1. 「『これ、直せますか』と、袋から出しながら聞かれるんです」

洋服のお直しや仕立ての店を営む方とお話していて、こんな言葉を聞くことがあります。

「お客様の多くが、袋から服を出しながら『これ、直せますか』と聞かれるんです。直せるものもあれば、難しいものもある。できないと分かって、そのまま持ち帰られる方もいます。来る前に分かっていれば、無駄足にならなかったのにと思うんですよ」

お直しは、頼む側にとってできるかどうか、いくらかかるか、いつ仕上がるかが分からない仕事です。裾上げくらいなら見当がつく人も、ジャケットの肩幅や、母親のワンピースの作り直しとなると、どこに相談すればいいかも分かりません。

見に来る人は、3種類いる

お直し・仕立ての店のサイトを見に来る人は、大きく3つに分かれます。

  • 急ぎの直しを頼みたい人 ― 裾上げや丈詰めを、いくらで、いつまでに
  • 大切な服を預けたい人 ― ブランド品や思い出の品を、安心して任せられるか
  • 作りたい人、作り直したい人 ― 仕立てやオーダー、着なくなった服のリメイクの相談

どの人も、店に持っていく前に「受けてもらえるか」を確かめたいと思っています。サイトでそこに答えておけば、無駄足が減り、遠くの人からの相談も受けやすくなります。

この記事で書くこと

  • できる直しの一覧と、料金の目安の見せ方
  • 仕上がりまでの日数と、急ぎの受け付け
  • 預かるときの確認(素材・ブランド品・思い出の品)
  • できないことと、断る場合の書き方
  • 郵送での受け付けの流れ(採寸・送り方・支払い)
  • 仕立てとリメイクの相談、店の人の技術の伝え方

2. できる直しの一覧と、料金の目安

直しは、頼む人の言葉で並べる

お直しの名前は、店の側と頼む側で違うことがあります。「丈詰め」「詰め」「出し」と書かれても、頼む側はピンと来ないかもしれません。「ズボンの長さを短くする」「ウエストをゆるくする」のように、頼む人の言葉を先に書き、店の呼び方を添えます。

服の種類ごとに分けると探しやすくなります。ズボン・スカート、ジャケット・コート、シャツ・ブラウス、ワンピース・ドレス、ニット。読む人は、手元の服を思い浮かべながら一覧を見ます。

表:直しの一覧と料金の目安の書き方(金額・日数はすべて架空のたとえばです)
直したとえばの書き方添えておく条件
ズボンの裾上げ「〇,〇〇〇円から。〇日ほどでお渡しします」裾の仕上げ方(折り返しの有無など)で料金が変わること
スカート・ワンピースの丈詰め「裏地なしで〇,〇〇〇円から」裏地やスリット、裾の飾りがあると別に料金がかかること
ウエストを詰める・出す「〇,〇〇〇円から。出せる幅はお品によります」縫い代が残っていないと出せないこと
ジャケットの袖丈「〇,〇〇〇円から。袖口のボタンの作りで変わります」袖口の作りによっては、肩から詰める方法を相談すること
ファスナーの交換「ズボン〇,〇〇〇円から、コート〇,〇〇〇円から」同じ色や長さの部品が取り寄せになる場合があること
リメイク「お品と、作りたいものを伺ってお見積もりします」金額が品で大きく変わるものは、決まり方だけを書く

金額と日数は、貴社の実際から決めてください。「から」で終わらせず、高くなる条件を一緒に書くと、店頭で「書いてあった金額と違う」と言われにくくなります。

「から」に、多い金額の帯を添える

「裾上げ〇,〇〇〇円から」だけだと、読む人はその金額で済むと思います。実際に多い金額の帯や、高くなる条件を添えると、自分の服がどのあたりかを当てはめられます。

高くなる条件として書いておくとよいのは、素材(革、薄い生地、伸びる生地など)、裏地の有無、柄を合わせる必要があるか、手縫いの仕上げが要るかといったことです。料金を載せるかどうかの考え方は、ホームページに料金を載せるか、載せないか にまとめてあります。

見積もりだけでもいいと書く

料金が品で変わる直しは、見積もりだけでもよいこと、見積もりのあとに断ってもよいことを書いておきます。服を持っていって、金額を聞いて、持ち帰る。それが気まずくないと分かれば、相談に来やすくなります。

