1. 「サイトを開いたら、『保護されていない』と出るんです」

たとえば、こんなご相談です。

「取引先から『御社のサイトを開いたら、警告みたいなのが出ましたよ』と言われて。自分で開いてみたら、住所の欄に『保護されていない通信』と出ていました。乗っ取られたんでしょうか。問い合わせフォームは止めたほうがいいですか」

この表示を見ると、まず「何かされたのか」と考えてしまいます。ただ、この表示そのものは、サイトが乗っ取られたことを意味しません。通信を守る仕組み(SSL)がうまく働いていない、という知らせです。

とはいえ、放っておいてよい表示でもありません。訪れた人の画面にも同じ警告が出ています。貴社が気づくより前に、お客様のほうが先に見ていることも少なくありません。

この記事では、慌てずに何をどの順番で確かめればよいかを書きます。技術の細かい話には深入りせず、誰に何を伝えればよいかが分かることを目標にします。

この記事で書くこと

  • SSLとは何か ― はがきと封筒の違いで考える
  • 表示が出る主な原因 ― 未設定・期限切れ・一部だけ http・名前の不一致
  • 最初に連絡する相手 ― 契約から、窓口を1つに決める
  • フォームを止めるかどうか ― 表示の種類で判断する
  • 直ったかの確かめ方と、再発の防ぎ方 ― 自動更新と契約の中身

2. SSL(https)とは何か ― はがきで送るか、封筒で送るか

先に、仕組みをやさしく押さえておきます。

通信を「封筒に入れる」仕組み

ホームページを見るとき、お客様の端末とサーバーの間で情報がやりとりされています。フォームに書いた名前や電話番号も、この通り道を通って届きます。

SSLがない状態は、はがきで送っているようなものです。途中で誰かが見ようと思えば、中身が読めてしまいます。SSLがある状態は、封筒に入れて封をしてから送る状態です。途中で中身を読まれにくくなります。

住所の欄が「https://」で始まっていれば封筒、「http://」のままならはがきです。「s」が1文字あるかないかの違いですが、中身は大きく違います。

証明書は、有効期限のある身分証

SSLを使うには、「このサイトは確かにこのドメインのものです」と示す証明書が要ります。身分証のようなものだと考えてください。

この証明書には、有効期限があります。取り替えを忘れると、ある日突然、警告が出るようになります。昨日まで何ともなかったのに、と驚かれるのはこのためです。

警告には、大きく2つの出方がある

言い方はブラウザの種類や版によって違うので、ここでは「たとえば」として2つ挙げます。

  • 住所の欄に小さく出る ― たとえば「保護されていない通信」。ページ自体は開きます。SSLが使われていない、または一部だけ使われていない状態でよく見ます
  • ページの代わりに、全画面で警告が出る ― たとえば「この接続ではプライバシーが保護されません」。先に進むには、わざわざボタンを押す必要があります。証明書の期限切れや、名前の不一致でよく見ます

後者のほうが、影響は大きくなります。警告の画面で引き返すお客様が出ます。わざわざ先に進むボタンを押してまで見てもらえることは、当てにできません。どちらの出方をしているかを、最初に確かめてください。

3. 表示が出る主な原因は、4つ

中小企業のサイトで起きやすい原因は、次の4つです。特定するのは制作会社やサーバー会社ですが、見当がつくと連絡が早くなります。

① そもそも、SSLが設定されていない

いちばん単純な原因です。何年も前に作ったサイトに、当時SSLを入れていなかった場合です。

以前は、SSLはフォームのページだけに入れるもの、という考え方もありました。今はサイト全体を https にするのが一般的で、ブラウザも http のページをはっきり警告するようになっています。サイトは何も変わっていないのに、見る側の基準が変わった、ということです。

② 証明書の期限が切れた

ある日突然、全画面の警告が出るようになったなら、まず疑うのがこれです。取り替えが止まる理由は、だいたい次のどれかです。

  • 自動の取り替えが、何かのきっかけで止まった ― サーバーの設定変更やドメインの設定変更のあとに起きやすいです
  • 手作業で取り替える契約だった ― 担当者が辞めた、制作会社との保守契約が切れた、などで止まります
  • 支払いが止まっていた ― 登録したカードの期限切れなどで、更新の手続きが進まなかった場合です

支払いや契約の更新が原因の場合は、ドメインやサーバーそのものが止まりかけていることもあります。その場合の対処は ドメインやサーバーの更新を忘れて、サイトが止まったとき にまとめてあります。

