1. 「メーカーのカタログを、そのまま載せればいいと思っていました」
「うちはメーカーの製品を仕入れて、売って、取り付けるのが仕事なんです。ホームページにはカタログの写真と説明を載せておけばいいと思っていたんですが、それだとメーカーのサイトと何も変わらない、と言われてしまって」
代理店や販売店として仕事をされている方から、こうしたお話を伺うことがあります。扱っている製品はメーカーのもので、写真も説明も、メーカーがきちんと用意している。自分たちで書き直すより、そのまま載せたほうが正確に見える。そう考えるのは自然なことです。
ただ、ここには見落としが2つあります。1つは、メーカーの写真やカタログ、ロゴには、使い方の決まりがあることが多いこと。もう1つは、メーカーのページを写すほど、貴社が何をする会社なのかが見えなくなることです。
製品を探している人は、メーカーのサイトも見ています。そのうえで貴社のサイトに来た人が知りたいのは、製品の説明ではなく、この会社に頼むと何をしてもらえるのかです。
この記事の役割
近いテーマの記事がいくつかあるので、先に役割を分けておきます。
- 自社の製品 ― 自社で作っている製品の仕様や寸法の載せ方は 製品の仕様や寸法を、ホームページにどこまで載せるか に書きました
- 取引先の名前やロゴ ― 「主要取引先」として相手の社名やロゴを並べるときの了解の取り方は 取引先の名前やロゴを、ホームページに載せてよいか にまとめています
- 写真と文章の権利の全体 ― 権利の考え方そのものは ホームページの写真と文章、権利はどうなっているか にあります
- この記事 ― 他社が作った製品を、売る・取り付ける・直す立場から、その製品をサイトにどう載せるかの話です
権利や契約についての判断は、この記事では一般的な考え方にとどめます。メーカーとの契約の中身は会社ごとに違うので、最後は、メーカーの担当の方や、権利・契約に詳しい専門家に確認してください。
この記事で書くこと
- メーカーのものを使う前に、決まりを確かめる
- メーカーのページを、そのまま写さない
- 自社が何をするかを書く
- 正規の代理店であることの書き方
- 扱いをやめた製品・メーカーのページ
- 価格を出せるかどうか
2. メーカーのものを使う前に、決まりを確かめる
使ってよい範囲は、メーカーが決めている
製品の写真、カタログ、説明文、ロゴ。どれもメーカーが作ったもので、使ってよい範囲はメーカーが決めています。取引があるからといって、自由に使ってよいとは限りません。
販売店向けに、使い方の決まりや使ってよい写真のデータをまとめて配っているメーカーもあります。まずは、手元の契約書や、メーカーから届いている資料を確かめてください。
| 使いたいもの | 確かめること | 決まりの例 |
|---|---|---|
| 製品の写真 | 使ってよいか。データはどこで受け取るか。切り抜きや文字入れをしてよいか | たとえば「販売店向けに配布した写真のみ使用可。加工は不可」 |
| カタログ | PDFをサイトに置いてよいか。メーカーのページへのリンクにすべきか | たとえば「PDFの転載は不可。カタログのページへのリンクは可」 |
| 説明文 | メーカーの文章を引いてよいか。性能をうたう表現に決まりはあるか | たとえば「性能の数値はメーカーの公表値のまま載せ、独自に言い換えない」 |
| ロゴ | 使ってよいか。どこに、どの大きさで置けるか | たとえば「取扱製品の欄でのみ使用可。サイト名の横には置かない」 |
| 呼び方 | 自社を「正規代理店」「特約店」などと名乗ってよいか。どの呼び方が認められているか | たとえば「契約上の呼び方は『取扱店』。『正規代理店』とは名乗らない」 |
右の列は、考え方を示すための架空の例です。実際の決まりはメーカーごと、契約ごとに違います。分からないものは、使う前にメーカーに聞く。決まりが見当たらないことは、自由に使ってよいという意味ではありません。
メーカーのサイトから、画像を拾わない
いちばんやりがちなのが、メーカーのサイトから製品の画像を保存して、そのまま載せることです。取引がある相手でも、サイトに載っている画像を使ってよいとは限りません。使えるとしても、正式に受け取ったデータのほうが、大きさも色も正確です。
聞くときは、何をどこにどう載せるかを書く
