1. 「管理画面を開くと、何をしていいか分からなくて」

中小企業の経営者の方とお話していて、こんな言葉をよく聞きます。

「作ったときに、更新の仕方は教えてもらったんです。でも半年ぶりに開いたら、どこを押せばいいか全然分からなくて。壊したら怖いので、そのまま閉じました。パソコンは苦手なんですよ」

この話をされる方は、たいてい申し訳なさそうにおっしゃいます。ですが、パソコンが苦手なことは、更新が止まる理由ではありません。止まっているのは、苦手な人でも回る形が決まっていないからです。

更新には、いくつかの作業が混ざっています。写真を撮る、何を載せるか決める、文章に整える、管理画面に入れて公開する。苦手な人がつまずくのは、たいてい最後の「管理画面に入れる」ところです。ならば、そこだけを手放せば、更新は続きます。

この記事で書くこと

  • 苦手な人が更新を止める、本当の場所
  • 自分で触る仕事と、触らない仕事の分け方
  • スマートフォンから送るだけで済む形と、送る内容の型
  • 頼み先への依頼の仕方
  • 触るなら最小限にする範囲と、パスワードや権限の持ち方

誰が・いつ更新するかという社内の決め方は 更新を続けられる会社と、止まる会社の違い に、何を書けばいいかは 「お知らせ」の欄に、何を書けばいいか にまとめました。この記事は、操作が苦手な人が主役の話です。

2. 苦手な人が更新を止める、本当の場所

まず、どこで止まっているかを見ます。苦手な方のお話を伺うと、止まる場所はだいたい決まっています。

ログインの段階で止まる

いちばん多いのは、入口で止まることです。管理画面のアドレスが分からない。IDとパスワードが分からない。作ったときに聞いたはずが、どこに控えたか思い出せない。

ここで止まると、中身を書く前に一日が終わります。そして「また今度」になり、次に思い出すのは数ヶ月後です。

壊すのが怖くて止まる

次は、触るのが怖いという段階です。管理画面には、押すと何が起きるか分からないボタンが並んでいます。間違えてページを消したらどうしよう。そう思うと、手が動きません。

これは臆病なのではなく、正しい感覚です。仕組みを知らないまま触れば、実際に壊れることがあります。怖いと感じる人に、無理に触らせる必要はありません。

手順を忘れて止まる

3つ目は、手順を忘れることです。更新は毎日の作業ではありません。月に1回、季節に1回となると、前回の手順は次のときには思い出せません。

これも当然のことです。年に数回しかやらない作業の手順を覚えていられる人は、そう多くありません。

詳しい1人に集まって止まる

最後は、社内で少し詳しい人に全部が集まる形です。その人が忙しい時期や、休んでいる時期は、更新が全部止まります。辞めてしまうと、ログインの方法ごと会社から消えます。

4つとも、本人の能力の問題ではありません。操作を、操作の苦手な人に任せているという形の問題です。

3. 自分で触る仕事と、触らない仕事を分ける

ここからが本題です。更新の作業を分けて、苦手な人がやる部分を小さくします。

更新は、3つの作業に分かれる

更新と呼んでいる作業は、実は3つに分かれます。

  • 材料を用意する ― 写真を撮る。何があったかを一言で書く
  • 文章に整える ― 一言を、読む人に分かる文章に直す
  • サイトに載せる ― 管理画面に入れて、公開し、表示を確かめる

このうち、社内にしか無いのは1つ目だけです。現場で何があったか、どんな写真があるかは、貴社の中の人しか知りません。2つ目と3つ目は、外の人でもできます。

ですから、苦手な人がやるのは1つ目だけで構いません。材料を用意して、送る。そこから先は、頼み先か、社内で操作に慣れた人が引き受けます。

何を誰がやるかを、種類ごとに決めておく

更新の種類ごとに、誰がやるかを先に決めておくと迷いません。

表:更新の種類ごとに、誰が何をやるかを決めておく(例は架空。分け方は貴社の体制に合わせてください)
更新の種類苦手な人がやること載せる作業は誰が
休業・営業時間のお知らせたとえば「8月13日〜16日は休みます」と一言送る頼み先。急ぐので、送る日を決めておく
終わった仕事の報告現場の写真を2〜3枚と、何の仕事だったかを一言送る頼み先。文章に整えてから載せる
料金や電話番号の変更何を、いつから、何に変えるかを送る頼み先。自分では触らない。載っている場所が複数あるため
トップの写真の差し替え使いたい写真を送る頼み先。写真の向きや大きさを合わせる必要がある
新しいページを足す何のページか、載せたいことを話す頼み先と相談。更新ではなく制作として考える

