1. 「電池交換だけでも入っていいんですか、と聞かれるんです」

地域で時計店や宝飾店を営む方とお話していて、こんな言葉を聞くことがあります。

「店の前を通る人に、電池交換だけでもいいんですか、とよく聞かれるんです。うちは修理もリフォームもやっているのに、高い物を売る店だと思われていて。サイトには新作の写真を何枚か載せているだけなんですよ」

時計店や宝飾店は、ガラスのケースに高価な品が並んでいます。そのため、買う予定のない人ほど、扉を開けるのをためらいます。ところが実際には、電池交換、ベルトの調整、指輪のサイズ直し、形見の品の作り直し、使わなくなった品の相談と、買う以外の用事で来る人が多いお店もあるはずです。

見に来る人は、3種類いる

時計店・宝飾店のサイトを見に来る人は、大きく3つに分かれます。

  • 直したい人 ― 電池交換や修理、サイズ直しを頼めるか、いくらで、何日かかるか
  • 買いたい人 ― どんな品を扱っているか、相談に乗ってもらえるか
  • 持ち込んで相談したい人 ― 古い品や他店で買った品を見てもらえるか、作り直しや買取ができるか

サイトが新作の写真だけだと、1つ目と3つ目の人は自分の用事で来ていいのかが分かりません。買う以外の用事にも、入口を作っておくことが、この業種のサイトの大きな役目です。

この記事で書くこと

  • 敷居の高さに、先に答える書き方
  • 電池交換など、すぐできることと料金の目安
  • 修理やリフォームの受け付け(預かる期間・見積もりの流れ・メーカー修理との違い)
  • 持ち込みの相談の受け方
  • 店の人の技術や資格の書き方
  • ブランド名を出すときと、買取の決まりの考え方

2. 敷居の高さに、先に答える

入りにくい理由は、たいてい4つ

時計店や宝飾店に入りにくい理由を考えると、だいたい次の4つに収まると思います。

  • 買わないと悪い気がする ― 見るだけ、聞くだけで帰ってよいのか分からない
  • 値段が分からない ― 電池交換ひとつでも、いくらかかるのか見当がつかない
  • 見せるのが気が引ける ― 安い時計、古い指輪、壊れた品を出すのが恥ずかしい
  • 何と言えばいいか分からない ― 品の名前も、どこが悪いのかも説明できない

どれも、店の人からすれば気にしなくていいことです。ただ、そう思っていることは、書いておかなければ伝わりません。

答えは、短い言葉で先に書く

この4つには、トップページやご案内のページで先に答えておきます。

「電池交換だけ、お見積もりだけでもお気軽にどうぞ。他のお店でお求めの品も、古い品も拝見します。品の名前が分からなくても、お持ちいただければ大丈夫です。ご覧いただくだけで、お帰りいただいて構いません」(言い回しは架空の例です)

この数行があるだけで、扉の前で迷っていた人が入ってきやすくなります。言い回しは、ふだん店頭でかけている言葉に合わせてください。初めての人に向けた案内を、別のページにまとめるかどうかは 「初めての方へ」のページは、要るのか。要るなら何を書くか に書きました。

店の中の様子を見せる

扉の向こうがどうなっているかが分かると、入りやすくなります。入口、カウンター、作業をしている場所の写真があると、どこで誰に声をかければいいかが想像できます。作業台の写真は、修理を自分の店でしていることを伝える材料にもなります。

3. すぐできることと、料金の目安を書く

「その場でできるか」と「いくらか」を並べる

電池交換やベルトの調整を頼みたい人が知りたいのは、その場で終わるのか、預けるのか、いくらかかるのかの3つです。品ごとに条件が違うので一つの金額で言い切るのは難しいのですが、目安と、変わる条件を添えれば書けます。

表:すぐできることの書き方(時間・金額はすべて架空のたとえばです)
作業たとえばの書き方添えておく条件
時計の電池交換「一般的な腕時計で〇,〇〇〇円から。混んでいなければ〇分ほどでお渡しします」防水の確かめが要る時計や、裏ぶたが特殊な時計はお預かりになることがある
ベルトの長さ調整「金属ベルトの長さ調整は〇〇〇円から。その場でいたします」他店でお求めの品も受けるかどうかを、ここで書いておく
ベルトの交換「革ベルトは店頭の在庫からお選びいただけます。〇,〇〇〇円から」幅が合う在庫がないときは取り寄せになること
指輪のサイズ直し「〇号まで大きく・小さくできます。〇日ほどお預かりします」石の留め方やデザインによって、お受けできない品があること
ネックレスの切れ・留め具「チェーンのつなぎ直し、留め具の交換を承ります。料金はお品を拝見してお伝えします」料金が品で大きく変わるものは、決まり方だけを書く

