1. 「名刺のQRを読んだら、ページが無いと言われまして」

中小企業の経営者の方とお話していて、こんな言葉をよく聞きます。

「取引先の方から、名刺のQRを読んだら『ページが見つかりません』と出ましたよ、と言われまして。いつからそうなっていたのか、こちらは全然分からないんです。恥ずかしくて」

この話は、決して珍しくありません。ページが消えていることに、社内の人はほとんど気づけません。自分の会社のサイトを、名刺のQRや古いブックマークから開くことはまず無いからです。気づくのは、外から来たお客様のほうです。

そして、気づいたお客様の多くは、わざわざ教えてくれません。画面を閉じて、それで終わりです。冒頭の取引先の方は、むしろ親切な例です。

この記事では、「ページが見つかりません」という画面がなぜ出るのか、どう見つけるのか、そして出てしまったときに行き止まりにしない画面の作り方を順に書きます。技術の細かい話は深追いせず、経営者の方が制作会社に頼むときに困らない程度にとどめます。

この記事で書くこと

  • 「ページが見つかりません」が出る、4つの理由
  • 社内で気づけない理由と、見つけ方
  • その画面に置くもの、置かないもの
  • 消したページを転送するか、そのままにするかの判断
  • 紙に刷ったURLを変えないための考え方

2. 「ページが見つかりません」は、なぜ出るのか

開こうとしたページが無いときに出る画面を、業界では「404」と呼びます。サーバーが返す番号から来た呼び名です。この記事でも、ときどきこの呼び方を使います。

出る理由は、ほぼ次の4つに収まります。

① ページを消した

いちばん多いのがこれです。終わったキャンペーンのページ、販売をやめた商品のページ、募集を締め切った求人のページ。中身が古くなったので消した、というごく普通の作業で起きます。

消した側は「もう要らないページ」だと思っています。ところが、そのページへのリンクは、サイトの外にまだ残っています。検索結果、SNSの過去の投稿、取引先のサイト、お客様のブックマーク。そこから来た人が、何も無い画面に着きます。

② URLを変えた

リニューアルで、ページの住所を変えた場合です。中身は新しいサイトにちゃんとあるのに、古い住所から来た人には「無い」と表示されます。

ページ名を英語から日本語のローマ字に変えた、階層を整理した、ドメインを変えた。どれも同じことが起きます。リニューアルでURLが変わるときに何が切れるかは リニューアルでURLが変わるときに、失うもの に詳しくまとめました。

③ 紙に刷ったURLを、手で打ち間違えた

チラシや会社案内にURLを文字で刷っている場合、読んだ人はそれを手で打ちます。このとき、打ち間違いが起きます。

ハイフンとアンダーバー、数字の0とアルファベットのO、数字の1と小文字のl。長いURLほど間違えやすくなります。打ち間違えた人にとっては「書いてあるとおりに打ったのに、無かった」という記憶になります。

④ 外にある古いリンク

自社では何も変えていないのに出ることもあります。取引先のサイトや、地域の紹介ページ、昔の記事に貼られたリンクが、最初から間違ったURLで貼られていたという場合です。

これはこちらでは直せません。だからこそ、次の章で書く「出てしまったときの画面」が大事になります。

3. 困るのは、お客様が先に見つけること

社内の人は、正しい入口からしか入らない

社内でサイトを開くときは、たいていトップページから入ります。ブックマークも、今のURLです。正しい入口からしか入らないので、壊れた入口に気づく機会がありません。

一方で、お客様は入口を選べません。検索結果から、紙のQRから、誰かが送ってきたリンクから入ってきます。その入口のどれかが壊れていても、社内からは見えないのです。

何も無い画面は、「この会社は大丈夫か」に見える

何も手を入れていないと、「ページが見つかりません」の画面は、サーバーが用意した素っ気ない画面になります。英語だけの1行、真っ白な背景、会社名もロゴも出ない画面です。

これを見た人は、ページが無いのか、会社そのものが無くなったのか、区別がつきません。閉業したのかな、と思われることもあります。用件があって来た人ほど、そこで不安になります。

教えてもらえることは少ない

冒頭の取引先の方のように、教えてくれる人はごく一部です。多くの人は黙って画面を閉じ、別の会社を探します。気づかないまま、問い合わせの手前で人が帰っている。404の怖さは、件数の多さよりも、この見えにくさのほうにあります。