苦手な人がやることは、どの行も送る・話すだけです。料金や電話番号のように、サイトの何か所にも載っている情報は、自分で直すと直し漏れが出やすいので、触らないほうに分けておきます。

自分で作るか頼むかとは、別の話

ここで言っているのは、作ったあとの更新の分け方です。そもそも自分で作るか、制作会社に頼むかの判断は ホームページを自分で作るか、頼むか に書きました。自作したサイトでも、操作が得意な人に載せる作業を渡すという分け方はそのまま使えます。

4. スマートフォンから、送るだけで済む形

分け方が決まったら、送る形を決めます。苦手な人にとって大事なのは、パソコンを開かずに済むことです。

送り先を、1つに決める

まず、送り先を1つに決めます。メールアドレスでも、普段使っているメッセージの宛先でも構いません。大事なのは、更新の材料はここに送るという場所が1つだけあることです。

送り先が人によって違ったり、日によって違ったりすると、届いたかどうかが分からなくなります。「あの写真、誰に送ったかな」が起きると、それだけで次から送られなくなります。

送る手段は、送る人が普段使っているもの

送る手段は、送る人が普段から使っているものに合わせてください。新しい手段を覚えてもらうと、そこでまた止まります。

家族や取引先とのやり取りに使っている手段があるなら、それが一番です。写真を送る操作は、普段からやっているはずです。新しい操作を1つも増やさないことが、続けるための条件です。

写真は、撮ったまま送ってよい

写真の大きさや向きは、気にせず撮ったまま送ってもらって構いません。縮める、切り取る、明るさを直すのは、載せる側の仕事です。

送る側が「この写真で大丈夫かな」と迷い始めると、送るのが遅れます。迷ったら全部送ってもらい、選ぶのは載せる側でやる。そう決めておくと、送る側の負担が減ります。撮るときのコツは ホームページの写真を、社内のスマートフォンで撮る にまとめました。

「届きました」を返す

送ったら、受け取った側が短く返事をします。「届きました。〇日までに載せます」の一言です。

これがないと、送った人は届いたのかどうか分かりません。分からないまま次も送るのは、なかなか気が進まないものです。返事が来ると、送った人は「送れば載る」と分かります。その手ごたえが、次の1件につながります。

5. 送る内容の型:写真と一言

送る形が決まったら、送る中身の型を決めます。型があると、何を書けばいいかで迷わなくなります。

写真と、一言だけ

型はこれだけです。写真を1〜3枚と、一言。一言には、次の3つが入っていれば十分です。

  • 何を ― 何の仕事か、何があったか
  • どこで ― 地域や場所(お客様の名前は入れない)
  • いつ ― 日付や時期

たとえば、架空の例ですが「北区で、お風呂の手すりを付けました。先週の火曜です」。これで足ります。文章に整えるのは、受け取った側の仕事です。送る側は、話し言葉のままで構いません。

どこに載せたいかを、一語添える

もう1つ添えるなら、どこに載せたいかです。「お知らせに」「実績に」「トップの写真に」。一語あるだけで、載せる側が迷いません。分からなければ「どこでもいいです」で構いません。