金額と時間は、貴社の実際から決めてください。「から」だけで終わらせず、高くなる条件やお預かりになる条件を一緒に書くと、店頭で「書いてあった金額と違う」と言われにくくなります。

「から」の金額は、変わる条件と一緒に書く

「電池交換〇,〇〇〇円から」とだけ書くと、読む人はその金額で済むと思います。実際には、時計の種類や防水の確かめの有無で金額が変わるはずです。変わる条件を一行添えて、高くなる場合は作業の前にお伝えすると書いておけば、金額の行き違いが減ります。

料金を出すか迷うときの考え方は、ホームページに料金を載せるか、載せないか に、条件つきの数字の出し方としてまとめました。

待ち時間と、混む時間を書く

電池交換のような作業は、買い物のついでに頼まれることが多いと思います。その場で待てるか、預けて買い物に行けるか、受け取りは何時までかを書いておくと、予定を立てやすくなります。土日の午後など、混みやすい時間帯があるなら、それも書いておきます。

4. 修理とリフォームの受け付け

見積もりから受け取りまでを、順に書く

分解掃除(オーバーホール)や部品の交換、指輪やネックレスの作り直し。預かって直す仕事は、頼んだあとに何が起きるかが分からないと、頼む決心がつきません。受け付けから受け取りまでを、順番に書いておきます。

図:修理・リフォームを頼んでから受け取るまで(日数や言い回しはすべて架空の例)
① お品を拝見し、ご様子を伺う

止まった、遅れる、石が取れた、サイズが合わない。うまく説明できなくても、いつからどうなったかを伺えば足ります。

お預かりする前に、傷や状態をお客様と一緒に確かめる
▼
② 見立てとお見積もり

その場で出せる場合と、開けてみないと分からない場合があります。お見積もりが無料か有料か、何日ほどでお伝えするかを書いておきます。

たとえば「お見積もりは無料です。〇日ほどでお電話します」
▼
③ ご了承をいただいてから作業する

金額と日数をお伝えし、ご了承をいただいてから取りかかります。途中で金額が上がりそうなときは、作業を止めてご連絡します。

ここが書いていないと、「勝手に直されて高くなるのでは」と心配されたまま止まる
▼
④ 仕上がりのご連絡とお受け取り

仕上がったら連絡をし、預かり証と引き換えにお渡しします。修理のあとの保証があるなら、その期間と範囲もここでお伝えします。

お受け取りの期限や、長く取りに来られないときの扱いも決めておく

いちばん効くのは③です。了承をいただくまで作業しないことと、金額が上がりそうなら先に連絡すること。この2つが書いてあるだけで、見積もりを頼むことへの不安が小さくなります。

預かる期間は、作業ごとに目安を書く

預かる期間は、作業によって大きく違うはずです。「電池交換は当日、サイズ直しは〇日ほど、分解掃除は〇週間ほど」のように、作業ごとに目安を書きます。部品を取り寄せる場合や、外へ送って直す場合は、さらに日数がかかることも添えておきます。贈り物や行事に間に合わせたい人は、日付から逆算して頼みに来ます。

メーカー修理との違いを、正直に書く

時計の修理では、「メーカーに出すのと、町のお店で直すのと、何が違うのか」と聞かれることがあると思います。ここは、どちらが上という書き方ではなく、違いをそのまま書くほうが信用されます。

  • メーカーの修理 ― メーカーの基準と部品で直す。日数や料金はメーカーが決めている。お店からメーカーへ取り次ぐ場合は、そのことも書く
  • お店での修理 ― 店で開けて直せるものは、日数を短くできることがある。古い品やメーカーの受付が終わった品の相談に乗れることがある
  • お店で受けられないこと ― 部品が手に入らない品、特殊な作りの品など。受けられない場合は、そのことを先に伝える

メーカーの修理の受け方や、ほかで修理した品の扱いは、メーカーによって違います。気になる方はメーカーにもお確かめください、と一行添えておくと、あとで行き違いが起きにくくなります。

