1. 「表替えって何ですか、から話が始まるんです」
町で畳店を営む方とお話していて、こんな言葉を聞くことがあります。
「電話をくださる方の多くが、『畳を替えたいんですけど、何をどう頼めばいいのか分からなくて』とおっしゃるんです。表替えと新調の違いから説明して、値段の話をして、それで一度切って、また考えますと。サイトには店の場所と電話番号しか載せていないんですよ」
畳は、家の中で毎日踏んでいるのに、替えるのは何年かに一度です。そのため、頼む側には知識がほとんどありません。表替え、裏返し、新調という言葉も、頼む側には初めて聞く言葉です。
何を聞けばいいのか、いくらかかるのか、家を何日空ければいいのか。この3つが分からないまま、替えるのを先送りにしている人は多いはずです。
見に来る人は、3種類いる
畳店のサイトを見に来る人は、大きく3つに分かれます。
- 自宅の畳を替えたい人 ― 何を頼めばいいか、いくらか、何日かかるか、家具はどうするか
- 部屋を貸している人、貸し借りの間に立つ人 ― 退去のあと、次の入居までに替えたい家主の方や、不動産会社・管理会社の担当の方
- 襖や障子、網戸だけを頼みたい人 ― 畳店に頼めると知らない人も多い
住所と電話番号だけでは、2つ目と3つ目の人は自分の用事を受けてもらえるのかが分かりません。それぞれの人に入口を用意しておくのが、この業種のサイトの役目です。
この記事で書くこと
- 表替え・裏返し・新調の違いを、頼む人の言葉で説明する
- 替える時期の目安の書き方(言い切らない)
- 畳の種類と枚数で変わる料金の目安の見せ方
- 引き取りから納品までの流れ、家具の移動、家にいなくて済む時間
- 賃貸の退去前や、管理会社・不動産会社からの依頼の受け方
- 素材の選び方と、襖・障子・網戸の張り替えの受け付け
2. 表替え・裏返し・新調の違いを、頼む人の言葉で書く
まず、畳の作りから説明する
3つの違いを説明する前に、畳が「表」と「床」でできていることを書いておくと話が通じます。表は、上に見えている、い草などを編んだ部分。床は、その下の芯。縁は、長い辺に付いている布です。
これで「表替え」が「表だけを新しくすること」だと読む人が自分で分かります。先に中身を一文で言い、名前はあとに添える順にします。
日に当たっていない裏側の面が出てきます。縁は新しくします。表が傷んでいると、できない場合があります。
見た目と踏み心地が新しくなります。表の素材を選べるのがこの形で、料金は選んだ素材で変わります。
踏むと沈む、でこぼこするといった場合は、中の床が傷んでいることがあります。表だけ替えても直らないので、新しく作ります。
3つを並べたあとに、「どれがよいか分からなければ、拝見してからお伝えします」と一行添えてください。読む人が自分で決めなくてよいと分かれば、電話をかける理由ができます。
「うちはどれ?」の見分け方を書く
読む人がいちばん知りたいのは、自分の家の畳がどれに当たるのかです。見分ける手がかりを、目で見て分かる言葉で書きます。
- 表の色が変わった、毛羽立ってきた ― 裏返しか表替えの相談の目安
- 表が擦り切れている、ささくれがある ― 裏返しは難しく、表替えの相談になることが多い
- 踏むと沈む、歩くとふわふわする ― 中の床が傷んでいることがある。新調の相談
- 畳と畳の間に隙間がある、敷居との間に段差がある ― 床の傷みや、家の側の事情のこともある。一度見せてほしい
ここは診断ではなく、相談のきっかけを作る目安です。「最終的には拝見して判断します」と添えておきます。
替える時期は、言い切らずに書く
「何年で替えるものですか」とはよく聞かれると思います。ただ、畳の傷み方は日当たりや湿気、使い方で大きく変わります。年数だけで言い切ると、合わない家が出てきます。
書くなら、こんな形にします(言い回しは架空の例です)。
「裏返しは表替えから〇年ほど、表替えはそこから〇年ほどが、一つの目安と言われることがあります。ただ、お部屋の使い方で大きく変わります。年数より、色や踏み心地が気になったときが相談の時期です」
年数は、貴社がふだん店頭でお伝えしている範囲で書いてください。「目安」「使い方で変わる」の2つを、年数と同じ文に入れるのがこつです。
3. 料金の目安は、種類と枚数で見せる
