1. 「忙しい時期ほど、サイトを触る暇がないんです」

中小企業の経営者の方とお話していて、こんな言葉をよく聞きます。

「うちは夏が勝負なんです。でも夏になると現場で手一杯で、ホームページどころじゃない。気づいたら、去年の夏の案内がそのまま残っていたりして」

季節で忙しさが変わる商売では、これがほぼ毎年起きます。エアコンの取り付けや掃除、庭木の剪定、外壁や屋根の塗装、年末の大掃除、学習塾の講習、観光や宿泊。いちばん見られる時期に、いちばん手が回らないという形になっているからです。

繁忙期に現場を優先するのは当然です。問題は、サイトを直すタイミングを、忙しくなってからにしていることのほうです。

季節の商売のホームページは、1年を4つの時期に分けて考えると回るようになります。忙しくなる前に仕込む。忙しい間は1行だけ直す。落ち着いたら振り返って、次の季節に備える。この記事では、その回し方を順に書きます。

この記事で書くこと

  • 「いつから準備するか」を、自社の記録で決める方法
  • 繁忙期の前に出すものと、繁忙期中の「受付状況」の書き方
  • 毎年使い回せる季節ページの作り方
  • 閑散期の更新と、Googleマップの営業時間の直し方

2. 季節の商売で、サイトがずれる3つの場面

先に、何がずれているのかを見ておきます。ずれ方は、ほぼ3つです。

① 案内を出すのが、探され始めたあと

繁忙期に入って「そろそろ夏の案内を出そう」と思ったときには、もう遅いことが多いです。お客様が探し始めるのは、困る少し前だからです。

早めに動く人は、困る前に見積もりを取って比べます。早く動く人ほど、時間をかけて比べて選びます。そこで案内が無いと、候補に入りません。

② 受付状況が、実際と合っていない

繁忙期の最中に起きるのがこれです。

  • もう受けられないのに「受付中」のまま ― 問い合わせが来て、断る連絡に時間を取られます
  • まだ受けられるのに、何も書いていない ― 「どうせ混んでいるだろう」と思われて、連絡が来ません
  • 去年の締め切り日が残っている ― 日付を見た人が「今年はやっていないのか」と受け取ります

どれも、読んだ人の判断を間違った方向に動かします。受付状況は、書いていないより、古いほうが害の大きい情報です。

③ 閑散期に、何も起きていない

繁忙期が終わると、サイトはそのまま半年眠ることがあります。ただ、閑散期はサイトを直す時間がいちばん取れる時期です。ここで何もしないと、翌年また同じ慌て方をします。

更新が止まる理由そのものは 更新を続けられる会社と、止まる会社の違い に書きました。季節の商売では、そこに「時期」という条件が1つ加わります。

3. 「いつから準備するか」は、自社の記録で決める

ここがいちばん大事なところです。何月から準備を始めるかは、一般論ではなく、貴社の記録で決めてください。

「エアコンは〇月から」「塗装は春と秋」のような話はよく聞きます。ただ、地域や客層、扱う内容で山の形は変わります。同じエアコンでも、取り付けと掃除と修理では、問い合わせが来る時期がずれます。他社の話をそのまま当てはめると、準備の時期を外します。

去年の問い合わせを、月ごとに並べる

まず、去年1年分の問い合わせを、受けた日付で月ごとに数えてください。メール、フォーム、電話、Googleマップからの連絡。手元に記録があるものだけで構いません。

並べると、3つのことが分かります。

  • 山が始まった月 ― 問い合わせが目に見えて増え始めた時期
  • 山がいちばん高かった月 ― 受付が追いつかなくなった時期
  • 山が終わった月 ― 落ち着いて、普段の件数に戻った時期

年によって前後するので、2〜3年分あればいちばん早かった年に合わせて準備すると外れにくくなります。

問い合わせから依頼までの日数も見る

もう1つ見ておきたいのが、問い合わせを受けてから、実際に仕事になるまでの日数です。見積もりを比べる人が多い商売ほど、この日数は長くなります。

山の始まりから、この日数をさかのぼった時期が、お客様が実際に比べ始めている時期です。サイトの準備は、そこに間に合わせます。

検索の数字は、去年の同じ月と比べる

サーチコンソールを入れている場合は、季節の言葉が検索結果に表示され始めた時期も見られます。比べるときは、前の月ではなく、去年の同じ月と比べてください。季節の商売で前月と比べると、季節の波を「伸びた」「落ちた」と読み違えます。見る数字の絞り方は ホームページを作ったあと、何を測ればいいか にまとめてあります。

記録が無い場合

今年から取り始めてください。受付日と依頼の内容を1行ずつ残すだけで十分です。最初の1年は現場の方の感覚で仮に決め、2年目から記録で直します。

図:季節の商売のホームページは、1年を4つの時期に分けて回す
① 閑散期(山が終わってから)

