1. 「うちの文章が、そっくりそのまま載っていたんです」

ホームページを持っている経営者の方から、こんなご相談を受けることがあります。

「同業の会社のサイトを見ていたら、うちの会社案内の文章とほとんど同じ文が載っていたんです。施工事例の写真も、どう見てもうちが撮ったものでした。すぐ電話して文句を言おうかと思ったんですが、何から手をつければいいのか」

時間をかけて書いた文章や、現場で撮った写真が、知らない会社のサイトに載っている。腹が立つのは当然です。すぐに電話をかけたくなるお気持ちも分かります。

ただ、最初の1日は、怒るより記録を残すほうが、あとで効きます。相手に連絡した翌日に、そのページが消えたり書き換えられたりすることがあるからです。記録がなければ、「載っていた」ことを示す材料がなくなります。

この記事で書くこと

  • 見つけた日に、やらないほうがいいこと
  • 記録の残し方(画面の保存・日付・URL)
  • 相手に連絡する前に確かめること
  • 落ち着いた連絡の仕方と、文面の型
  • 検索エンジンやサーバー会社への申し立ての窓口
  • 自社が真似していないかの確認と、日頃の備え

先にお断りしておきます。真似されたことが権利の侵害にあたるか、相手に何を求められるか、損害がいくらかといった判断は、この記事では扱いません。ケースによって大きく違うので、弁護士など専門家に相談してください。ここで書くのは、専門家に相談する前に、貴社の側で整えておけることです。

2. 見つけた日に、やらないほうがいいこと

先に、慌ててやりがちなことを3つ挙げます。どれも、気持ちとしては自然なものです。

すぐに強い言葉で連絡する

見つけた勢いで電話をかけ、「盗用だ」「訴える」と伝える。これをやると、相手はまず身を守る方向に動きます。ページを消して「最初からなかった」と言うかもしれませんし、話し合いの余地がなくなるかもしれません。

相手が、自分のサイトに何が載っているかを知らないこともあります。サイトの制作を外に頼んでいて、制作した側が勝手に流用していた、ということもあるからです。最初の連絡で決めつけると、本来は話が早く済んだはずの相手とも、こじれてしまいます。

SNSで、相手の名前を出して書く

「この会社にパクられました」と、相手のサイトの画面を添えてSNSに書く。気持ちは分かりますが、おすすめしません。書いた内容によっては、今度は貴社が責められる側に回ることがあります。広まった投稿は、あとから消しても取り消せません。

自社のページを、先に直したり消したりする

意外に多いのがこれです。真似されたのが悔しくて、自社の文章を書き換えたり、写真を差し替えたりする。これをやると、どちらが先に載せていたかを示す材料が、自分の側から消えます。自社のページは、記録を残し終えるまで触らないでください。

3. まず、記録を残す

見つけたら、その日のうちに記録を残します。ここが、この記事でいちばん大事なところです。

残すもの

残すものは、相手の側と自社の側の両方です。相手のページだけでは、どちらが先かが分かりません。

表:見つけた日に残すもの(例はすべて架空)
残すものどう残すかなぜ要るか
相手のページの画面ページの上から下までを保存する。スマートフォンの画面の写真でもよい。たとえば、文章の載っている部分と、会社名の載っている部分の両方相手がページを直したり消したりしても、載っていたことが残る
相手のページのURL「https://」から始まる住所を、そのまま書き写す。画面の写真に写っていなければ別に控える申し立ての窓口でも、専門家への相談でも、まず聞かれる
見つけた日時いつ、誰が、どの端末で見たか。たとえば「〇月〇日10時、代表が事務所のパソコンで」画面の保存と合わせて、その日時に載っていたことを示す
自社の元のページ真似された文章や写真が載っている自社のページを、同じように保存する並べて見せると、どこが同じかがひと目で伝わる
自社が先だった材料公開した日が分かるお知らせ、制作会社とのやり取りのメール、写真の元のファイル、原稿の下書き相手の画面だけでは、どちらが先かが分からない