「1枚いくら」と「部屋でいくら」を両方書く
畳の料金は、たいてい1枚ごとに決まっています。ところが頼む側は、部屋の広さで考えています。「六畳の和室を替えたら、全部でいくらか」が知りたいのです。
1枚の料金に、部屋ごとの合計の例を添えます。金額はすべて架空で、形だけの例です。
- 裏返し ― 「1枚〇,〇〇〇円から。六畳間(6枚)なら〇〇,〇〇〇円から」
- 表替え(一般的な畳表) ― 「1枚〇,〇〇〇円から。ご依頼の多いのは1枚〇,〇〇〇円〜〇,〇〇〇円です」
- 表替え(和紙や樹脂の畳表) ― 「1枚〇〇,〇〇〇円から。色によって変わります」
- 新調 ― 「1枚〇〇,〇〇〇円から。床の種類でお見積もりします」
「から」の金額だけでなく、実際に多い金額の帯を添えると、読む人は自分の予算を当てはめられます。料金の出し方の考え方は、ホームページに料金を載せるか、載せないか にまとめてあります。
何で金額が変わるかを書く
変わる条件を先に書いておくと、「書いてあった金額と違う」と言われにくくなります。
- 畳の大きさ ― 同じ六畳間でも、地域や建物によって畳の大きさが違う。大きい畳は料金が上がることがある
- 縁の種類 ― 標準の縁に含まれる柄と、別料金の柄。縁のない畳にする場合
- 古い畳の引き取りと処分 ― 新調のときに、古い畳の処分の料金が別にかかるか
- 家具の移動 ― 料金に含むのか、量や重さで別にかかるのか
- 税込か税別か ― 合計の例が、どちらで書かれているか
下見と見積もりの扱いを書く
畳は実物を見ないと金額が出しにくい品です。下見に来てもらえるか、見積もりは無料か、そのあと断ってもよいかを書いておきます。
4. 引き取りから納品までと、家具の移動
「家にいないといけないのは、いつか」に答える
畳替えをためらう理由の一つが、作業の間、家にいなければならないのではという心配です。共働きの家や、一人暮らしの年配の方にとっては大きな問題です。
朝に引き取ってその日のうちに戻す流れで受けているなら、家にいる必要があるのは引き取りと納品のときだけだと書いておきます。この一行で、頼める人が増えます。
お部屋を拝見し、畳の状態を見て、裏返し・表替え・新調のどれがよいかをお伝えします。素材の見本もここでお見せします。
ご都合のよい日に合わせて決めます。部屋数が多いときは、日を分けるかも相談します。
家具を動かして畳を上げ、店へ運びます。畳の下の床板の様子も、このとき確かめます。
表を張り替え、縁を付けて、同じ場所に敷き込みます。家具も元の場所に戻します。
いちばん効くのは④の一行です。家にいる必要があるのはいつかが分かると、仕事を休まずに頼めるかを読む人が自分で判断できます。新調や部屋数が多い場合など、当日に戻せないときの日数も添えてください。
家具の移動は、どこまで受けるかを書く
頼む側が意外と気にしているのが、タンスを自分で動かさないといけないのかです。年配の方の一人暮らしでは、ここで頼むのをやめてしまうこともあります。
- 動かす家具 ― タンス、本棚、机など、ふつうの家具は店で動かすか
- 中身の扱い ― 引き出しの中身を出しておいてほしいか、入ったままでよいか
- 動かせないもの ― ピアノや仏壇、大きな水槽など、受けられないもの、相談が要るもの
- 料金 ― 家具の移動が料金に含まれるか、量によって別にかかるか
鍵を預かっての作業や、空き家の畳替えを受けるかどうかも書いておきます。日数や仕上がりの書き方は、納期や「何日かかるか」を、ホームページにどう書くか に詳しく書きました。
店の中の仕事を見せる
預かるあいだ店で何をしているかも見せます。古い表をはがし、新しい表を張り、縁を縫い付ける。手元の写真と短い説明があれば、預ける人は品の扱われ方を想像できます。技術の伝え方は、職人の技術を、ホームページでどう伝えるか にまとめました。
5. 賃貸の退去前と、管理会社・不動産会社からの依頼
個人と法人で、知りたいことが違う
畳店には、自宅の畳を替えたい個人の方のほかに、部屋を貸している家主の方や、不動産会社・管理会社の担当の方からの依頼もあると思います。退去のあと、次の人が入るまでに替えたいという依頼です。
個人の方は、違いや料金、家具のことを知りたい。法人の担当の方は、いつまでに終わるか、まとめて頼めるか、どう払うかを知りたい。同じページに混ぜると、どちらにも読みにくくなります。
