1. 「営業時間は、ちゃんと書いてあるんですけどね」
中小企業の経営者の方とお話していて、こんな言葉をよく聞きます。
「営業時間はサイトに書いてあるんです。9時から18時って。それなのに『何時までに行けば間に合いますか』とか『お昼に電話しても大丈夫ですか』とか、結局お電話で聞かれるんですよね」
営業時間は、数字が2つと休みの曜日が1つだけの短い情報です。ところが、この一行は読む人によって、意味がまったく違って受け取られています。お店の側は「店を開けている時間」のつもりで書いていても、読む人は「電話をかけていい時間」「行っても受け付けてもらえる時間」「作業に来てもらえる時間」として読みます。その差が、冒頭のような確認の電話になります。
もう1つ厄介なのは、営業時間がサイトの中の何箇所にも書かれていることです。ヘッダー、フッター、アクセス、会社概要。さらにGoogleマップ。どこか1つが古いままだと、読む人はどれを信じればいいか分からなくなります。
この記事で書くこと
- 「9:00〜18:00」の一行で、何が起きているか
- 営業時間と、電話受付・来店受付・最終受付を分けて書く方法
- 昼休みと、曜日や季節で時間が変わるときの書き方
- 定休日と不定休、祝日の扱い
- 年末年始・お盆・臨時休業の出し方と、消し方
- 書く場所を揃える方法と、変わったときに直す場所の一覧
2. 「9:00〜18:00」の一行で、何が起きているか
読む人が知りたいのは「自分が動いていい時間」
営業時間を見に来る人は、会社の勤務時間を知りたいわけではありません。知りたいのは、自分がいつ動けばいいかです。
- 電話をかける人は、何時から何時までならつながるか
- 来店する人は、何時までに着けば受け付けてもらえるか
- 作業を頼む人は、何時から来てもらえるか
- フォームで送る人は、いつ返事が来るか
この4つは、同じ会社の中でも時刻が違うことがよくあります。一行にまとめると、読む人はそこから推測するしかありません。
お店の側と、お客様の側で「営業時間」の意味が違う
たとえば、美容室で「10:00〜19:00」と書いてあったとします。お店の側は、19時に最後のお客様の施術が終わるつもりで書いているかもしれません。読む人は、18時半に行っても受け付けてもらえると思います。
工務店や設備の会社なら、「8:00〜17:00」は職人が現場にいる時間で、事務所の電話は9時からということがあります。8時に電話をかけた人は、誰も出ないので「やっていないのかな」と思います。
どちらも、書いた側は間違っていません。同じ「営業時間」という言葉に、違う時刻が入っているだけです。
書いていないことは、確認の電話か、空振りになる
一行から推測できなかった人は、2つのどちらかを選びます。確かめるために電話をするか、推測で動いて空振りするかです。
確認の電話は貴社の時間を、空振りはお客様の時間を使います。空振りしたお客様は、たいてい何も言わずに次の会社を探します。
3. 営業時間と受付時間を、分けて書く
ここからが本題です。営業時間とは別に、受付の種類ごとに時刻を書き分けます。全部を書く必要はありません。貴社の時刻が、営業時間と違うものだけを足してください。
電話受付
電話に出られる時間が営業時間と違うなら、別の行にします。「電話受付 9:00〜17:00」。営業時間と同じなら書かなくても構いませんが、電話番号のすぐ横に、受付時間を添えておくと親切です。
番号を見つけた人は、その場でかけるかどうかを決めるからです。電話の受け方そのものは 「ホームページから電話が鳴らない」を、電話の側から直す にまとめてあります。
来店受付・最終受付
来店型の商売で、いちばん書き分けてほしいのがここです。閉店の時刻と、受け付けの締め切りは別です。
- 「最終受付 18:30」
- 「カットのご予約は18:00まで、カラーは17:00まで」
- 「ラストオーダー 20:30」
メニューによって締め切りが違うなら、それも書きます。閉店前に着いたのに受けてもらえない、という気まずい場面がなくなります。
作業の時間と、事務所の時間
訪問して作業をする会社は、作業に伺う時間と、事務所が電話に出る時間を分けます。「作業時間 8:00〜17:00(事務所の電話受付は9:00〜18:00)」のような形です。
予約制の場合
予約が必要なら、営業時間のすぐ近くに「完全予約制」「ご予約の方を優先しています」のどちらなのかを書きます。この2つは、飛び込みで来た人にとって意味が違うからです。
予約の受付方法も一言添えます。電話だけか、ネットでも受けるか、前日まで受けるのか。
| 書く項目 | 書き方の例 | 読む人が分かること |
