1. 「来月、テレビの取材が入るんです」
中小企業の経営者の方とお話していて、こんな言葉を伺うことがあります。
「地元の番組から取材の依頼が来まして。来月に撮影で、放送はその2週間後らしいんです。うれしいんですけど、ホームページは何年も触っていなくて。このままで大丈夫なんでしょうか」
取材が決まるのは、うれしい知らせです。ただ、放送や掲載のあと、どれくらいの人が見に来るのかは、誰にも分かりません。分からないからこそ、来た人を迷わせない形だけは先に整えておきたいところです。
この記事は「前の準備」に絞ります
取り上げられたことを、あとからホームページにどう載せるかは、新聞やテレビに取り上げられたら、ホームページにどう載せるか にまとめました。掲載元の決まりの確かめ方、紙面や映像の扱い、リンクの張り方などはそちらに書いてあります。
この記事では、その手前の話をします。取材が決まってから、放送日・発売日までのあいだに、ホームページで何を整えておくか。放送のあとでは間に合わないことだけを集めました。
この記事で書くこと
- 放送・掲載の直後に、ホームページで何が起きるか
- トップから、取り上げられる商品やサービスへすぐ行けるか
- 注文・予約・問い合わせの受け方と、混んだときの案内
- 営業時間・在庫の表示と、電話が増えたときの段取り
- 表示が重くならないよう、制作会社に伝えておくこと
- 放送日を事前にお知らせするかどうか
2. 放送・掲載の直後に、何が起きるか
準備の中身に入る前に、放送や掲載のあとに起きることを確かめておきます。ここが見えていると、何を優先すればいいかが決まります。
社名や店名で、検索する人が一度に来る
テレビや雑誌で紹介されると、見た人の一部は社名や店名、商品名で検索して、ホームページを開きます。放送の直後や発売日に、短い時間に集まります。
人数は、媒体や時間帯、紹介のされ方で大きく変わります。予想はできないものと考えて、多くても少なくても困らない形にしておく。これがこの記事の考え方です。
来る人は、貴社のことをほとんど知らない
もう1つ大事なのは、来る人の顔ぶれです。普段のホームページは、貴社を探していた人や、紹介で知った人が見に来る場所です。放送のあとに来る人は違います。数分前に初めて名前を知った人です。
その人たちが知りたいことは、だいたい決まっています。
- 紹介されたもの ― さっき見た商品やサービスは、どれなのか
- 手に入れ方 ― どこで買えるのか、頼めるのか、予約できるのか
- 今の状況 ― 今日は開いているのか、まだ在庫はあるのか
- 本当にこの会社か ― 同じような名前の会社と間違えていないか
普段のサイトは、この4つに答える順番で作られていないことが多いです。紹介された商品が奥のページにあると、初めて来た人はそこまで探してくれません。
放送が終わってから直しても、いちばん人が来る時間には間に合いません。整えられるのは、放送日までのあいだだけです。次の章から、優先する順に書いていきます。
3. トップから、取り上げられるものへすぐ行けるか
いちばん先に確かめていただきたいのが、ここです。トップページを開いた人が、紹介された商品やサービスのページへ迷わずたどり着けるかどうか。
取材で何が紹介されるかを、先に聞いておく
準備の出発点は、取材で何が取り上げられるのかを知ることです。会社全体なのか、特定の商品なのか、代表の人柄なのか。これで整えるページが変わります。担当の方へ、聞ける範囲で確かめてください。
- 主に紹介されるもの ― 商品名、サービス名、取り組みの名前
- 番組や記事の中での呼び方 ― 正式名ではなく、通称で紹介されることもあります
- 社名・店名の出し方 ― 正式な社名か、店の屋号か、ブランド名か
- 放送日・発売日の目安 ― 変わる可能性も含めて
呼び方は見落とされがちです。見た人は、番組で聞いた言葉で検索します。サイトの商品名と紹介される呼び方が違うと、見つけてもらえません。ページの中に、その呼び方を一言添えておくだけで変わります。
最初の画面に、紹介されるものへの入口を置く
トップページの最初の画面は、初めて来た人がいちばん見る場所です。ここに、紹介される商品やサービスのページへの入口を1つ置いてください。
大きなバナーでなくて構いません。「〇〇のご案内はこちら」という短い一文とボタンで十分です。最初の画面の考え方は トップページの最初の画面に、何を置くか にまとめてあります。普段の画面を崩さず、入口を1つ足す形が収まりやすいと思います。