4. 「ページが見つかりません」の見つけ方

見えにくいものを見つけるには、外から入る人と同じ道を通るのがいちばんです。やり方は4つあります。

紙のQRとURLを、自分で全部試す

まず手元の紙からです。名刺、チラシ、会社案内、看板、社用車。QRは自分のスマートフォンで読み取り、文字で刷ったURLは実際に手で打ってみます。打ちにくい、間違えやすいと感じたら、それも記録しておきます。

紙ごとのQRの行き先の決め方は 名刺・チラシ・看板のQRコードは、どのページに飛ばすか にまとめてあります。

サーチコンソールで、見つからなかったページを見る

サーチコンソールには、検索エンジンが見に来たけれど見つからなかったURLが、一覧で出てくる項目があります。消したつもりのページや、昔の住所が並んでいることがよくあります。

全部を直す必要はありません。見覚えのあるページ名、今も人が探していそうなページ名だけ拾えば十分です。サーチコンソールで何を見るかの全体は ホームページを作ったあと、何を測ればいいか に書きました。

アクセス解析で、404の画面が開かれた回数を数える

404の画面に決まったページ名を付けておくと、アクセス解析でその画面が何回開かれたかを数えられます。回数が急に増えた月があれば、どこかの入口が壊れた合図です。設定は制作会社に頼めば済みます。

社員と、よく来るお客様に聞いてみる

意外と役に立つのが、人に聞くことです。営業の社員や、電話を受ける社員は、「サイトのあのページが開かない」と言われた経験を持っていることがあります。言われたその場で謝って、案内を口で済ませて、社内には伝わっていない。そういう話が眠っています。

付き合いの長いお客様に「うちのサイトで、開かなかったところはありませんか」と一度聞いてみるのも手です。聞かれて初めて思い出す、という方は少なくありません。

年に1回、点検の一覧に入れる

最後は仕組みにすることです。「紙のQRを全部読む」「見つからなかったページを見る」を、年1回の点検の項目に入れておきます。点検の進め方は ホームページの年1回の点検リスト にまとめました。

5. 404の画面に置くもの

ここからが本題です。どれだけ気をつけても、404の画面を見る人はゼロになりません。外にある間違ったリンクまでは止められないからです。

だから、出てしまったときに、行き止まりにしない画面を先に作っておきます。置くものは、多くありません。

表:404の画面に置くもの(文言はたとえばの例です)
置くものたとえばの書き方置く理由
何が起きたかの一言たとえば「お探しのページは、移動したか、公開を終えた可能性があります」会社が無くなったのではなく、ページが無いだけだと伝わる
トップページへの入口たとえば「トップページへ戻る」のボタンを、画面の真ん中に1つどこへ行けばいいか迷わずに済む
よく見られるページたとえば「サービス」「料金」「施工事例」「会社概要」へのリンクを3〜5本探していたページに近いものが見つかることが多い
連絡先たとえば電話番号(押せる形)と、問い合わせフォームへのリンク用件があって来た人を、その場で取りこぼさない
いつものヘッダーとフッターたとえば社名、メニュー、住所が、ほかのページと同じように出ているサーバーの素っ気ない画面だと、同じ会社のサイトだと分からない

上の5つがあれば、404の画面は「行き止まり」から「入口の1つ」に変わります。よく見られるページは、アクセス解析で上位のページから選ぶと、外れが少なくなります。

責める言い方をしない

文言で気をつけたいのは、「URLが間違っています」と相手のせいにしないことです。間違ったのは、紙の刷り方かもしれないし、こちらがページを消したからかもしれません。

「お探しのページが見つかりませんでした。お手数ですが、下のリンクからお探しください」。このくらいの温度で十分です。少しだけお詫びの気持ちを入れると、読む人の受け取り方がやわらかくなります。

置かないもの

逆に、置かないほうがいいものもあります。

  • 数秒後に自動でトップへ飛ばす仕掛け ― 何が起きたか分からないまま画面が変わり、かえって迷わせます
  • 大きな画像や凝った演出 ― 用件があって来た人には、早く次の場所へ行ける画面のほうが親切です
  • 英語だけの説明 ― 貴社のお客様の言葉で書いてください