|---|---|---|
| 営業時間 | たとえば「10:00〜19:00」 | お店が開いている時間。これだけでは何時までに行けばいいかは分からない |
| 最終受付 | たとえば「最終受付 18:30(カラーは17:30まで)」 | 何時までに着けば受けてもらえるか。メニューごとの締め切りも分かる |
| 電話受付 | たとえば「電話受付 10:00〜18:00(施術中は出られないことがあります)」 | いつかければつながるか。つながらなかったときの理由も分かる |
| 昼休み | たとえば「12:00〜13:00は電話受付を休止しています」 | お昼にかけても出ない理由。やっていないと誤解されない |
| 作業・訪問 | たとえば「作業に伺う時間 8:30〜17:00」 | 朝何時に家にいればいいか。事務所の時間と混ざらない |
| フォーム・メール | たとえば「24時間受け付けています。お返事は翌営業日までにいたします」 | 送った時刻と、返事が来る時刻の差が分かる |
全部の行を書く必要はありません。営業時間と時刻が違うものだけを足してください。営業時間と同じものまで並べると、かえって読みにくくなります。時刻は、貴社の実際の運用に合わせてください。
4. 昼休みと、曜日や季節で変わる時間
時間が一日の中で途切れる場合や、日によって違う場合の書き方です。
昼休みは、時刻で書く
昼休みに電話や窓口を止めているなら、「12:00〜13:00」と時刻で書きます。「お昼休みあり」だけでは、何時から何時までなのかが分かりません。
書き方は2通りあります。「9:00〜12:00/13:00〜18:00」と時間を2つに分ける形と、「9:00〜18:00(12:00〜13:00は休憩)」と後ろに添える形です。どちらでも構いませんが、サイトの中では、どちらか1つに揃えてください。ページによって書き方が違うと、別の時間のように見えます。
曜日で時間が違うとき
土曜は午前だけ、水曜は夕方まで、というように曜日で時間が違う場合は、文章ではなく、曜日ごとの表にします。
- 月〜金 ― 9:00〜18:00
- 土 ― 9:00〜12:00
- 日・祝 ― 定休日
季節で時間が変わるとき
夏だけ早く開ける、冬は早く閉めるといった商売では、今の時期の時間を先に書き、期間を添えます。「4月〜9月 8:00〜18:00/10月〜3月 9:00〜17:00」。切り替わる日付があれば、読む人は今日がどちらかを自分で判断できます。季節で忙しさが変わる商売の回し方は 季節で忙しさが変わる商売の、ホームページの回し方 にまとめました。
「24時間受付」と書くときの注意
フォームやメールの受付を「24時間受付」と書くのは構いません。ただし、受け付けることと、対応することは別です。
夜中に送った人は、朝には返事が来ると思うかもしれません。表の最後の行のように、返事が来る時刻を添えてください。留守番電話で受けている場合も、いつ折り返すかを書いておきます。
5. 定休日と不定休の書き方
曜日の定休日は、「毎週」か「第何」かまで
定休日が曜日で決まっているなら、毎週なのか、第何週なのかまで書きます。「水曜定休」は、毎週水曜にも、ときどき水曜にも読めます。
- 「毎週水曜日」
- 「第2・第4火曜日」
- 「毎週日曜日と、第1土曜日」
祝日の扱いを、必ず一言
定休日の欄で、いちばん抜けやすいのが祝日の扱いです。祝日は営業するのか、休むのか。定休日が祝日に当たったらどうするのか。
- 「祝日は営業しています」
- 「日曜・祝日は定休日です」
- 「定休日が祝日の場合は営業し、翌日を休みます」
祝日の扱いが書いていないと、祝日に動こうとした人は確かめる手段がありません。そして、祝日はたいてい電話もつながらない日です。確かめられない日にこそ、書いてある情報がすべてになります。
不定休は、「不定休」だけで終わらせない
シフトや仕入れの都合で休みが決まらない商売もあります。それ自体は問題ありません。問題は、「不定休」とだけ書いて、いつ休みなのかを確かめる方法が無いことです。
不定休なら、次のどれかを添えてください。
- 休みの決まり方 ― 「月に4日ほど、主に平日にいただいています」
- 休みを載せる場所 ― 「翌月の休みは、毎月25日ごろにお知らせのページに載せます」
- 確かめ方 ― 「ご来店の前に、お電話でご確認いただけると確実です」
「年中無休」と書くなら、例外まで
「年中無休」は、読む人には強い言葉として届きます。ですから、年末年始やお盆に休むなら、「年中無休(年末年始を除く)」と例外まで書きます。
6. 祝日・年末年始・臨時休業の出し方と、消し方
