1. 「もう作っていない商品の注文が、まだ来るんです」

中小企業の経営者の方とお話していて、こんな言葉をよく聞きます。

「去年でやめた商品のページが、そのまま残っていまして。いまだに注文のメールが来るんです。かといって消してしまうと、前に買ってくれた方が困るような気もして。どうするのが正解なんでしょう」

商品の販売をやめる。サービスの受付を終える。商売を続けていれば何度も起きることですが、やめたあとのページの扱いは、後回しにされがちです。やめると決めるまでに力を使い切ってしまうからです。

そのまま残せば、注文や問い合わせが来ます。消してしまえば、検索や昔のリンクから来た人が行き止まりになります。どちらにしても、困るのは来た人と、対応する社内の人です。

この記事で書くこと

この記事では、販売や提供をやめた商品・サービスに絞って、ページの扱い方を整理します。古くなったページ全般をどう棚卸しするかは 古くなったページを、消すか・残すか・直すか にまとめました。こちらでは、やめると決めた日から、ページを下げる日までの段取りを書きます。

2. 残しても、消しても、困る人が出る

先に、どちらの選び方にも落とし穴があることを見ておきます。

そのまま残すと、注文と問い合わせが来る

ページを何も変えずに残しておくと、読む人はまだ売っていると思います。価格も書いてある。「ご注文はこちら」のボタンもある。読む人に落ち度はありません。書いてあるとおりに動いているだけです。

注文が来れば、社内の誰かがお断りの返事を書きます。お客様は、選んで連絡したのに断られた、という気持ちになります。続けば「この会社はサイトを見ていない」という印象が残ります。

消すと、行き止まりになる

ページを消すと、どうなるか。そのページには、意外と多くの入口がつながっています。

  • 検索から来る人 ― 商品名や型番、サービス名で探してたどり着く人
  • 昔のお客様 ― ブックマークや、以前送ったメールのリンクから開く人
  • 紙や外のサイトから来る人 ― 古いカタログのQRコード、取引先や紹介記事のリンク

この人たちが開くのは「ページが見つかりません」の画面です。終わったのか、移ったのか、会社ごと無くなったのか、画面からは分かりません。行き止まりの画面の作り方は 「ページが見つかりません」が出たとき、その画面をどう作るか に書きましたが、やめた商品のページは、行き止まりにする前にできることがあります。

いちばん困るのは、すでに使っている人

見落とされやすいのが、やめた商品をすでに買って、いまも使っている人です。販売をやめても、使っている人の手元には商品が残っています。部品が欲しい、修理を頼みたい、使い方を確かめたい。この人たちは、まずその商品のページを探しに来ます。

サービスなら、いま契約中の方にとって、ページが消えているのはかなり不安なことです。

決めるのは、来た人に何を伝えるか

問いの形を変えます。「残すか、消すか」ではなく、「来た人に何を伝えるか」です。伝えることが決まれば、ページの扱いは決まります。表にまとめます。

表:やめた商品・サービスの状況ごとの、ページの扱い方(例はすべて架空)
状況ページの扱いページに書くこと
後継品・代わりのサービスがある販売終了と明記して残す。後継のページへ案内するたとえば「〇〇は販売を終了しました。後継の△△をご覧ください」と、違う点
代わりは無いが、使っている人がいる販売終了と明記して残す。修理や部品の窓口を書くたとえば「修理と部品のご相談は、〇年〇月まで承ります」と、連絡先
在庫がなくなりしだい終わる「在庫限り」と書いて残し、売り切れたら終了の表示に切り替えるたとえば「在庫限りで販売を終了します。再販の予定はありません」
しばらく休むだけ消さずに「休止中」と書く。再開の見込みがあれば添えるたとえば「ただいま受付を休止しています。再開はお知らせでご案内します」
使っている人も、探しに来る人もいないページを下げる。近いページへ転送するか、見つからない画面へページは無くなるので、サイトの中のリンクを先に外す

上の4つは、どれも「残して書き換える」です。ページを下げるのは、使っている人も探しに来る人もいなくなってから。迷ったら、明記して残すほうを選んでください。書く中身は、貴社の事実に置き換えてください。

3. 「販売終了」と明記して残す

多くの場合、最初の一手はこれです。ページは消さずに、販売や提供を終えたことをはっきり書いて残します。

いちばん上に書く

終了の表示は、見出しのすぐ下に置きます。下のほうに小さく「※販売終了」とあっても、価格と写真を見た人は、そこへたどり着く前に注文を決めています。大事なのは目立たせ方より、置く場所です。

