1. 「もうやっていないサービスのページ、消していいですか」
中小企業の経営者の方とお話していて、こんな言葉をよく聞きます。
「何年か前にやめたサービスのページが、まだ残っているんです。消そうと思うんですが、消したら何かまずいことがあるのか分からなくて。そのままにしておくのも気持ちが悪いし、どうしたらいいんでしょう」
迷うのは当然です。消すと困る場合と、残すと困る場合の両方があるからです。消すと来ていた人が行き止まりに当たり、残すと終わったサービスの問い合わせが来ます。どちらでも何かが起きるので、手が止まったまま何年も過ぎていきます。
ただ、実際には二択ではありません。直す・残す・消すの3つがあり、どれにするかは3つの問いで分けられます。この記事では、その分け方と、それぞれの具体的な手順を書きます。
この記事で書くこと
- 古いページが残っていると、何が起きるか
- 消すか・残すか・直すかを分ける、3つの問い
- 中身が生きているページを直す手順
- 終わったサービスを「終了しました」と書いて残す方法
- 消すときに、関連するページへ案内する方法
- 年1回の棚卸しで、増えすぎを防ぐ方法
2. 古いページが残っていると、何が起きるか
先に、古いページを放っておくと何が起きるかを並べます。どれも、社内からは見えにくい場所で起きます。
終わったサービスの問い合わせが来る
いちばん多いのがこれです。終わったサービスのページを見た人が、そのサービスを頼もうとして連絡してきます。
断る手間がかかり、相手には「情報が古い会社」という印象が残ります。1件ずつは小さなことですが、積み重なると信用が少しずつ減っていきます。
古い料金で、話が始まる
料金を改定したのに、古い料金が書かれたページが残っていることがあります。料金ページは直しても、サービスの紹介ページや、昔書いたお知らせの中に旧料金が残っている形です。
お客様は、その古い金額を見て連絡してきます。「サイトにはこう書いてありましたよ」と言われたとき、こちらは説明から入ることになります。金額そのものより、言っていたことと違うという受け取られ方のほうが重くなります。
古い写真で、今の会社を判断される
写真も古くなります。もういない社員、今は使っていない車両、移転前の事務所、昔の看板。
古い写真は、読む人に「今もこうなのだろう」と思わせます。今は無い設備を目当てに連絡してくる人も出てきます。
消せばいいと思うと、今度は行き止まりが増える
では全部消せばいいかというと、そうでもありません。
古いページにも、検索から来ている人がいることがあります。名刺やチラシのQRコードが、そのページを指していることもあります。取引先のサイトから、リンクが張られていることもあります。消した瞬間、その人たちは全員「ページが見つかりません」の画面に当たります。
行き止まりの画面が出るとどう見えるか、その画面に何を置くかは 「ページが見つかりません」が出たとき、その画面をどう作るか に書きました。消すかどうかを決める前に、そのページに誰が来ているかを見る必要があります。
3. 3つの問いで分ける
ここからが本題です。古いページを前にしたとき、次の3つを順に確かめます。
問い①:今も、お客様から聞かれるか
最初に確かめるのは、そのページの中身について、今もお客様から聞かれるかどうかです。
電話やメールで「〇〇はやっていますか」と聞かれることがあるなら、そのテーマを探している人がいるということです。サービスを終えていても、聞かれる限りはページの役目が残っています。答えを書いておけば、電話で説明する手間が減ります。
確かめ方は、電話やメールを受けている社員に聞くのがいちばん早いです。
問い②:検索から、人が来ているか
次に、そのページに検索から人が来ているかを見ます。
サーチコンソールを使っていれば、ページごとに「検索結果に何回出て、何回押されたか」が分かります。GA4を入れていれば、そのページが何回開かれたかが分かります。直近1年で開かれた回数がほとんど無いページは、消しても困る人が少ないと考えられます。
逆に、終わったサービスのページなのに、今も検索から人が来ていることがあります。その場合、消すと入口が1つ減ります。代わりに案内したいページがあるなら、残して案内に使うほうが得です。
問い③:他のページや外から、リンクされているか
最後に、そのページを指しているものがあるかを確かめます。
- サイトの中のリンク ― 他のページの本文やメニューから、そのページに飛ぶリンクがあるか
