1. 「ホームページは広告じゃないから、何を書いてもいいんですよね」

中小企業の経営者の方とお話していて、こんな言葉を聞くことがあります。

「チラシは業者さんが文言を見てくれるんですが、ホームページは自分たちで書いているんです。自社のサイトだし、広告ではないから、好きに書いていいんですよね」

気持ちはよく分かります。ところが、業種によっては、ホームページも広告や表示の決まりの対象になることがあります。チラシなら書かない言葉が、サイトにはそのまま残っている。こういう場面は珍しくありません。

最初にお断りしておきます。私たちは法律の専門家ではありません。この記事では、条文や罰則、「この表現は大丈夫」「これはだめ」という個別の判断は書きません。決まりの中身は業種によって違うので、所管の窓口や業界団体、専門家に確認してください。この一文は、記事の中で何度もくり返します。

そのうえで書くのは、どの業種の方にも知っておいていただきたい「気づき」です。どの業種でも気をつけたい4つの書き方(言い切り、体験談、前後の写真、価格の比べ方)と、確かめる先、制作会社への伝え方を順に並べます。

2. ホームページも「広告」として見られることがある

読む人は、チラシと同じ目で読んでいる

サイトを開いたお客様は、そこに書かれていることを「この会社が言っていること」として受け取ります。紙に刷ってあるか、画面に出ているかで、読み方は変わりません。「地域でいちばん」と書いてあれば、そう信じて連絡してきます。

ですから、紙かネットかより、何を、どう書いているかのほうが問われやすいとお考えください。どこまでが対象になるかは、業種や決まりによって違います。

決まりは、業種ごとに違う

広告や表示に関する決まりは、すべての商売に共通するものと、業種ごとに上乗せされるものがあります。業種ごとの決まりがあると言われる分野を、いくつか挙げます。

  • 医療・歯科・治療院 ― 広告できる内容そのものが限られている場合があります。体験談や施術前後の写真の扱いには、とくに注意が要ると言われる分野です
  • 健康食品・化粧品・美容 ― 効き目や効能の書き方に決まりがある場合があります。「これで治る」「これで痩せる」のような書き方は、確かめる対象になりやすいところです
  • 不動産 ― 物件の表示のしかたや、使ってよい言葉について、業界の決まりがあります
  • 士業 ― 所属する会の決まりで、広告の出し方が定められていることがあります
  • 食品・飲食 ― 原材料や産地、栄養に関する表示に決まりがあります
  • 金融・保険・投資 ― 利回りや損をする可能性の書き方など、説明の仕方に決まりがある分野です

ここに挙げたのは一部です。同じ業種でも、扱う商品やサービスによって当てはまる決まりが変わります。自社がどの決まりの対象になるかは、所管の窓口や業界団体に確認してください。

業種ごとにホームページに載せたい項目は、業種別の3本(士業/工務店/飲食/運送、クリニック/美容/小売/教室、不動産/介護・福祉/自動車整備/葬儀)に分けて書いてあります。この記事は、その裏側にある「書き方の決まり」の入口にあたります。

「知らなかった」では済まないことがある

もう1つ、知っておいていただきたいことがあります。サイトの文章を制作会社が書いた場合でも、掲載している責任は、サイトを持っている貴社の側にあると考えたほうが安全です。

決まりに合っているかを判断できるのは、その分野の窓口や専門家です。だからこそ、確かめる先を、貴社の側で知っておくことが大事になります。

3. 気をつけたい書き方①:言い切りの言葉

ここから、気をつけたい書き方を4つ見ていきます。

「最高」「No.1」「日本一」

いちばん目にするのが、「最高品質」「地域No.1」「日本一の技術」といった言葉です。こうした言葉を読んだ人は、「何と比べて、誰が、いつ測ったのか」という根拠があると受け取ります。根拠を示せない最上級の言葉は、表示の決まりの上で問題になることがあると言われています。どこまでが許されるかは業種や言い方によって違うので、使う前に確かめてください。

「絶対」「100%」「誰でも」

結果を約束する言葉もあります。「絶対に効果が出ます」「100%満足」「誰でもできます」。

仕事の結果は、お客様の状態や条件によって変わります。結果が人によって違うものを、言い切りで約束する書き方は、とくに医療・健康・美容・金融などの分野で、確かめる必要が出やすいところです。業種を問わず、読んだ人が「誰でもこうなる」と受け取る書き方は避けたほうが無難です。

