1. 「料金の桁を、1つ間違えて載せていたんです」

中小企業の経営者の方とお話していて、こんな言葉を聞くことがあります。

「お客様から電話で『サイトに書いてある値段でお願いしたいんですが』と言われて、見てみたら、料金が一桁少なく載っていたんです。いつからこうなっていたのかも分からなくて。どうしたらいいでしょう」

料金、日付、営業時間、商品の寸法や仕様。ホームページに載せている情報は、人が書いて、人が直しています。どれだけ気をつけていても、間違いは起きます。大事なのは、起きたあとにどう動くかです。

慌てて黙って直す。直したきり、誰にも何も言わない。これがいちばんよく見る対応ですが、間違った情報を見て動いた人がいた場合には、あとでこじれる原因になります。

この記事で書くこと

この記事では、自社で載せた情報が間違っていたと分かったときに、何をどの順番でやるかを書きます。

  • 気づいてすぐに、記録を残すこと
  • まず正しく直す。消すのではなく、置き換える
  • 訂正のお知らせを出すかどうかを、影響の大きさで決める
  • 訂正の書き方 ― 何が・いつから・どう間違っていたか・正しくは何か
  • 間違った情報で申し込んだお客様への、個別の連絡
  • チラシやSNSなど、同じ間違いが載っているほかの場所
  • 同じ間違いを繰り返さないための、確認の決まり

なお、第三者にサイトを書き換えられた場合は、話がまったく違います。その場合の対処は ホームページが改ざんされたかもしれないときに、まずやること にまとめました。この記事は、自社で書いた情報が間違っていた場合に絞ります。

2. 気づいたら、直す前に記録を残す

間違いに気づくと、すぐに直したくなります。その気持ちは自然ですが、直す前に1つだけやってください。間違っていた状態を、記録に残すことです。

画面を保存しておく

間違っているページを開いて、画面全体を保存します。スマートフォンで見たときの画面も残しておくと、あとで「どう見えていたか」を説明しやすくなります。直したあとでは、間違っていた状態を見せられなくなるからです。

お客様から「サイトにこう書いてあった」と言われたとき、手元に画面が残っていれば、同じものを見ながら話ができます。

いつから載っていたかを調べる

次に、その間違いがいつから載っていたかを調べます。

  • 更新の記録 ― 誰がいつそのページを直したか。制作会社に頼んでいるなら、作業の履歴を聞く
  • 社内のやり取り ― 料金を変えたときのメールや、原稿を渡したときのファイル
  • お知らせ欄の日付 ― その情報を載せたお知らせが、いつ出ていたか

いつからか分かると、その間に問い合わせや注文をくれたお客様を絞り込めます。この期間が、あとで個別に連絡する相手を決める手がかりになります。

正しい情報を、誰が決めるか

最後に、何が正しいのかを確かめます。料金なら料金表の元のファイル、仕様なら製品の図面や資料、営業時間なら実際の運用です。サイトの数字を直すときに、別のページの数字を写さないでください。そのページも間違っているかもしれないからです。正しい数字は、元の資料から取ります。

図:間違いに気づいてから、片付けるまでの順番(たとえばの流れです)
① 記録する

間違っている画面を保存し、いつから載っていたかを調べます。直す前にやるのは、この1つだけです。

▼
② 正しく直す

元の資料で正しい情報を確かめ、サイトの中で同じ間違いがある場所を全部直します。PDFや画像の中も開いて見ます。

ここまでは、気づいたその日のうちに
▼
③ 訂正を出すか決める

その間違いを見て、誰かが問い合わせたり、注文したりしていたか。影響の大きさで、訂正の出し方を決めます。

▼
④ お客様に連絡する

間違った情報で申し込んだお客様がいれば、サイトの訂正と同じ日か、それより先に個別に連絡します。

▼
⑤ ほかの場所を直し、決まりを作る

チラシ、SNS、Googleマップなど、同じ間違いが載っている場所を探して直します。最後に、次に同じことが起きないための確認の決まりを作ります。

①と②は急ぎます。③から先は、落ち着いて決めて構いません。順番を逆にして、記録を残す前に直してしまうと、あとで説明ができなくなります。

3. まず正しく直す ― 消すのではなく、置き換える

記録が残ったら、直します。ここでのポイントは、間違った情報を消して空欄にするのではなく、正しい情報に置き換えることです。

消すと、お客様が困る

料金が間違っていたからといって、料金の欄をまるごと消すと、読む人はかえって困ります。営業時間を消せば、いつ行けばいいか分からなくなります。正しい情報が分かっているなら、すぐにそれを載せてください。