③ 一部の画像や部品だけが、http のまま

ページ自体は https で開くのに、鍵の印が消えている。注意の印がついている。こういうときは、ページの中の一部だけが、はがきのままになっていることがあります。

たとえば、何年も前に貼った画像や、外から読み込んでいる地図や動画の部品が、古い http の住所のまま残っている場合です。トップページは大丈夫で、古いお知らせのページだけで出る、という形で見つかることがよくあります。

④ ドメインの名前と、証明書が合っていない

証明書は、特定のドメインに対して発行されます。開いた住所と、証明書に書かれた名前が違うと、警告が出ます。

起きやすいのは、こんなときです。

  • 「www」の有無 ― つけた住所では開くのに、つけないと警告が出る(または、その逆)
  • ドメインの変更 ― 古いドメインからの転送の部分だけ、証明書がない
  • サーバーの引っ越し ― 新しいサーバー側で、証明書がまだ用意されていない

自分の端末だけで出ている場合もある

見ている側の端末に原因があることもあります。たとえば端末の日付がずれていると、有効な証明書でも期限切れと判断されることがあります。

切り分けは簡単です。社内のWi-Fiを切ったスマートフォンで、同じページを開いてみてください。そこでも出るならサイト側、出ないなら社内の端末やネットワークを先に疑います。

表:警告が出る主な原因と、見え方・連絡先の目安(出方の例は「たとえば」です)
原因よくある見え方起きやすいきっかけまず連絡する先
① SSLが未設定たとえば住所の欄に「保護されていない通信」。全ページで出る何年も前に作ったまま。見る側の基準が変わった保守契約のある制作会社。なければサーバー会社
② 証明書の期限切れたとえば「この接続ではプライバシーが保護されません」と全画面で警告自動の取り替えが止まった/手作業の担当が不在/支払いの停止証明書を管理している契約先(多くは制作会社かサーバー会社)
③ 一部だけ httpページは開くが、鍵の印が消える・注意の印がつく。画像が出ないことも古いページ、昔貼った画像、外から読み込む部品サイトの中身を直せる制作会社
④ 名前の不一致「www」の有無や古いドメインで開いたときだけ、全画面で警告ドメインの変更、サーバーの引っ越しのあと移転作業をした会社。分からなければサーバー会社

原因を貴社で特定する必要はありません。どの表示が、どのページで、どの端末で出たかを伝えれば、相手が見当をつけます。

4. まず、誰に連絡するか

原因の見当がついたら、連絡です。

窓口は、1つに決める

サイトには、たいていドメイン・サーバー・制作会社の3つの契約が関わっていて、証明書はこのどれかの中で管理されています。それぞれの関係は サーバーとドメインを、どこで契約するか で詳しく書きました。

連絡先は、次の順で決めると迷いません。

  • 制作会社と保守の契約がある ― まず制作会社です。証明書の管理を含んでいることがあるからです
  • 保守の契約がない、または終わっている ― サーバー会社の問い合わせ窓口です
  • どちらか分からない ― 請求書を見てください。「保守」「SSL」「サーバー」の言葉が入っている請求の相手が、窓口の候補です

両方に同時に連絡すると、お互いに「相手がやると思っていた」となりがちです。まず1社に連絡し、「うちの管理ではない」と言われたら次へ、のほうが早く進みます。制作会社と連絡が取れない場合は 制作会社と連絡が取れなくなったときに、まずやること を先に読んでください。

連絡するときに伝える5つのこと

文面には、次の5つを入れてください。相手が最初に確かめることが、これでほぼ揃います。

  • サイトの住所 ― 「https://」から始まる全体。「www」の有無も含めて
  • 出た表示の写真 ― 画面を撮ったもの。文言をそのまま写すより確実です
  • 出るページ ― 全ページか、特定のページだけか
  • 出る端末 ― 社内のパソコンだけか、Wi-Fiを切ったスマートフォンでも出るか
  • 気づいた日時 ― いつから出ているか。取引先から言われたなら、その日

文面は、短くて構いません。

「弊社サイト(https://〜)で、本日から全画面の警告が出るようになりました。社内のWi-Fiを切ったスマートフォンでも同じです。画面の写真を添付します。証明書の期限が切れていないか、ご確認いただけますか」

