1. 「『捨てようか迷ったんですけど』と、靴を出されるんです」

靴や鞄の修理の店を営む方とお話していて、こんな言葉を聞くことがあります。

「『捨てようか迷ったんですけど、まだ直りますか』と言って、靴や鞄を出される方が多いんです。直せるものなら喜んで直します。ただ、直せないものもあって、それを店先でお伝えするのがつらいんですよ。持ってくる前に分かれば、お互いに楽なんですけどね」

修理は、頼む側にとって直るのかどうか、いくらかかるのか、どのくらい預けるのかが分からない仕事です。かかとのすり減りくらいなら見当がつく人も、靴底の全体の交換や、鞄の持ち手の付け替えとなると、どこに頼めばいいかも分かりません。分からないうちに、新しいものを買ってしまう人もいます。

見に来る人は、3種類いる

靴・鞄の修理の店のサイトを見に来る人は、大きく3つに分かれます。

  • すぐ直したい人 ― かかとがすり減った、ファスナーが壊れた。待っている間に直るか、いくらかを知りたい
  • 大切な品を直したい人 ― 長く履いてきた革靴、ブランドの鞄、家族から譲られた品。安心して預けられるかを知りたい
  • 近くに店がない人 ― 郵送で頼めるか、どう送ればいいかを知りたい

どの人も、店に持っていく前に「直るかどうか」を確かめたいと思っています。サイトでそこに答えておけば、店先で断ることが減り、遠くの人からの相談も受けやすくなります。

この記事で書くこと

  • 直せるものと直せないものの一覧の見せ方
  • 料金の目安と、変わる条件
  • 待っている間にできる直しと、預かる直しの分け方。預かる日数
  • 郵送での受け付けの流れ
  • ブランド品・思い出の品を預かるときの確認
  • 修理の前と後の写真の見せ方、合鍵を兼ねる場合の書き分け

2. 直せるものと、直せないものの一覧

品物と、傷んだところで並べる

修理の一覧は、品物(靴か鞄か)と、傷んだところで並べると探しやすくなります。読む人は、手元の靴や鞄の、困っている場所を見ながら一覧を探します。

  • 靴 ― かかと、靴底、つま先、中敷き、縫い目のほつれ、色のはげ、きつい靴の伸ばし
  • 鞄 ― 持ち手、肩ひも、ファスナー、金具、角や縁のすり切れ、内側の布

名前も、頼む人の言葉を先に書き、店の呼び方を添えます。「かかとがすり減った(ヒールの交換)」「靴底がはがれてきた(底の貼り直し)」のように書けば、修理の名前を知らない人でも自分の場合を探せます。

直せないものも、理由と一緒に書く

直せないものを書いておかないと、持ってきてから断ることになります。店によって違いますが、たとえば次のようなものです。

  • 素材そのものが傷んでいるもの ― 長くしまっておいた靴の底が崩れてくる、革が割れているなど
  • 部品が手に入らないもの ― 特殊な金具や、同じ形の部品が手に入らないもの
  • 作りの上で直せないもの ― 靴底の作りによって、交換できないものがある
  • 受けていない品 ― 傘、ベルト、革の小物、衣類など、靴と鞄以外を受けるかどうか

書くときは、受けないなら受けない、拝見してから決めるならそうと分けて書きます。「何でもご相談ください」とだけ書くと、受けられないものまで持ってこられます。断る文には、理由と、代わりにできることを添えると冷たく見えません。

「靴底が崩れている靴は、底をまるごと替える方法をご相談します。甲の革まで傷んでいる場合は、お受けできないことがあります(言い回しは架空の例です)」

写真で、直るかどうかの見当を伝える

「直るかどうか分からないから、持っていくのをためらう」という人もいます。写真を送ってもらえば、直るかどうかの見当と料金の目安をお伝えすると書いておけば、その人も相談しやすくなります。送ってほしい写真(全体、傷んだところの近く、靴なら底)も添えておきます。

3. 料金の目安と、変わる条件

「から」に、変わる理由を添える

靴や鞄の修理の料金は、同じ直しでも素材、作り、使う部品で変わります。「かかと〇,〇〇〇円から」だけだと、読む人はその金額で済むと思います。高くなる条件を、同じ行に書いておきます。