メーカーの営業担当の方に聞くときは、メールなど文字で残る形でやりとりしてください。「ホームページに載せてもいいですか」ではなく、具体的に書きます。
「当社のサイトの取扱製品のページで、〇〇シリーズの写真を3点と、カタログのページへのリンクを載せたいと考えています。写真は販売店向けに配布されているデータを使う予定です。この形で問題ないか、ご確認いただけますか」
返事は、いつ誰から受け取ったかが分かるように残しておきます。担当の方が代わったときにも説明ができます。
3. メーカーのページを、そのまま写さない
使ってよい範囲が分かったとしても、メーカーの説明を全部写すことはおすすめしません。理由は3つあります。
読む人は、メーカーのサイトも見ている
製品を探している人は、メーカーのサイトも開いていることが多いものです。貴社のサイトで同じ文章を読んでも、新しく分かることがありません。同じことが書いてあるなら、メーカーのサイトを読めば済むと思われます。
同じ文章では、検索で並びにくい
同じ文章が、メーカーのサイトと、いくつもの販売店のサイトに載っている。こうした場合に検索結果へどのページを出すかは、検索エンジンが決めます。写した文章で、元のページより目立つことは期待しにくいと考えておいたほうがよいと思います。
メーカーが直しても、写したほうは古いまま
メーカーは、仕様が変われば自社のページを直します。写したページは、誰かが気づいて直すまで古いままです。寸法や性能の数字が、メーカーと販売店で食い違う。読む人には、どちらが正しいのか分かりません。
製品の説明は、要点とリンクで足りる
ですから、製品の説明は短くて構いません。
- 製品名 ― シリーズ名と、代表的な型
- 用途 ― 何に使うものかを一行で
- 扱う範囲 ― 自社で扱っている型や、受けられる大きさ
- 詳しい仕様 ― メーカーの製品ページへのリンク
こうしておけば、仕様が変わっても、貴社のページで直す場所はほとんどありません。空いた分を、次の章に書く「自社の出番」に使います。
4. 自社が何をするかを書く
ここが、代理店・販売店のサイトでいちばん大事なところです。メーカーのサイトに書けないのは、貴社がお客様に何をするかです。
どの製品が合うか分からない人に、使う場所や予算を聞いて、選ぶ手伝いをします。複数のメーカーを扱っているなら、比べて勧められます。
在庫があるか、取り寄せならどれくらいかかるか。急いでいる人には、ここがいちばん知りたいところです。
設置や施工、古いものの取り外しと引き取り。製品の説明には出てこない作業を、どこまで受けるかを書きます。
点検、修理、部品の取り寄せ、使い方の質問。買ったあとに誰へ連絡すればいいかは、メーカーのサイトだけでは分かりにくいところです。
メーカーのサイトが詳しく書いているのは、製品そのものの説明です。貴社のサイトは、段ごとに「この会社が何をするか」を書く場所です。当てはまらない段は、書かなくて構いません。
選び方の相談を、入口にする
製品の種類が多いほど、お客様は「どれを選べばいいか」で止まります。メーカーのサイトは自社の製品を並べますが、用途や予算から選ぶ手伝いは、販売店にしかできないことがあります。
「迷っている方は、使う場所と台数を教えてください」「〇〇と△△のどちらが合うか、ご相談ください」。こうした一文があるだけで、製品名が分からない人も問い合わせができます。
在庫・設置・修理を、できる範囲で書く
次に書くのは、実際の作業です。
- 在庫 ― 店頭や倉庫に置いている型。取り寄せになる型の、おおよその日数
- 設置・施工 ― 自社で取り付けるか、協力会社に頼むか。古いものの撤去を受けるか
- 修理・点検 ― 自社で直せる範囲と、メーカーに送る範囲。部品の取り寄せを受けるか
- 買ったあとの窓口 ― 使い方の質問や不具合の相談を、どこに連絡すればよいか
ここは、できることを大きく書くより、できないことも含めて正直に書くほうが伝わります。「修理はメーカーに送って対応します。送る手配は当社で行います」のように、誰が何をするかが分かれば十分です。
地域を書く
販売店の多くは、地域で仕事をしています。どの市町村まで伺えるか、出張の費用はかかるか、店頭に来てもらえば実物を見られるか。同じ製品を扱う会社が遠くにいくつあっても、近くで取り付けと修理を受けられる会社は限られます。