図:スマートフォンで送ってから、サイトに載るまで(例は架空)
① 現場で撮る

仕事が終わったら、その場でスマートフォンで2〜3枚撮ります。お客様の顔、表札、車のナンバーは写さないように気をつけます。

▼
② 一言を添えて、決まった送り先へ送る

「北区で、お風呂の手すりを付けました。先週の火曜です。実績に」。話し言葉のままで構いません。送り先は1つだけに決めてあります。

送る人の作業は、ここで終わりです
▼
③ 受け取った側が「届きました」と返す

「届きました。金曜までに載せます」と短く返します。写真を選び、向きと大きさを整え、一言を読む人に分かる文章に直します。

▼
④ 載せて、アドレスを送り返す

公開したら、載せたページのアドレスを送った人に返します。送った人は自分のスマートフォンで開いて見るだけです。違っていたら、その返事に一言書けば直ります。

「送れば載る」と分かると、次の1件が出てきやすくなります

送る人がやるのは①と②だけです。管理画面に入る人は、③と④を受け持つ1人に絞ります。操作の苦手な人が、操作の工程に一度も入らない形にしておくのが要点です。

送ってはいけないもの

型と一緒に、送ってはいけないものも決めておきます。

  • お客様が写っている写真 ― 載せる許可をもらっていないもの
  • お客様の名前や住所が分かるもの ― 表札、伝票、車のナンバー
  • 他人が撮った写真や、ネットで拾った画像 ― 権利が貴社に無いもの

迷う写真は、送る前に一言「これは載せていいか分からない」と添えてもらえば十分です。判断は受け取る側でします。写真や個人情報の扱いの決まりは業種によっても違うので、気になる場合は専門家に確認してください。

6. 頼み先への、依頼の仕方

載せる作業を外に頼む場合の、頼み方です。ここが曖昧だと、往復が増えて、結局止まります。

1回の連絡に、1件

依頼は、1回の連絡に1件にしてください。休業のお知らせと、実績の追加と、電話番号の変更を1通にまとめると、どれかが抜けやすくなります。件名や最初の一行で、何の依頼かが分かるようにします。

「いつまでに」を書く

休業のお知らせのように、期限があるものは期限を書きます。「〇日までに載っていると助かります」の一言です。期限の無い依頼は、後回しにされても文句が言えません。

「いい感じに」ではなく、何をどう変えるか

料金や営業時間の変更は、何を、いつから、何に変えるかを書きます。

「電話の受付時間を、10月1日から『9時〜17時』に変えたいです。今は『9時〜18時』になっています」

架空の例ですが、このくらい具体的なら一度で終わります。「受付時間を直しておいてください」だけだと、確認の往復が1回増えます。

文章を直してもらってよいか、先に決めておく

送った一言を、どこまで直してもらってよいかを先に伝えておきます。「文章はお任せします。数字と日付だけは変えないでください」のように決めておくと、毎回の確認が要らなくなります。

確認が毎回必要な場合は、確認する人を1人に決めてください。何人も確認すると、そのぶん遅れます。

載ったら、自分のスマートフォンで見る

載ったら、送った人が自分のスマートフォンで見ます。パソコンでなくて構いません。お客様と同じ画面で確かめられるからです。違っていたら、その返事に一言書けば済みます。

7. 触るなら最小限に。そして、パスワードと権限の持ち方

ここまでは、触らない前提の話でした。ただ、「急ぎのお知らせくらいは自分で出したい」という方もいます。その場合の触り方と、ログインの情報の持ち方を書きます。

触るのは、1つの作業だけに絞る

自分で触るなら、作業を1つだけに絞ります。たとえば「お知らせを1件足す」だけ。写真の差し替えも、ページの修正も、それ以外は触りません。

1つだけなら、手順も1つで済みます。手順は画面の写真を並べた1枚にまとめ、どこを押すかに印を付けておきます。半年ぶりでも、それを見れば思い出せます。

権限を、できることだけに絞る

管理画面によっては、人ごとにできることを分けられます。触る人には、お知らせを書くことはできても、ページを消したり設定を変えたりはできない権限を渡してもらってください。

できることが限られていれば、間違えても大きくは壊れません。壊す心配が減れば、触る怖さも減ります。下書きまでは自分で書き、公開は頼み先が確かめてから、という分け方もできます。管理画面の仕組みそのものの選び方は WordPressか、それ以外か ― 中小企業のための判断軸 にまとめました。

パスワードは、会社として持つ

パスワードの扱いは、苦手な方ほど危ない形になりがちです。次の3つは避けてください。

  • 紙に書いて、机やパソコンに貼る ― 見た人なら誰でも入れる状態になります
  • メールやメッセージに、そのまま書いて送る ― 送った履歴に、ずっと残ります
  • 1つのIDとパスワードを、何人かで使い回す ― 誰が何をしたか分からず、辞めた人も入れたままになります

