1. 「同業はみんな『初めての方へ』を作っているんですが」
中小企業の経営者の方とお話していて、こんな言葉をよく聞きます。
「同業のサイトを見ると、だいたい『初めての方へ』っていうページがあるんです。うちも作ったほうがいいんでしょうか。ただ、何を書けばいいのか。よくある質問と同じになりそうで」
この迷いは、もっともです。「初めての方へ」のページは、作ってはみたものの、よくある質問と料金とアクセスを少しずつ寄せ集めただけになっていることがよくあります。それなら、無くても困りません。
一方で、うまく作られた「初めての方へ」は、ほかのページでは代わりがききません。初めての人が「行ったら何が起きるのか」を、時間の順に思い浮かべられるページだからです。
この記事では、まず作るかどうかを決め、作るなら何をどの順で書くかを整理します。
この記事で書くこと
- 「初めての方へ」が、ほかのページと何が違うか
- 要る業種と、要らない業種の見分け方
- 初回の流れ、所要時間、持ち物、服装の書き方
- 初回の費用の目安と、行く前の不安への答え
- 問い合わせから当日までの段取り
2. ほかのページとの違いは、「時間の順」にある
最初に、役目を分けておきます。ここが曖昧なまま作ると、中身が重なります。
それぞれのページが答えていること
- よくある質問 ― 聞かれた問いに、1問ずつ答える。順番はばらばらで構いません
- 料金のページ ― 金額と、金額の決まり方を書く
- アクセスのページ ― 場所と、たどり着き方を書く
- 予約の仕組み ― 空いている枠を選んでもらう
「初めての方へ」が答えていること
「初めての方へ」が答えるのは、初回の1日が、どういう順で進むかです。問い合わせをしてから、当日を迎えて、帰るまで。その線の上に、持ち物や時間やお金が並びます。
よくある質問が「点」だとすると、「初めての方へ」は「線」です。読む人が知りたいのは、個々の答えより、自分がいつ何をすればいいかの順番です。順番が分かると、不安の多くは消えます。
重ねずに、つなぐ
ですから、ほかのページに書いてあることを、ここに全部書き写す必要はありません。要点を1〜2行書いて、詳しいページへリンクする形にします。料金の詳しい出し方は ホームページに料金を載せるか、載せないか、行き方は 「アクセス」のページで、来る人を迷わせない で整理しています。
書き写すと、片方を直したときに、もう片方が古くなります。同じことを2か所に書かないのが、長く使えるページの条件です。
3. 要る業種と、要らない業種
次に、作るかどうかです。業種の名前で決めるより、次の3つの質問で決めるほうが外れません。
判断する3つの質問
- 初回だけ、普段と違うことが起きるか ― 初回の問診、カウンセリング、体験、現地の調査、書類の確認など
- 初めての人の割合が多いか ― 一度きりの依頼や、新しいお客様が毎月入ってくる商売か
- 来る前、または来てもらう前に、準備が要るか ― 持ち物、服装、書類、図面など
3つとも当てはまるなら、独立したページを作る価値があります。1つだけなら、サービスのページの中に「初回の流れ」を1段落書けば足ります。1つも当てはまらないなら、作らなくて構いません。
初回の流れ、所要時間、持ち物、初回の費用、当日までの段取りを1枚にまとめます。ナビゲーションにも置きます。
「初めてご依頼の方へ」という小見出しを立てて、流れを3〜4行で書きます。独立させると、読まれないページが1枚増えます。
初回も2回目もすることが同じなら、このページの役目がありません。営業時間や予約の案内を見つけやすくするほうが先です。
業種の名前はたとえばの例です。同じ業種でも、初回に何が起きるかで答えが変わります。3つの質問を、貴社の初回に当てはめて決めてください。
向いている業種
- 教室・スクール・習い事 ― 体験の申し込み、当日の服装、保護者が付き添うかどうか