繁忙期の振り返りと、季節ページの直しをします。サイトに時間をいちばん使える時期なので、写真の整理や質問の追加はここでまとめて行います。

たとえば:よく聞かれた質問を季節ページに足す/終わった仕事の写真を実績に載せる
▼
② 山の前(お客様が比べ始める前)

季節ページを今年の受付に切り替え、受付期間や伺うまでの目安を書き直します。Googleマップの営業時間も、ここで確かめます。

たとえば:ページ上部の受付案内を今年の日付にする/フォームに「ご希望の時期」の欄を足す
▼
③ 山の最中

触るのは受付状況の1行だけです。段階を文面ごと先に決めておき、状況が変わった日に差し替えます。

ここで大きな直しを始めると、現場と更新の両方が止まります
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④ 山の終わり

今季の受付の終了と、次の受付の予定を書きます。季節ページは消さずに、オフシーズンの表示に切り替えます。

たとえば:「今季の受付は終了しました。次回は例年〇月ごろから受付を始めます」

読み方は上から順で、④のあとは①に戻ります。②の時期を、自社の問い合わせ記録から決めるのが要です。時期の長さは業種で違い、各時期の作業もたとえばの例です。貴社の商売に合わせて入れ替えてください。

4. 繁忙期の前に出しておくもの

準備の時期が決まったら、何を出しておくかです。山が来る前に、次のものを揃えておきます。

季節のサービスページを、今年の内容にする

季節の仕事は、トップページやお知らせの中に埋もれさせず、専用のページを1枚持っておくのが基本です。作り方は第6節で書きます。山の前には、このページを今年の内容に切り替えます。

書いておくのは、読む人が「今頼むかどうか」を決める材料です。

  • 受付の期間 ― いつからいつまで受けているか
  • 頼んでから伺うまでの日数の目安 ― 混み合う時期は延びることも一緒に
  • 早めに頼むとよい理由 ― 日程を選びやすい、比べる時間が取れる、など事実の範囲で
  • 料金と、季節で変わる条件 ― 繁忙期に条件が変わるなら、それも先に

「早めのご相談」を、あおらずに書く

「お早めに」とだけ書いても、読む人は動きません。早く頼むと何が変わるのかを、具体的に書きます。

「〇月に入ると、ご依頼から伺うまで日数をいただくことがあります。日程にご希望がある場合は、それより前のご相談をおすすめします」

あおる言葉は要りません。事実として書けば足ります。

問い合わせフォームに「ご希望の時期」を入れる

季節の仕事では、いつ来てほしいかが分からないと、最初の返信が「ご希望の日程は」で終わります。フォームに「ご希望の時期」の欄を1つ足すだけで、最初の返信から日程の話ができます。

選択肢は「できるだけ早く」「〇月中」「時期は相談したい」くらいのざっくりで構いません。

電話の受付時間と、折り返しの目安

繁忙期は、電話に出られないことが増えます。サイトの電話番号の近くに、受付時間と、出られなかったときの折り返しの目安を書いておきます。

「現場に出ているため、折り返しは夕方以降になることがあります」。この一文で、つながらなかった人が他社へ移りにくくなります。

5. 繁忙期中は、「受付状況」の1行だけを直す

山に入ったら、サイトで触るのは受付状況だけと決めてしまってください。ほかの直しは、閑散期に回します。

置く場所は3つ

受付状況は、読む人が判断する場所の近くに置きます。

  • トップページの上部 ― 開いてすぐ見える位置に1行
  • 季節のサービスページの上部 ― 検索からここに直接来る人がいるため
  • 問い合わせフォームの直前 ― 送る前に、今の状況を知ってもらうため

3か所に別々に書くと、1か所だけ直し忘れます。1か所で書いた文が、3か所に同時に出る作りにしておけば、直す手間は1回です。これはサイトを作るときに決めておきます。

日付を入れる

受付状況には、「〇月〇日時点」と日付を入れてください。日付の無い「混み合っています」は、いつの話か分かりません。

段階を、文面ごと先に決めておく

山の最中に毎回文章を考えていると続きません。段階を3〜5つ、文面ごと先に決めておき、状況が変わった日は差し替えるだけにします。

表:受付状況の段階を、文面ごと先に決めておく(文面はたとえばの例です)
段階サイトに出す一文一緒に直すところ
受付中たとえば「〇月〇日時点:通常どおり受け付けています。ご依頼から伺うまでの目安は〇日ほどです」季節ページの受付期間。早めに頼むとよい理由もここで書く
混み合っていますたとえば「〇月〇日時点:ご依頼が増えており、伺うまで〇週間ほどいただいています」自動返信の「ご連絡までの目安」を、実際に合わせて延ばす
日程を選びにくいたとえば「〇月〇日時点:〇月中の日程は、ご希望に沿えない場合があります。時期を問わない方はご相談ください」フォームの「ご希望の時期」の選択肢
新規受付を止めていますたとえば「〇月〇日時点:今季の新規受付は終了しました。次回は〇月ごろから受付予定です」電話の留守番メッセージ。古い「受付中」が残っていないかを3か所とも確かめる
受付を再開しましたたとえば「〇月〇日から、受付を再開しました」止めていた間にいただいた問い合わせへの連絡