「業界最安」「どこよりも安い」

他社と比べる言葉もそうです。「業界最安値」「どこよりも安く」「他社より早い」。比べる相手と、比べた方法と、比べた時点がそろっていないと、読む人には確かめようがありません。

他社の価格は、いつの間にか変わります。比べる言葉そのものが表示の決まりの上で注意の要る場合もあるので、使いたいときは所管の窓口や専門家に確認してください。

言い切りは、事実に置き換える

では、どう書けばいいのか。答えは、形容詞や最上級を、数えられる事実に置き換えることです。

「地域No.1の実績」と書く代わりに、「〇〇市で、この3年に△件の施工を担当しました」と書く。「最高の技術」と書く代わりに、持っている資格の名前と、それで何ができるかを書く。事実で書けば、比べるのは読む人のほうでやってくれます。数字の数え方や時点の添え方は、「創業○年」「施工実績○件」などの数字を、ホームページにどう書くか に詳しくまとめました。

4. 気をつけたい書き方②:体験談とお客様の声

体験談は、効き目の約束に読まれることがある

お客様の声は、本人の感想として書かれていても、読む人には「自分にも同じことが起きる」という期待として届きます。たとえば「3回通ったら腰の痛みが消えました」という声を読んだ人は、自分も3回で消えると思うかもしれません。

医療や健康、美容の分野では、体験談をサイトに載せること自体に決まりがある場合があります。どこまで載せてよいか、どう書けばよいかは業種によって違うので、載せる前に、業界団体のガイドラインや所管の窓口で確かめてください。

「個人の感想です」と添えれば済む、とは限らない

体験談の下に小さく「個人の感想です」と添える書き方もよく見かけます。ただ、この一言を添えれば何を書いてもよい、ということにはなりません。本文が効き目を約束しているように読めれば、注記だけでは足りないと判断される場合があると言われています。

注記に頼るより、声そのものを選ぶほうが確かです。「説明が分かりやすかった」「予約の連絡が早かった」のような、対応や手続きについての声を中心に載せる。それでも、どこまでが許されるかは業種ごとに確かめてください。

作文しない、特典と交換しない

業種を問わず、守っていただきたいことが2つあります。

  • 声を作文しない ― 実際にいただいていない声を、こちらで書いて載せない。表示の決まりの上でも、信用の上でも、いちばん崩れやすいところです
  • 特典と交換しない ― 「声を書いてくれたら割引」のような集め方をしない。答えが変わりますし、載せたときに信用を損ねます

集め方と載せ方、掲載の許可の取り方は、「お客様の声」を、どう集めて、どう載せるか にまとめてあります。

5. 気をつけたい書き方③:施術前・施工前と、その後の写真

3つ目は、前後を比べる写真です。いわゆるビフォーアフターです。

前後の写真は、業種によって扱いが大きく違う

工務店や塗装、清掃のように、建物や物の変化を見せる写真は、仕事の中身を伝える材料として多く使われています。一方で、医療や美容のように、人の体の変化を見せる写真は、載せ方に決まりがある分野です。載せられる条件があったり、添える説明が求められたりする場合があります。

「同業のサイトが載せているから、うちも載せていい」とは言えません。自社の業種でどう扱われているかは、業界団体のガイドラインや所管の窓口で確かめてください。

加工と、条件の違い

業種を問わず気をつけたいのが、写真の加工です。明るさや色を、施工後や施術後の写真だけ良く見せるように調整すると、比べる意味がなくなります。読む人が受け取る印象と実際が違えば、表示の上でも信用の上でも問題になりえます。

光の当たり方や角度が違えば、変化は大きく見えます。2枚を同じ条件で撮り、同じだけの調整にとどめる。これが、どの業種でも守れる基本です。撮り方の段取りは 施工前と施工後の写真を、比べられる形で撮る に書いてあります。

添える説明

前後の写真を載せられる業種でも、何をしたか、どれくらいの期間か、条件は何かを一緒に書いたほうが誤解されにくくなります。たとえば外壁の塗り替えなら、築年数・塗料の種類・工期を添えます。人の体に関わる分野では、添える説明が決まっている場合もあるので、確かめてから書いてください。

6. 気をつけたい書き方④:価格の比べ方と、割引の見せ方

4つ目は、価格の見せ方です。

「通常価格〇円のところ、今なら△円」

割引を見せるときによく使われる書き方です。このとき気をつけたいのは、比べる元になっている「通常価格」で、実際に売っていた期間があるかです。

ほとんど売ったことのない価格を「通常価格」として並べると、実際より安く見せていることになりかねません。元の価格の書き方には、表示の決まりの上で注意の要る場合があると言われています。どういう条件なら書けるかは、所管の窓口や専門家に確認してください。

