要の社員数 | たとえば「入社2年目」のような年数が、1年ずつずれる |
| 採用の年度替わり | 募集要項、採用の日程、説明会の告知 | たとえば「2027年卒」のような対象の年度と、終わった説明会の日付 |
| 料金・制度の改定 | 料金表、サービスのページ、よくある質問の答え | 「4月1日から改定します」という告知が、改定後も予告のまま残る |
| 組織の変更 | 部署の紹介、会社概要の役員、問い合わせフォームの部署の選択肢 | 会社概要の「〇年〇月時点」の日付 |
| 年度の資料 | お知らせの一覧、パンフレットや会社案内のPDF | PDFの中の旧年度と、ファイル名に入った年 |
左の列は社内の出来事、真ん中はそれが載っている場所です。右の列は、ページを読み流すと見つかりにくいところです。一覧は貴社の事情に合わせて足してください。
担当者名と部署
いちばん多いのは、異動した人の名前が残ることです。問い合わせのページだけでなく、サービスのページの末尾、営業所の案内、自動返信のメールの署名にも名前が入っていることがあります。
名前を載せている場所は、人の名前でサイト内を検索すると見つけやすくなります。異動した人の名前を1人ずつ検索して、出てきた場所を表に書き出してください。退職した方の名前や写真が残っている場合の直し方は、辞めた社員の写真や名前が、ホームページに残っている にまとめてあります。
部署の名前が変わる場合も同じです。部署の紹介ページ、問い合わせフォームの「お問い合わせ先の部署」の選択肢、会社概要の組織の欄。部署の案内の作り方そのものは、部署や担当の分け方を、ホームページに載せるかどうか に書きました。毎年名前が動く会社なら、担当者の個人名より「〇〇の窓口」という書き方にしておくと、年度替わりの手間が減ります。
お知らせの古い年度
お知らせの欄には、去年の「年度末の営業日のご案内」「新年度の受付について」が残っていることがあります。終わった告知が一覧の上のほうにあると、今年のものかどうか迷わせます。
年度の決まった告知は、終わったら日付が分かる形で残すか、一覧から外すかを決めておいてください。毎年出す告知なら、去年のものを書き換えて使い回すより、新しく出し直すほうが日付の混乱が起きません。
4. 採用ページと社員紹介
年度替わりで、いちばん影響が大きいのが採用まわりです。
募集要項は、年度ごとに出し直す
新卒の募集をしている会社は、4月を境に対象の年度が変わります。たとえば「2027年卒」の募集を閉じて、「2028年卒」の募集を始める、という切り替えです。去年の募集要項が残ったままだと、応募を考えている人は、今も募集しているのかどうか判断できません。
募集要項で、年度替わりに見直すのは次のところです。
- 対象の年度 ― 「〇年卒」「〇年度採用」の表記
- 初任給や手当 ― 4月に改定した会社は、新しい金額に
- 募集する職種と人数 ― 去年と同じとは限りません
- 選考の日程 ― 説明会や面接の日付。過ぎた日程が残っていないか
- 問い合わせ先 ― 採用の担当者が異動していないか
募集要項に書く労働条件は、示し方に決まりがある場合があります。業種や雇い方によって違うので、気になるところは所管の窓口や専門家に確認してください。
年度に関係なく出している中途やパートの募集も、4月の給与の改定や制度の変更は反映が要ります。採用のページと求人媒体の役割分担は、採用のためのホームページ ― 求人媒体との役割分担 に書きました。媒体の原稿とサイトの数字がずれていないかも、このときに並べて見てください。
募集していない期間は、空白にしない
次の年度の募集要項がまだ決まっていない、という時期もあります。その場合は、去年の要項を残すのでも、ページを消すのでもなく、「〇年度の募集要項は、〇月ごろに掲載予定です」と書いておく方法があります。今は準備中だと分かれば、見に来た人は時期を改めて見に来られます。
社員紹介の年数と肩書き
社員紹介やインタビューには、時間とともにずれる言葉が入っています。
- 「入社3年目」「勤続5年」のような年数
- 「現在は〇〇部で」という所属
- 「主任」「リーダー」のような肩書き
- 「昨年、初めて現場を任されました」のような、去年を基準にした書き方
年度が変わるたびに、全部が1年ずつ古くなります。毎年書き換えるのが難しければ、「〇年入社」のように変わらない書き方に直すか、記事の最後に「〇年〇月の取材です」と添えておいてください。読む人は、いつの話かを自分で読み取れます。
新入社員を載せる場合は、掲載の前に本人の同意を取ってください。急いで4月1日に載せなくても構いません。
5. 料金表・会社概要・パンフレットのPDF