放送日を知らせない場合でも、紹介される商品への入口は、放送前から置いておいて問題ありません。告知については第7章で書きます。
紹介されるページの中身を、初めての人向けに見直す
入口を置いたら、その先のページを見直します。初めて来た人が、そのページだけで判断できるかどうかが基準です。
- 何なのか ― 写真と、一言で分かる説明
- いくらなのか ― 価格、または料金の目安
- どうすれば手に入るのか ― 店頭、通販、予約、問い合わせのどれか
- いつ手に入るのか ― 営業時間、受付時間、発送までの日数
番組で映る商品と、サイトの写真が違って見えると、見た人は迷います。古い写真のままなら、放送までに今の商品を撮っておくと安心です。
社名で検索したときの見え方も確かめる
最後に、社名や店名で検索して、自社のサイトがどう出るかを見ておきます。検索結果の題名と説明文が古いままになっていないか。同じような名前の会社が近くにある場合は、所在地や業種が一目で分かる説明になっているかを確かめておくと、取り違えられにくくなります。
4. 注文・予約・問い合わせの受け方と、混んだときの案内
入口が整ったら、次は受け方です。どこから連絡すればいいのか。受けきれないときに、どう伝えるか。
案内する受け方を、絞る
電話、フォーム、メール、予約、通販、店頭。一度に来ると、受け口が多いほど取りこぼしが出ます。放送のあとだけでも、案内する受け方を1つか2つに絞ることを考えてみてください。「ご注文は通販のページから」と決めておくと、電話に集中するのを少し和らげられます。
混んだときの案内文を、先に書いておく
ここがいちばん効く準備です。受けきれなくなったときに出す案内の文を、放送前に書いておくことです。混んでから考えると、文面を整える余裕がありません。
書いておく文は、だいたい4種類です。
- 返事が遅れる ― 「お問い合わせが多く、ご返信まで数日いただく場合があります」
- 受付を絞る ― 「本日のご予約受付は終了しました。明日〇時から受け付けます」
- 品切れ ― 「〇〇は、ただいま品切れです。次回の入荷は〇日を予定しています」
- 受付終了 ― 「〇〇のご注文受付は、〇月〇日をもって終了しました」
数字や日付は、その時になって入れれば大丈夫です。文の形だけでも用意しておくと、差し替えが数分で済みます。トップページとお知らせ欄、紹介された商品のページの3か所に、同じ文を出せるようにしておきます。
| 来た人が知りたいこと | 先に用意しておく文の例 | 置く場所 |
|---|---|---|
| 紹介されたのは、どれか | たとえば「番組でご紹介いただいた〇〇は、こちらのページでご案内しています」 | トップの最初の画面に一文とボタン |
| どうすれば買える・頼めるか | たとえば「店頭のほか、通販ページからもご注文いただけます。お電話でのご注文は受けておりません」 | 紹介される商品のページの上のほう |
| 今日は開いているか | たとえば「本日は〇時まで営業しています。〇曜日は定休日です」 | トップと、店舗案内のページ |
| まだ在庫はあるか | たとえば「〇〇は、ただいま品切れです。次回の入荷は決まりしだい、ここでお知らせします」 | 商品のページと、お知らせ欄 |
| 返事はいつ来るか | たとえば「お問い合わせが多く、ご返信まで数日いただく場合があります」 | 問い合わせフォームの上と、自動返信のメール |
文の形だけを先に書いておき、日付や時間はその時に入れます。混んでから文面を考えると、案内が遅れたり、言葉が荒くなったりします。中身は、貴社の受け方と事実に合わせて書いてください。
フォームと自動返信を、送って確かめる
問い合わせフォームは、放送前に一度、自分で送ってみてください。届くか、誰に届くか、自動返信が出るかの3つを確かめます。何年も触っていないフォームは、届け先が辞めた社員のアドレスのまま、ということがあります。自動返信には、貴社が守れる範囲で返事の目安を一行入れておくと、待つ側が落ち着きます。
社内で、誰が受けるかを決める
誰が一次対応をするか、どこまで自分で答えてよいか、誰に回すか。この3つだけでも、放送前に決めておいてください。詳しくは 問い合わせが増えたあと、社内で何を決めておくか に書きました。
5. 営業時間・在庫の表示と、電話が増えたときの段取り
ホームページの外の段取りも、放送の前に決めておきます。ここが決まらないと、サイトに書くことも決まりません。