- 治療院・整体 ― 初回は問診で時間が長くなる、着替えの有無
- 美容室・エステ・ネイル ― 初回のカウンセリング、施術の前に伝えておくこと
- 士業の初回相談 ― 持ってくる書類、相談の時間、その場で依頼しなくてよいこと
- 工務店・リフォームの初回相談 ― 現地の調査に何が要るか、立ち会いの時間、見積もりが出るまでの日数
どれも、初回だけ時間の使い方が普段と違い、しかも初めての人が多い商売です。業種ごとにサイト全体で載せるものは 業種別・ホームページに必ず載せるもの ― クリニック/美容/小売/教室 にまとめてあります。
要らない業種
- 飲食店 ― 初回も2回目も、することは同じです。予約とメニューと営業時間で足ります
- 小売店 ― 来てから選べばいいので、事前の準備がほとんど要りません
- 企業間の継続取引が中心の会社 ― 取引を始めるまでの流れは「お取引の流れ」として書くほうが合います
要らない業種で無理に作ると、中身の薄いページが1枚増えるだけです。作らないという判断も、立派な判断です。
4. 初回の流れと、所要時間を書く
作ると決めたら、中身の骨格は「流れ」です。ここから書き始めます。
流れは、3〜6段階で
初回の流れを、時間の順に分けます。段階は3〜6つに収めてください。2つ以下だと書く意味が薄く、7つを超えると読まれません。
たとえば治療院なら「受付と問診票 → 問診 → 検査 → 施術 → 説明と次回の相談」。士業の初回相談なら「受付 → お話を伺う → 進め方と費用の説明 → 持ち帰って検討」。各段階に、その段階で何をするかを1〜2行添えます。
所要時間は、幅で書く
段階ごとの時間と、全体の時間を書きます。正確に決まらないなら、「全体でおよそ〇分〜〇分」のように幅で構いません。
大事なのは、初回は2回目以降より長くかかるなら、それを書いておくことです。問診や説明がある分、初回は長くなりがちです。書かずにいると、次の予定を詰めて来た人が慌てます。
その日に終わらないことを書く
意外と抜けるのがこれです。初回にやらないことを書いてください。
- 「初回は、お話を伺うところまでです。お見積もりは後日お送りします」
- 「初回は検査と説明が中心で、施術は短めです」
- 「体験の日に、入会を決めていただく必要はありません」
初回で全部が終わると思って来た人は、終わらなかったことに不満を持ちます。先に書いておけば、同じことが「説明どおり」になります。
誰が対応するかを書く
初回に誰が出てくるかも、読む人の気になるところです。代表が対応するのか、担当者が決まっているのか。顔写真と名前が1人分あるだけで、当日の緊張はかなり違います。
5. 持ち物・服装・事前の準備
次は、来る前に何をしておけばいいかです。ここが、このページでいちばん読まれる部分になることが多いです。
持ち物は、「必ず要る」と「あれば」に分ける
持ち物を1つの箇条書きに並べると、全部が必須に見えます。2つに分けてください。
- お持ちください ― 無いとその日に進められないもの
- あればお持ちください ― 無くても進められるが、あると話が早いもの
士業なら、本人確認の書類が前者で、決算書や契約書は後者かもしれません。工務店なら、図面は「あれば」とし、無ければ現地で測ると書けば済みます。「無くても大丈夫です」と書くと、問い合わせの手前の迷いが減ります。
服装と、来る前の過ごし方
教室、治療院、美容では、服装と来る前の過ごし方がよく気にされます。
- 服装 ― 動きやすい服でよいか、着替えを用意しているか、汚れてもよい服がよいか
- 身だしなみ ― アクセサリーを外す必要があるか、髪をまとめるか
- 来る前 ― 食事の時間や飲み物など、業種によって違うこと
ここで書くのは、貴社として実際にお願いしていることだけです。一般的な注意を並べる必要はありません。
「何も用意しなくていい」も、情報です