正しい情報がまだ決まっていない場合は、「ただいま確認中です。お急ぎの方はお電話でお問い合わせください」と書き、電話番号を添えておきます。間違ったままにしておくより、ずっと安全です。

同じ間違いは、サイトの中にもう1つある

1か所の間違いに気づいたら、同じ情報を書いている場所をサイトの中で全部探してください。料金ならサービスのページ、料金のページ、よくある質問、お知らせ欄の過去の記事。営業時間ならフッター、アクセスのページ、会社概要。

PDFと画像の中の文字は、サイト内を検索しても出てきません。料金表のPDF、メニュー表の画像、バナーに入れた数字は、1つずつ開いて目で確かめるしかありません。

直したのに、古い表示が残ることがある

直したあとでも、しばらく古い情報が見えることがあります。

  • 検索結果の説明文 ― 検索エンジンが読み直すまで、古い文章が残ることがある
  • LINEやSNSで共有したときの表示 ― 以前に送られたURLの見出しや画像が、古いまま出ることがある
  • 閲覧している人のブラウザ ― 前に開いたページの表示が残っていることがある

これはサイトを直しても、すぐには消えません。だからこそ、影響が大きい間違いは、直すだけでなく訂正のお知らせで正しい情報を示しておく必要が出てきます。

4. 訂正のお知らせを出すかどうかは、影響の大きさで決める

すべての間違いに、訂正のお知らせが要るわけではありません。誤字を直すたびにお詫びを出していたら、お知らせ欄が訂正だらけになります。出すかどうかは、その間違いを見て、誰かが動いたかどうかで決めます。

判断の軸は「動いた人がいるか」

ここでいう「動いた」は、次のようなことです。

  • 問い合わせをした ― 間違った料金や条件を前提に、見積もりを頼んだ
  • 申し込んだ・注文した ― 間違った価格や仕様のまま、注文や予約をした
  • 来店した・来場した ― 間違った営業時間や日付を見て、足を運んだ

問い合わせの記録、注文の記録、予約の記録を、第2章で調べた期間で見直してください。その期間に動いた人が1人でもいれば、直すだけでは終わりません。

表:間違いの影響と、やることの目安(例はすべて架空です)
影響の大きさたとえばの例やること
読む人の判断に関わらない誤字、表記のゆれ、写真の説明の取り違え正しく直すだけでよい。訂正のお知らせは要らない
判断に関わるが、動いた人はいない定休日の曜日の書き間違い。気づいた日までに、その日に関する問い合わせはなかった直したうえで、該当ページに短い注記を置く。お知らせ欄に一本出すかは、載っていた期間の長さで決める
間違った情報で、動いた人がいる商品の価格を安く載せていて、その価格で注文が入っていたお客様へ個別の連絡を先に。そのうえでお知らせ欄と該当ページに訂正を出す
安全・健康・契約に関わる商品の材質やアレルギー表示、耐荷重の数字、契約の条件の書き間違いすぐに直し、訂正を目立つ場所に出す。扱いは自社だけで決めず、専門家や所管の窓口に相談する

迷ったときは、一段上の扱いにしておくほうが、あとで困りません。訂正を出して「そこまでしなくても」と言われることより、出さずに後から見つかることのほうが、信用に響きます。線の引き方は、貴社の事情で決めてください。

法的な扱いは、一般論にとどめて確認する

間違った価格で受けた注文をどう扱うか、表示の間違いがどんな決まりに関わるかは、業種や取引の形、間違いの中身によって違います。ここでは一般論以上のことは書きません。業種によって違うので、所管の窓口や専門家に確認してください。とくに、安全や健康に関わる表示、契約の条件に関わる表示は、自社だけで判断しないことをおすすめします。

5. 訂正の書き方

訂正を出すと決めたら、書き方です。長く書く必要はありません。何が・いつから・どう間違っていたか・正しくは何か。この4つと、短いお詫びで足ります。

4つを、先に書く

訂正の文は、たとえば次のくらいの長さです(内容は架空の例です)。

「料金表の記載の誤りについて。〇年〇月〇日から〇月〇日まで、サービスのページに掲載していた△△の料金に誤りがありました。誤:月額3,000円/正:月額30,000円。ご覧いただいた皆さまにご迷惑をおかけし、申し訳ございません。この期間にお申し込みいただいたお客様には、個別にご連絡しております」

最初に「何が」、次に「いつからいつまで」、そして「誤」と「正」を並べます。誤と正を並べて書くと、読んだ人が自分の見た数字と照らし合わせられます。文章の中に埋めてしまうと、どこが変わったのかが伝わりにくくなります。