リフォームは、前と後を並べて見せる

使わなくなった指輪をペンダントに、形見の品を今の指に合う形に。リフォームは、何ができるかが言葉だけでは想像しにくい仕事です。お客様の了解をいただいた品の、作り直す前と後の写真を並べると伝わります。並べ方は 施工前と施工後の写真を、比べられる形で撮る の考え方がそのまま使えます。

あわせて、今ある地金や石を使うのか、新しく足すのかで料金が変わることも書いておきます。修理やリフォームのあとの保証の書き方は、保証やアフターサービスを、ホームページにどう書くか にまとめました。

5. 持ち込みの相談を受ける

受けている品を、言葉で書く

持ち込みの相談で、読む人が迷うのは「この品を持っていっていいのか」です。受けている品を、具体的に書いておきます。

  • 他店でお求めの品 ― 受けるかどうかをはっきり書く
  • 古い品、長く使っていない品 ― 何十年も止まったままの時計、引き出しの奥の指輪
  • 名前や作りの分からない品 ― 譲り受けた品、形見の品
  • 壊れた品、部品が欠けた品 ― 外れた石や切れたチェーンも一緒に持ってきてもらう

持ってきてほしいものを書く

相談のときに、あると話が早いものもあります。保証書、箱、買ったときの書類、宝石について書かれた書類など。無くても受けるなら、「無くても拝見します」と添えてください。書類が無いことを理由に来店をやめてしまう人がいます。

写真で先に相談できるかを書く

遠くに住んでいる人や、店に行く前に目安を知りたい人には、写真を送ってもらって先に相談に乗れるかが大事です。受けているなら、送り先と、写真で分かることと分からないことを書いておきます。「写真では正確な金額は出せません。おおよその見当と、お持ちいただくかどうかの判断の材料としてお使いください」のように書けば、期待のずれが起きにくくなります。

6. 店の人の技術と、資格の書き方

年数に、何をしてきたかを添える

時計の分解掃除、指輪のサイズ直し、石を留め直す仕事、文字を彫る仕事。どの作業を、誰が、どこでしているかを書きます。「この道〇十年」と書くなら、その年数で何をしてきたかを添えてください。年数だけでは、読む人には中身が分かりません。

作業を店の中でしているのか、外の工房に出しているのか、作業によって分けているのか。これは正直に書いておきます。預ける人にとって、品がどこへ行くのかは気になるところです。

技術の伝え方は、職人の技術を、ホームページでどう伝えるか に、工程と手元の見せ方としてまとめました。時計や宝飾の作業も、手元の写真と工程の説明で伝わる仕事です。

資格は、正式な名前と意味を一行

時計や宝飾の仕事には、国の技能検定のように公的な制度に基づくものと、業界の団体などが設けている民間の資格があります。どちらも、書き方の注意は同じです。

  • 正式な名前で書く ― 略した呼び方だけにしない。等級があれば等級も
  • 誰が持っているかを書く ― 店として持っているのか、店の人が持っているのか
  • お客様にとっての意味を一行 ― たとえば「〇〇の作業を、決まった水準でできることを確かめる検定です」のように
  • 盛らない ― 持っていない資格を思わせる書き方や、資格の中身を大きく見せる書き方をしない

資格の制度の中身は変わることがあります。説明を書くときは、資格を出している団体や窓口の案内で確かめてください。

7. ブランド名を出すときと、買取の決まり

ブランド名は、取扱店かどうかを誤解させない

時計や宝飾品は、メーカーやブランドの名前で探されることが多い品です。ただ、名前を出すときには気をつけることがあります。

  • 正規の取扱店かどうか ― 正規の取扱店でないのに、そう思われる書き方をしない
  • 修理で名前を出すとき ― 「〇〇の時計の修理を承ります」と書くなら、メーカーの正規の修理ではないことを添える
  • ロゴや画像 ― メーカーのロゴや、メーカーのサイトの画像を、了解なく使わない
  • 呼び方 ― 「正規店」「認定店」のような呼び方は、メーカーが認めた範囲で使う

名前やロゴの使い方には、権利や表示の決まりが関わる場合があります。使ってよい範囲はメーカーや権利を持つ側が決めていることがあるので、気になる点はメーカーや専門家に確認してください。販売店として製品を載せるときの考え方は、メーカーの代理店・販売店として、ホームページに製品をどう載せるか にまとめました。