「今だけ」「先着〇名」「残りわずか」

期間や数を限る言葉も、本当にその条件で運用しているかが問われます。「今だけ」と書いたまま半年たっているサイトは、読む人からも、決まりの上からも、事実と違う表示と受け取られかねません。終わる日を書き、終わったら外す。それだけで、多くの心配は減ります。

総額と、条件

もう1つは、表示している金額で、実際に頼めるかどうかです。いちばん安い金額だけを大きく出し、追加の費用は別のページにしか書かない。こうした見せ方は「話が違う」と思わせますし、業種によっては表示の決まりに関わることもあります。金額のすぐ近くに、条件とよくある総額の例を書いてください。

表:どの業種でも、書く前に確かめたい4つの書き方(例はすべて架空)
書き方の種類たとえば、こんな一文気にしたいところ置き換えの方向
言い切り「地域No.1」「最高品質」「絶対に効果が出ます」何と比べ、誰が、いつ測ったかを示せるか件数・年数・資格など、数えられる事実で書く
体験談「3回で痛みが消えました(個人の感想です)」効き目の約束に読まれないか。業種によっては載せること自体に決まりがある対応や手続きについての声を中心にする。載せる前に業種の決まりを確認
前後の写真施工後や施術後だけ明るく調整した2枚条件と加工がそろっているか。人の体の写真は扱いに決まりがある分野も同じ条件で撮り、何をしたか・期間・条件を添えて載せる
価格の比べ方「通常価格〇円のところ、今だけ△円」元の価格で売っていた実態があるか。「今だけ」が続いていないか終わる日を書き、終わったら外す。総額と条件を金額の近くに

右の「置き換えの方向」は、どの業種でも読む人に親切な書き方の例です。決まりに合っているかどうかの判断ではありません。業種によって決まりが違うので、実際に書く前に、所管の窓口・業界団体・専門家に確認してください。

7. 確かめる先と、制作会社への伝え方

自社の業種でどこまでが許されるかは、この記事からは分かりません。最後に、確かめる先と、その結果をサイトに反映する段取りを書きます。

業界団体のガイドラインを確かめる

最初に当たっていただきたいのが、業界団体が出しているガイドラインや手引きです。広告や表示について、会員向けの案内を出している団体は少なくありません。

加盟している団体があれば、まずそこの案内を探してください。見つからなければ事務局に問い合わせるのが早いです。加盟していなくても、同じ業種の団体が公開している案内は参考になります。

所管の窓口と、専門家

ガイドラインを読んでも判断がつかないときは、所管の窓口に相談するという方法があります。どこが所管かは業種によって違うので、業界団体に聞くか、許認可を受けたときの書類を見返すと手がかりになります。

個別の表現について判断を仰ぎたいときは、その分野に詳しい専門家に相談してください。ホームページ全体を見てもらうより、気になる表現に印をつけて、そこを中心に聞くほうが、話が早く進みます。

制作会社に、業種の決まりを伝える

サイトを制作会社に頼む場合は、作り始める前に、業種の決まりがあることを伝えてください。制作会社が、すべての業種の決まりに詳しいわけではありません。伝えておけば、原稿の段階から気をつけて書いてもらえます。用意しておくとよいのは、次の4つです。

  • 業界団体のガイドライン ― 手元にあるもの、または置き場所
  • 使えない言葉、使うときに条件がある言葉 ― 社内で把握しているもの
  • 載せられない写真や情報 ― 体験談、前後の写真、価格の見せ方など
  • 確認をしてもらう相手 ― 公開前に原稿を見せる社内の担当者や、相談している専門家

そして、原稿ができた段階で、貴社の側で確かめる時間を、公開の予定に組み込んでおいてください。

図:業種の決まりを、サイトの原稿に反映する順番(流れの例)
① 自社の業種に、どんな決まりがあるかを知る

加盟している業界団体のガイドラインや手引きを探します。見つからなければ事務局に問い合わせます。

たとえば「団体の会員ページに、広告の手引きがあった」
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② 制作会社に、作る前に伝える

ガイドラインと、社内で把握している使えない言葉・載せられない写真を渡します。

たとえば「体験談は載せない。料金は総額の例を添える」と最初に共有する
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③ 原稿ができたら、気になる表現に印をつける

言い切り、体験談、前後の写真、価格の比べ方。この4つに当たる箇所に印をつけ、一覧にします。

ここで迷った表現を、そのまま次の段に持っていきます
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④ 判断がつかない箇所を、窓口や専門家に確かめる