料金は、予告と本番を分けて用意する
4月1日から料金を改める会社は、3月のうちに告知を出していると思います。年度替わりに気をつけたいのは、告知が予告のまま残る問題です。
「4月1日より、料金を改定いたします」という告知は、4月1日を過ぎると意味が変わります。改定後も同じ文のまま残ると、読む人は今の料金がどちらなのか迷います。4月1日には、料金表を新しい金額に差し替えるのと同時に、告知も「4月1日から、次の料金になりました」に直すところまでを1組にしてください。
旧料金は、料金表のページだけでなく、サービスのページ、よくある質問の答え、過去のお知らせの本文にも残ります。告知の書き方と、旧料金が残る場所の探し方は、値上げを、ホームページでどう知らせるか に詳しく書きました。
会社概要の役員と社員数
会社概要で、年度替わりに動きやすいのは次の項目です。
- 役員 ― 交代や就任があれば、名前と肩書き
- 社員数 ― 新入社員と退職者で変わります
- 資本金や売上 ― 載せている会社は、決算の確定に合わせて
- 拠点 ― 営業所の開設や統合
社員数を載せている会社は、「〇年4月1日時点」のように、いつの数字かを添えておくと、毎月直さなくて済みます。役員の交代は、登記や社内の手続きと順番がからみます。公表してよい時期を社内で確かめてから、サイトに反映してください。
パンフレットや会社案内のPDF
紙の会社案内やサービスの資料を、PDFにしてサイトに置いている会社もあります。年度替わりに紙を刷り直したのに、サイトのPDFは去年のまま、ということがよく起きます。
PDFの中の文字は、サイト内の検索では見つかりにくいので、開いて目で確かめるしかありません。PDFの載せ方そのものは、料金表やお知らせを、PDFのままホームページに載せている にまとめてあります。
6. 3月中に準備して、4月1日に切り替える段取り
年度替わりの直しは、4月に入ってから始めると、ほかの仕事と重なって後回しになります。3月のうちに用意を終え、4月1日は切り替えるだけにしておくのがコツです。
サイトの担当者が、人事・営業・総務に「4月から変わること」を聞きます。聞くのは、サイトのどこを直すかではなく、何が変わるかです。どこに載っているかは、担当者が3章の一覧で探します。
新しい担当者名、料金表、募集要項、会社概要の数字を、差し替えた後の形で用意します。直す前と直した後を、1枚の表に並べておきます。
料金や役員のように判断が要るところは、経営者が確かめます。誰が、4月1日の何時に切り替えるかも、ここで決めます。
用意した原稿に差し替え、料金の告知を「改定しました」に直します。差し替えたら、スマートフォンでも開いて確かめます。
旧年度の表記、旧料金、異動した人の名前で、サイト内をもう一度検索します。PDFと画像は開いて目で見ます。
3月のうちに「直した後の形」を用意しておくことが、4月1日を楽にします。切り替えの日に原稿を書き始めると、その日のうちに終わりません。
聞くのは、「何が変わるか」
各部署に「サイトで直すところはありますか」と聞いても、答えは返ってきません。サイトのどこに何が載っているかを知らないからです。聞くのは、4月から何が変わるかです。
公表前の情報の扱い
人事異動や役員の交代は、社内の発表や取引先へのご挨拶より先に、サイトに出るべきではありません。原稿の用意は進めても、公開は公表の後、という順番を担当者と共有しておいてください。日時を予約して公開する場合も、その日時が社内の発表と食い違っていないかを確かめます。
4月1日が休みに当たる年
4月1日が土曜日や日曜日に当たる年もあります。その場合は、前の営業日に切り替えるのか、休み明けに切り替えるのかを先に決めておきます。料金のように4月1日を境に扱いが変わるものは、サイトを切り替える日と、新しい料金が適用される日がずれないように気をつけてください。ずれる場合は、そのことを告知に一言添えておきます。
7. 「2026年度」のような、年の表記の直し忘れ
最後に、いちばん残りやすいものを書きます。年の表記です。
年の表記が入っている場所
サイトの中には、思っている以上に年が書かれています。
- 年度の入った見出し ― 「2026年度 採用情報」「令和8年度のご案内」
- 対象の年 ― 「2027年卒」「〇年度入学」
- 時点の表記 ― 「〇年〇月時点」「〇年4月現在」
- フッターの年 ― 「© 2025」のような、ページの下の表記
- 経過の年数 ― 「創業〇年」「今年で〇周年」「入社〇年目」
- 画像の中の文字 ― トップの画像やバナーに入った「2026年度」
- ファイル名とURL ― 「recruit2026」のように、ページの住所に年が入っているもの
