1. 「台風の朝、サイトに何も出せなかったんです」
中小企業の経営者の方とお話していて、こんな言葉を聞くことがあります。
「台風が来るというので、前の晩に休むと決めたんです。電話の留守番は切り替えたんですが、サイトには何も出せなくて。翌朝、店の前まで来てくださったお客様がいたと後で聞きました。ログインの仕方を知っている者が、その日は出てこられなかったんです」
急な休業は、前もって予定に入れられません。台風や大雪、設備の故障、急な用事。決めるのは前の晩や当日の朝で、そのときにサイトを触れる人が近くにいるとは限りません。
そして、知らせが出ていないサイトは「いつもどおり開いている」と読まれます。何も書いていないことが、そのまま「営業中」という意味になってしまうのです。
ふだんの営業時間や定休日の書き方は 営業時間・定休日を、ホームページにどう書くか に、毎年決まった時期に忙しくなる商売の回し方は 季節で忙しさが変わる商売の、ホームページの回し方 にまとめました。この記事は、そのどちらにも入らない「急に決まった、いつもと違うこと」の知らせ方だけを扱います。
なお、災害そのものの規模や被害、避難の判断には触れません。安全に関わる情報は、自治体などの公式な発表をご覧ください。
この記事で書くこと
- 急な知らせで、読む人が確かめていること
- トップの最初の画面に、1行で出す方法
- いつまで・何が止まっているか・連絡はどこへ、の書く順番
- 状況が変わったときの書き換え方
- Googleマップ・SNSとそろえ、再開したら消すこと
- 担当者が出社できなくても出せる、平時の段取り
2. 急な知らせで、読む人が確かめていること
先に、知らせを見に来る人が何を知りたいのかを並べておきます。書く中身は、ここから決まります。
今日、開いているのか
いちばん多いのはこれです。お店なら「今から行って開いているか」。事務所なら「今日電話がつながるか」。知りたいのは理由ではなく、今の状態です。
何も書いていないと、お客様は来るか、電話をかけるか、どちらかになります。
いつまで続くのか
次に知りたいのは期間です。今日だけなのか、明日もなのか、再開の見通しが立っていないのか。期間が分からないと、予定を組み直せません。
予約を別の日に動かすか、届く日を待つか。期間が書いてあれば、その判断ができます。
自分の予約・注文・工事は、どうなるのか
すでに貴社と約束がある人は、全体の話より自分の話を知りたがっています。予約は取り消しになるのか。配達は遅れるのか。工事の日は動くのか。
急な日は個別の連絡が間に合わないこともあります。サイトには「ご予約のお客様には、こちらから順にご連絡します」のように、この先どう扱われるかを書いておきます。
どこへ連絡すればいいのか
最後は連絡先です。電話がつながらない日なら、なおさら大事になります。電話がだめならどこへ、いつ返事が来るのか。これが書いてあると、読む人は不安なまま待たずに済みます。
3. トップの最初の画面に、1行で出す
知らせの中身の前に、置く場所を決めます。急な知らせは、トップページを開いてすぐ見える場所に、1行で出します。
いちばん上の帯に置く
置く場所は、ページのいちばん上です。メニューやロゴのすぐ下か上に、横長の帯を1本出します。スクロールしないと見えない場所に置くと、見ない人が出ます。
トップの最初の画面に何を置くかは トップページの最初の画面に、何を置くか に書きました。ふだんはそこに「何の会社か」が来ますが、急な知らせがある日だけは、その上に1行を足します。ふだんの中身を消す必要はありません。
1行で、何が起きているかが分かるように
帯の1行で、いちばん大事なことを言い切ります。たとえば次のような形です。
「10月12日(土)は、台風の接近により臨時休業いたします。13日(日)は通常どおり営業予定です」
これで多くの人は用が済みます。予約の扱いなどは、帯からお知らせのページへつないで書きます。帯に全部を詰めると、スマートフォンでは折り返して日付が読めなくなります。
お知らせのページの使い方は 「お知らせ」の欄に、何を書けばいいか にまとめてあります。急な知らせのときも、詳しい中身の置き場所はお知らせです。
スマートフォンで見たときに、最初に入っているか
急な知らせは、多くの人がスマートフォンで見に来ます。パソコンで見えていても、スマートフォンでは写真の下に押し出されていることがあります。出したら自分のスマートフォンで開き、すぐ日付が読めるかだけ確かめてください。
文字は画像にせず、目立たせすぎない
帯の文字は、画像に焼き込まず、文字として出します。画像だと、書き換えるたびに作り直すことになります。色は1色で足ります。いつもと違う色の帯が1本ある。それだけで、読む人は気づきます。