書く項目は5つ

終了の表示には、次の5つを書きます。

  • 終わったこと ― 「販売を終了しました」「受付を終了しました」。言い方をあいまいにしない
  • いつ終わったか ― 年月まで書く。日付が無いと、最近なのか何年も前なのか分からない
  • 代わりになるもの ― 後継品や近いサービスがあれば、そのページへのリンク
  • 使っている方への案内 ― 修理・部品・使い方の問い合わせ先と、いつまで受けるか
  • 理由(書ける範囲で) ― 原材料が手に入らなくなった、担当できる人が退職した、など。書きにくければ省いて構いません

理由は一言あると、突然消えたのではなく、事情があってやめたのだと分かります。

本文は、全部消さなくていい

商品なら、寸法や型番、仕様、使い方の説明は残しておくことをおすすめします。使っている人が探しに来るのは、まさにその情報です。消すと、そのたびに電話がかかってきます。

売り込みの文章は短くします。「今だけ」「おすすめ」が残っていると、終了の表示と食い違って見えます。

価格と「ご注文はこちら」は外す

ここがいちばん抜けやすいところです。終了の表示を足しても、価格と注文のボタンが残っていると、注文は来ます。

  • 価格 ― 参考として残すなら、販売していないことを横に書く
  • 注文のボタン ― 「ご注文はこちら」「カートに入れる」「申し込む」
  • フォームの選択肢 ― 問い合わせフォームの「ご希望の商品」
  • ネットショップ ― 同じ商品を載せている販売ページ

ボタンを外したら、代わりに「後継品を見る」「修理のご相談」のような、次に進めるボタンに置き換えます。押す場所があることで、来た人はそこで終わらずに済みます。

文面の例

たとえば、こういう書き方です(例は架空です)。

「卓上型の〇〇(型番△△)は、〇年〇月をもって販売を終了しました。長くご愛用いただき、ありがとうございました。後継の□□は、取り付け寸法が同じで、そのまま入れ替えられます。お使いの〇〇の修理と部品のご相談は、〇年〇月まで承ります。」

長くなくて構いません。終わったこと、代わり、使っている方の窓口。この3つが一読で分かれば十分です。

4. 後継品や代わりのサービスへ案内する

終了の表示の中で、来た人にとっていちばん役に立つのが、代わりの案内です。

後継のページへのリンクは、終了の表示のすぐ隣に

後継品や代わりのサービスがあるなら、そのページへのリンクを終了の表示のすぐ隣に置きます。本文のずっと下や、ページの最後に置くと、読む前に帰られます。

リンクの文字も、「こちら」ではなく「後継の□□を見る」のように、行き先が分かる言葉にします。

何が同じで、何が違うかを書く

後継品を案内するときに、読む人が知りたいのは「前と同じように使えるか」です。違いがあるなら、先に書いておきます。

  • 寸法や形 ― そのまま入れ替えられるか、取り付けの部品が変わるか
  • 前の商品との組み合わせ ― 古い部品や付属品が使えるか
  • 価格 ― 上がったのか、下がったのか
  • できること ― 増えたこと、無くなったこと

無くなったことは書きにくいものです。ただ、書いていないと、買ったあとに気づかれます。サービスでも、「前は対応していた〇〇は、新しいプランでは対象外です」と書いておけば、契約のあとで話がこじれません。

後継側のページにも、1行足す

忘れやすいのが、逆向きのリンクです。後継品のページにも「〇〇(旧型番△△)の後継品です」と1行書いておきます。

古い商品名や型番で検索する人は、まだしばらくいます。旧名が書いてあれば、前の商品を知っている人が安心して選べます。新しく始める商品やサービスのページで、既存のものとの関係を書く考え方は 新しいサービスを始めるとき、ホームページのどこに何を足すか にまとめてあります。

代わりが無いときは、近いご相談へ

まったく同じ代わりが無い場合もあります。そのときは、近い相談なら受けられる、という案内を書きます。

「同じ商品はございませんが、〇〇の用途でしたら、△△でお手伝いできる場合があります」。どうしても代わりが無ければ、無いと書いて構いません。はっきり書いたほうが、読む人は次の行動を決められます。

5. 修理・部品・使い方の問い合わせ先を書く

販売をやめても、使っている人の手元では、その商品はまだ動いています。そこへの窓口を書くのが、やめた側の最後の仕事です。

窓口を、ほかの問い合わせと分ける

修理や部品の問い合わせを新しい注文と同じ窓口で受けると、振り分けが要ります。できれば、やめた商品専用の入口を、終了の表示の中に置いてください。

  • 電話 ― 受付の時間と、「〇〇の修理の件で」と伝えてもらう一言
  • フォーム ― 種類の選択肢に「販売終了品の修理・部品」を足す。型番の欄も置く
  • メール ― 宛先と、型番・買った時期など書いてほしい項目