代わりに、触る人ごとに自分のIDを作ってもらうのが基本です。パスワードは、会社で使うパスワードの管理の仕組みにまとめるか、扱いに慣れた人に管理を任せます。ログインのときにスマートフォンでもう一段確かめる設定(2段階の確認)が使えるなら、それも入れてもらってください。その確認を受けるのは、個人の端末ではなく会社の端末にしておくと、人が辞めたときに困りません。

いちばん上の権限は、経営者が持つ

最後に、権限の持ち主です。サイトのいちばん上の管理者、ドメインの名義、サーバーの契約者。この3つは、会社の名義で、経営者が把握しておいてください。操作ができなくても構いません。誰の名義で、どこにあるかを知っていることが大事です。

把握するのは、パスワードそのものではなく「何が、誰の名義で、誰が触れるか」の一覧です。社員が辞めたときは、その一覧を見て、その人のIDを止めます。頼み先と連絡が取れなくなったときに困らないための備えは 制作会社と連絡が取れなくなったときに、まずやること に書きました。

8. 雄喜晃の伴走:送っていただければ、載せるところまでやります

私たち雄喜晃のホームページ制作は、貴社の方に管理画面の操作を覚えていただくことを前提にしていません。写真と一言を送っていただければ、整えて載せるところまでこちらで引き受けます。

私たちがやること

最初に、送り先と送り方を決めます。誰が送るか、どんな手段なら普段から使っているかを伺い、それに合わせます。送る内容の型(写真と一言、どこに載せたいか)もお渡しします。

届いた材料は、写真を選んで整え、一言を読む人に分かる文章に直し、ページに載せます。載せたら、そのページをお知らせします。月5回までの更新代行が月額に含まれているので、お知らせ、実績、営業時間の変更といった日々の更新は、この中でお受けしています。

料金と条件

料金は制作費0円、月額8,800円(税別)からです。6ページ構成のプランは月額13,800円(税別)です。サーバー、独自ドメイン、SSL、保守はすべて月額に含まれます。

最低契約期間は6ヶ月です。7〜35ヶ月で解約された場合、サイトは非公開になります。36ヶ月以上ご継続いただいた場合は、サイトをお渡しします。

私たちがやらないこと

先に書いておきます。パスワードを、紙やメールの本文でやり取りすることはしません。また、送っていただいた一言を、事実と違う内容に膨らませて載せることもしません。数字や日付は、いただいたとおりに載せます。

お客様が写った写真や、お名前が分かるものは、載せる許可が確かめられるまで載せません。更新を続けることで検索の順位が上がる、問い合わせが増えるとお約束することもいたしません。

実際にお作りしたサイトは 制作実績、料金と条件は ホームページ制作のページ に載せてあります。神戸市北区鈴蘭台を拠点に、2025年10月から活動しています。

「パソコンが苦手で、更新が止まったままになっている」という方は、一度ご相談ください。

9. まとめ:操作は手放して、材料だけを送る

パソコンが苦手でも、ホームページの更新を止めないために押さえることは、5つです。

  • 更新を3つに分ける ― 材料を用意する、文章に整える、載せる。社内にしか無いのは材料だけ
  • 送り先を1つにして、スマートフォンから送る ― 送る手段は普段使っているもの。写真は撮ったままでいい
  • 写真と一言の型で送る ― 何を・どこで・いつ。お客様が分かるものは送らない
  • 依頼は1回に1件、期限と変える中身を書く ― 直してよい範囲を先に決めて、往復を減らす
  • 触るなら1つの作業だけ、IDは1人1つ ― パスワードは紙に貼らず、送らず、使い回さない。いちばん上の権限は会社で持つ

更新が止まるのは、パソコンが苦手だからではありません。苦手な人が、苦手な作業まで抱えているからです。操作を手放せば、材料は社内にいくらでもあります。

今日できることを1つだけ挙げます。最近終わった仕事の写真を1枚選んで、何の仕事だったかを一言添えてみてください。それがそのまま、次の更新の材料になります。

ぜひ一度、お話を聞かせてください。貴社の方が無理なく送れる形を決めるところから、ご一緒します。