1. 「保証はちゃんとしているんですけどね」

中小企業の経営者の方とお話していて、こんな言葉をよく聞きます。

「うちは保証もアフターもちゃんとしているんです。でもサイトには『安心の保証付き』としか書いていなくて。詳しく書くと、あとで揚げ足を取られそうで怖いんですよね」

この気持ちは、よく分かります。保証の中身を細かく書くと、書いたことに縛られます。だから、ぼかしておきたくなります。

ただ、読む側から見ると話が変わります。「安心の保証」とだけ書いてあっても、何が守られるのかが分かりません。分からないものは、比べる材料になりません。せっかく手厚くしている保証が、サイトの上では、どの会社にもある一言と同じ扱いになります。

そして、ぼかしたまま契約すると、困ったときに「保証してくれると思っていた」「それは対象外です」という食い違いが起きます。揚げ足を取られるのが怖いのであれば、ぼかすより、範囲をはっきり書くほうが守りになります。

この記事で書くこと

  • 「安心の保証」が伝わらない理由
  • 何が・何年・どんな条件で対象かの書き方
  • 対象外になる場合の書き方
  • 連絡の窓口、受付時間、点検の案内
  • 書いた内容と、契約書や保証書をそろえる手順

2. 「安心の保証」が伝わらない理由

先に、なぜ一言では伝わらないのかを整理しておきます。

何が守られるのか、書いていない

「保証付き」と書いてあっても、読む人には次のことが分かりません。

  • 何が対象か ― 製品そのものか、工事の仕上がりか、取り付けた部品か
  • いつまでか ― 1年なのか、10年なのか。いつから数えるのか
  • 何をしてくれるのか ― 無料で直すのか、交換するのか、点検だけなのか

この3つが無い保証は、読む人の頭の中で、いちばん都合のいい形に補われます。補われた中身と、貴社の実際の中身がずれることが、あとの食い違いのもとになります。

読む人は、困ったときの場面を想像している

保証の欄を読む人は、何かが起きたときのことを考えています。雨漏りがしたら。動かなくなったら。仕上がりに傷があったら。

そのとき知りたいのは、「そうなったら、どうしてもらえるのか」です。抽象的な安心ではなく、具体的な場面での対応です。場面が浮かぶ書き方をすると、読む人はそこで初めて安心します。

手厚い会社ほど、損をしている

保証を手厚くしている会社ほど、一言で済ませていることが損になります。他社より長い期間や、広い対象を用意していても、書かなければ伝わらないからです。

保証は、強みとして書ける数少ない「数字にできる約束」です。強みを伝わる形に直す考え方は 「うちの強み」を、ホームページにどう書くか にまとめてあります。

3. 何が・何年・どんな条件で対象かを書く

ここからが書き方です。保証の欄に書くことは、まず3つに分けます。

何が対象か

対象は、できるだけ具体的な名前で書きます。「工事全般」ではなく、「屋根と外壁の塗装」「給湯器本体と配管の接続部」のように、読む人が自分の依頼に当てはめられる言葉で書いてください。

対象が複数あり、それぞれ期間が違う場合は、一覧にします。文章で続けて書くと、どれが何年なのかが読み取れません。

何年か、いつから数えるか

期間は数字で書きます。そして、いつから数えるのかを添えてください。引き渡しの日からか、工事が終わった日からか、購入した日からか。ここが抜けると、残りの期間をめぐって話が食い違います。

期間が過ぎたあとにどうなるかも、一行あると親切です。「期間が過ぎたあとも、有償で対応します」と書いてあれば、読む人は長く付き合える会社だと受け取ります。

どんな条件で対象になるか

保証に条件がある場合は、それも書きます。たとえば、定められた点検を受けていること、保証書を保管していること、決められた使い方をしていること。

条件は、小さな字で最後に書くより、対象と期間のすぐ近くに書くほうが誠実に読まれます。読む人が見落としたまま契約すると、困ったときに初めて条件を知ることになり、それがいちばん揉めます。