今の問い合わせ先への案内でも構いません。大事なのは、使っている人が連絡先で迷わないことです。

いつまで受けるかを、書いておく

修理や部品を、いつまで受けられるか。期限が書いていないと、ずっと受けてもらえると思われます。

日付で決められるなら日付で、部品が残っている限りなら、そのとおりに書きます。「部品の在庫がなくなりしだい、修理の受付を終了します」。先が決まっていないなら、決まっていないことを書くほうが、何も書かないより親切です。

受けられなくなったら、それも書き足します。「修理の受付は〇年〇月で終了しました」。ここまで書いて、ようやくそのページの役目が一巡します。

保証や法律の話は、確かめてから

販売をやめた商品の保証や、部品をどれくらいの期間持っておくべきかは、商品の種類や業種によって決まりがある場合があります。契約書や保証書で約束していることもあります。業種によって違うので、ページに書く前に、所管の窓口や専門家に確認してください。

6. 一覧・料金表・メニューから外す

商品のページそのものを直しても、入口がそのままだと、そこから人が入ってきます。やめた商品は、案内する場所から外していきます。

外す場所を、一覧にする

やめた商品の名前が出てくる場所は、思ったより多いものです。

  • トップページ ― おすすめ、人気、新着の欄
  • 商品一覧・サービス一覧 ― カテゴリごとの一覧、並び替えの対象
  • 料金表 ― 料金のページ、サービスページの中の金額
  • メニュー ― 飲食店のメニュー、施術やコースの一覧
  • 問い合わせ・見積もりのフォーム ― 選択肢、プルダウン
  • よくある質問 ― 回答の中で、やめた商品をすすめているところ
  • PDFや画像 ― カタログ、価格表、メニュー表、画像に文字を入れたバナー
  • サイトの外 ― Googleマップの商品やメニュー、ネットショップ、紹介されているページ

PDFと画像の中の文字は、ページの文章を探しても見つかりません。紙で刷ったものと同じリストに入れて、目で確かめるのがいちばん漏れません。

一覧からは外し、ページは残す

一覧から外すことと、ページを消すことは別です。一覧やメニューからは外し、商品のページは終了の表示を付けて残す。これが、前の章までの形です。

検索や昔のリンクから来た人は商品のページにたどり着け、これから選ぶ人の目には入らなくなります。

扱う商品が多い会社では、一覧から外す作業のほうが大きくなります。一覧の分け方を決めておくと、外すときも迷いません。考え方は 扱う商品やサービスが多い会社の、載せ方 に書きました。

7. お知らせで告げ、期間を決めてから下げる

最後に、やめると決めた日からページを下げる日までを、時間の流れで並べます。

やめる前に、予告する

いちばん親切なのは、やめる前に、最後の受付日を知らせることです。予告があれば、使っている人は買い置きや、後継品への切り替えの準備ができます。

予告は、お知らせの欄に1本書き、商品のページにも「〇年〇月〇日のご注文をもって、販売を終了します」と書き足します。やめる知らせはお客様の予定や判断が変わる知らせなので、お知らせに向いています。書き方は 「お知らせ」の欄に、何を書けばいいか にまとめました。

ただ、お知らせは流れていく場所で、新しいものが増えれば下に沈みます。詳しいことは商品のページにまとめ、お知らせからはそこへつなぎます。

段取りを、順に並べる

図:やめると決めてから、ページを下げるまでの段取り(時期は架空の例)
① やめると決めたら、予告する(たとえば、終了の数ヶ月前)

お知らせに1本書き、商品のページに最後の受付日を書き足します。いつまで頼めるかが分かれば、使っている人が準備できます。

書くこと:最後の受付日、代わりになるもの、使っている方の窓口
▼
② 終わった日に、表示を切り替える

商品のページのいちばん上に「販売終了」と書き、価格と注文のボタンを外します。一覧・料金表・メニュー・フォームの選択肢からも外します。

ボタンは「後継品を見る」「修理のご相談」に置き換える
▼
③ 修理や部品の受付を終えたら、書き足す

「修理の受付は〇年〇月で終了しました」と追記します。使い方や寸法の説明は、探しに来る人がいる間は残しておきます。

期限が決まっていなければ「部品がなくなりしだい」と、そのまま書く
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④ 来る人がいなくなったら、ページを下げる