4. いつまで・何が止まっているか・連絡はどこへ、を先に書く
ここからは、お知らせのページに書く中身です。順番を決めておくと、急いでいても抜けません。
いつまで ― 日付と、更新した時刻
最初に書くのは期間です。「本日」「明日」とは書かず、日付と曜日で書きます。お知らせは、書いた日の翌日にも、検索から来た人にも読まれます。「本日」だけだと、いつの本日か分かりません。
そして、知らせの末尾には更新した日時を書きます。「10月11日 18時更新」。これがあると、読む人はその知らせが今の状態かどうかを判断できます。
何が止まっているか ― 全部か、一部か
急な知らせで多いのは、全部が止まるのではなく、一部だけが止まる場合です。店は開けるけれど時間を短くする。事務所は開いているけれど配達が遅れる。工事の日だけが動く。
ここを「臨時休業」の一言で済ませると、開いているものまで止まっていると思われます。逆に「通常どおり」と書くと、遅れているものが伝わりません。動いているものと、止まっているものを分けて書きます。
連絡はどこへ ― 電話以外の窓口と、返事の目安
最後に連絡先です。電話がつながらない日なら、フォームやメールの窓口を書きます。そしていつ頃返事ができるかを添えます。「お問い合わせフォームは受け付けています。お返事は14日(月)以降、順にいたします」。
返事の目安が書けないときは、書けないと書いて構いません。「再開の日が決まりしだい、このページでお知らせします」。何も書かないより、ずっと待ちやすくなります。
| 知らせの種類 | トップの帯の1行(たとえば) | お知らせのページに書くこと |
|---|---|---|
| 臨時休業 | 「10月12日(土)は臨時休業いたします。13日(日)は通常どおり営業予定です」 | 休む日と、再開の予定日。ご予約のお客様への連絡の仕方。休業中に届いた問い合わせの扱い |
| 営業時間の短縮 | 「10月12日(土)は15時で閉店いたします(最終受付14時30分)」 | 閉める時刻と最終受付の時刻。電話の受付も同じ時刻で止まるかどうか |
| 配達・発送の遅れ | 「10月11日〜13日のご注文は、発送が1〜2日遅れる見込みです」 | どの期間の注文が対象か。店頭や事務所は開いているかどうか。お届け日を変えたい方の連絡先 |
| 工事・訪問の延期 | 「10月12日(土)に予定していた工事・訪問は、延期させていただきます」 | 対象のお客様には個別に連絡すること。新しい日程は決まっていないならそう書き、決まる時期の目安を添える |
どの種類でも、帯の1行は日付で始め、最後に「この先どうなるか」を置くと読みやすくなります。理由は「台風の接近により」「設備の点検のため」のように短く添えれば十分です。
理由は短く、被害の話はしない
理由は、1文で足ります。「台風の接近により」「設備の不具合のため」「やむを得ない事情により」。読む人に必要なのは、理由の詳しさより、この先の見通しです。
地域の被害の様子をサイトに書く必要はありません。正確さを保てないうえに、営業の知らせが見えにくくなります。
決まっていないことは、「決まっていない」と書く
急な日は、分からないことのほうが多いものです。そのときは、分からないことを、分からないと書きます。そのうえで、次にいつ知らせるかを書きます。
「明日以降の営業は、明朝9時までにこのページでお知らせします」。こう書いてあれば、読む人は9時に見に来ればいいと分かります。そして、その時刻には書いたとおりに更新します。
5. 状況が変わったら、同じ場所を書き換える
急な知らせは、1回出して終わりにならないことがよくあります。休みが1日延びた。再開が早まった。時間短縮が休業に変わった。そのときの書き換え方です。
新しいお知らせを、次々に足さない
状況が変わるたびに新しいお知らせを1本ずつ足していくと、一覧に似た題が並びます。読む人は、どれが最新なのか分からなくなります。古いほうを読んで、休みだと思い込む人も出ます。
急な知らせは、1本のお知らせを書き換えていく形にします。題には日付を入れ、本文のいちばん上を最新の状態にします。前の状態は、下に「10月11日 18時時点のお知らせ」として残しても構いません。
帯の1行も、同じ日に書き換える
お知らせを書き換えたら、トップの帯の1行も合わせて直します。帯とお知らせで言っていることが違うのは、いちばん困る状態です。帯には「13日は営業予定」、お知らせには「13日も休業」。読む人は、どちらを信じればいいか分かりません。