お詫びは短く、言い訳はしない

お詫びは一文で十分です。「担当者の確認不足により」「システムの不具合により」のような理由を長く書くと、言い訳に読めてしまいます。原因を書くなら、事実を短く書くだけにします。

社員の名前や、誰の間違いかを書く必要はありません。外から見れば、会社として載せた情報です。

置く場所は、お知らせ欄と該当ページの2か所

訂正は、お知らせ欄に一本と、間違っていたページそのものに短い注記の2か所に置きます。

お知らせ欄だけだと、該当ページを直接開いた人には伝わりません。該当ページだけだと、以前にそのページを見た人が訂正に気づけません。該当ページの注記は、「〇月〇日に料金の記載を訂正しました。詳しくはこちら」と一行書き、お知らせへリンクします。

いつまで残すか

該当ページの注記は、影響が落ち着いたら外して構いません。目安は、間違っていた期間に見た人が、もう一度見に来そうな期間です。お知らせ欄の訂正は、記録として残しておきます。お知らせ欄の書き方と、古くなったお知らせの扱いは 「お知らせ」の欄に、何を書けばいいか にまとめました。

6. 間違った情報で申し込んだお客様への、個別の連絡

訂正のお知らせより先にやることがあります。間違った情報を見て申し込んだお客様に、個別に連絡することです。

対象のお客様を、一覧にする

第2章で調べた期間の、問い合わせ・注文・予約の記録から、対象のお客様を一覧にします。その間違いに関係する申し込みだけを拾ってください。期間中のお客様全員に連絡すると、関係のない人まで不安にさせます。

サイトで知る前に、直接伝える

順番は、個別の連絡が先、サイトの訂正はそのあとか同じ日です。お客様が先にサイトの訂正を見て、「自分の注文はどうなるのか」と思いながら連絡を待つ。この状態は避けたいところです。

料金を改定したときに、既存のお客様へサイトより先に知らせる考え方と同じです。告知の順番や、改定日をまたぐ申し込みの扱いの考え方は 値上げを、ホームページでどう知らせるか に書きました。間違いの訂正でも、使える考え方が多くあります。

連絡で伝えること

連絡は、電話でもメールでも構いません。金額が大きい場合や、すでに作業に入っている場合は、電話で先に話し、あとからメールで同じ内容を送ると行き違いが減ります。伝えることは、次の4つです。

  • 何が間違っていたか ― サイトのどこに、何と書いてあったか
  • 正しくは何か ― 正しい料金、日付、仕様
  • このお客様の申し込みをどう扱うか ― 会社として決めた扱い
  • お客様が選べること ― 取り消しや変更ができるなら、その方法と期限

3つ目を決めるのは、経営者の方です。間違った価格のまま受けるのか、正しい価格で改めて確認するのか、取り消しを受けるのか。どの扱いにするかは、貴社の判断と、前の章で書いた専門家への確認で決めてください。大事なのは、決めた扱いを全員に同じように伝えることです。

社内で答えをそろえる

連絡を始める前に、社内で答えをそろえておきます。お客様から電話がかかってきたとき、出た人によって言うことが違うと、それが新しい問題になります。訂正の文面と、決めた扱いを1枚にまとめて、電話を受ける人全員に渡しておいてください。

7. 同じ間違いが載っているほかの場所と、防ぐための決まり

サイトを直し、お客様に連絡したら、最後は外に残った同じ間違いと、次に同じことを起こさないための決まりです。

サイトの外にも、同じ間違いがある

サイトに載せた情報は、たいてい同じ元の原稿から、ほかの場所にも写されています。

  • チラシ・パンフレット・名刺 ― 同じ料金表や営業時間を、紙にも刷っていないか
  • SNSの投稿とプロフィール ― 告知の投稿に、同じ数字や日付を書いていないか
  • Googleマップ ― 営業時間、価格、商品やサービスの説明
  • ほかのサイト ― 地域の情報サイト、業界の名簿、取引先のサイトの紹介文
  • 社内の書類 ― 見積書のひな形、申込書、メールの定型文

配ってしまったチラシは回収できません。その場合は、サイトの訂正に「〇月に配布したチラシにも同じ誤りがあります」と一行書いておくと、チラシを見て連絡してきた人との話が早くなります。

自社の外のサイトに残った情報の探し方と、掲載元への直し方の頼み方は 自社以外のサイトに残っている古い情報を、どう直すか にまとめました。

正しい情報の「元」を、1か所に決める

同じ間違いを防ぐいちばんの方法は、正しい情報の元を1か所に決めて、そこから写すことです。料金、営業時間、住所、商品の仕様。こうした情報を1枚の表にまとめ、サイトもチラシもGoogleマップも、その表から写します。