検索からの訪問や問い合わせが止まったのを確かめてから下げます。サイトの中のリンクを外し、近いページへ転送します。

何でもトップへ転送すると、来た人が迷います。近いページが無いなら、見つからない画面を丁寧に作る

時期は商品や業種で変わるので、貴社で決めてください。大事なのは、①の時点で④をいつ見直すかまで決めておくことです。決めておかないと、②のまま何年も残ります。

下げる時期は、最初に決めておく

ページを下げる時期は、やめると決めたときに、一緒に決めておくのがおすすめです。決めていないと、終了の表示のまま何年も残ります。

日付で決められなければ、「修理の受付を終えて、1年たったら見直す」のように、見直す時期だけでも決めます。見直すときは、サーチコンソールやアクセス解析でそのページへの訪問を確かめ、問い合わせが来ているかを社内に聞きます。

下げるときは、転送か、見つからない画面か

いよいよページを下げるときは、そのURLをいちばん内容の近いページへ転送する設定を入れます。後継品があれば後継品のページへ。無ければ、その商品が属していた一覧のページへ。

転送の考え方と確かめ方は リニューアルでURLが変わるときに、失うもの に書きました。下げる前には、ほかのページの本文やブログに残っているリンクを探して外しておきます。外し忘れると、自分のサイトの中に行き止まりが残ります。

8. 雄喜晃の伴走:やめる日の段取りを、一緒に組みます

私たちがやること

私たち雄喜晃は、商品やサービスをやめると伺ったら、まずその名前がサイトのどこに出てくるかを洗い出します。商品のページ、一覧、料金表、メニュー、フォームの選択肢、PDF、お知らせやブログの本文。探した場所を一覧にしてお渡しします。

そのうえで、終了の表示の文面、後継品への案内、修理や部品の窓口の書き方を、貴社に伺った事実から書き起こします。予告のお知らせ、終わった日の切り替え、下げるときの転送の設定まで、段取りの日付を決めて、その日に手を動かします。

料金と条件

料金は制作費0円、月額8,800円(税別)からです。6ページ構成のプランは月額13,800円(税別)です。サーバー、独自ドメイン、SSL、保守は月額に含まれます。月5回までの更新代行も同じ月額の中なので、予告、終了の表示への切り替え、修理受付の終了の追記といった書き換えも、ご連絡いただければこちらで反映します。

最低契約期間は6ヶ月です。7〜35ヶ月で解約された場合、サイトは非公開になります。36ヶ月以上ご継続いただいた場合は、サイトをお渡しします。

私たちがやらないこと

どの商品をやめるか、修理をいつまで受けるかを、私たちが決めることはしません。それは経営の判断です。保証や部品の保有について、決まりがあるかどうかの判断もいたしません。そこは所管の窓口や専門家にご確認ください。

また、決まっていない後継品の予定や、受けられるか分からない修理を、それらしく書くこともしません。ページの整理で、検索の順位や問い合わせの数が上がるとお約束することもしません。

「やめた商品のページを、どう片付けていいか分からないまま置いている」という方は、一度ご相談ください。実際にお作りしたサイトは 制作実績、料金と条件は ホームページ制作のページ に載せてあります。神戸市北区鈴蘭台を拠点に、2025年10月から活動しています。

9. まとめ:やめたあとも、来る人のために書いておく

販売や提供をやめた商品・サービスのページで押さえることは、5つです。

  • 「販売終了」と明記して残す ― いちばん上に、終わったことと年月を書く。価格と注文のボタンは外す
  • 後継品や代わりへ案内する ― 何が同じで何が違うかを書く。後継のページにも旧名を1行
  • 使っている人の窓口を書く ― 修理・部品・使い方の問い合わせ先と、いつまで受けるか
  • 一覧・料金表・メニューから外す ― PDFや画像、フォームの選択肢、サイトの外まで一覧にして
  • 予告し、下げる時期を先に決める ― お知らせで告げ、来る人がいなくなってから転送して下げる

商品をやめても、その商品を探しに来る人は、しばらくいなくなりません。終わったことと、次にどこへ行けばいいかが書いてあれば、やめたことが貴社の印象を悪くすることはありません。

今日できることを1つだけ挙げます。この数年でやめた商品やサービスの名前を書き出して、サイトの中で検索してみてください。まだ「ご注文はこちら」が残っているページが見つかったら、そこが最初に直す場所です。

ぜひ一度、お話を聞かせてください。やめる日の段取りを、ページの側から一緒に組むところからご一緒します。