1. 「さっきから、うちのホームページが開かないんです」

中小企業の経営者の方とお話していて、こんな言葉を聞くことがあります。

「朝、社員が『サイトが開きません』と言ってきて。私のパソコンで見ても真っ白なんです。とりあえず制作会社に電話したんですが、『どの画面ですか』『いつからですか』と聞かれて、何も答えられませんでした」

ホームページが開かないと気づいた瞬間は、誰でも慌てます。お客様が見られないのではないか。問い合わせが届いていないのではないか。心配が一度に浮かびます。

ただ、気づいた人がその場で原因を当てる必要はありません。原因を突き止めるのは、サイトを管理している側の仕事です。気づいた側の仕事は、どこまでが見られないのかを確かめ、見たものを残し、それを正しい相手に渡すことです。

ここができていると、連絡を受けた側は話を聞いた時点で調べる場所を絞れます。できていないと、冒頭のように最初の電話が質問のやりとりだけで終わります。

この記事では、その「最初の10分」でやることを順番に書きます。10分というのは目安の言い方で、時間を計る必要はありません。原因ごとの詳しい対処は、別の記事に分けてあります。

この記事は、そのどれに当たるのかを見分ける前の段階の話です。

2. 自分の端末だけか、誰から見ても開かないのか

最初に確かめるのは、見られないのが自分だけなのか、誰から見ても見られないのかです。ここで、話の行き先が大きく分かれます。

別の端末で開く

いま開けなかったのが会社のパソコンなら、次は手元のスマートフォンで開いてください。スマートフォンでも開けなければ、隣の席の社員のパソコンで。端末を1つ変えるだけで、分かることがあります。

1台だけ開けないなら、その端末の側に理由がある可能性が高くなります。前に開いたときの古い画面が残っていた、ブラウザの設定が変わっていた、社内で入れている安全対策の仕組みが止めていた、などです。サイトそのものは動いているので、お客様には見えているかもしれません。

別の回線で開く

端末を変えても開けないときは、次に回線を変えます。会社のWi-Fiにつながったスマートフォンは、会社のパソコンと同じ道を通っています。スマートフォンのWi-Fiを切って、携帯電話の回線だけで開いてみてください。

会社の回線では開けず、携帯電話の回線では開ける。この場合は、サイトではなく社内のネットワークの側に理由があるかもしれません。連絡する相手は制作会社ではなく、社内のネットワークや機器を見ている人や業者になります。

社外の人に、開けるか聞く

それでも判断がつかないときは、家族や別の場所にいる社員など、社外の人に聞くのが確かです。「いま、うちのホームページが開けるか見てもらえますか」と一言送るだけで、外からどう見えているかが分かります。

お客様から「見られない」と連絡が来た場合は、どの端末で見たのかを伺っておくと役に立ちます。聞きにくければ、お礼を伝えて「こちらで確かめます」と答えておけば十分です。

ここで分かること

この段で、状況は3つのどれかに入ります。

  • 自分の端末だけ ― サイトは動いている可能性が高い。端末の側を見る
  • 社内の回線だけ ― 社内のネットワークの側を見る。お客様には見えている可能性がある
  • どこから見ても開かない ― サイトの側で何かが起きている。このあとの手順へ進む

3. 全部のページか、一部のページか

次に確かめるのは範囲です。サイト全体が開かないのか、特定のページや機能だけがおかしいのか。ここで、急ぐ度合いが変わります。

トップページ以外も開いてみる

トップページが開かないときは、会社概要やサービスの紹介など、ほかのページも同じかを見ます。自社名で検索して、検索結果から別のページを開いてみる方法もあります。

ただし、検索結果に自社のサイトが出ていても、それで「動いている」とは判断しないでください。検索結果は、以前の情報が残っているだけのことがあります。押して開けるかどうかまで確かめます。

「開くけれど、おかしい」もある

開かないのではなく、開くけれど何かが違う、という形もあります。

  • 写真が出ない ― 文字は出るのに、画像の場所が空白になっている
  • 見た目が崩れている ― 文字だけが縦に並び、色や配置がなくなっている
  • 特定のページだけ ― 「ページが見つかりません」と出る
  • 問い合わせフォームだけ ― 送信ボタンを押すとエラーになる、または送っても届かない

このうち、いちばん気をつけたいのは問い合わせフォームです。サイトは普通に見えるので、気づくのが遅れます。お客様の側は「送った」と思っていて、こちらには何も届いていないということが起こりえます。見つけたら、自分で送信を試し、届いたかどうかを確認してください。