営業時間を、今のものに合わせる
まず、営業時間と定休日の表示を確かめます。サイト、Googleビジネスプロフィール、SNSのプロフィール。この3つが同じ時間を示しているかを見てください。どれか1つでも違うと、見た人はどれを信じればいいか分からなくなります。
臨時で延長する、混雑を避けて予約制にするなど、放送のあとに変える予定があれば、その文も先に用意します。書き方は 営業時間・定休日を、ホームページにどう書くか にまとめてあります。
在庫や受付数の上限を、先に決める
物を売る商売なら、在庫をどこまで用意するかを決めます。サービスなら、受けられる件数の上限を決めます。上限が決まっていると、品切れや受付終了の案内を出すタイミングも決まります。
上限を決めないまま受け続けると、届けられない注文が積み上がります。お待たせした末にお断りするより、早めに締めるほうが誠実です。
電話が増えたときに、誰がどう出るか
テレビを見た人は、ホームページを見ずに電話をかけてくることもあります。年配の方が多い番組なら、なおさらです。
電話について、放送前に決めておくことは3つです。
- 誰が出るか ― 普段の担当だけで足りなければ、その日だけ交代で出る人を決める
- 出られないときの案内 ― 留守番電話の案内文を、放送に合わせた内容に変えておく
- よく聞かれることの答え ― 価格、在庫、営業時間、買い方を1枚の紙にまとめ、電話の横に置く
3つ目の紙は、ホームページの文と同じ中身にしておきます。電話で言うことと、サイトに書いてあることが同じだと、聞いた人が後でサイトを見ても迷いません。現場の社員の方にも、放送日と紹介される内容、この紙の場所を伝えておいてください。知らないまま突然の電話を受けると、戸惑いが声に出ます。
6. 表示が重くならないか、制作会社に伝えておく
一度に人が来ると、表示が遅くなったり、開かなくなったりすることがあります。どこまで耐えられるかは、サイトの作りや契約で違います。放送日が決まったら、制作会社や管理の会社に早めに伝えてください。
伝えることは、4つ
詳しいことが分からなくても大丈夫です。伝えるのは、次の4つです。
- 媒体と放送日時 ― どの番組・雑誌で、いつ出るのか。分かれば放送の時間帯も
- 人が来そうなページ ― トップと、紹介される商品やサービスのページ
- 当日に変えたいこと ― 品切れや受付終了の案内を、誰がどう差し替えるか
- 連絡のつく相手 ― 当日、貴社と制作会社のそれぞれで、誰に連絡すればいいか
人数の予想は要りません。分からないことは、分からないと伝えてください。
重くなりやすいものを、先に見直す
表示を重くしやすいのは、大きすぎる画像、トップで自動再生される動画、開いたとたんに出る大きなお知らせの窓などです。どこを見ればいいかは ホームページが重いと言われたときに、まず見るところ に書きました。紹介される商品のページだけでも、スマートフォンで開いて重さを確かめておくと安心です。
開かなくなったときの、代わりの案内を決めておく
準備をしても、開きにくくなる可能性はゼロにはなりません。SNSやGoogleビジネスプロフィールなど、サイト以外で案内を出す場所を決め、「ただいまホームページが表示されにくくなっています。ご注文は店頭でお受けしています」のような短い文を用意しておきます。
放送の前後に、大きな変更をしない
放送日の直前や当日に、サイトの大きな作り替えをしないでください。デザインや仕組みを変える作業は、思わぬところで表示を崩すことがあります。整える作業は数日前までに終え、当日は案内文の差し替えだけにする。この線引きをしておくと、制作会社も動きやすくなります。
7. 放送日を、事前にお知らせするかどうか
最後に、放送日を事前に知らせるかどうかです。お知らせ欄やSNSで「〇日の番組で紹介されます」と書きたくなる気持ちは自然ですが、ここは掲載元の決まりを先に確かめる必要があります。
告知してよいかは、掲載元によって違う
放送日や内容を、事前に外へ出さないでほしいという決まりがある場合もあります。番組名やロゴを使ってよいかも、媒体ごとに違います。
告知したい場合は、取材の担当の方に確認してから出してください。確認した日付と相手の名前は、メモに残しておきます。権利や契約の判断が要る場合は、業種や媒体によって扱いが違うので、専門家に確認してください。
告知するなら、書くことは少なく
告知してよいと確認できた場合も、書くことは少なくて構いません。