いつもと違う日の知らせ方です。出すことより、出す場所と、消す時期を決めておくことのほうが大事です。
年末年始とお盆は、決まった時期に先に出す
年末年始やお盆、大型連休の休みは、毎年必ず来ます。ですから、出す時期を毎年同じにしておくのがいちばん楽です。
たとえば「12月の第1週に、年末年始の休みを載せる」と決めておきます。休みの前に頼みたい人は、休みの日付を知ってから動くので、直前に出すと間に合いません。
書くときは、休みの最初の日と最後の日、そして再開する日を書きます。たとえば「12月29日〜1月4日は休業いたします。1月5日から通常どおり営業します」。再開日まで書いてあると、休みの間に見た人も、いつ連絡すればいいかが分かります。
臨時休業は、出す場所を3つ決めておく
設備の故障、急な用事、天候。臨時休業は、前もって分からないものです。だからこそ、急に出すときに迷わないよう、出す場所を先に決めておきます。
- トップページの一番上の1行 ― 開いた人が、最初に目にする場所
- お知らせのページ ― 日付つきで、理由と再開日を書く場所
- Googleマップ ― 地図から直接来る人が見る場所
3つ目を忘れると、地図アプリで「営業中」と出ている店に、お客様が来てしまいます。Googleビジネスプロフィールには、祝日などの特別な営業時間や、臨時休業を入れる欄があります。サイトと同じ日に入れてください。
終わったら、消す
臨時休業と年末年始の案内は、終わったら消します。これが意外と残ります。
1月の半ばになっても、トップに年末年始の休業の案内が出ている。読む人は今も休んでいるのかと迷いますし、更新されていないサイトだと受け取ります。
お知らせのページには、記録として残しておいて構いません。消すのは、トップの1行と、目立つ場所に出した案内です。出したときに、消す日も一緒に決めておくと忘れません。社内の予定表に、休みの最終日の翌日として「トップの案内を下げる」と1行入れておくのがいちばん確かです。
休みの間の、問い合わせの扱いを書く
長い休みの前には、休みの間に届いた連絡をどう扱うかも書いておきます。
「休業中もフォームからのお問い合わせは受け付けています。お返事は1月5日以降、順にいたします」。これがあれば、休み中に送った人も、不安に思わずに待てます。
7. 書く場所を揃え、変わったときに直す場所の一覧
最後に、営業時間を書く場所の話です。書き方が決まっても、場所によって中身が違っていたら、読む人は迷います。
営業時間は、思ったより多くの場所に書かれている
ヘッダーの電話番号の横、フッター、アクセス、会社概要、問い合わせのページ。サイトの外にも、Googleマップ、SNSのプロフィール、会社案内のPDF、チラシ、看板、留守番電話の音声があります。数えると、たいてい思っていたより多くの場所に出てきます。
正本を1つ決めて、そこから写す
揃えるコツは、正しい営業時間を書いた「正本」を1つ決めることです。社内の1枚の紙でも、共有のファイルでも構いません。サイトもGoogleマップもチラシも、その正本から写します。
正本が無いと、古いサイトから新しいチラシに写す、ということが起きて、古い時刻が別の場所に移っていきます。社名や住所の表記を揃える考え方と同じで、ホームページと名刺・封筒で、書いてあることが違う に、1枚の紙にまとめる手順を書いています。営業時間も、その紙の1行に入れておいてください。
Googleマップは、サイトと同じ日に直す
サイトの外で、いちばん先に直してほしいのがGoogleマップです。お客様は、サイトより先に地図アプリで営業時間を見ていることがあります。
サイトを直した日に、Googleマップも直す。この2つを、1つの作業として扱ってください。Googleマップとホームページの役割の違いは Googleマップとホームページ、どちらを先に整えるか に書きました。
アクセスのページにも、同じものを置く
行き方を調べた人は、そのまま「今から行って開いているか」を確かめたくなります。アクセスのページの、地図のすぐ近くにも営業時間と定休日を置いてください。別のページに戻って探させない配置です。アクセスのページ全体の作り方は 「アクセス」のページで、来る人を迷わせない にまとめてあります。
| 直す場所 | どこにあるか | 見落としやすい理由 |
|---|---|---|
| サイトの中(文字) | ヘッダー、フッター、アクセス、会社概要、問い合わせのページ、よくある質問 | 場所が多い。古い時刻でサイト内を検索すれば見つけられる |