範囲を一行で書いておく

確かめた結果を、一行で書いておきます。「トップも会社概要も開かない」「全部開くが、問い合わせフォームだけ送信でエラーになる」。この一行が、あとで連絡するときの最初の一文になります。

4. 画面に出ている言葉を、写真で残す

範囲が分かったら、次は記録です。ここが、連絡したあとの話の早さを大きく左右します。

スクリーンショットか、スマートフォンで撮る

開かないときの画面には、たいてい何か言葉が出ています。真っ白に見えても、上のほうに小さく英語が出ていることもあります。その画面を、そのまま残してください。パソコンの画面を保存する方法が分からなければ、スマートフォンで画面を撮るだけで十分です。

撮るときは、次の3つが写るようにします。

  • アドレス欄 ― どのURLを開こうとしたのか
  • 画面に出ている言葉の全部 ― 小さい英語や数字も含めて
  • 時刻 ― 端末の時計が写っていなければ、撮った時刻をメモする

言葉の意味は、分からなくていい

画面の言葉は、意味が分からなくて構いません。分からない言葉ほど、そのまま渡すことに意味があります。受け取った側は、その言葉で原因の当たりをつけられます。口で伝えると「なんかエラーって出てます」になり、そこで手がかりが消えてしまいます。

それでも、おおまかな目安を知っておくと慌てずに済みます。画面に出ているものと、次に確かめることを並べると、たとえばこうなります。

表:画面に出ているものと、次に確かめること(文言はたとえばの一例です)
画面に出ているもの考えられること次に確かめること
「このサイトにアクセスできません」のような表示住所にあたるドメインが引けていない、またはサーバーにつながらないドメインとサーバーの更新期限。会社のメールが届いているかも見る
「停止しています」「お支払いが確認できません」のような案内契約先が、支払いや契約の都合で公開を止めている案内に書かれている会社名。そこが連絡先になる
「保護されていない通信」のような警告通信を守る仕組み(SSL)の期限や設定の問題警告の文言をそのまま撮り、管理している相手に渡す
見覚えのない広告やページ、別のサイトへ飛ぶサイトの中身が書き換えられている可能性自分で消さずに記録し、すぐ管理している相手へ
「ページが見つかりません」そのページだけが移動した、または削除された最近ページを直したり消したりした人がいないか
真っ白で、何も出ないいくつかの原因がありえて、画面だけでは絞れない別の端末と回線でも同じか。最近の変更

表の文言は一例で、ブラウザや契約先によって出方は違います。当てはまる行を探すより、画面をそのまま撮って渡すほうが確かです。原因を決めるのは、受け取った側の仕事です。

表の4行目に当たるときだけは、別の注意があります。見覚えのない広告やページは、すぐ消したくなります。ただ、自分で消すと、何が起きたのかを調べる手がかりも消えます。記録したら触らずに連絡してください。その先の順番は、冒頭で挙げた改ざんの記事にまとめてあります。

5. 更新の期限と、最近だれが何を変えたか

画面の記録が取れたら、社内で確かめられることが2つあります。契約の期限と、最近の変更です。どちらも、サイトが止まる理由としてよく出てきます。

ドメインとサーバーの更新期限

ホームページは、ドメイン(インターネット上の住所)とサーバー(データを置いておく場所)の契約の上に乗っています。どちらかの更新が止まると、サイトは開かなくなります。

確かめる場所は3つです。

  • 支払いの明細 ― クレジットカードや口座の履歴に、ドメインやサーバーの会社からの引き落としがあるか。最近止まっていないか
  • 更新の案内メール ― 「まもなく期限です」「お支払いが確認できません」という知らせが、社内の誰かのメールに届いていないか
  • 契約の控え ― 更新日が書かれた書類や、管理画面の情報を控えたものがあるか

ここで気をつけたいのは、カードを作り直した、口座を変えた、担当者が辞めたという変化です。登録してあったカードが使えなくなって引き落としが止まっていた。案内メールが、辞めた人のアドレスに届いていた。こうした形で、誰も気づかないまま期限が過ぎることがあります。

もう1つ、独自ドメインの会社のメールが届いているかも見てください。サイトとメールが同時に止まっているなら、ドメインの側を疑う手がかりになります。期限が切れていた場合の進め方は、冒頭で挙げた ドメインやサーバーの更新を忘れて、サイトが止まったとき に、止まってからの時間ごとに書いてあります。

誰の名義で、誰がログインできるのか

期限を確かめようとして、そもそも誰の名義で契約しているのか分からない、ということもあります。制作会社の名義なのか、社長個人の名義なのか、昔の担当者のメールで登録されているのか。ここが分からないと、期限も確かめられません。