表:「安心の保証」を、読む人に伝わる形に分ける(例はすべて架空)
書く項目一言で済ませた書き方伝わる書き方に直したもの
何が対象か施工箇所を保証しますたとえば「外壁と屋根の塗装面のはがれ・ふくれ」
何年か長期保証たとえば「外壁は〇年、屋根は△年。引き渡しの日から数えます」
何をするか責任をもって対応しますたとえば「対象の範囲を、無料で塗り直します」
条件(書いていない)たとえば「保証書をお手元に保管していただくこと」
対象外(書いていない)たとえば「地震や台風などの災害による傷み、他社による手直しのあとの不具合」
窓口お気軽にご連絡くださいたとえば「保証のご相談は、平日9時〜17時に専用の番号で受け付けます」

左の書き方は、嘘ではありませんが、読む人が自分の場面に当てはめられません。項目に分けて、1つずつ埋めていくだけで、保証の欄は比べられる情報になります。期間や条件などの中身は、貴社の実際の取り決めで書いてください。

4. 対象外になる場合を、先に書く

保証の欄でいちばん書きにくいのが、対象外の話です。ここを書くかどうかで、あとの揉め方が大きく変わります。

対象外は、隠すほど揉める

対象外を書かないでおくと、読む人は「全部守ってもらえる」と受け取ります。そのうえで対象外の不具合が起きると、「書いていなかった」「聞いていなかった」という話になります。

対象外は、契約のときに口で伝えていても、サイトの上で読んだ印象のほうが強く残ることがあります。先に書いておけば、困ったときに「サイトにも書いてあるとおり」と話を始められます。

よくある対象外の書き方

業種によって違いますが、よく挙がるのは次のようなものです。

  • 年月による自然な変化 ― 色あせ、すり減りなど、使っていれば起きる変化
  • 災害によるもの ― 地震、台風、大雨、落雷など
  • 他社による手直しのあと ― 別の会社が手を入れたあとに起きた不具合
  • 決められた使い方と違う使い方 ― 取扱説明と違う使い方をした場合
  • 消耗する部品 ― 電池、パッキン、フィルターのように、交換が前提の部品

全部を書く必要はありません。実際に問い合わせが来たことのあるものから書いてください。今までに「これは保証ですか」と聞かれて、対象外だと説明したことがあるものが、書くべき対象外です。

書き方の温度

対象外の一覧は、書き方によって冷たく見えます。突き放すのではなく、対象外のときにどうするかを一緒に書くと、印象が変わります。

「災害による傷みは保証の対象外です。その場合も、まずはご連絡ください。状態を拝見し、修理の方法と費用をご説明します」

対象外でも相談には乗る、と分かれば、読む人は突き放されたとは感じません。有償になるときの費用の目安を書けるなら、料金の欄にまとめておきます。費用の載せ方は ホームページに料金を載せるか、載せないか に書いてあります。

5. 連絡の窓口と、受付時間を書く

保証があっても、困ったときにどこへ連絡すればいいかが分からなければ、使われません。

誰に、どこへ連絡すればいいか

保証やアフターの連絡先を、新しいお問い合わせの窓口と同じにしている会社は多いです。それでも構いませんが、「保証のご相談もこちらで受け付けます」と一行書いておくだけで、迷う人が減ります。

専用の番号や担当がある場合は、それを書きます。工事をした担当者に直接連絡してほしい場合も、その旨を書いておくと、お客様は誰に電話すればいいか迷いません。

受付時間と、時間外の扱い

受付の曜日と時間を書きます。そのうえで、時間外に何かが起きたときにどうすればいいかも書いてください。

  • 時間外は留守番電話に残してもらい、翌営業日に折り返す
  • 水漏れなど急ぎの場合は、まず元栓を閉めてもらう
  • 急ぎの対応をしていない場合は、そのことを正直に書く

急ぎの対応をしていないのに、それを書かずにいると、夜中に連絡がつかなかったお客様の不満は大きくなります。できないことを書くのも、窓口の案内の一部です。受付時間は、ふだんの営業時間と同じ場所にそろえて書くと、読む人が迷いません。営業時間や定休日の書き方は 営業時間・定休日を、ホームページにどう書くか にまとめてあります。