3. 仕上がりまでの日数と、急ぎの受け付け

日数は、直しごとに目安を書く

頼む人の多くは、着たい日が決まっています。入学式、就職、結婚式への参列、旅行。だからこそ、仕上がりまでの日数がいちばん大事な情報になることがあります。

日数は、直しごとに目安を書きます。「裾上げは〇日ほど、ジャケットの直しは〇週間ほど、リメイクはご相談のうえでお伝えします」のような形です。混み具合で変わる場合は、「お預かりのときに仕上がり日をお伝えします」と添えます。

混む時期を、先に知らせる

季節の変わり目や、入学・就職の前など、頼みが重なる時期がある店も多いと思います。例年混む時期があるなら、その時期と、早めに持ってきてほしいことを書いておきます。「〇月は混み合います。〇月の式に着る服は、〇月中にお持ちください」のように、着る日から逆算できる書き方にします。

急ぎを受けるなら、条件を書く

急ぎの直しを受けているなら、受けられる条件をはっきり書きます。

  • 受けられる直し ― 裾上げなど、急ぎで受けられるものと受けられないもの
  • 料金 ― 急ぎの料金がかかるか、いくらか
  • 先に連絡がほしいか ― 持ってくる前に電話で空きを確かめてほしいか
  • 受け取りの時間 ― 当日や翌日の、何時までに渡せるか

「急ぎは承れません」という店もあると思います。それならそう書いておけば、急ぐ人はほかを当たれます。書かないままだと、持ってきてから断ることになります。

受け取りの期限も書く

仕上がった服を長く取りに来られないこともあります。預かっておける期間と、それを過ぎたときの扱いを、預かり証とサイトの両方に書いておきます。日数の書き方は、納期や「何日かかるか」を、ホームページにどう書くか に詳しく書きました。

4. 預かるときの確認:素材・ブランド品・思い出の品

預ける前に、何を確かめるかを書く

お直しは、預かった服に針とはさみを入れる仕事です。頼む側は、自分の服がどう扱われるのかを気にしています。預かるときに店で何を確かめるかを書いておくと、安心して預けられます。

  • 素材と洗濯の表示 ― 服に付いているタグを見て、素材と扱い方を確かめる
  • 今ある傷みや汚れ ― ほつれ、しみ、生地の弱っているところを、お客様と一緒に確かめる
  • 着た状態での寸法 ― 試着してもらい、ピンで印を付けて長さや幅を決める
  • 仕上がりの希望 ― 「靴を履いたときの長さ」「少しゆとりを残す」など、言葉で伺って控えに書く

ブランド品は、元に戻せない直しを伝える

高価な服や、ブランドの服を預かるときは、直したあとで元に戻せるかどうかを先に伝えます。裾を切って短くした服は、元の長さには戻せません。ここを書いておくと、頼む側が決めやすくなります。

  • 元の作りをどこまで残すか ― 元の裾の仕上げを残す方法があるか、選べるか
  • 買った店の窓口との違い ― 買った店やブランドの窓口で直しを受けている場合もあること。違いを、どちらが上という書き方ではなく、そのまま書く
  • 部品の扱い ― ボタンやファスナーを替えるとき、元の部品を返すか

思い出の品は、生地の状態から話す

母親の服、子どもの頃の服、亡くなった家族の服。思い出の品を直したい、作り直したいという相談もあると思います。長くしまってあった服は、生地が弱っていることがあります。

「長くしまってあったお品は、まず生地の状態を拝見してから、できることをお伝えします」と書いておきます。できないことがあると先に分かっていれば、断られたときの落胆も小さくなります。

5. できないこと、断る場合の書き方

受けない直しを、先に書く

お直しの店には、受けられない直しもあると思います。書いておかないと、持ってきてから断ることになります。頼む側も、店の側も、時間を使ってしまいます。

  • 受けない素材 ― 革や毛皮、特殊な加工の生地など、受けていないもの
  • 大きなサイズの変更 ― 何サイズも小さく、大きくするような直し
  • 生地が弱っているもの ― 縫うと破れるおそれがあるもの
  • 受けない品 ― 着物や帽子、かばんなど、洋服以外を受けるかどうか

ここは店によってまったく違います。受けるなら受ける、受けないなら受けないと書きます。「ご相談ください」とだけ書くと、受けないものまで持ってこられます。

断る文は、理由と次の一歩を添える

できない直しを断るときの文は、理由と、代わりにできることを添えると、冷たく見えません。言い回しは架空の例です。

「革のお品は、当店では専用の道具がないためお受けしていません。生地のお品でしたら、裏地の付いたコートも承ります」

「生地が弱っているお品は、直すことでかえって傷めてしまうことがあります。その場合は、拝見したうえでお断りすることがあります」

断る場合があることを書くのは、店の信用を落とすことではありません。できることとできないことを正直に分けている店として読まれます。

よくある質問にまとめる

「この素材は直せますか」「他の店で直した服も受けますか」「試着しないと頼めませんか」。こうした質問は、よくある質問のページにまとめておくと、電話や店頭で同じ説明を繰り返さずに済みます。作り方は 「よくある質問」を作ると、電話の本数が変わる にまとめました。