慌てているときに、全部を調べ上げる必要はありません。今日は「制作会社に聞く」と決めておき、落ち着いたら ホームページのドメインやアカウントは、誰の名義になっているか を見ながら一覧にしておいてください。

最近、だれが何を変えたか

もう1つは、最近の変更です。サイトが止まる直前に、何かを触った人がいないか。本人は関係ないと思っている変更が、手がかりになることがあります。

社内に聞くときは、責める聞き方にならないようにしてください。「誰が壊したのか」ではなく、「ここ数日で、ホームページやメールのまわりで何か触ったことはありますか」と聞きます。

聞いておきたいのは、たとえばこういうことです。

  • サイトの更新 ― ページや写真を差し替えた、お知らせを足した、ページを消した
  • メールや契約 ― メールの仕組みを変えた、プランや支払い方法を変えた、何かを解約した
  • 外の会社の作業 ― 制作会社やほかの業者が、作業をすると言っていなかったか
  • 人の出入り ― 担当者が辞めた、異動した、パスワードを変えた

答えは、日付と一緒にメモしておきます。「火曜日に、社員がトップの写真を差し替えた」。それだけで、連絡を受けた側は調べる順番を決められます。

6. 制作会社や契約先への連絡で、伝えること

ここまで確かめたら、連絡します。相手は、サイトを管理している会社です。制作会社が管理しているならそこへ、自社でサーバーを契約しているならその会社へ。画面に「停止しています」のような案内が出ていて会社名が書いてあるなら、その会社が窓口です。

伝えることは、6つ

連絡の中身は、ここまで確かめたことをそのまま並べれば足ります。

  • いつ気づいたか ― 日時と、誰が気づいたか(社員、お客様、取引先)
  • どのURLか ― トップか、特定のページか
  • どこから見たか ― 試した端末と回線。社外の人に見てもらった結果も
  • 範囲 ― 全部開かないのか、一部か。問い合わせフォームは動くか
  • 画面の写真 ― 撮ったものをそのまま添える
  • 最近の変更 ― 思い当たることと、その日付。無ければ「思い当たる変更はない」

文字で送るときは、たとえばこんな形です(例は架空です)。

「本日9時ごろ、社員が会社のホームページが開かないことに気づきました。トップページも会社概要も開きません。社内のパソコン2台、携帯電話の回線につないだスマートフォン、社外の家族のスマートフォンで試しましたが、どれも同じでした。画面の写真を添付します。会社のメールは届いています。思い当たる変更は、先週、支払いに使っているカードを作り直したことです。原因と、直る見込みが分かったら教えてください」

電話のあとに、文字でも送る

急いでいるときは電話が早いのですが、電話だけで済ませないでください。写真は電話では渡せませんし、口で伝えた内容は抜け落ちることがあります。電話で一報を入れ、同じ内容を写真つきでメールなどに送る。この二段にしておくと、「言った・言わない」になりません。

送るときに、次の連絡をいつごろもらえるかも聞いておきます。直る時期がまだ分からなくても、次に連絡が来る時刻が分かれば、お客様への案内を決められます。

連絡がつかないとき

制作会社に電話がつながらない、メールの返事が来ない。急いでいるときほど焦りますが、慌てて別の会社に作り直しを頼んだり、契約を解約したりしないでください。名義や控えを確かめる順番を飛ばすと、取り戻せるものまで手放すことがあります。連絡がつかない状態が続くときの進め方は 制作会社と連絡が取れなくなったときに、まずやること に書きました。

7. 直るまでのあいだ、お客様に連絡先を届ける

サイトの修理そのものは、管理している相手に任せるしかありません。その間に貴社でできるのは、サイトを見に来たお客様が、別の道で連絡できるようにしておくことです。

電話番号を、サイト以外の場所に出す

サイトが開かないと、お客様は電話番号も営業時間も確かめられません。代わりになるのは、すでに持っているほかの入口です。

  • Googleビジネスプロフィール ― 電話番号と営業時間が正しいかを確かめ、必要なら「ホームページが見られない状態です。お問い合わせはお電話で」と投稿する
  • SNSのプロフィールと投稿 ― プロフィール欄に電話番号を出し、短く一言投稿する
  • 電話の受け方 ― 問い合わせが電話に寄るので、取れない時間の受け方を決めておく

サイトが開かなかったお客様が会社名で検索し直すと、地図の情報が目に入ります。ここの電話番号が正しければ、連絡の道は切れません。サイトより先に、まずここを確かめてください。