- 媒体名と放送日・発売日 ― 確かめた範囲で、正確に
- 何が紹介される予定か ― 商品名やサービス名を一言
- 変更の可能性 ― 「放送日や内容は変更になる場合があります」と一行添える
放送は、急な出来事で延期になったり、内容が短くなったりすることがあります。変わる前提で書いておくと、変わったときに訂正が小さく済みます。
告知しない、という判断も十分にありえます。告知しなくても、放送のあとに来る人は来ます。大事なのは告知そのものより、来た人を迎える準備のほうです。
何が紹介されるか、番組での呼び方、放送日の目安を担当の方に聞きます。事前に告知してよいかも、ここで確かめます。
トップに入口を置き、紹介される商品のページを初めての人向けに直します。営業時間と在庫の上限、電話の担当を決めます。
フォームを送って確かめ、スマートフォンで表示の重さを見ます。社内に放送日と、よく聞かれることの答えを共有します。
表示が止まっていないかを見ながら、状況に合わせて案内文を差し替えます。開きにくければ、SNSやGoogleビジネスプロフィールで案内します。
取り上げられたことを、掲載元の決まりを確かめたうえでお知らせに載せます。案内文を消し忘れていないかも見直します。
期間は、放送日までの日数に合わせて縮めてください。時間が足りないときは、①の聞き取りと、②の入口と案内文だけでも済ませておくと、当日の迷いが減ります。
私たち雄喜晃は、取材が決まったと伺ったら、放送日から逆算して、ホームページで整えることを一緒に洗い出します。
私たちがやること
まず、何が紹介されるのか、番組や記事での呼び方、放送日の目安を伺います。そのうえで、トップに置く入口の一文、紹介されるページの見直し、混んだとき・品切れ・受付終了の案内文の下書きを用意し、フォームの届き先とスマートフォンでの表示も放送前に確かめます。当日の案内文の差し替えや、放送のあとにお知らせを載せる作業は、月5回までの更新代行の中で対応します。ページに使う写真は、貴社で撮っていただいたものを整えて載せます。
料金と条件
料金は制作費0円、月額8,800円(税別)です。6ページ構成のプランは月額13,800円(税別)です。サーバー、独自ドメイン、SSL、保守はすべて月額に含まれます。
最低契約期間は6ヶ月です。7〜35ヶ月で解約された場合、サイトは非公開になります。36ヶ月以上ご継続いただいた場合は、サイトをお渡しします。
私たちがやらないこと
先に書いておきます。放送や掲載のあとに、どれくらいの人が来るかを予想したり、お約束したりすることはしません。取り上げられたからといって、検索の順位や問い合わせが増えるとお約束することもありません。
また、事前の告知や紙面・映像の使用について、掲載元への確認は、取材を受けた貴社から行っていただくようお願いしています。確かめられていない告知や素材を載せることはしません。取材そのものを取ってくるような宣伝の仕事も、お受けしていません。
「取材が決まったけれど、ホームページが何年もそのままで、何から手を付ければいいか分からない」という方は、一度ご相談ください。実際にお作りしたサイトは 制作実績、料金と条件は ホームページ制作のページ に載せてあります。神戸市北区鈴蘭台を拠点に、2025年10月から活動しています。
9. まとめ:放送の前にできるのは、迎える形を整えること
テレビや雑誌の取材が決まったとき、放送・掲載の前にホームページで整えることは5つです。
- 紹介されるものへの入口 ― トップの最初の画面から、紹介される商品やサービスへすぐ行けるようにする
- 受け方と案内文 ― 受け口を絞り、混んだとき・品切れ・受付終了の文を先に書いておく
- 営業時間と在庫と電話 ― 表示を揃え、上限を決め、電話の担当と答えの紙を用意する
- 制作会社への連絡 ― 媒体と放送日、人が来そうなページを伝え、直前の大きな変更は避ける
- 告知は確かめてから ― 事前に知らせるかどうかは、掲載元の決まりを確かめて決める
どれくらいの人が来るかは、放送が終わるまで分かりません。分からないからこそ、多くても少なくても困らない形にしておくことが、いちばん確かな準備です。
今日できることを1つだけ挙げます。トップページから、紹介される予定の商品のページまで、何回押せばたどり着けるかを数えてみてください。直す場所が見えてきます。
ぜひ一度、お話を聞かせてください。放送日から逆算して、来た人を迎える形を整えるところから、ご一緒します。