表:直しごとの料金の目安と、その場か預かりかの書き方(金額・時間はすべて架空のたとえばです)
直したとえばの書き方その場か、預かりか
かかとの交換「婦人靴〇,〇〇〇円から、紳士靴〇,〇〇〇円から」お待ちの間に。〇〇分ほど
靴底の貼り直し・補強「つま先の補強〇,〇〇〇円から」内容によってその場か、半日ほど
靴底をまるごと替える「〇〇,〇〇〇円から。靴の作りと底の素材で変わります」お預かり。〇週間ほど
色の補修「つま先などの部分〇,〇〇〇円から」お預かり。元と同じ色にならない場合があることを書く
鞄のファスナー交換「長さ〇〇cmまで〇,〇〇〇円から」お預かり。部品の取り寄せで日数が延びることがある
持ち手の付け替え「お品を拝見してお見積もりします」お預かり。金額の決まり方だけを書く

金額と時間は、貴社の実際から決めてください。料金と一緒に「その場か、預かりか」を同じ表に並べると、読む人は「今日のうちに済むか」まで一度に分かります。

高くなる条件を、言葉で書く

高くなる条件として書いておくとよいのは、たとえば次のようなものです。

  • 素材 ― 革の底か、ゴムの底か。爬虫類の革や布の鞄など、扱いに手間のかかるもの
  • 作り ― 底が縫い付けてあるか、貼ってあるか。読む人には分かりにくいので、見た目の特徴で書く
  • 部品 ― 選べる部品があるなら、ふだん使う部品と、上の部品の違い
  • 傷みの広がり ― 直すところの下まで傷んでいて、ほかの直しが要る場合

部品を選べる店は、部品ごとの違いを、良い悪いではなく用途で書きます。「すり減りにくいもの」「滑りにくいもの」「元の見た目に近いもの」。料金の載せ方は、ホームページに料金を載せるか、載せないか にまとめてあります。

見積もりだけでもいいと書く

料金が品で変わる直しは、見積もりだけでもよいこと、金額を聞いてから断ってもよいことを書いておきます。新しく買うか直すかを迷っている人にとって、金額を聞いて持ち帰れることは大事です。

4. 待っている間の直しと、預かる直し

2つを、分けて見せる

靴・鞄の修理には、待っている間に終わる直しと、預ける直しがあります。頼む人にとって、この違いは大きいものです。仕事帰りに寄ってかかとを替えたい人と、週末に履きたい靴の底を替えたい人とでは、知りたいことが違います。

待っている間の直しには、次のことを書きます。

  • どの直しが、その場でできるか ― かかと、簡単な貼り直しなど
  • 待つ時間の目安 ― 〇〇分ほど。混んでいる時間帯は延びること
  • 待つ間のこと ― 店の中で待てるか、履き替えるものを貸しているか、預けて買い物に行けるか
  • 受け付けの締め ― 閉店の何分前までに持ってくれば、その日のうちに渡せるか

預かる日数は、直しごとに書く

預かる直しは、直しごとに日数の目安を書きます。「靴底の交換は〇週間ほど、色の補修は〇日ほど、鞄の直しはお品を拝見してお伝えします」のような形です。

日数が延びる理由も書いておきます。部品の取り寄せ、乾かす時間、混む時期。季節の変わり目や、ブーツを出す時期など、例年混む時期があるなら先に知らせます。「〇月は預かりの日数が延びます。履く日が決まっている方は、早めにお持ちください」。

受け取りの期限も書く

仕上がった品を、長く取りに来られない方もいます。お預かりしておける期間と、それを過ぎたときの扱いを、預かり証とサイトの両方に書いておきます。

5. 郵送での受け付けの流れ

遠くの人にも、頼む道を作る

近くに修理の店がない人や、店に行く時間がない人のために、郵送での受け付けをしている店もあると思います。受けているなら、流れをサイトに書いておきます。郵送の人は店で話せないぶん、流れが書いてあるかどうかで頼むかどうかを決めます。

図:郵送で修理を頼むときの流れ(手順や言い回しはすべて架空の例です)
① 写真を送ってもらい、目安を伝える

フォームやメールで、品物の全体と傷んだところの写真を送ってもらいます。直るかどうかの見当と、料金と日数の目安をお伝えします。

たとえば「写真では金額は確定できません。お品が届いてから確定します」と添える
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② 申込書を入れて、送ってもらう