上の4行は、見つけた日のうちに済ませます。いちばん下の行は、数日かけて探して構いません。相手に連絡するのは、この表が埋まってからです。

画面の保存は、日付が分かる形で

画面を保存するときは、日付と時刻が一緒に残る形にしてください。パソコンの画面全体を撮れば、画面の端の時計も写ります。スマートフォンで撮った写真には、撮った日時が記録されます。

写真に撮るのが難しい長いページは、ブラウザの印刷の機能で、PDFとして保存する方法もあります。どの方法でも、撮ったファイルは名前を変えず、加工もせずに、1つのフォルダにまとめておきます。

時系列のメモを、1枚つくる

記録とは別に、何をいつやったかのメモを残してください。「〇日、相手のページを発見」「〇日、画面を保存」「〇日、制作会社に公開日を確認」。この程度で構いません。サイトのトラブルで記録を残す考え方は、ホームページが改ざんされたかもしれないときに、まずやること にも書いてあります。場面は違っても、残し方は同じです。

4. 相手に連絡する前に確かめること

記録がそろったら、すぐに連絡したくなります。その前に、確かめておきたいことが4つあります。

① 本当に、自社のものか

まず、真似されたと思っているものが、本当に貴社だけのものかを確かめます。写真がフリー素材だった、文章のひな形を制作会社が複数の会社に使っていた、ということは実際にあります。

この場合、相手も同じ素材を正当に使っているだけかもしれません。制作を外に頼んだのであれば、その写真と文章を誰が用意したのかを、制作会社に一度確かめてください。権利が誰にあるかの考え方は ホームページの写真と文章、権利はどうなっているか に整理してあります。

② 自社が、先に載せていたか

次に、どちらが先に載せていたかです。貴社の公開日が分かる材料を、先ほどの表のいちばん下の行で集めました。相手のほうが先に載せていた可能性がないかも、念のため考えてください。

③ 相手は誰か

相手のサイトの会社概要や、運営者の表示を確かめます。会社名、住所、連絡先。サイトを運営しているのが誰かが分からない場合は、相手に直接連絡するより、後で書く申し立ての窓口を使うほうが話が早いことがあります。

④ どのくらい同じか

最後に、どのくらい同じかを見ます。文章なら、一文まるごと同じなのか、言い回しを少し変えたものなのか、内容が似ているだけなのか。写真なら、同じ写真そのものなのか、似た構図で撮ったものなのか。

どこからが問題になるかの判断は、専門家の領域です。ここでは判断せず、同じ部分に印をつけて、並べられるようにしておくだけで十分です。

自社のサイトも、同じ目で見直す

相手に連絡する前に、もう1つやっておきたいことがあります。貴社のサイトに、他社のものを借りた部分がないかを見直すことです。

以前の担当者がどこかから持ってきた写真、他社のサイトを参考に書いた文章、出所を確かめないまま使っている画像。生成AIに書かせた文章が、他社の文章とよく似てしまうこともあります(ホームページの文章を、AIにどこまで書かせていいか)。

自社にも同じようなところがあると、相手に指摘したときに、逆に指摘を返されることがあります。指摘する前に、自社の側をきれいにしておく。これは、話し合いを落ち着いて進めるための準備でもあります。

5. 落ち着いた連絡の仕方

確かめ終わって、相手に直接連絡すると決めたら、文面で連絡します。電話は、言った言わないになりやすいので避けたほうが無難です。

最初は、確認のお願いとして

最初の連絡は、責める文ではなく、確認をお願いする文にします。相手が事情を知らない可能性があるからです。たとえば、こういう形です(例は架空です)。

「突然のご連絡失礼いたします。株式会社〇〇の〇〇と申します。貴社ホームページの『会社案内』のページに、弊社サイトで〇年〇月から公開している文章と同じ内容が掲載されているのを拝見しました。該当箇所を並べたものを添付いたします。お手数ですが、掲載の経緯をご確認いただき、〇月〇日までに、削除または差し替えのご対応についてご返信いただけますでしょうか」

文面のポイント

この型のポイントは3つです。

  • 事実だけを書く ― どのページの、どの部分が、自社のどの部分と同じか。並べた画像を添えます
  • 求めることを1つにする ― 最初は「削除または差し替え」だけにします。謝罪の要求や、お金の話は入れません
  • 期限を、常識的な幅で書く ― 相手が制作会社に確認する時間を見込んで、短すぎない日付にします

