1. 「URLって、こちらで決めるものなんですか」
中小企業の経営者の方とお話していて、こんな言葉を聞くことがあります。
「ホームページの打ち合わせで、各ページのURLはどうしますかと聞かれたんです。正直、考えたこともなくて。お任せでいいんでしょうか。それとも、こちらで決めたほうがいいものなんですか」
お任せでも、サイトは動きます。ただ、URLは一度決めると、あとから変えにくいものです。名刺やチラシに刷り、取引先にメールで送り、検索結果にも出ていきます。決める前に少しだけ考えておくと、何年も使いやすい形になります。
URLは、ページの住所のようなものです。「https://」のあとに続く部分のうち、前半が会社の住所にあたるドメイン、後半の「/service」「/company」のような部分が、建物の中の部屋番号にあたります。この記事で扱うのは、この部屋番号の付け方です。
この記事で書くこと
- URLが、どこで人の目に触れているか
- 意味のないURLと、分かりやすいURLの違い
- 短く・英語の小文字・単語で付ける決まり
- 日本語のURLが、コピーすると長い記号の列になる理由
- 日付や番号を入れないほうがいい理由
- 一度決めたら変えないこと、チラシや名刺に載せるURLの短くし方
ドメインの名前そのものの決め方は 独自ドメインの「名前」を、どう決めるか に、リニューアルでURLが変わったときに何を失うかは リニューアルでURLが変わるときに、失うもの に書きました。この記事は、これから付けるURLを、最初からどう決めておくかの話です。
2. URLは、思ったより人の目に触れている
「URLなんて、誰も見ていないのでは」と思われるかもしれません。ところが、URLが人の目に触れる場面は意外と多くあります。
目で読まれる場面
- メールやLINEで送ったとき ― 送ったURLが、そのまま文字として相手の画面に並びます
- ブラウザの上の欄 ― ページを開くと、そのページのURLが表示されます
- 検索結果 ― ページの見出しの近くに、サイトの名前と一緒にURLの一部が出ることがあります
- 名刺やチラシ、会社案内 ― 紙に刷られたURLは、何年も手元に残ります
口で伝えられる場面
電話で「採用のページを見てください」と伝えるとき、URLを読み上げることがあります。「スラッシュ、リクルート」と言えば伝わるURLと、「スラッシュ、ピー、イコール、いち、に、さん」と読み上げるURLとでは、相手の手間がまったく違います。
URLを見て、中身を判断している
メールで届いたURLを見て、開く前に「何のページか」を判断している人は少なくありません。「/recruit」とあれば採用のページだと分かります。数字と記号だけが並んでいると、何のページか分からないうえに、知らない人から届いた怪しいリンクと見分けがつきにくくなります。
URLは、ページの中身を一言で表す名札でもあります。開く前に用件が伝わるURLにしておくと、送る側も受け取る側も楽になります。送ったときに出る画像や見出しの整え方は LINEやSNSでURLを送ったときの「見え方」を整える にまとめてあります。
3. 意味のないURLと、分かりやすいURL
では、どんなURLが「意味のないURL」なのか。よく見かける形を並べます。
番号だけのURL
「/page-12」「/?p=345」「/archives/678」のように、番号だけでページを区別しているURLです。サイトを作る仕組みによっては、初期設定のままだとこの形になります。作った順に番号が振られるだけなので、番号からは中身が分かりません。
日付の入ったURL
「/2024/05/xxxx」のように、ページを作った年月が入っているURLです。お知らせやブログの仕組みで、よく初期設定になっています。日付が入っていると、読む人には「古いページ」に見えてしまうことがあります。この話は第6章で詳しく書きます。
日本語のURL
「/サービス」「/会社概要」のように、日本語をそのまま使ったURLです。ブラウザの上の欄では日本語のまま見えるので、分かりやすそうに思えます。ところが、コピーして貼り付けると別の姿になります。これは第5章で書きます。
作った順に番号が振られただけの形です。URLを見ても何のページか分かりません。電話で読み上げると、聞き間違いも起きやすくなります。
年月が入っているので、数年たつと古いページに見えます。内容を書き直しても、URLの日付は残ったままです。
ブラウザの上の欄では読めますが、コピーして送ると長い記号の列になります。紙に刷っても、手で打ち込むのが難しい形です。