直したいところ、連絡先、返送先を書いた申込書を同封してもらいます。送り先、包み方、送料をどちらが持つかを書いておきます。

靴の箱や付属品を一緒に送るかどうかも、ここで書いておく
▼
③ 届いたら確かめて、金額を連絡する

届いた品の状態を確かめ、確定した金額と仕上がり日を連絡します。ご了承をいただいてから作業に入ります。

了承の前に作業しないこと、断る場合の返送料の扱いをここで書く
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④ 直して、お返しする

直した品をお返しします。振り込みや代金引換など、受けている払い方を書いておきます。

いちばん効くのは③です。金額に了承をもらってから作業することと、断った場合に何がかかるか。この2つが書いてあるだけで、郵送で頼むことへの不安が小さくなります。

包み方と、届いたあとのことを書く

郵送で迷われやすいのが、包み方です。靴は1足ずつ袋に入れる、鞄は形が崩れないように詰め物をするなど、店として頼みたいことを書きます。貴社で撮った包み方の写真を添えると伝わりやすくなります。

届いた品が思っていた仕上がりと違ったときの扱いも書いておきます。店の側の間違いと、伝えてもらった内容どおりに直した場合とで、扱いを分けておきます。送料や返品の決まりの書き方は、送料や返品の決まりを、ホームページにどう書くか にまとめました。郵送で受けて代金を受け取る形は、通信での取引として表示が求められる事項がある場合があります。受け方によって違うので、所管の窓口や専門家に確認してください。

6. ブランド品・思い出の品を預かるときの確認

預ける前に、何を確かめるかを書く

高価な靴やブランドの鞄、家族から譲られた品を預ける人は、自分の品がどう扱われるのかを気にしています。預かるときに店で何を確かめるかを書いておくと、安心して預けられます。

  • 今ある傷や汚れ ― 直すところ以外の傷みを、お客様と一緒に確かめて控えに書く
  • 付属品 ― 箱や袋、取り外せる肩ひもなど、一緒に預かるものと預からないもの
  • 仕上がりの希望 ― 元の見た目に近づけたいか、丈夫さを優先したいか
  • 預かったときの写真 ― 預かった時点の状態を、店の控えとして撮っておくか

元の部品と違うことを、先に伝える

ブランドの品を直すときは、作ったところの部品と同じものが使えるとは限らないことを先に書きます。「なるべく近い色と形の部品を使いますが、元の部品とは違うものになります」。買った店や作ったところの修理の窓口がある場合は、違いを、どちらが上という書き方ではなく、そのまま書きます。

一度直すと、元の状態には戻せない直しもあります。色の補修も、元と同じ色にならない場合があります。元に戻せないことは、作業の前に伝えると書いておくと、頼む側が決めやすくなります。

思い出の品は、素材の状態から話す

長くしまってあった靴や鞄は、素材が弱っていることがあります。「長くお使いでなかったお品は、まず素材の状態を拝見してから、できることをお伝えします」と書いておきます。洋服のお直しの店の考え方は、洋服のお直し・仕立ての店のホームページに、何を載せるか にも書きました。預かるときの確認は、靴や鞄でもほとんど同じです。

7. 修理の前と後の写真、合鍵を兼ねる場合

前と後は、同じ角度で並べる

靴・鞄の修理は、直す前と後の写真が、いちばん伝わる仕事です。お客様の了解をいただいた品だけを、次のことに気をつけて並べます。

  • 同じ角度と明るさで撮る ― 前と後で光が違うと、直した違いより写りの違いが目立つ
  • 靴は底も撮る ― 修理の多くは底。横から見ただけでは何をしたか分からない
  • 何をしたかを一行添える ― 直した内容、たとえばの料金の帯、預かった日数
  • よくある直しから並べる ― 珍しい直しより、かかとや底の交換のような多い直しを先に

並べ方は、施工前と施工後の写真を、比べられる形で撮る の考え方が使えます。手元の写真や、どこを手で仕上げているかといった技術の伝え方は、職人の技術を、ホームページでどう伝えるか にまとめました。