書く文面は、短く

知らせの文面は、長くしないでください。たとえばこのくらいです(電話番号は架空です)。

「現在、ホームページが表示されにくくなっています。お問い合わせは、お電話(000-000-0000)でお受けしています。」

原因の説明は要りません。お客様が知りたいのは、どうすれば連絡できるかです。急な知らせの出し方と、元に戻ったあとに消す手順は、台風や急な休業のとき、ホームページで何を知らせるか と同じ考え方で進められます。

問い合わせフォームが止まっていた場合

フォームが動いていなかった間に、送ってくれた人がいたかもしれません。届いていない以上、こちらからは誰なのか分かりません。取れる手段の1つは、サイトが戻ったあと、しばらく「〇日から〇日までにフォームでお問い合わせいただいた方は、お手数ですがもう一度ご連絡ください」と出しておくことです。

直ったら、知らせを消して記録を残す

サイトが戻ったら、GoogleビジネスプロフィールやSNSに出した知らせを消します。「表示されにくい」という知らせが残ったままだと、直ったあとも、見た人を迷わせ続けます。

最後に、いつ気づいて、何が原因で、いつ直ったか、誰に連絡したかを短く記録しておきます。次に同じことが起きたとき、この記録がそのまま手順になります。

8. 雄喜晃の伴走:開かないときの窓口を、1つにしておきます

私たち雄喜晃がお作りするサイトでは、サーバー・独自ドメイン・SSL・保守を月額の中に含めています。契約先が何社にも分かれていないので、開かないと気づいたときの連絡先は私たち1か所です。

私たちがやること

  • ご連絡を受けて、原因を調べる ― 画面の写真と、いつ・どこから見たかを送っていただければ、こちらで調べて、分かったことと分かっていないことを分けてお伝えします
  • 更新の期限を、こちらで持つ ― ドメインとサーバーとSSLは月額に含まれるので、貴社で更新の手続きをしていただく必要はありません
  • お客様向けの知らせを出し、消す ― サイトが戻ったあとの「もう一度ご連絡ください」のような知らせも、月5回までの更新代行の中で出し、不要になったら消します
  • 名義と契約の中身を、先にお話しする ― どこまでが月額に含まれ、解約したらどうなるかを、ご契約の前にお伝えします

料金と条件

料金は制作費0円、月額8,800円(税別)です。6ページ構成のプランは月額13,800円(税別)です。サーバー、独自ドメイン、SSL、保守は月額に含まれ、月5回までの更新代行も同じ月額の中です。

最低契約期間は6ヶ月です。7〜35ヶ月で解約された場合、サイトは非公開になります。36ヶ月以上ご継続いただいた場合は、サイトをお渡しします。

私たちがやらないこと

  • 社内のパソコンやネットワークの修理はしません。「会社の回線だけ開かない」という場合は、社内の機器を見ている業者さんにご相談ください
  • ほかの会社が管理しているサイトの中を、ログインできないまま触ることはしません。いまのサイトが他社の管理であれば、まずそちらへの連絡の仕方を一緒に考えます
  • 原因が分かる前に、いつ直るかをお約束することはしません。分かった時点で、次の連絡の時刻と一緒にお伝えします

実際にお作りしたサイトは 制作実績、料金と条件は ホームページ制作のページ に載せてあります。神戸市北区鈴蘭台を拠点に、2025年10月から活動しています。

「サイトが開かないとき、どこに連絡すればいいのか、社内の誰も知らない」という方は、一度ご相談ください。

9. まとめ:原因を当てるより、範囲と記録を渡す

自社のホームページが開かないと気づいたとき、最初に確かめることは5つです。

  • 自分だけか、誰から見てもか ― 別の端末、携帯電話の回線、社外の人で開いてみる
  • 全部か、一部か ― トップ以外のページと、問い合わせフォームも試す
  • 画面をそのまま撮る ― アドレス欄、言葉の全部、時刻。意味は分からなくていい
  • 期限と、最近の変更 ― 支払いの明細、更新の案内メール、ここ数日で触った人
  • 連絡は電話と文字の両方で、お客様には別の入口を ― 電話番号をGoogleビジネスプロフィールやSNSに出す

原因を突き止めるのは、管理している側の仕事です。気づいた側がやるのは、範囲と記録を正しい相手に渡すこと。それができていれば、最初の連絡で話が前に進みます。

まず、今日できること

何も起きていない今日のうちに、1つだけ確かめておいてください。サイトが開かなくなったら、誰に連絡するのか。会社名と電話番号とメールアドレスを書き出して、社内の誰でも見られる場所に置いておく。それだけで、次に慌てる時間が短くなります。

ぜひ一度、お話を聞かせてください。開かなくなったときの連絡先を、1か所にまとめるところからご一緒します。