西暦と和暦の両方で探す
探すときは、西暦と和暦の両方で検索してください。たとえば2026年度の表記を探すなら、「2026」と「令和8」の両方です。サイトの中で西暦と和暦が混ざっている会社は、片方で探しただけでは半分しか見つかりません。
「年度」と「年」の違いにも気をつけます。「2026年度」は2027年3月までを指しますが、「2026年」は12月で終わります。どちらの意味で書いているのかをそろえておくと、読む人が迷いません。
「今年度」「昨年」は、黙って古くなる
数字の入っていない年の言葉も、年度替わりで意味が変わります。「今年度から始めました」「昨年、新しい設備を入れました」「来年度には」。書いたときは正しかった言葉が、何も変えていないのに1年ずれます。
数字が入っていないので、年の数字で検索しても見つかりません。こうした言葉は、書くときに「2026年度から」のような、年の入った書き方にしておくのがいちばんの予防です。すでに書いてしまったものは、「今年度」「昨年」「来年」で一度検索してみてください。
年の入ったURLは、変えないほうがいい場合もある
ページの住所に年が入っている場合、住所まで変えると、外からのリンクや検索結果からの入口が切れることがあります。中身は新しい年度に直し、住所はそのまま使い続けるほうが、毎年の手間も減ります。新しく作るページは、住所に年を入れないのがおすすめです。
8. 雄喜晃の伴走:3月のうちに、4月1日の差し替えを用意します
私たちがやること
私たち雄喜晃は、年度替わりの直しを、3月のうちに一緒に用意します。貴社のサイトの中から、担当者名、社員数、料金、年度、年の表記が入っている場所を洗い出して、直す場所の一覧にしてお渡しします。
各部署から集めていただいた「4月から変わること」をもとに、差し替え後の原稿を整え、4月1日に切り替えます。料金の告知を「改定しました」に直すことや、PDFの差し替え、旧年度の表記の検索も、同じ流れの中で行います。社員紹介の写真は、貴社で撮っていただいたものをお預かりして、明るさや大きさを整えて載せます。
料金と条件
料金は制作費0円、月額8,800円(税別)からです。6ページ構成のプランは月額13,800円(税別)です。サーバー、独自ドメイン、SSL、保守はすべて月額に含まれ、月5回までの更新代行も同じ月額の中です。年度替わりの直しも、この中でお受けします。変更が多い年は、どの順で反映するかを先にご相談します。
最低契約期間は6ヶ月です。7〜35ヶ月で解約された場合、サイトは非公開になります。36ヶ月以上ご継続いただいた場合は、サイトをお渡しします。
私たちがやらないこと
異動や料金の中身を決めることはしません。誰がどの担当になるか、いくらに改めるかは経営の判断です。社内で公表される前の人事を、こちらの判断でサイトに出すこともしません。
募集要項の労働条件や、料金の表示が決まりに合っているかの判断もいたしません。そこは所管の窓口や専門家に確かめていただくようお願いしています。サイトを直すことで、応募や問い合わせが増えるとお約束することもいたしません。
実際にお作りしたサイトは 制作実績、料金と条件は ホームページ制作のページ に載せてあります。神戸市北区鈴蘭台を拠点に、2025年10月6日に設立した会社です。
毎年4月に入ってから、サイトの古い情報に気づいているという方は、一度ご相談ください。
9. まとめ:年度替わりは、3月のうちに用意を終える
4月の新年度の前に、ホームページで押さえることは5つです。
- 4月は変化が重なると知っておく ― 人事、新入社員、料金、組織、採用が同じ日に動く。各部署はサイトのことまで見ていない
- 直す場所を一覧にする ― 担当者名、社員紹介、採用ページ、料金表、会社概要、お知らせ、PDF
- 採用は年度ごとに出し直す ― 去年の募集要項を残さない。決まっていない時期は「掲載予定」と書く
- 3月に用意し、4月1日は切り替えるだけにする ― 聞くのは「何が変わるか」。公開は社内の公表の後
- 年の表記は、西暦と和暦の両方で探す ― 「今年度」「昨年」のような数字のない言葉も、一度検索する
年度替わりのずれは、1つずつは小さなものです。ただ、同じ時期に重なると、サイト全体が去年の会社に見えます。外から見られる時期だからこそ、3月のうちに用意しておく価値があります。
まず、今日できること
貴社のサイトの中を、今年度の年の数字で検索してみてください。西暦と和暦の両方です。出てきた場所が、4月1日に直す場所の一覧の始まりになります。
ぜひ一度、お話を聞かせてください。4月1日に何が変わるかを伺うところから、ご一緒します。