短く、読んで中身が分かり、口でも伝えられます。送っても、紙に刷っても、そのままの形で残ります。
①〜③は、どれもページとしては問題なく表示されます。違いが出るのは、送ったとき、刷ったとき、読み上げたときです。新しく付けるなら④の形にしておくと、あとで困る場面が減ります。
検索の順位のために付けるものではない
ひとつ、先にお断りしておきます。分かりやすいURLにしたからといって、検索の順位が上がるとお約束はできません。検索エンジンも、読んで意味の分かる単語を使った、簡単な形のURLを勧めてはいます。ただ、順位はページの中身や、ほかの多くの事情で決まります。
URLを分かりやすくする理由は、順位のためではなく、人が読んで、送って、伝えるときに困らないためです。そう考えておくと、地名や業種の言葉を何個もURLに詰め込む、といった無理な付け方をせずに済みます。
4. 付け方の決まり:短く、英語の小文字、単語で
ここからが本題です。URLの付け方は、決まりを先に作ってしまうと迷いません。
英語の小文字で書く
URLは、英字の小文字で書きます。サーバーの設定によっては、「/Service」と「/service」が別のページとして扱われることがあります。大文字が混ざっていると、手で打ち込んだ人が「ページが見つかりません」にたどり着くことがあります。小文字に揃えておけば、この心配がありません。
単語は1つか2つ、つなぐならハイフン
1つのページのURLは、単語1つか2つで表します。「/company」「/recruit」のように、1語で表せるならそれがいちばんです。
2語になるときは、間を「-」(ハイフン)でつなぎます。「/new-construction」「/roof-repair」のような形です。「_」(アンダーバー)は使わないでください。リンクに下線が引かれると、下線と重なって見えなくなり、空白と見間違えられることがあります。
英語か、ローマ字か、どちらかに揃える
「外壁塗装」なら「/exterior-painting」と英語で書くこともできますし、「/gaiheki」とローマ字で書くこともできます。どちらでも構いません。大事なのは、サイトの中でどちらかに揃えることです。
英語にすると、社内で綴りを間違える人が出ることがあります。ローマ字にすると、「shi」と「si」のような書き方の揺れが出ます。どちらにするかを決めて、書き方を一覧に残しておきます。
階層は浅く、2段まで
ページが増えてくると、「/service/roof/repair/small」のように深く掘りたくなります。中小企業のサイトなら、2段までで足ります。「/service」の下に「/service/roof」「/service/wall」を並べる、くらいの形です。
深くするほど、URLは長くなり、読み上げにくくなります。どの段に置くかは、メニューの並べ方と同じ考え方で決まります。メニューの組み方は ホームページのメニューに、何をどの順で並べるか にまとめました。
| ページ | URLの例 | 付けるときの考え方 |
|---|---|---|
| 会社概要 | /company | 1語で表せるものは1語にする。「/about」でもよいが、どちらかに決める |
| サービス | /service /service/roof | サービスが複数あるなら、2段目に1つずつ並べる。3段目は作らない |
| 施工事例・実績 | /works | 事例の1件ずつは、たとえば「/works/kobe-house」のように中身が分かる語で |
| 採用 | /recruit | 年度を入れない。毎年、中身だけを書き換える |
| アクセス | /access | 電話で「スラッシュ、アクセス」と伝えられる短さにしておく |
| よくある質問 | /faq | 略語でも、よく使われている言葉なら短いほうが伝わる |
| お問い合わせ | /contact | 名刺やチラシに刷ることが多いページ。いちばん短く、変えない |
表の言葉は一例です。大事なのは、どの言葉を選ぶかより、決めた言葉を一覧にして、サイト全体で揃えることです。この一覧が、そのまま制作会社への指示書になります。
5. 日本語のURLは、コピーすると長い記号の列になる
第3章で触れた、日本語のURLの話です。分かりやすそうに見えて、つまずきが出やすいところです。
ブラウザでは読めるのに、貼ると読めない
ブラウザの上の欄では、「/会社概要」は日本語のまま表示されます。ところが、そのURLをコピーしてメールやLINEに貼り付けると、多くの場合、次のような形になります。