段階は、貴社が実際に使い分けられる数だけで構いません。3段階でも足ります。大事なのは、状況が変わった日に、文を考えずに差し替えられることです。

受付を止めるときほど、早く書く

いちばん書きにくいのが、新規の受付を止めるときです。ただ、ここを書かないと、断る連絡に毎日時間を取られます。止めると決めた日に、その日のうちに書き換えてください。

止めるときは、次に受けられる時期の目安も書きます。これがあると、読んだ人は「今年はだめか」ではなく「その時期にまた見よう」と受け取ります。来年のお客様を、ここで手放さずに済みます。

受付状況を変えたら、自動返信と電話の留守番メッセージも同じ日に直します。サイトに「お時間をいただいています」とあるのに、自動返信が「翌営業日にご連絡します」のままだと、約束を破った形になります。

6. 毎年使い回せる「季節ページ」を作る

季節の仕事を、毎年お知らせ1本で済ませている会社は多いです。それとは別に、毎年同じ場所に置いておく季節のページを1枚持ってください。

お知らせと季節ページは、役目が違う

  • お知らせ ― 「今年のこと」を書く。受付開始、休業日、締め切り。時間が経てば古くなります
  • 季節ページ ― 「毎年変わらないこと」を書く。どんな仕事か、流れ、料金の考え方、写真、よくある質問

お知らせは、季節ページへの入口にします。「今年の受付を始めました。詳しくはこちら」とリンクする形です。お知らせ欄に何を書くかは 「お知らせ」の欄に、何を書けばいいか にまとめてあります。

URLに年を入れない

季節ページのURLは、年や「今年」を入れずに、仕事の名前だけにしてください。たとえば「/2026-summer/」ではなく「/aircon-cleaning/」のような形です。

毎年ページを作り直して去年の分を消すと、そのページに付いた外部からのリンクや検索結果での表示を、毎年積み直すことになります。同じURLのまま、中身を毎年書き直すほうが積み上がります。URLを変えたときに何が起きるかは リニューアルでURLが変わるときに、失うもの にも書きました。

年と日付は、決まった場所にだけ書く

毎年の書き直しが楽になるように、年と日付が入る場所を、ページ上部の受付案内だけに集めておきます。本文のあちこちに「今年は」「2026年は」と書くと、翌年に直し漏れが出ます。

本文は「例年、〇月ごろからご依頼が増えます」のように、何年に読んでも通じる書き方にしておきます。

季節が終わっても、ページは消さない

山が終わったあとも、季節ページは残します。消すと、閑散期に検索して来た人が何も見つけられません。上部の受付案内だけを、オフシーズンの表示に切り替えます。

「今季の受付は終了しました。次回は例年〇月ごろから受付を始めます。それまでのご相談は、お問い合わせフォームからどうぞ」

閑散期に先の予約や見積もりを受けられるなら、それも書きます。早く動く人は、閑散期から比べ始めていることがあります。

去年の仕事を、ページに積んでいく

季節ページの下のほうに、その季節に実際にやった仕事を数件ずつ足していきます。「去年の夏、〇〇区で△△をしました」。年を重ねるごとにページの中身が厚くなり、読む人には毎年続けている会社だと伝わります。載せるときは、お客様の了解を取ってからにしてください。

7. 閑散期にやる更新と、Googleマップの営業時間

山が終わって手が空いたら、次の季節の準備です。

繁忙期の振り返りを、サイトに戻す

山が終わって記憶が新しいうちに、次の3つを書き出します。

  • 何度も聞かれた質問 ― 季節ページのよくある質問に足します。集め方と書き方は 「よくある質問」を作ると、電話の本数が変わる を参考にしてください
  • 断った依頼と、その理由 ― 対応できない条件として、季節ページに書いておきます
  • 山の始まりと終わりの日付 ― 第3節の記録に足して、来年の準備の時期を直します