印をつけた箇所を中心に、所管の窓口や専門家に相談します。

確かめた結果は、日付と相手を添えて社内に残しておく
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⑤ 公開後も、書き足すたびに同じ目で見る

お知らせ、ブログ、キャンペーンの告知。あとから足す文章でも、同じ4つの書き方に気をつけます。

決まりが改められることもあるので、年に一度はガイドラインを見直します

順番は一例です。業種によっては、公開前に届け出や確認が要る場合もあります。自社の業種で何が要るかは、所管の窓口や業界団体に確認してください。

公開後も、書き足すたびに同じ目で見る

気がゆるみやすいのは、むしろ公開した後です。サイトの本体は慎重に作ったのに、ブログの一文で言い切りを書いてしまう。こういうことは起きやすいものです。社内で文章を書く人には、6章の表を渡しておくと、書いた本人が気づけるようになります。

8. 雄喜晃の伴走:業種の決まりは、貴社と一緒に確かめながら書きます

私たち雄喜晃がホームページをお作りするときは、最初のお打ち合わせで、貴社の業種に広告や表示の決まりがあるかどうかを伺います。決まりがある業種なら、そのことを前提に原稿を組み立てます。

私たちがやること

  • 業種の決まりを、最初に伺う ― 加盟している業界団体や、手元にあるガイドラインを教えていただき、原稿を書く前提として共有します
  • 気になる表現に、印をつけてお渡しする ― 言い切り、体験談、前後の写真、価格の比べ方に当たる箇所を一覧にして、「ここは確認をお願いします」とお伝えします
  • 言い切りを、事実の言葉に置き換える ― 「地域No.1」のような言葉ではなく、件数や年数、資格で書けるように、伺った事実から一緒に言葉を探します
  • 写真は、貴社で撮っていただいたものを整えて載せる ― 明るさや向きを整えるところまでで、前後の写真を良く見せるための加工はしません

料金と条件

料金は制作費0円、月額8,800円(税別)からです。6ページ構成のプランは月額13,800円(税別)です。サーバー、独自ドメイン、SSL、保守は月額に含まれます。月5回までの更新代行も同じ月額の中なので、窓口や専門家に確かめた結果、表現を直すことになったときも、ご連絡いただければこちらで反映します。

最低契約期間は6ヶ月です。7〜35ヶ月で解約された場合、サイトは非公開になります。36ヶ月以上ご継続いただいた場合は、サイトをお渡しします。

私たちがやらないこと

貴社の表示が決まりに合っているかどうかの判断は、私たちはしません。業種や言い方によって違い、所管の窓口や専門家が答える話だからです。判断がつかない表現は、「確認をお願いします」とお伝えします。

また、根拠の無い最上級の言葉や、いただいていないお客様の声を、それらしく作って載せることもしません。ご要望があっても、そこはお断りしています。検索の順位や、問い合わせの件数をお約束することもいたしません。

実際にお作りしたサイトは 制作実績、料金と条件は ホームページ制作のページ に載せてあります。神戸市北区鈴蘭台を拠点に、2025年10月6日に設立した会社です。「うちの業種に決まりがあるのかどうか、確かめたことがない」という方は、一度ご相談ください。

9. まとめ:書く前に、確かめる先を知っておく

業種によっては、ホームページにも広告や表示の決まりがかかります。この記事で押さえたことは、4つです。

  • ホームページも広告として読まれる ― 紙か画面かより、何をどう書いているかが問われやすい
  • どの業種でも気をつけたい書き方がある ― 言い切り、体験談、前後の写真、価格の比べ方
  • 言い切りは、事実に置き換える ― 最上級の言葉より、件数・年数・資格のほうが伝わる
  • 確かめる先を知っておく ― 業界団体のガイドライン、所管の窓口、専門家。制作会社には作る前に伝える

くり返しになりますが、決まりの中身は業種によって違います。この記事で書いたのは、確かめる必要がありそうな場所の目印までです。実際にどう書いてよいかは、所管の窓口・業界団体・専門家に確認してください。

まず、今日できること

今日できることを1つだけ挙げます。自社のサイトを開いて、「最高」「No.1」「絶対」「業界最安」「今だけ」の5つの言葉を探してみてください。見つかった箇所を書き出せば、それが、業界団体の案内や窓口で確かめる一覧の最初の行になります。

ぜひ一度、お話を聞かせてください。貴社の業種の決まりを前提に、伝わる言葉を一緒に探すところから、ご一緒します。