強みは、ここから見えてくる
この章で書いた「選ぶ・手に入れる・取り付ける・使い続ける」の中に、貴社がほかの販売店と違うところが、たいてい1つか2つあります。それが、サイトで前に出す強みです。強みの見つけ方と書き方は 「うちの強み」を、ホームページにどう書くか にまとめました。
5. 正規の代理店であることの書き方
呼び方は、メーカーが認めた範囲で
正規代理店、特約店、販売店、取扱店、認定施工店。呼び方はメーカーや契約によって違い、それぞれ意味が違うことがあります。契約上の呼び方を、そのまま使ってください。響きがよいからと、強い呼び方に変えるのは避けます。
呼び方を確かめていない段階なら、「取扱製品」「取り扱っているメーカー」と書くだけでも、扱っていることは伝わります。
何の、どの範囲の代理店かを書く
「〇〇の正規代理店」とだけ書くと、全製品を全地域で扱っているように読めることがあります。どの製品群の、どの地域の、どの業務かを添えてください。
「〇〇シリーズの販売・施工の取扱店です(〇〇県内)」
たとえばこう書けば、読む人は自分の用件が当てはまるかを判断できます。メーカーから認定証やマークを受け取っている場合は、その使い方もメーカーの決まりに従います。載せ方は 資格・許認可・受賞歴を、ホームページにどう載せるか が参考になると思います。
メーカーの公式サイトと間違えられないように
気をつけたいのが、メーカーの公式サイトだと思われてしまう作りです。トップの最初の画面にメーカーのロゴを大きく置く、サイト名に製品名を入れる、といった作りは誤解を招きやすくなります。
誤解されると、メーカー宛のつもりの問い合わせが届いたり、メーカーの保証の話を貴社が約束したように受け取られたりします。サイト名には貴社の名前を使い、運営している会社の名前と連絡先をはっきり書いてください。ドメインにメーカー名や製品名を入れることも、商標にかかわることがあるので、入れたい場合はメーカーや専門家に確かめてからにします。
6. 扱いをやめた製品・メーカーのページ
製品が廃番になったとき
メーカーが製品の販売をやめたら、ページを消す前に、来た人に何を伝えるかを考えます。
- 販売終了の表示 ― いつ終わったかを、ページのいちばん上に書く
- 後継の製品 ― メーカーが案内している後継品があれば、そのページへ
- 修理と部品 ― 貴社で修理や部品の取り寄せを受けられるか、いつまでか
- メーカーの窓口 ― 貴社で受けられない場合の案内先
ページを残すか下げるかの判断と段取りは、販売や提供をやめた商品・サービスのページを、どうするか に詳しく書きました。
メーカーとの取引をやめたとき
もう1つは、貴社がそのメーカーの扱いをやめたときです。このときは、「正規代理店」などの表示、ロゴ、メーカーから受け取った写真を外します。取引をやめたあとも「〇〇の代理店」と残っていると、読む人を誤らせます。
外す場所はサイトの中だけではありません。名刺、看板、車、チラシ、見積書のひな形、Googleビジネスプロフィールの説明文や写真。一覧にしてから、順に消していくと取りこぼしが減ります。どこまで、いつまでに外すかは契約で決まっていることがあるので、確かめてください。
これまでに買ってくださったお客様がいるなら、修理や部品をどこに頼めばよいかの案内も残しておくと親切です。
扱う製品を、1枚の表で持つ
扱いを始めたときも、やめたときも、同じ表で管理すると楽になります。製品、メーカー、使ってよいもの(写真・ロゴ・カタログ)、確認した日、扱いの状況。この表を見れば、サイトのどこを直すかが分かる状態にしておきます。
7. 価格を出せるかどうか
価格の決め方と表示には、ルールがかかわる
製品には、メーカーが希望の小売価格を示しているものと、示していないものがあります。販売店が実際の価格をどう決めるか、どう表示するかには、取引や表示のルールがかかわることがあります。業種や契約によって違うので、メーカーの担当の方や専門家に確かめてください。
出し方は、3つに分かれる
価格を載せてよいと分かったら、出し方を選びます。
- 製品の価格をそのまま出す ― 型番が決まっていて、取り付けが要らない製品に向いています
- 工事込みの目安を、条件つきで出す ― たとえば「標準的な取り付けの場合、製品代と工事費で〇万円から。古い製品の撤去は別途」