準備が何も要らない場合も、「特別なご準備は要りません。普段の服装でお越しください」と書いてください。書いていないと、読む人は「何か要るのでは」と思って、問い合わせを先送りにします。
工務店の現地調査なら、「お部屋を片付けておく必要はありません」の一文が効くことがあります。片付けてからでないと呼べない、と思っている人は少なくないからです。
6. 初回の費用と、行く前の不安に答える
初回にかかるお金だけを、ここに書く
料金の全体は、料金のページに任せます。このページで書くのは、初回の1日にかかるお金だけです。
- 初回だけの費用があるか ― 初診料、入会金、体験料、相談料など
- 初回の相談が無料か、有料か ― 有料なら時間あたりの金額と、延長の扱い
- 当日の支払い方法 ― 現金だけか、ほかの方法も使えるか
- 当日に払わなくていいもの ― 見積もりは後日、入会金は入会を決めてから、など
金額がはっきり言えない場合は、たとえば「初回のご相談は〇分まで無料です。その先は、お話を伺ったうえでお見積もりします」のように、決まり方を書きます。空欄より、ずっと判断しやすくなります。
不安は、行く前の3〜5個に絞る
初めての人が抱える不安は、たいてい似ています。
- その場で契約や入会を迫られないか
- 途中でやめられるか、断ってもいいか
- 子ども連れで行ってもいいか、一人で行ってもいいか
- 何も知らなくても相談していいか
ここに挙げるのは、行くかどうかを決める前の不安だけにします。3〜5個で十分です。それ以外の細かい質問は、よくある質問のページに任せてください。質問の拾い方は 「よくある質問」を作ると、電話の本数が変わる で、電話のメモから集める方法を書いています。
答えは、約束の形で書く
不安への答えは、貴社が実際にしていることを、約束の形で書きます。
「体験のあとに、こちらから入会をおすすめするお電話はしません。続けるかどうかは、持ち帰ってゆっくり決めてください」
「安心してください」と書くより、何をしないかを書くほうが伝わります。ただし、書いた約束は守れる範囲にしてください。現場で守られていないと、かえって裏目に出ます。
業種によって、書き方のルールがある
治療院や士業などでは、広告や表示の書き方にルールがある場合があります。効果を言い切る書き方や、体験談の載せ方に制限がかかることもあります。業種によって違うので、所管の窓口や専門家に確認してから書いてください。初めての人向けのページは、安心させたい気持ちから言葉が強くなりやすいところです。
7. 問い合わせから当日までの段取りを書く
最後に、当日より前の段取りです。ここが書いてあると、問い合わせをする手前の迷いが減ります。
フォーム、電話、予約の画面のどれから申し込めるか。返事がいつ、どの方法で来るかを書きます。
決まった日時と、持ち物・服装をまとめて伝えます。ここで「初めての方へ」のページを案内します。
確認の連絡をするかどうか。日程の変更や欠席の連絡先と、いつまでに連絡すればいいか。
着いたらどこへ行き、誰に声をかけるか。初回の流れと、全体の所要時間です。
次に何が起きるか。続けるかどうかの決め方、見積もりが届く時期、断るときの連絡の仕方を書きます。
読み方は上から順です。②と⑤が抜けている「初めての方へ」が多いので、書く前にこの2つがあるかを確かめてください。例はすべて架空で、時間や期限は貴社の実際に合わせて書きます。
返信と、日程の決まり方
問い合わせのあと、いつまでに、どの方法で返事が来るかを書きます。電話で折り返すのか、メールで返すのか。読む人は、知らない番号からの電話に出ていいかどうかも迷っています。返信の目安の決め方は 問い合わせが来たあと、何時間以内に返すべきか に書きました。
ネットで予約を受けている場合は、予約の画面へのボタンをこのページにも置きます。ネット予約を入れるかどうかそのものは 予約をネットで受けるか、電話のままにするか で整理しています。
変更とキャンセルの連絡先