反対に、書かないほうがいいこともあります。「著作権の侵害です」「法的な措置を取ります」のような断定や、金額の話です。法的な言葉を使うのは、専門家に相談してからにしてください。自分で判断して書いた一文が、あとの話し合いで不利に働くこともあります。

返事がないとき、断られたとき

期限を過ぎても返事がない、あるいは「真似していない」と返ってきた場合は、自社だけで押し続けないでください。ここが、弁護士など専門家に相談する区切りです。集めた記録と、送った文面と、相手の返事を持って相談に行けば、話が早く進みます。

6. 検索エンジンやサーバー会社への申し立て

相手に直接連絡する方法のほかに、別の窓口もあります。相手が誰か分からないときや、連絡しても応じてもらえないときに使います。

申し立ての窓口がある

大きく分けて、2つの窓口があります。

  • 検索エンジンの窓口 ― 検索エンジンの多くは、権利を侵害しているページを検索結果から外してほしい、という申し立てを受け付けています
  • サーバー会社の窓口 ― 相手のサイトを置いているサーバー会社の多くは、権利侵害についての連絡を受け付ける窓口を設けています

申し立ての手順、書く内容、受け付けたあとの流れは、会社ごとに違い、変わることもあります。使う前に、各社のヘルプや案内のページで最新の手順を確認してください。申し立ての中身が相手に伝えられる場合があるかどうかも、案内で確かめておきます。

申し立てるのは、自社の権利だと言えるものだけ

1つ注意があります。申し立ては、貴社に権利があると言えるものについてだけ行ってください。似ているだけのもの、フリー素材だったもの、制作会社に権利が残っているかもしれないものを、確かめないまま申し立てると、今度は貴社の申し立てが問題になることがあります。迷うものは、専門家に相談してからにします。

図:真似されたと気づいてから、動く順番(例の文言は「たとえば」です)
① その日のうちに、記録を残す

相手のページの画面、URL、見つけた日時、自社の元のページ。自社のページは、まだ触りません。

記録がそろうまで、相手には連絡しません
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② 自社の側を確かめる

本当に自社のものか、自社が先か、相手は誰か、どのくらい同じか。自社のサイトに借りたものがないかも見直します。

制作を外に頼んだなら、素材を誰が用意したかを制作会社に確かめます
▼
③ 相手に、確認をお願いする文面を送る

事実を並べ、削除または差し替えのご対応をお願いします。期限は常識的な幅で書きます。

たとえば「掲載の経緯をご確認いただき、〇月〇日までにご返信ください」
▼
④ 相手が分からない・応じない:窓口を使う

検索エンジンやサーバー会社の申し立ての窓口を使います。手順は各社のヘルプで最新を確認します。

申し立てるのは、自社の権利だと言えるものだけです
▼
⑤ 話がこじれたら:専門家に相談する

返事がない、否定された、相手から何か求められた。どれかが起きたら、記録一式を持って弁護士など専門家に相談します。

法的な判断や、お金の話は、ここから先で扱います

①と②は自社だけでできる作業です。③から先は、相手のある話になります。①と②を飛ばして③から始めると、あとで示せる材料が残りません。急ぐ気持ちがあっても、順番は崩さないでください。

7. 日頃の備え

真似されたときに慌てないための備えは、ふだんの作業の中で済みます。どれも、特別な費用はかかりません。

元の写真を、そのまま保管する

サイトに載せる写真は、多くの場合、小さく縮めたり切り抜いたりしてあります。撮ったままの元のファイルを、別の場所に保管しておいてください。

元のファイルには、撮った日時や、大きな画素数がそのまま残っています。サイトに載っている縮めた写真しか持っていない側と、元のファイルを持っている側では、どちらが撮ったのかを示す材料の重みが違います。カメラマンに頼んだ写真も、元のデータを受け取っておきます。

公開した日を、記録に残す

いつ、どのページに、何を載せたかを、記録に残しておきます。いちばん簡単なのは、お知らせ欄に「施工事例を追加しました」と日付つきで書くことです。それとは別に、社内で1枚の表に、公開日とページ名と中身を書いておくと、あとで探すときに迷いません。