- 紙に刷ったURLやQRコード ― 名刺、チラシ、会社案内、看板がそのページを指していないか
- 外からのリンク ― 取引先、団体の会員名簿、ポータルサイトなどから張られていないか
紙に刷ったものは、刷り直すまで変えられません。紙が指しているページは、消さずに残すか、近いページへ転送するのが基本です。
電話やメールで、そのページの中身について聞かれることがあるかを、受けている社員に確かめます。
サーチコンソールやGA4で、直近1年にそのページが開かれた回数を見ます。
サイト内のリンク、紙に刷ったURLやQRコード、取引先や名簿からのリンクを確かめます。
聞かれず、検索からも来ず、どこからもリンクされていないページです。
順番に意味があります。お客様に聞かれるかどうかを最初に見るのは、数字に出ない需要をいちばん正確に知っているのが現場だからです。②と③は、消したときに行き止まりに当たる人がいるかどうかを確かめる問いです。
迷ったら、消さずに残す
3つの問いで答えが出ないこともあります。数字が少ししか無い、リンクがあるかどうか分からない、といった場合です。
そのときは、消さずに残して、中身だけ今の状態に合わせるほうを選んでください。残したページは後から消せますが、消したページに来ていた人は、消したあとでは数えられません。迷ったときに戻れるほうを選ぶ、という考え方です。
4. 直す:中身が今も生きているページ
3つの問いのうち、①でお客様に聞かれていて、サービスも続いているページは「直す」です。古いのは中身の一部だけなので、その部分を今に合わせます。
料金・営業時間・対応エリアは、日付と一緒に直す
古くなりやすいのは、料金、営業時間、対応エリア、担当者名、受付の方法です。どれも、お客様の判断や行動が変わる情報です。
直すときは、ページの中に「〇年〇月時点」と書き添えてください。いつの情報なのかが分かれば、読む人は自分で判断できます。日付が無いと、古いのか新しいのかが分かりません。
料金は、1つのページだけ直しても残ります。サービス紹介のページ、よくある質問の回答、お知らせの本文、公開しているPDFにも同じ金額が書かれていることが多いからです。旧料金で、サイト内を検索してください。画像やPDFの中の文字は検索に出てこないので、目で見て探します。
古い写真は、写っているもので判断する
写真が古いかどうかは、撮った年ではなく、写っているもので判断します。
- 人 ― もういない社員や、今と違う制服が写っていないか
- 設備や車両 ― 今は使っていない機材や車両が写っていないか
- 建物や看板 ― 移転前の事務所、昔の看板、変わった外観が写っていないか
- 商品 ― 販売を終えた商品や、今と違う包装が写っていないか
当てはまる写真は、差し替えるか外します。差し替える写真がすぐに無い場合は、外して写真の無い状態にするほうが、古い写真を残すより誤解が少ないです。
5. 残す:終わったサービスは「終了しました」と書いて残す
サービスや商品をやめたとき、そのページをいちばん素直に扱う方法がこれです。消さずに、「終了しました」と書いて残します。
消さずに残す理由
終わったサービスのページにも、来る人がいます。
- 検索から来る人 ― そのサービス名で探して、たどり着いた人
- 昔のお客様 ― 以前頼んだことがあって、もう一度頼もうとしている人
- 紙やリンクから来る人 ― 古いチラシのQRコードや、取引先のサイトから来た人
この人たちにとって、何も無い画面より「終了しました。代わりにこちらをご覧ください」と書かれた画面のほうが、ずっと親切です。終わったことが分かれば、相手は次の行動を決められます。行き止まりの画面では、会社そのものが無くなったのかと思われることもあります。
終了したページに書く4つのこと
ページの先頭に、次の4つを書きます。もともとの本文は、その下に残すか、短くまとめ直します。
- 終わったこと ― 「〇〇は、受付を終了しました」
- いつ終わったか ― 終了した年月を書く
- 代わりにできること ― 近いサービスがあれば、そのページへのリンクを置く。無ければ「近いご相談はこちら」と問い合わせへ
- すでに利用しているお客様への案内 ― 保証や部品、アフターサービスがいつまで続くか、どこに連絡すればいいか
いちばん大事なのは3つ目です。代わりに案内できるページがあるかどうかで、このページの価値が変わります。代わりが無い場合でも、「このようなご相談であればお受けできます」と書けると、来た人がそこで終わりません。
文面の例
たとえば、こういう書き方です(例は架空です)。