連絡のときに伝えてほしいこと

連絡をもらったときに、毎回同じことを聞き返していないでしょうか。購入した日、工事をした場所、型番、今の状態。これを先に書いておくと、最初の連絡で話が進みます。

「スマートフォンで撮った写真を送っていただけると、状況が早く分かります」と添えるのも効きます。よく聞かれることを先に答えておく考え方は 「よくある質問」を作ると、電話の本数が変わる にまとめてあります。保証の質問は、よくある質問にも入れておくと見つけてもらいやすくなります。

6. 点検の案内と、対応の例を見せる

保証の欄は、約束を書く場所です。それに加えて、実際にどう動くのかを見せると、約束が信じてもらえるようになります。

点検は、時期と中身と費用を書く

定期の点検をしている場合は、それも書きます。書くのは3つです。

  • 時期 ― 引き渡しから何ヶ月後、何年後に伺うのか
  • 中身 ― 何を見て、何をするのか
  • 費用 ― 無料か、有料か。有料ならどれくらいか

点検の案内があると、読む人は「売って終わりではない」と受け取ります。ただし、書いた点検は、実際に続けられるものだけにしてください。人手が足りずに点検が止まると、書いてあることと違う状態になります。

対応の例は、流れで見せる

実際にあった対応を、流れとして見せると伝わります。連絡を受けてから、どう動いて、どう終わったか。下の図は、その書き方の例です。

図:保証の対応を、流れで見せる書き方(例は架空)
① ご連絡をいただく

たとえば「引き渡しから半年ほどで、ベランダの床の塗装に小さなふくれが出てきた」というご連絡。お電話で状況を伺い、写真を送っていただきます。

書く内容:何が起きたか、どこから連絡が来たか。お客様の名前は出さない
▼
② 現地を確認する

たとえば、ご連絡から数日のうちに担当者が伺い、ふくれの範囲と原因を確かめます。保証の対象かどうかを、その場でご説明します。

書く内容:誰が、どれくらいの日数で伺ったか。対象かどうかをどう判断したか
▼
③ 直す

たとえば、保証の対象として、ふくれの出た範囲を無料で塗り直します。作業の前後の写真を撮り、お客様にもお渡しします。

対象外だった場合は、修理の方法と費用をご説明し、ご判断をいただきます
▼
④ その後を確かめる

たとえば、次の定期点検のときに、直した場所をあらためて確認します。

書く内容:直して終わりではなく、その後どう見ているか

これは書き方を示すための架空の例です。載せるのは、貴社で実際にあった対応だけにしてください。期間や日数も、実際の数字で書きます。

載せるときは、事実だけを、許可を取って

対応の例を載せるときは、実際にあったことだけを書いてください。それらしい話を作って載せると、読んだお客様に「うちのときは違った」と言われたときに、信用を大きく損ねます。

お客様の名前や住所が分かる書き方は避けます。写真を載せる場合は、お客様の許可を取ってください。対応の例は、施工事例と同じ考え方で書けます。どこまで書くと次の依頼につながるかは 実績ページに何を書くと、次の依頼につながるか にまとめてあります。

7. 書いた内容と、契約書・保証書をそろえる

最後に、いちばん大事なことです。サイトに書いた保証の内容と、契約書や保証書の内容を、同じにしておいてください。

サイトと書類が違うと、何が起きるか

たとえば、サイトには「10年保証」、保証書には「5年」。サイトには対象外が書いていないのに、契約書には細かく書いてある。こうしたずれがあると、困ったときにお客様は自分に有利なほうを根拠に話をします。

どちらが優先されるのかは、契約の内容や業種によって変わります。ここで判断できる話ではありません。だからこそ、最初からずれをなくしておくことが大事です。

そろえる項目

サイトの保証の欄を書いたら、次の項目を、契約書・保証書・見積書の但し書きと並べて確かめます。

  • 対象 ― 何が対象か、名前が同じか
  • 期間と起算日 ― 年数と、いつから数えるか
  • 条件 ― 点検や保管など、保証を受けるための条件
  • 対象外 ― サイトにある対象外が、書類にもあるか
  • 窓口 ― 連絡先と受付時間が、書類と同じか

契約書のどこを読むかは、ホームページ制作の契約を例に ホームページ制作の契約書で、サインする前に読むところ にまとめました。保証の欄を書くときも、同じ読み方が使えます。