見た目はやさしく、中身は「無い」のまま

1つだけ技術の話をします。404の画面をやさしく作るとき、検索エンジンには「このページは無い」と伝わる設定のままにしておく必要があります。

見た目を普通のページのように作り込むと、設定によっては、検索エンジンが「中身のあるページ」と勘違いすることがあります。制作会社には「404の画面を作ってください。ただし、無いページとして扱われる設定は残してください」と伝えれば通じます。

6. 消したページを、転送するか、そのままにするか

ページを消すとき、または消してしまったページが見つかったとき、決めることは1つです。そのURLから来た人を、どこかへ送るかどうかです。

別のページへ自動で送る設定を「転送」と呼びます。判断の順番は、次のとおりです。

図:消したページの扱いを決める順番(判断の例です。貴社の事情に合わせてください)
① そのページに、今も人が来ているか

アクセス解析やサーチコンソールで、消す前の数ヶ月にそのページが見られていたかを確かめます。紙に刷ったURLや、取引先のサイトに貼られたURLなら、来ている前提で考えます。

人が来ておらず、どこにも刷っていないなら、404のままで構いません
▼
② 中身の近いページが、ほかにあるか

たとえば旧「外壁塗装のご案内」なら、新しい「外壁塗装」のページ。来た人が探していたものに近いページがあれば、そこへ転送します。

近いページがあるなら、1対1で転送する
▼
③ 近いページが無いなら、ページを残して「終わりました」と書く

たとえば終わったキャンペーンや、締め切った求人。消さずに残して、終わったことと、今ある近い案内へのリンクを書きます。人が来ているのに行き先が無いなら、新しくページを作るのも1つの答えです。

何でもトップページへ飛ばす、だけは避ける

①で「来ていない」と分かれば、そこで終わりです。全部のURLを転送しようとしなくて大丈夫です。手間をかけるのは、人が来ているページと、紙に刷ったページだけで足ります。

何でもトップに飛ばすのは、いちばん迷わせる

困ったときにやりがちなのが、無くなったページを全部トップページへ転送することです。エラーは出なくなりますが、来た人は「探していたページではない画面」に着きます。何が起きたかも分かりません。

404の画面がきちんと作ってあれば、「ページが無い」ことは伝わります。トップへの一括転送は、それすら伝わらない分、かえって不親切です。この落とし穴は、先に挙げたURL変更の記事でも詳しく書いています。

転送は、期限を切らずに残す

転送を設定したら、できるだけ外さずに残し続けてください。紙は何年も使われますし、古い記事のリンクもずっと残ります。サーバーや制作会社を変えるときに転送の設定が消えないよう、引き継ぎの一覧にも入れておきます。

ページを消す前に、ひと呼吸

いちばん手間が少ないのは、そもそも消さないことです。古くなったページは、消すより「終わりました」と書き直すほうが、来た人を迷わせません。商品やサービスが終わっても、そのページ名で探している人がいる間は、案内の役目が残っています。

書き直すときは、3つだけ入れれば足ります。

  • 終わったこと ― たとえば「このキャンペーンは〇月〇日で終了しました」と、ページのいちばん上に書く
  • 代わりになるもの ― 今ある近いサービスや、次の募集の予定があれば、そのページへのリンク
  • 聞きたい人の窓口 ― 「以前ご利用の方のご相談は、こちらから」と連絡先を添える

とくに3つ目が効きます。終わったサービスのページを開く人の中には、以前のお客様が、保証や修理の相談をしに来ている場合があるからです。その人にとっては、終わったという知らせより、どこに連絡すればいいかのほうが大事です。

7. 紙に刷ったURLは、変えない

最後に、いちばん直しにくいものの話です。紙に刷ったURLは、刷った瞬間に固まります。サイトのほうで住所を変えても、配った名刺やチラシは直せません。

刷るURLは、短く、打ち間違えにくく

文字でURLを刷るなら、手で打つ人のことを考えて決めます。

  • 短くする ― 階層の深いページのURLをそのまま刷らない。トップか、短い入口のURLにします
  • まぎらわしい文字を避ける ― 0とO、1とl、ハイフンとアンダーバーが並ぶ並びは、打ち間違いのもとです
  • 大文字を混ぜない ― 小文字だけのほうが、読む人も打つ人も迷いません