6. 郵送での受け付けの流れ

遠くの人にも、頼む道を作る

近くにお直しの店がない人や、店に行く時間がない人のために、郵送での受け付けをしている店もあると思います。受けているなら、サイトにその流れを書いておきます。郵送の人は店で話せないぶん、流れが書いてあるかどうかで頼むかどうかを決めます。

図:郵送でお直しを頼むときの流れ(手順や言い回しはすべて架空の例です)
① 申し込みと、直したいところの相談

フォームや電話で、服の種類と直したいところを伺います。写真を送ってもらえれば、できるかどうかと料金の目安をお伝えします。

たとえば「写真では正確な金額は出せません。お品が届いてから確定します」と添える
▼
② 寸法の伝え方を選んでもらう

着た状態でピンを打って送る、ちょうどよい長さの服を一緒に送る、測った寸法を申込書に書く。どの方法で受けるかを書いておきます。

ここが分からないと、「自分で測れない」と思って頼むのをやめてしまう
▼
③ 服を送ってもらう

申込書を入れて送ってもらいます。送り先、たたみ方、送料をどちらが持つかを書いておきます。

▼
④ 届いたら確かめて、金額を連絡する

届いた服の状態と寸法を確かめ、金額と仕上がり日を連絡します。ご了承をいただいてから作業に入ります。

了承の前に作業しないこと、断る場合の返送料の扱いをここで書く
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⑤ お支払いと、お返し

振り込みや代金引換など、受けている払い方を書きます。仕上がった服をお返しし、届いたら着て確かめてもらいます。

いちばん効くのは②と④です。寸法を自分で測れなくても頼めることと、金額に了承をもらってから作業すること。この2つが書いてあるだけで、郵送で頼むことへの不安が小さくなります。

寸法の伝え方は、図や写真で見せる

郵送で迷われやすいのが、寸法の伝え方です。ズボンの長さはどこからどこまで測るのか、ピンはどこに打てばいいのか。言葉だけでは伝わりにくいので、貴社で撮った測り方の写真や、簡単な図を添えます。申込書を印刷できる形で置いておくのも良い方法です。

合わなかったときの扱いを書く

郵送の直しでは、届いた服が思っていた長さと違ったということも起こりえます。寸法が合わなかったときにどうするかを書いておきます。もう一度直せるのか、その場合の送料や料金はどうなるのか。店の側の寸法の間違いと、伝えてもらった寸法どおりに直した場合とで、扱いを分けておきます。

送料や返品の決まりの書き方は、送料や返品の決まりを、ホームページにどう書くか にまとめました。郵送で受けて代金を受け取る形は、通信での取引として表示が求められる事項がある場合があります。受け方によって違うので、所管の窓口や専門家に確認してください。

7. 仕立て・オーダーとリメイク、店の人の技術

仕立ては、回数と期間を書く

一から服を作る仕立てやオーダーは、頼む側にとって何回店に行けばいいのか、どのくらいかかるのかが分からない仕事です。流れを順に書きます。

  • 相談 ― 作りたい服、着る場面、予算を伺う
  • 生地と形を選ぶ ― 生地の見本、持ち込みの生地を受けるか
  • 採寸 ― 何か所を測るか、どのくらい時間がかかるか
  • 仮縫い ― 仮に縫った服を着て直すところを決める。何回あるか
  • 仕上がり ― 最初の相談から何週間ほどか。着る日がある場合は、いつまでに相談に来てほしいか

料金は、生地と形で大きく変わるはずです。「生地代を含めて〇〇,〇〇〇円から。ご依頼の多いのは〇〇,〇〇〇円〜〇〇,〇〇〇円です」のように、架空の例の形で目安と帯を書いておくと、予算を当てはめやすくなります。

リメイクの相談は、写真から受ける

着なくなった服を別の形に作り直すリメイクは、何ができるかが言葉だけでは想像しにくい仕事です。お客様の了解をいただいた品の、作り直す前と後の写真を並べると伝わります。並べ方は 施工前と施工後の写真を、比べられる形で撮る の考え方が使えます。