「直しておきます」で終わらせない

返事が来たら、原因と、いつ直るかの2つを聞いてください。期限切れなら、なぜ自動で取り替わらなかったのかまで聞いておくと、第7章の再発防止につながります。

5. 問い合わせフォームは、止めるべきか

迷われやすいのがここです。答えは、出ている表示の種類と、フォームのページがどうなっているかで変わります。

止めることを考えたほうがいい場合

次のどれかに当たるなら、直るまでフォームを一時的に止めることを考えてください。

  • フォームのページ自体が http で開く ― 書いた内容が、はがきのまま送られている可能性があります
  • 全画面の警告が出ている ― フォームまでたどり着く人が少ないうえ、警告の先に進んだ人が不安なまま送ることも防げます
  • 踏み込んだ情報を聞いている ― 住所・生年月日など、扱う情報が重いほど慎重に考えます

止めるといっても、フォームを消す必要はありません。フォームの場所に「ただいま一時停止しています」と書き、電話番号とメールアドレスを載せる形で十分です。入口は残したまま、フォームだけを休ませます。

止めなくてよいことが多い場合

一方、次の場合は、止めなくてよいことが多いです。

  • フォームのページ ― https で開き、鍵の印も出ている
  • 警告の出る場所 ― 古いお知らせなど、フォームと関係のないページだけ

判断がつかないときは、連絡した相手に「フォームは今のまま使っていて大丈夫か」と、はっきり聞いてください。そのひと言で、相手もフォームのページを優先して確かめます。

止めていた間の問い合わせを、取りこぼさない

フォームを止めた場合も、止めなかった場合も、警告が出ていた期間に届いた問い合わせを見直してください。返事の漏れや、迷惑メールのフォルダを確かめます。届いているかの確かめ方は 問い合わせフォームで、人はどこで手を止めるのか に書いてあります。

なお、はがきのまま送られていた内容が実際に読まれたかどうかは、ふつうは分かりません。心配な場合は、業種によって違うので、所管の窓口や専門家に確認してください。

6. 直ったかを、自分で確かめる

「直りました」と連絡が来たら、貴社の側でも確かめます。相手の画面で直っていても、お客様の画面で直っているとは限らないからです。確かめるのは、次の5か所です。

図:「直りました」と言われたあとに、自分で確かめる5つの順番
① 社内のパソコンで、トップページを開き直す

前の表示が残っていることがあるので、履歴を残さない窓(プライベートの窓など)で開くと確かです。

見るところ:住所の欄が「https://」で始まり、警告の言葉が出ていないこと
▼
② スマートフォンで、Wi-Fiを切って開く

社内のネットワークとは別の通り道で確かめます。機種の違うスマートフォンでも1台見ておくと安心です。

見るところ:パソコンと同じく、警告が出ないこと
▼
③ 住所の書き方を変えて開く

「www」をつけた住所とつけない住所、それから頭を「http://」にした住所。どれで開いても、最後は同じ「https://」のページに着くかを見ます。

ここで1つだけ警告が出る場合は、④の「名前の不一致」が残っています
▼
④ 古いページと、画像の多いページを開く

何年も前のお知らせや、地図・動画が入ったページ。一部だけ http が残りやすい場所です。

見るところ:鍵の印が消えていないこと、画像が欠けていないこと
▼
⑤ フォームを、自分で1回送ってみる

フォームのページが https で開くこと、送信が完了すること、通知のメールが社内に届くことまで確かめます。止めていた場合は、ここで再開します。

見るところ:送ってから届くまで。届いた時刻も控えておく

①と②は、どちらか一方では足りません。社内の端末だけ直って見えていることがあるからです。③と④は見落とされやすい場所です。気になる点は、画面の写真を添えて返せば十分です。

鍵の印を押すと、期限が見られることが多い

ついでに、住所の欄の左側にある印を押してみてください。多くのブラウザでは、そこから証明書の有効期限が見られます。場所や言い方はブラウザによって違うので、見つからなければ無理に探さなくて構いません。期限が分かったら、日付を控えておきます。

教えてくれた取引先に、一言返す

警告を教えてくれた取引先がいれば、「ご指摘ありがとうございました。直りました」と一言返してください。教えてもらえる関係は、それだけで貴重です。

7. 再発を防ぐ ― 自動更新と、契約の中身

直ったら、同じことが起きないようにします。

証明書の取り替えを、自動にしておく

今は、証明書の取り替えを自動で行える仕組みが広く使われています。貴社のサイトがその形になっているかを、連絡した相手に聞いてください。

ただし、自動なら終わり、ではありません。第3章のとおり、設定を変えたあとに自動の取り替えが止まることがあります。引っ越しや設定変更のあとは、SSLが止まっていないかを確かめる。これを作業の最後に入れてもらってください。