片方を忘れそうなら、帯は「臨時休業中。詳しくはこちら」だけにして、日付はお知らせの1か所に寄せる手もあります。
問い合わせが届いたときの扱いも、知らせに合わせる
フォームの受付メールに「2営業日以内にお返事します」と書いてある場合、休業中はその約束が守れません。長く止まりそうなときは、受付メールかお知らせに「休業中のお問い合わせは、再開後に順にお返事します」と1行足しておきます。
6. Googleマップ・SNSとそろえ、再開したら消す
ホームページだけ直しても、知らせは届ききりません。お客様が今の状態を確かめる場所は、ほかにもあるからです。
Googleマップの臨時休業と、特別営業時間
地図アプリで店を探した人は、ホームページを開かずに、Googleマップに出ている「営業中」の表示を見て動きます。Googleビジネスプロフィールには、臨時休業の設定と、特定の日だけ営業時間を変える設定があります。サイトに知らせを出したら、同じ日に入れてください。
手順は変わることがあるので、そのときの案内で確かめてください。サイトと休みの日・時刻が同じであることが大事です。
Googleマップの「投稿」で知らせを出す方法もあります。投稿の使い方は Googleマップの「投稿」は、使ったほうがいいのか にまとめました。急な知らせの場合も、投稿からホームページのお知らせへつなぐ形にしておくと、書き換えるのは1か所で済みます。
SNSは、ホームページと同じ文面で
SNSでも知らせるなら、文面はホームページのお知らせと同じにします。SNSでは「今日はお休みします」、サイトでは「12日は休業、13日は営業予定」。媒体ごとに言い方が違うと、読む人は迷います。
正しい情報の置き場所はホームページにして、SNSにはその要約とリンクを載せます。状況が変わったら、新しい投稿で「最新はこちら」と書き足します。
電話の留守番メッセージも、そろえる
見落としやすいのが電話です。留守番電話のメッセージを休業用に切り替えたら、その文面もサイトと同じ日付にしておきます。電話で「13日から営業します」と言っていて、サイトでは「14日から」では、どちらも信用されません。
再開したら、その日のうちに消す
ここがいちばん大事です。再開したあとも、トップに休業の帯が残っている。これが、急な知らせでいちばんまずい状態です。
台風の翌週に「臨時休業」と出ていたら、読む人は今も休んでいるのかと迷い、更新されていないサイトだと受け取ります。休業の知らせは、出したときより消し忘れたときのほうが、損が長く続きます。
再開した日に消すのは、次の場所です。
- トップの帯 ― 外します。外し方を、出したときに確かめておきます
- Googleマップの臨時休業・特別営業時間 ― 臨時休業の設定は、外さないと休業のまま表示されることがあります
- SNSのプロフィールや固定した投稿 ― 固定していたら、外します
- 電話の留守番メッセージ・受付メールの文面 ― いつもの文面に戻します
お知らせのページは、消さずに残して構いません。いちばん上に「10月13日(日)から通常どおり営業しています」と1行足して、記録として残します。消すのは目立つ場所の知らせだけです。
7. 担当者が出社できなくても出せる段取りを、平時に決めておく
冒頭の経営者の方のつまずきは、文面ではありませんでした。出せる人が、その場にいなかったことです。急な日に慌てないために、何も起きていない日に決めておくことを並べます。
誰が出すかを、2人決めておく
知らせを出せる人を、少なくとも2人決めておきます。1人だと、その人が休みの日や、出てこられない日に止まります。急な休業は、まさにその人が出てこられない日に起きやすいものです。
2人目は、経営者ご本人でも構いません。
スマートフォンから出せるかを、試しておく
急な日は、事務所のパソコンの前にいないことが多いはずです。スマートフォンから帯を出し、お知らせを書けるかどうかを、平時に一度試してください。
試すときは、実際に出して、自分のスマートフォンで確かめて、消すところまでやります。ログインの画面で止まる、2段階の確認のコードが事務所のパソコンにしか届かない。こうしたつまずきは、試してみないと分かりません。
自分で触るのが難しい場合は、スマートフォンから頼み先に送るだけで済む形にしておく手もあります。送り先と送り方の決め方は パソコンが苦手でも、ホームページの更新を止めない方法 に書きました。
ひな形の文面を、スマートフォンに入れておく
文面は、急な日に一から考えると時間がかかります。前の章の表のようなひな形を、日付の部分だけ空けて、出す人のスマートフォンのメモに入れておきます。臨時休業、時間短縮、配達の遅れ、工事の延期。貴社で起きそうな種類の分だけで足ります。