日程を変えたいとき、行けなくなったときの連絡先と、いつまでに連絡すればいいかも、このページに置いておきます。初めての人ほど、変更の連絡をしにくいと感じています。連絡の方法が書いてあれば、黙って来なくなる人が減ります。
このページを、確認のメールに入れる
「初めての方へ」は、サイトの中で探してもらうだけのページではありません。日程が決まった人に送る確認のメールや自動返信に、このページのURLを入れてください。持ち物や服装を、来る前にもう一度見てもらえます。
置き場所は、ナビゲーション、トップページ、予約や問い合わせのボタンの近くの3つです。迷っている人の目に入る場所に置きます。
変わったら、まずこのページを直す
持ち物や流れ、初回の費用が変わったら、まずこのページを直します。古い持ち物の案内を信じて来た人が、当日困ることになるからです。
8. 雄喜晃の伴走:初回の1日を、一緒に書き起こします
私たち雄喜晃は、「初めての方へ」のページを、作るかどうかから一緒に決めます。3つの質問に当てはまらない会社には、作らないことをおすすめします。
私たちがやること
- 初回の1日を、お話を伺いながら時間の順に書き起こす ― 問い合わせから、初回のあとまで
- 持ち物を「お持ちください」と「あれば」に分ける ― 現場の方に、実際に困った例を伺います
- ほかのページと重ならないように組む ― 料金、アクセス、よくある質問へは、リンクでつなぎます
- 確認のメールや自動返信に入れる文面も、一緒に考える
料金と条件
料金は制作費0円、月額8,800円(税別)です。6ページ構成のプランは月額13,800円(税別)です。サーバー、独自ドメイン、SSL、保守は月額に含まれます。月5回までの更新代行も同じ月額の中なので、持ち物や初回の費用が変わったときの書き換えも、ご連絡いただければこちらで反映します。
最低契約期間は6ヶ月です。7〜35ヶ月で解約された場合、サイトは非公開になります。36ヶ月以上ご継続いただいた場合は、サイトをお渡しします。
私たちがやらないこと
- 不安への答えを、こちらで作文することはしません。書くのは、貴社が実際にしていることだけです
- 効果を言い切る言葉や、作った体験談で安心させることもしません
- 業種ごとの表示のルールについて、判断を代わりに下すこともしません。気になる表現は、所管の窓口や専門家に確認していただくようお願いしています
- 検索順位や問い合わせの増加のお約束もしません
実際にお作りしたサイトは 制作実績、料金と条件は ホームページ制作のページ に載せてあります。神戸市北区鈴蘭台を拠点に、2025年10月から活動しています。
「初めての方に、毎回同じ説明を電話でしている」という方は、一度ご相談ください。
9. まとめ:初めての人が、当日の自分を思い浮かべられるか
「初めての方へ」のページで押さえることは、5つです。
- 作るかどうかは、3つの質問で決める ― 初回だけ違うことが起きるか、初めての人が多いか、準備が要るか
- ほかのページと重ねない ― 料金やアクセスは要点だけ書いて、リンクでつなぐ
- 初回の流れを、時間の順に3〜6段階で ― 所要時間は幅で書き、その日にやらないことも書く
- 持ち物は「お持ちください」と「あれば」に分ける ― 何も要らないなら、それも書く
- 当日の前と後ろまで書く ― 返信の目安、変更の連絡先、初回のあとに何が起きるか
このページの出来は、文章の上手さでは決まりません。初めての人が、読み終えたあとに当日の自分を思い浮かべられるかで決まります。
まず、今日できること
いちばん最近、初めて来られたお客様を思い出してください。問い合わせから帰るまでに、何を聞かれ、どこで戸惑っていたか。それを時間の順に紙に書き出すと、そのままこのページの骨格になります。
ぜひ一度、お話を聞かせてください。貴社の初回の1日を、言葉にするところからご一緒します。