合鍵を兼ねるなら、見出しを分ける

靴の修理と合鍵を一緒に受けている店もあると思います。その場合は、合鍵の案内を、靴・鞄の修理とは見出しを分けて書きます。合鍵を探している人は、靴の修理の一覧を読みに来ているわけではないからです。

  • 作れる鍵と、作れない鍵 ― 店頭で作れない鍵があるなら、その場合にどうすればよいか
  • 待つ時間と料金 ― 1本あたり何分ほど、いくらからか
  • 持ち込みが要るか ― 元の鍵を持ってきてもらう必要があること
  • 受けていないこと ― 鍵を開ける仕事や、取り付けを受けるか、受けないか

鍵を開ける・交換するといった仕事も受けているなら、本人の確認や料金の決まり方など、別に書くことが増えます。地域の鍵屋のホームページに、何を載せるか にまとめたので、あわせて読んでみてください。

8. 雄喜晃の伴走:「まだ直りますか」に、持っていく前に答えます

私たちがやること

私たち雄喜晃は、靴・鞄の修理の店のホームページを作るとき、最初に「店先でよく聞かれること」と「よくお断りしていること」を伺うところから始めます。直るか、いくらか、今日のうちに済むか。そこで出てくる答えが、サイトに書く中身になります。

  • 直せるものと直せないものを、頼む人の言葉で一覧にします ― 料金の目安と、高くなる条件を伺って組みます
  • その場の直しと預かる直しを、同じ表で見せます ― 預かる日数や、混む時期のお知らせも一緒に決めます
  • 郵送で受けているなら、流れと包み方を1つのページにまとめます
  • 合鍵を兼ねているなら、見出しを分けて整理します
  • 写真は、貴社で撮っていただいたものを整えて載せます ― 修理の前と後を、明るさや大きさをそろえて配置します

料金と条件

料金は制作費0円、月額8,800円(税別)からです。6ページ構成のプランは月額13,800円(税別)です。サーバー、独自ドメイン、SSL、保守は月額に含まれます。月5回までの更新代行も同じ月額の中なので、料金の改定や、修理の前と後の写真の追加も、ご連絡いただければこちらで反映します。

最低契約期間は6ヶ月です。7〜35ヶ月で解約された場合、サイトは非公開になります。36ヶ月以上ご継続いただいた場合は、サイトをお渡しします。

私たちがやらないこと

  • 撮影はお受けしていません。写真は、貴社で撮っていただいたものを整えて載せるところまでです
  • 修理の料金そのものは決めません。決まった金額と条件を、読む人に伝わる形に組むところを担当します
  • 郵送の受け付けや支払いを管理する仕組みの開発はしていません
  • 通信での取引の表示などが決まりに合っているかの判断はしません。所管の窓口や専門家で確かめていただくようお願いしています
  • 検索順位や問い合わせの増加をお約束することもしません

実際にお作りしたサイトは 制作実績、料金と条件は ホームページ制作のページ に載せてあります。神戸市北区鈴蘭台を拠点に、2025年10月6日に設立した会社です。

「店先で、直るかどうかの説明に毎日時間を取られている」という方は、一度ご相談ください。

9. まとめ:捨てる前に知りたいことに、先に答える

靴・鞄の修理の店のホームページで押さえることは、5つです。

  • 直せるものと直せないものを、頼む人の言葉で並べる ― 直せないものは理由と代わりの方法を添えて
  • 料金は「から」と一緒に、高くなる条件を書く ― 見積もりだけでもいいことも
  • その場の直しと預かる直しを分ける ― 待つ時間と預かる日数、混む時期を先に
  • 郵送と大切な品は、確かめることを順に書く ― 了承をもらってから作業すること、元に戻せない直しのこと
  • 前と後の写真を同じ角度で並べ、合鍵は見出しを分ける

靴や鞄の修理は、持っていくまで、直るかどうかが分からない仕事です。そこに先に答えておけば、捨てようか迷っている人が、店に持ってきやすくなります。

まず、今日できること

この1週間に店先で受けた「まだ直りますか」を、直したものとお断りしたものに分けて書き出してみてください。直したものはそのまま修理の一覧に、お断りしたものは「お受けしていないもの」の一覧になります。

ぜひ一度、お話を聞かせてください。店先でいつも答えていることを、持っていく前に読める形にするところから、ご一緒します。