保証の中身を変えたときに直す場所

保証の内容を変えたときは、サイトだけでなく、書類も一緒に直します。古い保証書のひな形、会社案内、チラシ、見積書の但し書き。サイトの中では、保証に触れているページを全部探してください。トップページ、サービスのページ、よくある質問、お知らせの過去の記事に残っていることがあります。

変えた日より前に契約したお客様には、契約したときの保証が続くのかどうかも、決めておく必要があります。

法的な判断は、専門家に

保証の書き方には、業種によっては法律で決まっている部分があります。一定の期間の責任が定められている業種もあれば、表示の仕方にルールがある場合もあります。この記事では一般論しか書けません。業種によって違うので、所管の窓口や専門家に確認してください。

8. 雄喜晃の伴走:保証の中身を、読む人の言葉に直します

私たち雄喜晃のホームページ制作では、保証の欄を「安心の保証」の一言で埋めることはしません。貴社の実際の保証の中身を伺い、読む人が自分の場面に当てはめられる形に直します。

私たちがやること

  • 中身を伺う ― 今お使いの保証書や契約書を見せていただき、対象・期間・条件・対象外を確かめます
  • 項目に分けて書く ― 伺った中身を、何が・何年・どんな条件で、の順に、一覧や表に組み直します
  • 窓口と受付時間を置く ― 保証の相談をどこに、いつ連絡すればいいかを、見つけやすい場所に書きます
  • 対応の例を載せる ― 実際にあった対応を伺い、流れの形にまとめます。写真は、貴社で撮っていただいたものを整えて載せます
  • 変えたときに直す ― 保証の内容が変わったときは、保証に触れているページをまとめて直します

料金と条件

料金は制作費0円、月額8,800円(税別)からです。6ページ構成のプランは月額13,800円(税別)です。サーバー、独自ドメイン、SSL、保守はすべて月額に含まれます。月5回までの更新代行も同じ月額の中なので、保証の期間や窓口を変えたときも、内容を送っていただければこちらで反映します。

最低契約期間は6ヶ月です。7〜35ヶ月で解約された場合、サイトは非公開になります。36ヶ月以上ご継続いただいた場合は、サイトをお渡しします。

私たちがやらないこと

保証の中身そのものを決めることはしません。何年にするか、何を対象にするかは、貴社の経営の判断です。こちらから「10年にしましょう」とお勧めすることもありません。

また、契約書や保証書の文面を作ったり、法的に問題がないかを判断したりすることもできません。業種によって決まりが違うので、所管の窓口や専門家にご確認ください。私たちがするのは、確かめていただいた中身を、サイトの上で読みやすく、書類とずれない形で書くことです。実際にない対応の例を作って載せることもいたしません。

「保証には自信があるのに、サイトでは一言しか書けていない」という方は、一度ご相談ください。実際にお作りしたサイトは 制作実績、料金と条件は ホームページ制作のページ に載せてあります。神戸市北区鈴蘭台を拠点に、2025年10月から活動しています。

9. まとめ:ぼかすより、範囲をはっきり書く

保証やアフターサービスをホームページに書くときに押さえることは、5つです。

  • 「安心の保証」の一言で済ませない ― 何が守られるのかが分からないと、比べる材料にならない
  • 何が・何年・どんな条件で、を分けて書く ― 期間には、いつから数えるかを添える
  • 対象外を先に書く ― 隠すほど揉める。対象外のときにどうするかも一緒に書く
  • 窓口と受付時間、時間外の扱いを書く ― 困ったときに、どこへ連絡すればいいかを迷わせない
  • サイトと契約書・保証書をそろえる ― ずれをなくす。法的な判断は専門家に

保証を詳しく書くのが怖いのは、書いたことに縛られるからです。ただ、範囲をはっきり書くことは、貴社を縛るだけでなく、守ることにもなります。書いてある範囲が、お客様との話の出発点になるからです。

今日できることを1つだけ挙げます。お手元の保証書を1枚出して、サイトの保証の欄と並べてみてください。期間、対象、対象外が同じかどうか。そこにずれがあれば、それが最初に直すところです。

保証の中身はしっかりしているのに、サイトでうまく伝えられていない、という方は、一度ご相談ください。