相談の受け方も書いておきます。服の全体と、気になるところの写真を送ってもらえば、できるかどうかの見当をお伝えする。何にしたいかが決まっていなくても相談していい、と添えておくと、思い出の服を持て余している人が連絡しやすくなります。

技術は、何をしてきたかで伝える

お直しや仕立ての技術は、外からは見えにくいものです。どんな服を、どのくらい手がけてきたかを書きます。「この道〇十年」と書くなら、その年数で何をしてきたかを添えてください。

  • 得意な直し ― ジャケットの肩、ドレスの丈、ニットの直しなど
  • 手縫いとミシンの使い分け ― どこを手で仕上げているか
  • 手元の写真 ― 糸を通す、ピンを打つ、アイロンをかける手元
  • 資格 ― 持っている資格があれば、正式な名前と意味を一行

作業を店の中でしているのか、外に出しているのかも、正直に書いておきます。技術の伝え方は、職人の技術を、ホームページでどう伝えるか にまとめました。

8. 雄喜晃の伴走:「これ、直せますか」に、持っていく前に答えます

私たちがやること

私たち雄喜晃は、お直し・仕立ての店のホームページを作るとき、最初に「店頭でよく聞かれること」と「よく断っていること」を伺うところから始めます。直せるか、いくらか、いつ仕上がるか。そこで出てくる答えが、サイトに書く中身になります。

  • できる直しを、頼む人の言葉で一覧にします ― 料金の目安と、高くなる条件を伺って組みます
  • 仕上がりの日数と、急ぎの受け方を書きます ― 混む時期のお知らせも一緒に決めます
  • 受けないことと、断る場合の文を、店の言い回しで作ります
  • 郵送での受け付けを受けているなら、流れと寸法の伝え方を1つのページにまとめます
  • 写真は、貴社で撮っていただいたものを整えて載せます ― 手元の様子やリメイクの前と後を、明るさや大きさをそろえて配置します

料金と条件

料金は制作費0円、月額8,800円(税別)からです。6ページ構成のプランは月額13,800円(税別)です。サーバー、独自ドメイン、SSL、保守は月額に含まれます。月5回までの更新代行も同じ月額の中なので、混む時期のお知らせや、料金の目安の見直しといった直しも、ご連絡いただければこちらで反映します。

最低契約期間は6ヶ月です。7〜35ヶ月で解約された場合、サイトは非公開になります。36ヶ月以上ご継続いただいた場合は、サイトをお渡しします。

私たちがやらないこと

  • 撮影はお受けしていません。写真は、貴社で撮っていただいたものを整えて載せるところまでです
  • お直しや仕立ての料金そのものは決めません。決まった金額と中身を、読む人に伝わる形に組むところを担当します
  • 郵送の受け付けや支払いを管理する仕組みの開発はしていません
  • 通信での取引の表示などが決まりに合っているかの判断はしません。所管の窓口や専門家で確かめていただくようお願いしています
  • 検索順位や問い合わせの増加をお約束することもしません

実際にお作りしたサイトは 制作実績、料金と条件は ホームページ制作のページ に載せてあります。神戸市北区鈴蘭台を拠点に、2025年10月に設立しました。

「店頭で、直せるかどうかの説明に毎日時間を取られている」という方は、一度ご相談ください。

9. まとめ:持っていく前に聞きたいことに、先に答える

洋服のお直し・仕立ての店のホームページで押さえることは、5つです。

  • できる直しを、頼む人の言葉で並べる ― 料金は「から」と多い帯、高くなる条件も
  • 仕上がりの日数と、急ぎの受け方を書く ― 着る日から逆算できる書き方にする
  • 預かるときに何を確かめるかを書く ― 元に戻せない直しや、生地の弱った品の扱いも先に
  • できないことを、理由と次の一歩と一緒に書く ― 持ってきてから断ることを減らす
  • 郵送と仕立て・リメイクは、流れを順に書く ― 寸法の伝え方と、了承をもらってから作業すること

お直しは、服を持っていくまで、できるかどうかが分からない仕事です。そこに先に答えておけば、無駄足が減り、遠くの人も頼みやすくなります。

まず、今日できること

この1週間に店頭で受けた「これ、直せますか」を、直せたものと断ったものに分けて書き出してみてください。直せたものはそのまま直しの一覧に、断ったものは「お受けしていないもの」の一覧になります。

ぜひ一度、お話を聞かせてください。店頭でいつも答えていることを、持っていく前に読める形にするところから、ご一緒します。