- 決まり方を書く ― 現地を見ないと決まらない場合は、「設置場所を拝見したうえで、製品代と工事費を分けてお見積もりします」
どの形でも、製品代と工事代、撤去や処分の費用を分けて書くと、何が含まれているかで誤解されにくくなります。
いつ時点の価格かを書く
メーカーが価格を改めると、販売店の価格も変わることがあります。サイトに金額を載せるなら、「〇年〇月時点の価格です」と添えてください。古い金額を見て来られたお客様と、話が食い違うのを防げます。改定の連絡が来たら、6章の表と同じように、金額を書いた場所を一覧にして直します。
8. 雄喜晃の伴走:製品の説明はメーカーに任せ、貴社の仕事を書きます
私たち雄喜晃のホームページ制作では、代理店・販売店の方からご相談をいただいたとき、まず扱っている製品と、それぞれのメーカーの決まりを一緒に確かめるところから始めます。
私たちがやること
- 扱う製品の表を作る ― 製品、メーカー、使ってよいもの、確認した日を並べる表の形をご用意し、一緒に埋めます
- メーカーへの確認の文面を整える ― 何を、どこに、どう載せたいかが伝わる文面を、貴社の言葉に合わせて用意します
- 貴社の出番を、お話から書く ― 選び方の相談、在庫、設置、修理、地域について伺い、ページに起こします
- 製品のページを、要点とリンクで組む ― 詳しい仕様はメーカーのページへ送り、直す場所が少ない形にします
- 写真を整える ― 貴社で撮っていただいた施工や店頭の写真と、メーカーから正式に受け取ったデータを分けて管理し、大きさや明るさを整えて載せます
- 廃番や取引終了の反映 ― 表示を外す、後継品へつなぐといった書き換えは、月5回までの更新代行の中で行います
料金と条件
料金は制作費0円、月額8,800円(税別)からです。6ページ構成のプランは月額13,800円(税別)です。サーバー、独自ドメイン、SSL、保守は月額に含まれています。月5回までの更新代行も、同じ月額の中です。
最低契約期間は6ヶ月です。7〜35ヶ月で解約された場合、サイトは非公開になります。36ヶ月以上ご継続いただいた場合は、サイトをお渡しします。
私たちがやらないこと
メーカーとの契約の読み方や、写真・ロゴ・商標の使い方、価格の表示についての判断は、私たちの仕事ではありません。メーカーの担当の方や専門家にご確認ください。メーカーへの確認を、私たちが代わりに行うこともしません。取引の関係は貴社とメーカーのものなので、貴社から聞いていただくのがいちばん話が早いからです。
また、メーカーのサイトから画像を拾って使うことや、メーカーの説明をまるごと写したページを作ることはしません。認められているか分からない「正規代理店」の表示もいたしません。貴社の販売価格を決めることも、私たちの役目ではありません。
「うちのサイトには、メーカーのサイトと同じことしか書いていない」と感じている代理店・販売店の方は、一度ご相談ください。実際にお作りしたサイトは 制作実績、料金と条件は ホームページ制作のページ に載せてあります。神戸市北区鈴蘭台を拠点に、2025年10月6日に設立した会社です。
9. まとめ:製品の説明はメーカーに、仕事の説明は自社で
メーカーの製品をホームページに載せるとき、押さえることは5つです。
- 使う前に、メーカーの決まりを確かめる ― 写真・カタログ・説明文・ロゴ・呼び方。聞いたことは文字で残す
- メーカーのページを写さない ― 製品の説明は要点とリンクで足りる。写すと古くなり、食い違う
- 自社が何をするかを書く ― 選び方の相談、在庫、設置、修理、地域。ここに強みが出る
- 呼び方は、認められた範囲で ― 何の、どの地域の、どの業務かを添え、公式サイトと誤解されない作りにする
- やめたとき・価格を出すときに備える ― 扱う製品を1枚の表で持ち、価格にはいつ時点かを書く
製品を作っているのはメーカーでも、お客様の手元に届けて、使える状態にして、困ったときに駆けつけるのは貴社です。サイトに書くべきなのは、その部分です。
今日できることを1つだけ挙げます。自社のサイトの取扱製品のページを開き、メーカーのサイトと同じ文章になっている段落に印を付けてみてください。印の付いた分だけ、貴社の仕事を書く場所が空いています。
何から書けばいいか分からない、という方は、一度ご相談ください。