文章の下書きも、捨てずに残しておいてください。書いた日付の残るファイルは、自社が先に書いていたことを示す材料になります。

使える範囲を、書面にしておく

制作会社やカメラマンに頼んだ文章と写真は、誰が権利を持っていて、貴社がどこまで使えるかを、契約の時点で書面にしておきます。真似されたときに、申し立てをするのが貴社なのか、制作会社なのかが、ここで決まります。

ときどき、自社の文章で検索してみる

年に一度くらい、自社のサイトの特徴的な一文を、そのまま検索してみてください。自社以外のサイトが出てきたら、それが真似されているかもしれない場所です。サイトの点検のついでに済ませられます。

真似されにくいサイトにしておく

最後に、少し見方を変えた備えです。実物の写真と、貴社にしかない具体的な事実で書かれたサイトは、真似しても相手の役に立ちません。

現場の写真には、貴社の社員や車両や看板が写っています。数字や地名が入った文章は、別の会社が使うと、すぐに辻褄が合わなくなります。どこの会社にも当てはまる言葉で書かれたサイトほど、真似されやすく、真似されたことにも気づきにくいのです。同業のサイトとの違いの出し方は 同業他社のホームページを、どう見るか にまとめてあります。

8. 雄喜晃の伴走:出所が分かる素材で作り、記録を残します

私たち雄喜晃のホームページ制作は、出所が分かる素材だけで作ることを基本にしています。貴社にお撮りいただいた写真や、貴社のお話から起こした文章を使い、どの素材をどこに使ったかが分かる形で進めます。

私たちがやること

制作の段階で、ページごとに使った写真と文章の出所を確かめ、公開した日が分かるようにお知らせ欄などで記録を残します。公開後は、真似されているかもしれないと気づかれたときに、貴社側でそろえる記録の確認をご一緒します。

自社のサイトに借りた部分がないかの見直しも担当します。出所の分からない写真や、他社に似すぎている文章が見つかれば、差し替えの案をお出しします。月5回までの更新代行が月額に含まれているので、差し替えの作業もこちらで反映します。

料金と条件

料金は制作費0円、月額8,800円(税別)からです。6ページ構成のプランは月額13,800円(税別)です。サーバー、独自ドメイン、SSL、保守はすべて月額に含まれます。最低契約期間は6ヶ月です。7〜35ヶ月で解約された場合、サイトは非公開になります。36ヶ月以上ご継続いただいた場合は、サイトをお渡しします。

私たちがやらないこと

真似されたことが権利の侵害にあたるかどうかの判断は、いたしません。相手への請求や交渉の代行、損害についてのご相談もお受けしていません。これらは弁護士など専門家の領域です。私たちが担当するのは、専門家に相談する前に、貴社のサイトの側で整えておけることまでです。

「真似されたかもしれないが、自社の側の記録がそろっているか分からない」という方は、一度ご相談ください。実際にお作りしたサイトは 制作実績、料金と条件は ホームページ制作のページ に載せてあります。神戸市北区鈴蘭台を拠点に、2025年10月から活動しています。

9. まとめ:怒る前に記録、連絡する前に確認

ホームページの文章や写真を真似されたときに、押さえることは5つです。

  • 見つけた日に、記録を残す ― 相手のページの画面、URL、日時。自社のページは、記録が済むまで触らない
  • 連絡する前に、自社の側を確かめる ― 本当に自社のものか、自社が先か、相手は誰か。自社が借りていないかも見直す
  • 最初の連絡は、確認のお願いとして ― 事実を並べ、求めることは削除か差し替えの1つだけ
  • 窓口があることを知っておく ― 検索エンジンやサーバー会社の申し立て。手順は各社のヘルプで最新を確認する
  • 判断と請求は、専門家に ― 法的な言葉や金額の話は、弁護士など専門家に相談してから

真似されたと気づいた日は、気持ちが落ち着かないものです。だからこそ、最初の1日にやることを、記録だけに絞っておくと、そのあとの判断を誤りにくくなります。

まずは今日、貴社のサイトの写真の元のファイルがどこにあるかを確かめてみてください。すぐに出てくるなら、それがいちばんの備えになっています。