| サイトの中(画像・PDF) | トップの大きな画像、バナー、会社案内やメニューのPDF | 文字として検索しても出てこない。目で開いて見るしかない |
| 問い合わせの送信後 | 送信完了の画面、自動で返るメールの文面 | 送ってみないと見えない。返事の目安が古いまま残りやすい |
| Googleマップ | Googleビジネスプロフィールの営業時間、特別な営業時間 | サイトとは別の場所で直す必要がある |
| SNS・登録サイト | SNSのプロフィール、業界のポータル、地域の紹介ページ | 作ったときにしか開かないので、存在を忘れている |
| 紙と音声 | チラシ、名刺、看板、店頭の貼り紙、留守番電話の案内 | 刷り直しや録り直しが要るので、後回しになる |
変えるときは、この表を上から順に見てください。いちばん残るのは、画像とPDFの中の時刻です。この一覧に、貴社だけにある場所(店頭のボード、予約の案内文など)を書き足しておくと、次から迷いません。
直したあとに、古い時刻で探す
直し終わったら、古い時刻でサイトの中を検索してください。「18:00」から「17:30」に変えたなら、「18:00」で探します。残っていた場所が見つかります。
ただし、画像とPDFの中の文字は検索に出てきません。変えるたびに作り直すことになるので、営業時間は、できるだけ文字で書いておくほうが後が楽です。
移転や社名変更のように、もっと大きな変更をしたときの直し方は 移転・社名変更・代表交代のときに、サイトで直すところ に一覧があります。
8. 雄喜晃の伴走:営業時間の一行を、書き分けるところから
私たち雄喜晃がサイトをお作りするときは、営業時間を一行で書く前に、受付の種類を伺います。電話に出られる時間、最後に受け付けられる時間、作業に伺える時間、昼休み、祝日の扱い。それぞれ営業時間と違うものがあれば、書き分けた形でページに入れます。
私たちがやること
伺った時刻は、ヘッダー、フッター、アクセス、会社概要、問い合わせのページまで、全部の場所に同じ表記で入れます。昼休みの書き方や曜日の並べ方も、サイトの中で1つに揃えます。営業時間は、画像ではなく文字で載せます。
公開したあとの、年末年始の休み、臨時休業、時間の変更も、ご連絡いただければこちらで反映します。
料金と条件
料金は制作費0円、月額8,800円(税別)からです。6ページ構成のプランは月額13,800円(税別)です。サーバー、独自ドメイン、SSL、保守は月額に含まれます。月5回までの更新代行も同じ月額の中なので、休みのお知らせを出して、終わったら消す、という作業も月額の範囲で回せます。
最低契約期間は6ヶ月です。7〜35ヶ月で解約された場合、サイトは非公開になります。36ヶ月以上ご継続いただいた場合は、サイトをお渡しします。
私たちがやらないこと
営業時間や定休日そのものを、こちらで決めることはしません。何時まで開けるか、いつ休むかは経営の判断です。私たちは、決まった時刻を、読む人に伝わる形で載せる側です。
また、実態と違う時間を書くこともしません。電話に出られない時間を受付時間に含める、例外があるのに「年中無休」とだけ書く。見栄えのために時刻を広く見せると、空振りしたお客様の信用を失います。
検索の順位や、問い合わせの件数をお約束することもいたしません。
実際にお作りしたサイトは 制作実績、料金と条件は ホームページ制作のページ に載せてあります。「営業時間は書いてあるのに、同じことを電話で聞かれる」という方は、一度ご相談ください。
9. まとめ:一行を、受付ごとに分けて、全部の場所で揃える
営業時間と定休日を書くときに押さえることは、5つです。
- 受付の種類ごとに書き分ける ― 電話受付、最終受付、作業の時間、フォームの返事。営業時間と違うものだけを足す
- 昼休みと曜日の違いは、時刻と表で書く ― 「昼休みあり」ではなく「12:00〜13:00」。曜日で違えば1曜日1行
- 定休日は、祝日の扱いまで書く ― 不定休なら、休みを載せる場所と時期を決める
- いつもと違う日は、出す場所と消す日を決める ― トップの1行、お知らせ、Googleマップの3つ。再開日も書く
- 正本を1つ決めて、全部の場所で揃える ― 変えたら一覧を上から見て、古い時刻で検索する
営業時間は短いぶん軽く見られがちですが、読む人にとっては「今、動いていいかどうか」を決める一行です。
今日できることを1つだけ挙げます。自社のサイトで、営業時間が書かれている場所を全部数えてみてください。Googleマップも含めて並べて見るだけで、直すところが見えてきます。
書き分けた営業時間を、どこにどう置けばいいか決めきれないという方は、一度ご相談ください。