/%E4%BC%9A%E7%A4%BE%E6%A6%82%E8%A6%81
これが「/会社概要」です。URLの中では、日本語の1文字が、記号と英数字の組み合わせに置き換えられます。「会社概要」の4文字が、36文字の記号の列になります。貼り付ける先のアプリによっては日本語のまま表示されることもありますが、どこでどう見えるかを、こちらで選ぶことはできません。
長い記号の列が引き起こすこと
- 何のページか分からない ― 受け取った人には、ただの文字化けのように見えます
- 途中で切れる ― 長いURLは、メールの改行で途中から切れてしまい、開けなくなることがあります
- 怪しく見える ― 記号の列は、知らない相手からの迷惑なリンクと見分けがつきにくくなります
- 紙に刷れない ― 記号の列を手で打ち込んでもらうのは、まず無理です。日本語のまま刷っても、日本語を打ち込んでたどり着いてもらうのは手間がかかります
ページの名前は日本語、URLは英字
ここで分けて考えたいのは、ページの名前と、ページのURLは別のものだということです。メニューや見出しに出るページの名前は「会社概要」と日本語で書き、URLは「/company」と英字で付けます。読む人が目にするのは、ほとんどがページの名前のほうです。
日本語のドメインについては 独自ドメインの「名前」を、どう決めるか の中で触れています。ドメインもURLの後ろの部分も、会社の代表となる住所は英字で持っておくのが無難です。
6. 日付や番号を入れない
次は、日付と番号です。どちらも、仕組みの初期設定でつい入ってしまうものです。
日付が入っていると、古く見える
「/2024/05/roof-repair」というURLのページを、数年後に読んだ人は、開く前に「数年前の記事だ」と受け取ります。中身を最新の内容に書き直していても、URLの日付はそのまま残ります。
しかも、日付をURLから消そうとすると、URLそのものが変わります。変われば、第7章で書くように、これまでの入口が切れます。最初から日付を入れなければ、この悩みは生まれません。ページを作った日や直した日は、URLではなく、ページの中に書いておけば足ります。
年度を入れると、毎年変えたくなる
採用のページで、「/recruit-2025」のように年度を入れる会社があります。翌年になると、「/recruit-2026」を作るか、古い年度のURLのまま中身を書き換えるか、どちらかになります。前者は名刺や求人票に刷ったURLが古くなり、後者はURLと中身が食い違います。
採用やキャンペーンのように、毎年くり返すページは、URLに年を入れず、中身だけを書き換えます。「/recruit」のまま、毎年の募集内容を差し替えていけば、どの年に刷った紙からでも、今の募集にたどり着けます。
番号は、中身を表さない
「/page-12」の12は、作った順番でしかありません。番号は、読む人にとって何の意味も持たないので、送ったときも読み上げたときも用件が伝わりません。
例外は、番号そのものが中身を表している場合です。たとえば製品の型番のように、お客様がその番号で製品を探しているなら、URLに入っていても意味があります。作った順の番号は入れない、お客様が使っている番号なら入れてもよい、と考えておくと判断しやすくなります。
お知らせのように数が多いページは、1件ずつ名前を考えるのが大変かもしれません。それでも、紙に載せるページや長く読まれるページほど、単語で付けておくことをお勧めします。
7. 一度決めたら変えない。チラシや名刺のURLは特に短く
最後に、決めたあとの扱いです。URLは、付け方より変えないことのほうが大事かもしれません。
公開前に、一覧にして決める
URLは、サイトを公開する前に、全ページ分を一覧にして決めておきます。表は、ページの名前とURLの2列で足ります。第4章の表のような形です。
公開前なら、何度直しても誰にも迷惑がかかりません。決めた一覧は、制作会社と貴社の両方で持っておきます。
ページの名前は変えても、URLは変えない
事業の呼び方が変わって、メニューに出るページの名前を変えたくなることがあります。そのときも、ページの名前だけを変えて、URLはそのまま残すことができます。たとえば「施工事例」を「実績紹介」に変えても、URLは「/works」のままで構いません。
URLまで変えると、検索結果、取引先のサイトからのリンク、ブックマーク、刷った紙のURLが、古い住所を指したままになります。
どうしても変えるときは、転送を入れる