写真を整理して、実績に載せる

繁忙期に撮った現場の写真は、スマートフォンの中に埋もれがちです。閑散期に使えるものを選び、数件を実績や季節ページに載せます。閑散期のサイトにも動きが出ます。

閑散期に頼みやすい仕事を、案内する

閑散期に受けやすい仕事があるなら、それを案内します。たとえば、塗装なら山の前の点検、塾なら講習の前の面談。閑散期だから頼みやすいことを書いておくと、山の偏りが少し和らぐことがあります。

Googleマップの営業時間を、季節ごとに確かめる

季節の商売で、見落とされがちなのがここです。お客様は、ホームページより先にGoogleマップで営業時間を見ていることがあります。

  • 季節で営業時間が変わる ― 繁忙期だけ時間を延ばす、閑散期は短くするなら、Googleマップの営業時間も変えます
  • 祝日・年末年始・お盆 ― 通常と違う日は、特別な営業時間として先に入れておきます。年末の大掃除や観光のように、休みの時期が稼ぎどきの商売では特に
  • 臨時休業 ― 現場が詰まって店や事務所を閉める日があるなら、その日のうちに入れます
  • サイトと揃える ― ホームページとGoogleマップで営業時間が違うと、どちらを信じればいいか分からなくなります

季節が変わるたびに、ホームページとGoogleマップの営業時間を並べて見比べてください。図の②と④の作業に入れておくと忘れません。Googleマップとホームページの役割の違いは Googleマップとホームページ、どちらを先に整えるか に書きました。

8. 雄喜晃の伴走:季節の山に合わせて、サイトを回します

私たち雄喜晃は、季節で忙しさが変わる商売のホームページを作るとき、最初に去年の問い合わせの記録を一緒に見るところから始めます。何月に山が始まり、いつ終わったか。そこから、準備の時期と、季節ページを切り替える時期を決めます。

私たちがやること

  • 季節ページを、毎年使い回せる形で作る ― URLに年を入れず、日付が入る場所をページ上部に集めます
  • 受付状況を、1か所で直せば3か所に出る形にする ― トップ、季節ページ、問い合わせフォームの直前
  • 受付状況の段階を、文面ごと一緒に決める ― 山の最中は、ご連絡いただいた段階に差し替えるだけにします
  • 閑散期の振り返りを、サイトに戻す ― 聞かれた質問、断った依頼、写真を、季節ページに足していきます

料金と条件

料金は制作費0円、月額8,800円(税別)です。6ページ構成のプランは月額13,800円(税別)です。サーバー、独自ドメイン、SSL、保守は月額に含まれます。月5回までの更新代行も同じ月額の中です。受付状況の段階を先に決めておけば、山の最中の差し替えも、この回数の中で回しやすくなります。

最低契約期間は6ヶ月です。7〜35ヶ月で解約された場合、サイトは非公開になります。36ヶ月以上ご継続いただいた場合は、サイトをお渡しします。

私たちがやらないこと

  • 「〇月から検索が増える」と、一般論で時期を決めることはしません。時期は、貴社の記録で決めます
  • 受付を止めるか、どれだけ受けるかは決めません。それは現場と経営の判断です。私たちは、決まったことを読む人に伝わる形で出すところを担当します
  • 検索順位や問い合わせの増加をお約束することもしません。季節の山そのものを、サイトで作り出すことはできないからです

実際にお作りしたサイトは 制作実績、料金と条件は ホームページ制作のページ に載せてあります。神戸市北区鈴蘭台を拠点に、2025年10月から活動しています。

「毎年、忙しくなってから慌ててサイトを直している」という方は、一度ご相談ください。

9. まとめ:忙しくなる前に仕込み、忙しい間は1行だけ直す

季節で忙しさが変わる商売のホームページで、押さえることは5つです。

  • 準備の時期は、自社の記録で決める ― 去年の問い合わせを月ごとに並べ、山の始まりからさかのぼる
  • 繁忙期の前に、季節ページを今年の内容にする ― 受付期間、伺うまでの目安、早めに頼むとよい理由
  • 繁忙期中は、受付状況の1行だけを直す ― 日付を入れ、段階を文面ごと先に決めておく
  • 季節ページは消さずに、毎年使い回す ― URLに年を入れず、去年の仕事を積んでいく
  • 閑散期に振り返り、Googleマップの営業時間も揃える ― 季節が変わるたびに、両方を見比べる

いちばん見られる時期に、いちばん手が回らない。だからこそ、手が空いている時期に、忙しい時期の分まで仕込んでおくことが効きます。

まず、今日できること

去年1年分の問い合わせを、受けた日付で月ごとに数えてみてください。手元にある記録だけで構いません。山が始まった月が分かれば、今年いつまでにサイトを整えればいいかが見えてきます。

ぜひ一度、お話を聞かせてください。貴社の季節の山に合わせて、サイトの回し方を決めるところからご一緒します。