買取は、許可と決まりを確かめてから書く

使わなくなった貴金属や時計の買取をしているお店もあると思います。品物を買い取る商売には、営業の許可が要る場合があります。ホームページで買取を案内するときに、載せておくことが決まっている事項がある場合もあります。何が求められるかは商売の形によって違うので、警察署などの所管の窓口や専門家に確認してください。

そのうえで、サイトには次のことを書いておきます。

  • 査定だけでもよいこと ― 金額を聞いて、売らずに帰ってよいこと
  • 金額の決まり方 ― 貴金属は日々の相場で変わること。サイトに書いた金額を約束しない
  • 持ってきてほしいもの ― 本人を確かめる書類をお願いすること
  • 受けない品 ― 受けていない品や、お受けできない場合があること

買取の金額を大きく見せる書き方は、店頭での行き違いのもとになります。決まり方を書き、金額は品を拝見してお伝えする形にしておくほうが、修理やリフォームで長く付き合うお客様の信用を損ねません。

8. 雄喜晃の伴走:買う以外の用事にも、入口を作ります

私たちがやること

私たち雄喜晃は、時計店・宝飾店のホームページを作るとき、最初に「店頭でよく頼まれること」と「よく聞かれること」を伺うところから始めます。電池交換、サイズ直し、修理、リフォーム、持ち込みの相談。買う以外の用事で来る人に向けた入口を、ページの中身にします。

  • 敷居の高さに答える言葉を、店頭の言い回しから作ります
  • すぐできることと料金の目安を、条件つきで表にします
  • 修理とリフォームの受け付けを、見積もりから受け取りまでの流れにします ― 預かる期間の目安や、メーカー修理との違いも伺って書きます
  • 店の人の技術と資格を、何をしてきたかの言葉で書きます
  • 写真は、貴社で撮っていただいたものを整えて載せます ― 店内や作業の様子、リフォームの前と後を、明るさや大きさをそろえて配置します

料金と条件

料金は制作費0円、月額8,800円(税別)からです。6ページ構成のプランは月額13,800円(税別)です。サーバー、独自ドメイン、SSL、保守は月額に含まれます。月5回までの更新代行も同じ月額の中なので、料金の目安の見直しや、リフォームの例の追加といった直しも、ご連絡いただければこちらで反映します。

最低契約期間は6ヶ月です。7〜35ヶ月で解約された場合、サイトは非公開になります。36ヶ月以上ご継続いただいた場合は、サイトをお渡しします。

私たちがやらないこと

  • 撮影はお受けしていません。写真は、貴社で撮っていただいたものを整えて載せるところまでです
  • 修理の料金や買取の金額そのものは決めません。決まった内容を、読む人に伝わる形に組むところを担当します
  • ブランド名の使い方や、買取の許可と表示が決まりに合っているかの判断はしません。メーカーや所管の窓口、専門家で確かめていただくようお願いしています
  • 予約や在庫を管理する仕組みの開発はしていません
  • 検索順位や来店の増加をお約束することもしません

実際にお作りしたサイトは 制作実績、料金と条件は ホームページ制作のページ に載せてあります。神戸市北区鈴蘭台を拠点に、2025年10月から活動しています。

「修理もリフォームもしているのに、高い物を売るだけの店だと思われている」という方は、一度ご相談ください。

9. まとめ:扉の前で迷っている人に、先に答えておく

地域の時計店・宝飾店のホームページで押さえることは、5つです。

  • 敷居の高さに、短い言葉で先に答える ― 電池交換だけでも、見るだけでも、他店の品でもよいことを書く
  • すぐできることは、時間と料金の目安を条件つきで書く ― 「から」だけで終わらせず、変わる条件を添える
  • 修理とリフォームは、流れと預かる期間を書く ― 了承をいただくまで作業しないこと、メーカー修理との違いも正直に
  • 技術と資格は、何をしてきたかと正式な名前で書く ― 作業をどこでしているかも隠さない
  • ブランド名と買取は、決まりを確かめてから書く ― 気になる点はメーカーや所管の窓口、専門家に確認を

時計や宝飾品は、長く使う品です。直してくれる人がいる店は、買ったあとも頼れる店として覚えてもらえます。サイトでそれが伝われば、新作を買う予定のない人にも、扉を開ける理由ができます。

まず、今日できること

この1週間に、店頭で受けた「買う以外の用事」を数えてみてください。電池交換、ベルトの調整、サイズ直し、修理の相談。数の多かった順に並べれば、それがそのまま、サイトのトップに置く入口の順番になります。