出す人は、決めておいた2人のどちらか。スマートフォンのメモからひな形を写し、日付と時刻だけ入れます。帯の1行と、お知らせの本文を同じ日付にします。
Googleマップの臨時休業か特別営業時間を入れます。SNSには要約とリンク、電話は留守番の文面を切り替えます。どこを見ても、同じ日付が出ている状態にします。
新しいお知らせは足さず、いちばん上を最新にします。帯の1行と、Googleマップの設定も合わせて直します。
帯、Googleマップの設定、SNSの固定、留守番の文面を元に戻します。お知らせには「通常どおり営業しています」を1行足して残します。
流れは、どの種類の知らせでも同じです。出す人・出す場所・消す場所を先に決めておけば、急な日にやることは日付を入れるだけになります。
年に一度、段取りを見直す
段取りは、放っておくと古くなります。出す人が異動した、Googleマップの管理者が前の担当者のままだった。急な日に初めて気づくのが、いちばん困ります。台風の時期の前など、毎年決まった時期に、2人がログインできるか、ひな形が今の営業時間と合っているかだけを見直します。
8. 雄喜晃の伴走:急な知らせを、出せる形にしておきます
私たち雄喜晃がホームページを作るときは、急な知らせを出す場所を、ふだんから用意しておくようにしています。何も起きていない日に決めておけば、急な日にやることは少なくなります。
私たちがやること
- トップの帯を、すぐ出せる形で作っておく ― ふだんは隠れていて、文面を入れれば最初の画面のいちばん上に出る形にします
- ひな形の文面を、一緒に作る ― 貴社で起きそうな知らせの種類を伺い、日付だけ入れれば出せる文面にします
- スマートフォンから送るだけで済む形にする ― 日付と一言を送っていただければ、帯とお知らせに反映します
- 再開したら、消すところまでやる ― 帯を外し、お知らせに「通常どおり営業しています」を足します
料金と条件
料金は制作費0円、月額8,800円(税別)です。6ページ構成のプランは月額13,800円(税別)です。サーバー、独自ドメイン、SSL、保守は月額に含まれます。月5回までの更新代行も同じ月額の中なので、知らせを出す、書き換える、消す、の作業もこの回数の中でお受けします。
最低契約期間は6ヶ月です。7〜35ヶ月で解約された場合、サイトは非公開になります。36ヶ月以上ご継続いただいた場合は、サイトをお渡しします。
私たちがやらないこと
- 休業するかどうか、どこまで営業するかは決めません。それは現場と経営の判断です。私たちは、決まったことを読む人に伝わる形で出すところを担当します
- 災害の状況や被害の情報を、貴社のサイトで発信することはしません。書くのは貴社の営業のことだけです
- 連絡をいただいた瞬間に反映することは、お約束できません。夜中や早朝の急な知らせに備えて、Googleマップや電話の留守番のように、貴社の手元で切り替えられる手段も一緒に整えておくことをおすすめしています
実際にお作りしたサイトは 制作実績、料金と条件は ホームページ制作のページ に載せてあります。神戸市北区鈴蘭台を拠点に、2025年10月から活動しています。
「急に休むことになったとき、サイトに何も出せない」という方は、一度ご相談ください。
9. まとめ:1行で出し、同じ場所を直し、再開した日に消す
台風や急な休業のときに、ホームページで押さえることは5つです。
- トップの最初の画面に、1行で出す ― いちばん上の帯に、日付で始まる1行。スマートフォンで見えるかを確かめる
- いつまで・何が止まっているか・連絡はどこへ、を先に書く ― 「本日」ではなく日付で。動いているものと止まっているものを分ける
- 状況が変わったら、同じ知らせを書き換える ― 新しいお知らせを足さず、更新時刻を入れる
- Googleマップ・SNS・電話とそろえ、再開した日に消す ― 残ったままの休業の知らせが、いちばんまずい
- 出す人と段取りを、平時に決めておく ― 2人、スマートフォンから、ひな形つきで
急な知らせは、文面より段取りで決まります。何も起きていない日に一度だけ試しておけば、急な日にやることは日付を入れるだけになります。
まず、今日できること
ご自分のスマートフォンから、ホームページの管理画面にログインできるかを試してみてください。できなければ、それが最初に直すところです。できたら、臨時休業のひな形を1行だけ、メモに書いておいてください。
ぜひ一度、お話を聞かせてください。貴社で起きそうな急な知らせを、出せる形にしておくところからご一緒します。