「出張での刃物研ぎサービスは、〇年〇月で受付を終了しました。これまでご利用いただき、ありがとうございました。店頭でのお預かりは引き続き承っています。詳しくは店頭研ぎのご案内をご覧ください。」
短くて構いません。終わったことと、代わりにどこへ行けばいいかが一読で分かれば十分です。
メニューから外し、ページは残す
終わったサービスは、サイトのメニューやトップの一覧からは外し、ページそのものは残しておきます。メニューから外しても、検索や紙から直接来る人はたどり着けます。今のサービスのページから、終わったサービスのページへのリンクも外しておきます。
新しいサービスを始めるのに合わせて古いサービスをやめる場合は、両方のページの関係を書いておくと伝わりやすくなります。書き方は 新しいサービスを始めるとき、ホームページのどこに何を足すか にまとめました。
いつまで残すか
残す期間に決まりはありません。目安にするのは、そのページに来る人の数と、問い合わせです。
検索からの訪問がほとんど無くなり、そのサービスについて聞かれることも無くなったら、消す候補に入れます。それまでは残しておいて構いません。このあと書く年1回の棚卸しで、毎年確かめるのがいちばん楽です。
6. 消す:消すときは、関連するページへ案内する
3つの問いのどれにも当てはまらないページは、消して構いません。ただし、消し方にはいくつか注意があります。
消してよいページの例
消す候補になりやすいのは、次のようなページです。
- 期間が終わった案内 ― 終わったキャンペーン、過去のイベントの申込ページ
- 中身が重なっているページ ― 同じ内容が2つのページに書かれていて、片方が古い
- 作りかけで止まったページ ― 見出しだけで本文が無い、「準備中」のまま
- 今の事業と合わず、誤解を招くページ ― 取引をやめた分野の説明など
それでも、3つの問いは先に確かめてください。
消すなら、いちばん近いページへ転送する
検索やリンクから人が来ているページを消すときは、そのページのURLを、いちばん内容の近いページへ転送する設定を入れます。終わったキャンペーンなら、そのサービスの今のページへ。重なっていたページなら、残すほうのページへ。
古いURLに来た人は、関連するページにたどり着きます。検索エンジンにも、どこへ引き継がれたかが伝わります。転送の考え方と確かめ方は リニューアルでURLが変わるときに、失うもの にまとめてあります。
何でもトップページに飛ばさない
消したページを全部トップへ転送すると、来た人は迷います。探していたものと関係の無いページに出されるからです。近いページが無いときは、転送せずに「ページが見つかりません」の画面を丁寧に作っておくほうが、誤解が少なくなります。
消す前に、やっておく2つのこと
消す前に、次の2つをやってください。
- サイトの中のリンクを外す ― 他のページの本文やメニューから、消すページへのリンクを探して外す。これを忘れると、自分のサイトの中に行き止まりが残ります
- 控えを取る ― ページの文章と写真を、社内のフォルダに残しておく。あとで「あのとき何と書いていたか」を確かめたくなることがあります
7. 年1回の棚卸しで、増えすぎを防ぐ
古いページの問題は、一度片づけても、また起きます。サービスは変わり、料金は変わり、写真は古くなるからです。年に1回、ページを全部並べて見直すのがいちばん確実です。
ページの一覧を、1枚の表にする
まず、サイトにあるページを全部、1枚の表に書き出します。メニューにあるページだけでなく、メニューから外したページ、お知らせやブログの記事も含めます。
列は、3つの問いに合わせて作ります。
| ページ | 最後に直した時期 | 聞かれるか | 検索から来るか | リンク | 判断 |
|---|---|---|---|---|---|
| たとえば「外壁塗装」のページ | 2年前 | よく聞かれる | 来ている | チラシのQR | 直す。料金と施工写真を今に合わせ、時点を書く |
| たとえば「出張研ぎ」のページ | 4年前 | たまに聞かれる | 少し来ている | 取引先のサイト | 残す。「終了しました」と代わりの案内を書き、メニューから外す |
| たとえば「春の点検キャンペーン」のページ | 3年前 | 聞かれない | 少し来ている | 無し | 消す。今の点検サービスのページへ転送する |
| たとえば「準備中」のままのページ | 5年前 | 聞かれない | 来ていない | 無し | 消す。サイト内のリンクを外してから |