サイトと名刺・封筒で書いてあることが少しずつずれていく仕組みと、表記をそろえる1枚の紙の作り方は ホームページと名刺・封筒で、書いてあることが違う に書きました。間違いを防ぐ考え方も、ほぼ同じです。

数字と日付は、2人目が元の資料と照らし合わせる

確認の決まりとしては、次の3つから始めるのがおすすめです。

  • 数字・日付・時間は、書いた人以外が見る ― 書いた本人は、思い込みで読み飛ばしやすい
  • サイトの画面ではなく、元の資料と照らし合わせる ― 画面どうしを見比べても、元が間違っていれば気づけない
  • 直した日と内容を、記録に残す ― 次に何かあったとき、いつからかをすぐに調べられる

3つ目の記録は、表に日付と直した場所を一行ずつ書くだけで足ります。今回いちばん困ったのが「いつから載っていたか分からない」ことだったなら、この記録がその答えになります。

変わるときに直す場所の一覧を作っておく

間違いの多くは、何かが変わったときに起きます。料金を変えたとき、移転したとき、営業時間を変えたとき。直す場所の一部だけを直して、ほかが古いまま残るのです。変わるときに直す場所の一覧を、先に作っておいてください。移転や社名変更のときに直す場所の一覧は 移転・社名変更・代表交代のときに、サイトで直すところ に載せてあります。料金や営業時間でも、同じ形で作れます。

8. 雄喜晃の伴走:直す作業を、月額の中でお引き受けします

私たち雄喜晃のホームページ制作では、公開したあとの更新も月額の中でお引き受けしています。間違いに気づいたとき、すぐに直せる相手がいることは、こういうときにいちばん効きます。

私たちがやること

間違いのご連絡をいただいたら、直す前に、間違っていた画面を保存します。そのうえで正しい情報に置き換え、サイトの中で同じ情報を書いている場所を、PDFや画像の中まで探してあわせて直します。直した日と直した場所は記録に残し、貴社にもお伝えします。

訂正のお知らせと、該当ページに置く注記は、下書きをこちらで用意し、貴社に確かめていただいてから載せます。次に同じことが起きないよう、正しい情報の元になる表を一緒に作るところまでお手伝いします。

料金と条件

料金は制作費0円、月額8,800円(税別)です。6ページ構成のプランは月額13,800円(税別)です。サーバー、独自ドメイン、SSL、保守は月額に含まれます。月5回までの更新代行も同じ月額の中なので、訂正のための書き換えも、その範囲であれば追加の費用はかかりません。

最低契約期間は6ヶ月です。7〜35ヶ月で解約された場合、サイトは非公開になります。36ヶ月以上ご継続いただいた場合は、サイトをお渡しします。

私たちがやらないこと

間違った価格で受けた注文をどう扱うか、法的にどうなるかの判断はしません。それは経営の判断であり、必要なら専門家に確認していただくことだからです。また、お客様への個別のご連絡を、貴社に代わってこちらから行うこともしていません。お客様とのお約束に関わる話は、貴社から直接伝えていただくのがいちばん伝わります。

実際にお作りしたサイトは 制作実績、料金と条件は ホームページ制作のページ に載せてあります。私たちは神戸市北区鈴蘭台を拠点に、2025年10月から活動しています。

「直したいところがあっても、頼む先がすぐに思い浮かばない」という方は、一度ご相談ください。

9. まとめ:記録して、直して、動いた人に先に伝える

ホームページに間違った情報を載せてしまったときに押さえることは、5つです。

  • 直す前に記録する ― 間違っていた画面と、いつから載っていたかを残す
  • 消さずに、正しく置き換える ― サイトの中の同じ情報を、PDFや画像まで全部直す
  • 訂正は、動いた人がいたかで決める ― 誤字なら直すだけ、申し込みが入っていたなら訂正と個別の連絡
  • 訂正は4つと短いお詫びで ― 何が・いつから・どう間違っていたか・正しくは何か
  • 元を1か所に決め、2人目が照らし合わせる ― 同じ間違いを繰り返さない決まりを作る

間違いが起きたこと自体よりも、気づいたあとの動き方のほうが、お客様の記憶に残ります。正直に、早く、短く伝えれば、信用はむしろ保たれます。

今日できることを1つだけ挙げます。貴社のサイトに載っている料金・営業時間・日付を、元の資料と一度照らし合わせてみてください。まだ誰も気づいていない間違いが、そこで見つかるかもしれません。