紙専用の入口を、自社のドメインの中に持つ

QRや紙のURLには、中身のページの住所を直接入れずに、変えない入口の住所を入れておく方法があります。入口から今の中身へ転送しておけば、中身のURLが変わっても、転送先を書き換えるだけで紙はそのまま使えます。この考え方も、先に挙げたQRコードの記事で詳しく書いています。

刷ったURLを、1枚の台帳にしておく

どのURLが、どの紙に、いつ刷られたか。これを1枚の表にしておくだけで、ページを消すときやリニューアルのときに守るべきURLが分かります。サイトの中をいくら見ても、どのURLが紙に刷られているかは分からないからです。

リニューアルや制作会社の変更のときは、この台帳を渡して「ここに書いたURLは、全部残してください」と伝えてください。台帳があれば、冒頭のような「いつからそうなっていたのか分からない」は、ほとんど起きなくなります。

8. 雄喜晃の伴走:行き止まりの画面を、貴社の言葉で用意します

私たち雄喜晃のホームページ制作では、サイトを作るときに404の画面も、ほかのページと同じように貴社の言葉で作ります。サーバーの素っ気ない画面のまま公開することはしません。

私たちがやること

  • 404の画面を作る ― 一言の説明、トップへの入口、よく見られるページ、電話番号と問い合わせフォームを置いた画面を用意します
  • 紙に刷ったURLを伺う ― 最初のお打ち合わせで、名刺やチラシに何を刷っているかを伺い、守るべきURLを一覧にします
  • 消す・変えるときの転送を設定する ― ページを消したり住所を変えたりするときは、来た人をどこへ送るかを一緒に決めて設定します

料金と条件

料金は制作費0円、月額8,800円(税別)からです。6ページ構成のプランは月額13,800円(税別)です。サーバー、独自ドメイン、SSL、保守はすべて月額に含まれます。月5回までの更新代行も同じ月額の中なので、ページを終わらせるときの書き直しや転送の設定も、ご連絡いただければこちらで反映します。

最低契約期間は6ヶ月です。7〜35ヶ月で解約された場合、サイトは非公開になります。36ヶ月以上ご継続いただいた場合は、サイトをお渡しします。紙に刷ったURLの寿命にかかわる条件なので、先にお伝えしておきます。

私たちがやらないこと

404の画面を見る人をゼロにする、というお約束はしません。外のサイトに間違ったURLが貼られていれば、こちらでは止められないからです。私たちができるのは、来てしまった人を行き止まりにしないことと、こちらで防げる切れ方を防ぐことです。

また、無くなったページを、何でもトップページへ飛ばす設定はしません。エラーが見えなくなるだけで、来た人の迷いは消えないからです。

「自社のサイトで、どこが切れているのか見当もつかない」という方は、一度ご相談ください。実際にお作りしたサイトは 制作実績、料金と条件は ホームページ制作のページ に載せてあります。神戸市北区鈴蘭台を拠点に、2025年10月から活動しています。

9. まとめ:消えたページは、外から見つける

「ページが見つかりません」で押さえることは、5つです。

  • 出る理由は4つ ― ページの削除、URLの変更、紙のURLの打ち間違い、外にある古いリンク
  • 社内では気づけない ― 紙のQRとURLを自分で試し、サーチコンソールとアクセス解析で外からの入口を確かめる
  • 404の画面は、行き止まりにしない ― 一言の説明、トップへの入口、よく見られるページ、連絡先、いつものヘッダーとフッター
  • 消したページは、人が来ているかで決める ― 来ていなければ404のまま、近いページがあれば転送、無ければ残して「終わりました」と書く
  • 紙に刷ったURLは変えない ― 短く打ちやすく刷り、変えない入口と台帳で守る

404は、出ること自体よりも、出たときに何も無い画面であることのほうが損です。画面を1枚用意するだけで、帰っていた人の一部は、次のページへ進んでくれます。

今日できることを1つだけ挙げます。貴社のURLの後ろに、存在しない適当な文字を足して開いてみてください。出てきた画面が、貴社のお客様に見せていい画面かどうか。それを見るだけで、やることが分かります。

どこが切れているか一緒に確かめたい、という方は、一度ご相談ください。