法人向けには、別の入口を作る
「賃貸物件の畳替えを承ります」のような見出しで、法人向けのまとまりを作ります。
- 急ぎの受け方 ― 退去から入居までの日数が短いときに、どこまで合わせられるか
- 立ち会いなしの作業 ― 鍵の受け渡しの方法、空室での作業を受けるか
- まとめての依頼 ― 何部屋か、何棟かをまとめて頼めるか
- 支払い ― 請求書での支払い、締め日と支払日
- 襖や障子も一緒に ― 退去のときにまとめて受けられるか
個人と法人の両方を相手にするサイトの分け方は、個人のお客様と法人のお客様、両方を相手にする会社のホームページ に書きました。
退去のときの負担の話は、一般論にとどめる
退去のときは、畳替えの費用を誰が持つかが話題になることがあります。ただ、負担の分け方は、契約の中身や取り決めによって違います。サイトで「この場合は家主の負担です」と言い切るのは避け、「契約の内容によって違うので、管理会社や専門の窓口にご確認ください」と添えるところまでにします。畳店が答えるのは、どの作業がいくらで、何日で終わるかです。
回れる範囲を書く
法人の依頼は、いくつかの物件を回ることになります。どの市や区まで行けるか、出張の料金がかかる範囲はどこかを書いておきます。書き方は、「対応エリア」を、ホームページにどう書くか にまとめました。
6. 素材の選び方を、一般の名前で並べる
選ぶ人は、名前より暮らしで考えている
頼む側は素材の名前を知りません。知っているのは、自分の家の暮らし方です。小さい子どもがいる、犬や猫を飼っている、日当たりが強い。素材の説明は、暮らし方から選べる形にすると読まれます。
- い草の畳表(国産) ― 昔ながらの香りと手ざわり。産地や等級で料金が分かれる
- い草の畳表(海外産) ― 料金を抑えたいときの選び方。品質に幅がある場合は、その説明も
- 和紙の畳表 ― 色の種類があり、色が変わりにくいとされる。和室の雰囲気を変えたいときに
- 樹脂の畳表 ― 水や汚れを拭き取りやすいとされる。子どもやペットのいる家、貸している部屋で選ばれることがある
- 縁のない畳 ― すっきりした見た目。作り方が違うので、料金と日数が変わることがある
特徴は、「〜とされる」のように言い切らない書き方にしてください。傷みにくさや汚れにくさは使い方で変わるので、「傷まない」「汚れない」と書くと行き違いのもとになります。
新調の場合は、わらの床と、軽い建材を使った床のように、床の違いも一般の名前で並べ、重さや踏み心地の傾向を短く書きます。
見本を見られるかを書く
素材は、写真と文章だけでは決めにくいものです。下見のときに見本を持っていくか、店で見られるかを書いておきます。和紙や樹脂の表は、画面と実物で色が違って見えることもあるので、「色は見本でお確かめください」と添えます。
産地や品質を書くときは、確かめられる範囲で
産地や等級を書くと、選ぶ人には分かりやすくなります。ただし、書いたことは、仕入れの記録などで確かめられる範囲にとどめてください。品質や産地の表示には決まりがある場合があります。業種や売り方によって違うので、気になる点は所管の窓口や専門家に確認してください。
7. 襖・障子・網戸の受け付けと、混む時期の案内
「畳店に頼める」と知らない人がいる
畳店の多くは、襖や障子、網戸の張り替えも受けていると思います。ところが、サイトに書かれていないと、それを頼めることが知られていません。どこに頼めばいいか分からず、破れたままにしている人もいます。
受けている仕事を、名前で並べます。
- 襖の張り替え ― 表の紙の種類、引き手や縁を替えるか、両面か片面か
- 障子の張り替え ― 紙の種類、破れにくい紙を選べるか、桟の補修を受けるか
- 網戸の張り替え ― 網の種類、網戸の枠の調整、ペットが破りにくいとされる網を扱うか
- 戸の調整 ― 建て付けの悪い襖や障子の調整を受けるか
畳と一緒にも、単独でも頼めるかを書く
迷われやすいのが、襖や障子だけを頼んでいいのかです。1枚からでも受けるのか、出張の料金がかかるのか、持ち込めば安くなるのか。受け方をはっきり書きます。料金は畳と同じく「1枚〇,〇〇〇円から」と条件を添え、店で張るのか、その場で張るのか、何日で戻るのかも書いてください。