事業の再編やドメインの変更で、どうしてもURLを変えなければならないこともあります。そのときは、古いURLに来た人を、新しいURLへ自動で案内する設定(転送)を入れます。古いURLと新しいURLを1対1で対応させ、期限を切らずに残しておきます。
対応表の作り方や転送の確かめ方は、リニューアルでURLが変わるときに、失うもの に順を追って書いてあります。変えることが決まったら、先にそちらを読んでから進めてください。
紙に載せるURLは、特に短く
名刺やチラシ、看板に載せるURLは、手で打ち込まれることを前提に考えます。
- 1語で終わる形にする ― 「ドメイン/recruit」「ドメイン/contact」のように、ドメインのあとが1語で済む形にします
- 見間違えやすい文字を避ける ― 小文字のエルと数字の1、英字のオーと数字の0のように、紙の上で区別しにくい文字が入らない言葉を選びます
- 読み上げて確かめる ― 社内の誰かに口で伝えて、そのまま打ち込めるかを試します
- QRコードと一緒に載せる ― QRを読み取れない場面でも、短いURLなら打ち込んでもらえます
QRコードを、紙ごとにどのページへ飛ばすか、刷った紙を無駄にしない入口の作り方は 名刺・チラシ・看板のQRコードは、どのページに飛ばすか にまとめました。紙に刷ったURLは、刷ったあとに直せません。だからこそ、紙に載せるURLほど、短く、変えない形にしておきます。
8. 雄喜晃の伴走:各ページのURLを、公開前に一覧で決めます
私たち雄喜晃のホームページ制作では、各ページのURLを、公開前に一覧にしてお見せします。「お任せで」と言われた場合も、決めた一覧は貴社にお渡しします。
私たちがやること
ページ構成が決まったところで、各ページのURLを英語の小文字の短い単語で付け、ページの名前と並べた一覧を作ります。名刺やチラシに載せたいページがあれば、そのページを特に短くします。今のサイトから作り直す場合は、今のURLをそのまま残せるかを先に確かめ、変えざるをえないページには、古いURLから新しいURLへの転送を設定します。お知らせやブログの仕組みも、日付や番号のURLにならないように整えます。
料金と条件
料金は制作費0円、月額8,800円(税別)からです。6ページ構成のプランは月額13,800円(税別)です。サーバー、独自ドメイン、SSL、保守はすべて月額に含まれます。月5回までの更新代行も同じ月額の中なので、ページを足したときのURLの付け方も、決めた一覧に合わせてこちらで揃えます。
最低契約期間は6ヶ月です。7〜35ヶ月で解約された場合、サイトは非公開になります。36ヶ月以上ご継続いただいた場合は、サイトをお渡しします。
私たちがやらないこと
URLの付け方で、検索の順位をお約束することはしません。URLを整えるのは、人が読んで、送って、伝えるときに困らないためです。順位のために、地名や業種の言葉をURLに何個も詰め込むこともいたしません。
また、公開したあとに、見た目の好みだけでURLを付け替えることもお勧めしません。付け替えるたびに、これまでの入口が切れるからです。変える理由がある場合は、転送とあわせてご相談ください。
実際にお作りしたサイトは 制作実績、料金と条件は ホームページ制作のページ に載せてあります。神戸市北区鈴蘭台を拠点に、2025年10月から活動しています。「今のサイトのURLが番号だらけで、名刺に載せられない」という方は、一度ご相談ください。
9. まとめ:URLは、読めて、伝えられて、変わらない住所
ホームページの各ページのURLを付けるときに押さえることは、5つです。
- 番号や日付だけのURLにしない ― 作った順の番号や年月は、読む人にとって意味を持たない
- 短く、英語の小文字、単語で ― 1語か2語。つなぐならハイフン。英語かローマ字かはどちらかに揃える
- 日本語のURLは避ける ― ページの名前は日本語、URLは英字。コピーすると長い記号の列になる
- 年や番号を入れず、中身だけを書き換える ― 採用やキャンペーンのように毎年くり返すページほど大事です
- 一度決めたら変えない ― 公開前に一覧で決める。変えるなら転送を入れる。紙に載せるURLは特に短く
URLは、ふだんは誰にも意識されない部分です。それでも、送ったとき、刷ったとき、読み上げたときに、会社の印象を少しずつ左右しています。最初に一覧を作って決めておけば、あとで悩むことはほとんどありません。
まずは今日、自社のサイトの「お問い合わせ」のページを開いて、ブラウザの上の欄のURLをコピーし、自分あてにメールで送ってみてください。届いたURLを見て、何のページか分からなかったという方は、一度ご相談ください。