契約に含まれているかを、3つの質問で確かめる

期限切れを招きやすいのは、SSLの管理が誰の仕事なのか、はっきりしていないときです。次の3つを聞いてください。

  • SSLは、今の月額や保守の料金に含まれていますか ― 含まれていないなら、誰が管理しているのかを確かめます
  • 証明書の取り替えは、自動ですか、手作業ですか ― 手作業なら、誰がいつやるのかを決めます
  • 取り替えに失敗したとき、誰に知らせが届きますか ― 辞めた人のアドレスや、制作会社のアドレスになっていないかを見ます

3つ目は見落とされがちです。知らせが誰も見ていないアドレスに届いていては、仕組みがあっても止まります。登録のアドレスは貴社の共有のアドレスにしておくと安心です。

年に1回、期限を確かめる日を決める

第6章で控えた期限の日付を、会社の予定表に入れておきます。自動の場合でも、年に1回、ドメインやサーバーの更新月と一緒に確かめる日を置くと、取りこぼしに早く気づけます。

古いページを、ときどき見る

一部だけ http が残る問題は、古いページから出ます。半年に一度くらい、古いお知らせや事例をいくつか開いて、鍵の印が消えていないかを見てください。

8. 雄喜晃の伴走:SSLは、月額の中で私たちが管理します

私たち雄喜晃がお作りするホームページでは、SSLは月額の料金に含まれています。証明書の期限を、貴社が追いかける必要はありません。

私たちがやること

サイト全体を https にしてお渡しします。サーバーやドメインの設定を変えたときは、作業のあとにSSLが働いているかを確かめます。問い合わせフォームについても、送信から通知のメールが届くところまでを確かめてから公開します。

「警告が出ている」とご連絡をいただいたときは、出ている表示と原因の見当を一緒に確かめるところから始めます。フォームの一時停止の案内を載せるといった作業は、月5回までの更新代行の範囲で対応します。

料金と条件

料金は制作費0円、月額8,800円(税別)からです。6ページ構成のプランは月額13,800円(税別)です。サーバー・独自ドメイン・SSL・保守を含み、月5回までの更新代行もこの中に入っています。

最低契約期間は6ヶ月です。7〜35ヶ月で解約された場合、サイトは非公開になります。36ヶ月以上ご継続いただいた場合は、サイトをお渡しします。

私たちがやらないこと

警告の表示を材料に、不安をあおって作り直しを急がせることはしません。第3章の4つの原因は、作り直さなくても直せる種類のものです。また、原因が分からないまま「とりあえず直しておきました」で終わらせることもしません。何が起きていて、次に何をすれば防げるのかまでお伝えします。

神戸市北区鈴蘭台を拠点に、2025年10月から活動しています。実際にお作りしたサイトは 制作実績、料金と条件は ホームページ制作のページ に載せてあります。「SSLが誰の管理になっているのか、そもそも分からない」という方は、一度ご相談ください。

9. まとめ:表示の種類を見て、窓口を1つに決める

自社のサイトに警告が出たときに押さえることは、5つです。

  • 乗っ取りの知らせではない ― 通信を封筒に入れる仕組み(SSL)が働いていない、という知らせです
  • 原因はおおむね4つ ― 未設定、期限切れ、一部だけ http、名前の不一致。Wi-Fiを切ったスマートフォンで出るかを先に見る
  • 連絡は1社ずつ ― 保守の契約があれば制作会社、なければサーバー会社。住所・写真・ページ・端末・日時を伝える
  • フォームは表示の種類で判断する ― 全画面の警告や、フォームのページ自体が http なら一時停止を考え、電話とメールの案内を残す
  • 直ったら5か所を確かめ、契約を見直す ― 自動更新になっているか、失敗の知らせが誰に届くかまで聞く

警告の表示を見ると慌てます。ただ、第3章の4つの原因は、どれも作り直さずに直せる種類のものです。大事なのは、直したあとに「次は誰が気づくのか」を決めておくことです。

今日できることを1つだけ挙げます。今の月額や保守の請求書を出して、「SSL」という言葉が入っているかを見てください。入っていなければ、それが最初に聞くべき質問です。「請求書を見ても、どこが何を管理しているのか分からない」という方は、一度ご相談ください。