混む時期は、早めの相談を呼びかける
畳替えや張り替えは、年末やお盆、法事の前など、決まった時期に頼みが重なることが多い仕事だと思います。
貴社で例年混む時期があるなら、「〇月から〇月は混み合います。〇月中のご相談だと、日程を選びやすくなります」のように書いておきます。「この時期は受けない」ではなく、「この時期までなら選びやすい」と書くと、遅れて気づいた人も連絡しやすくなります。
お知らせは、出す日と下げる日を先に店のカレンダーに入れておくと、年末の案内が春まで残ることを防げます。忙しさの波がある商売のサイトの回し方は、季節で忙しさが変わる商売の、ホームページの回し方 に書きました。
8. 雄喜晃の伴走:「何をどう頼めばいいか」を、ページの上で片づけます
私たちがやること
私たち雄喜晃は、畳店のホームページを作るとき、最初に「電話でよく聞かれること」を伺うところから始めます。表替えと新調の違い、いくらかかるか、家を空けられない日のこと。電話で毎回説明していることが、サイトに書く中身になります。
- 裏返し・表替え・新調の違いを、頼む人の言葉で並べます ― 「うちはどれ?」の見分け方も、ふだんの説明から作ります
- 料金の目安を、1枚と部屋の両方で整理します ― 貴社が実際にお受けしている内容と、変わる条件を伺って組みます
- 引き取りから納品までの流れと、家具の移動の受け方を書きます
- 法人向けの入口や、素材と襖・障子・網戸の受け付けを、選べる形で並べます
- 写真は、貴社で撮っていただいたものを整えて載せます ― 作業の手元や素材の見本、仕上がったお部屋を、明るさや大きさをそろえて配置します
料金と条件
料金は制作費0円、月額8,800円(税別)からです。6ページ構成のプランは月額13,800円(税別)です。サーバー、独自ドメイン、SSL、保守は月額に含まれます。月5回までの更新代行も同じ月額の中なので、混む時期のお知らせを出す・下げるといった直しも、ご連絡いただければこちらで反映します。
最低契約期間は6ヶ月です。7〜35ヶ月で解約された場合、サイトは非公開になります。36ヶ月以上ご継続いただいた場合は、サイトをお渡しします。
私たちがやらないこと
- 撮影はお受けしていません。写真は、貴社で撮っていただいたものを整えて載せるところまでです
- 畳や張り替えの料金そのものは決めません。決まった金額と中身を、読む人に伝わる形に組むところを担当します
- 作業の予約や日程を管理する仕組みの開発はしていません
- 退去のときの費用の負担や、素材の表示が決まりに合っているかの判断はしません。所管の窓口や専門家で確かめていただくようお願いしています
- 検索順位や問い合わせの増加をお約束することもしません
実際にお作りしたサイトは 制作実績、料金と条件は ホームページ制作のページ に載せてあります。神戸市北区鈴蘭台を拠点に、2025年10月に設立しました。
「電話で毎回、表替えの説明から始めている」という方は、一度ご相談ください。
9. まとめ:電話の前に聞きたいことに、先に答える
畳店のホームページで押さえることは、5つです。
- 裏返し・表替え・新調の違いを、頼む人の言葉で書く ― 「うちはどれ?」の見分け方も添える
- 時期と料金は、言い切らずに目安で書く ― 料金は1枚と部屋の合計、変わる条件も
- 家にいる必要があるのはいつかを書く ― 引き取りから納品までと、家具の移動
- 貸している部屋の依頼には、別の入口を作る ― 急ぎ、立ち会いなし、支払いの受け方
- 素材と、襖・障子・網戸の受け付けを並べる ― 混む時期は早めの相談を呼びかける
畳替えは、何年かに一度の頼みごとです。だからこそ、頼む側は毎回、何も知らないところから始めています。分からないことに先に答えておけば、先送りにしていた人が電話をかけやすくなります。
まず、今日できること
この1か月に受けた電話で、最初に聞かれたことを書き出してみてください。「表替えって何ですか」「六畳でいくらですか」「家にいないといけませんか」。その答えをサイトの中で探すと、足りないところがそのまま見つかります。
ぜひ一度、お話を聞かせてください。電話でいつも説明していることを、電話の前に読める形にするところから、ご一緒します。