判断の列は、左の4列を見れば自然に決まります。迷った行は「残す」にして、翌年もう一度見るくらいで十分です。表は毎年上書きせず、年ごとに残しておくと、ページの増減が見えるようになります。
お知らせやブログの古い記事
ページの数が多くなりやすいのは、お知らせやブログです。ここは、ふつうのページとは少し考え方が変わります。
- 実績の報告や、読み物としての記事 ― 古くても残します。会社がどんな仕事をしてきたかの記録になります
- 料金改定、営業日の変更、終わったキャンペーン ― 古い情報が誤解を生むので、消すか「この情報は〇年時点のものです」と書き添えます
お知らせ欄で何を残し、何を消すかは 「お知らせ」の欄に、何を書けばいいか で詳しく書いています。
棚卸しの日を、先に決めておく
棚卸しは、日付を決めないと流れます。決算の月、創業の月、年末年始の休み明けなど、毎年必ず来る日に結びつけてください。
料金、写真、リンク切れ、フォームが届くかといった、ほかの点検項目と同じ日にまとめると、半日で一巡できます。点検の一覧と進め方は ホームページの年1回の点検リスト にまとめてあるので、ページの棚卸しはその中の1項目として入れてください。
8. 雄喜晃の伴走:ページの棚卸しから、直すところまで
私たち雄喜晃のホームページ制作では、公開したあとのページの整理も、月額の中で一緒に進めます。
私たちがやること
まず、貴社のサイトにあるページを一覧にします。そのうえで、検索からの訪問とリンクの有無を確かめ、表にしてお渡しします。「聞かれるかどうか」の列は、貴社に伺って埋めます。そこは現場の方しか知らないからです。
判断が決まったら、手を動かすのは私たちです。古い料金や営業時間を直し、時点を書き添える。終わったサービスのページに「終了しました」と代わりの案内を書く。消すページはサイト内のリンクを外し、近いページへの転送を入れる。表を渡して終わりにせず、実際のページに反映するところまで担当します。写真は、貴社で撮っていただいたものを整えて差し替えます。
料金と条件
料金は制作費0円、月額8,800円(税別)からです。6ページ構成のプランは月額13,800円(税別)です。サーバー、独自ドメイン、SSL、保守はすべて月額に含まれます。月5回までの更新代行も同じ月額の中なので、棚卸しで見つかった直しも、ご連絡いただければこちらで反映します。
最低契約期間は6ヶ月です。7〜35ヶ月で解約された場合、サイトは非公開になります。36ヶ月以上ご継続いただいた場合は、サイトをお渡しします。
私たちがやらないこと
どのサービスを続け、どれをやめるかを、こちらで決めることはしません。それは経営の判断だからです。私たちがやるのは、決まったことをサイトの上で正しく見せることです。
また、訪問の少ないページを、相談なしにまとめて消すこともしません。数字に出ない需要があるかどうかは、貴社に伺わないと分からないからです。検索の順位や問い合わせの件数をお約束することもしません。
「古いページが残っているのは分かっているが、どこから手をつければいいか分からない」という方は、一度ご相談ください。実際にお作りしたサイトは 制作実績、料金と条件は ホームページ制作のページ に載せてあります。神戸市北区鈴蘭台を拠点に、2025年10月から活動しています。
9. まとめ:消す前に、3つの問いを
古くなったページを、消すか・残すか・直すかで迷ったときに押さえることは、5つです。
- 3つの問いで分ける ― 今も聞かれるか、検索から来ているか、リンクされているか
- 中身が生きているなら直す ― 料金・営業時間・写真を今に合わせ、時点を書き添える
- 終わったサービスは、終了と書いて残す ― いつ終わったか、代わりにどこへ行けばいいかを書き、メニューからは外す
- 消すなら、近いページへ案内する ― 何でもトップに飛ばさず、サイト内のリンクを先に外す
- 年1回、棚卸しをする ― ページを1枚の表に並べ、毎年同じ日に見直す
古いページは、放っておいても消しすぎても困ります。どちらに倒すかではなく、そのページに今も誰が来ているかで決めるのが、迷わない分け方です。
今日できることを1つだけ挙げます。電話やメールを受けている社員に、「最近、もうやっていないことについて聞かれたことはあるか」と尋ねてみてください。返ってきた答えが、最初に手をつけるページです。
ぜひ一度、お話を聞かせてください。貴社のページを並べて、どれから直すかを決めるところからご一緒します。