1. 「メニューは、同業のサイトと同じでいいですよね」
中小企業の経営者の方とお話していて、こんな言葉をよく聞きます。
「ページ構成とかメニューとかは、同業の大きい会社のサイトを真似しておけば大丈夫ですよね。企業情報、事業内容、採用情報、お問い合わせ、みたいな」
真似をすること自体は、悪いことではありません。ただ、大きな会社のメニューは、株主や取引先、就職を考える学生など、いろいろな相手に向けて作られています。貴社のサイトを見に来る人が、同じ相手とは限りません。
ホームページのメニューは、お店の案内板のようなものです。入ってきたお客様が「料金はどこだろう」「どんな仕事をしているんだろう」と思ったとき、案内板を見て迷わずに行けるかどうか。案内板が社内の部署名で書かれていたら、お客様は迷います。
この記事で書くこと
- メニューが分かりにくくなる3つの形
- ページ構成を、お客様の質問から作る方法
- メニューに並べる項目の数と、並べる順番
- 社内の言葉ではなく、お客様の言葉で名前をつける
- スマートフォンのメニューで気をつけること
- フッターに回すものと、ページを増やしたときの整理
そもそも何ページで始めるかは 1ページから始めて、あとから増やす進め方 で書きました。この記事では、ページがいくつかあるときに、それをどう並べて、どう名前をつけるかを扱います。
2. メニューが分かりにくくなる3つの形
先に、よくある形を見ておきます。どれも、作った側にとっては自然な形です。
① 社内の組織図のまま並んでいる
「建設事業部」「不動産事業部」「管理事業部」。社内の部署の分け方が、そのままメニューになっている形です。社内の人には分かりやすいのですが、お客様は、自分の用件がどの部署の担当かを知りません。
たとえば、家の雨漏りを直したい人が、「建設事業部」と「管理事業部」のどちらを押せばいいか。迷った末に、どちらも押さずに閉じてしまうことがあります。
② 全部が同じ重さで並んでいる
メニューに10個以上の項目が横に並び、文字が小さくなっている形です。会社にとって大事なページを全部載せた結果ですが、全部を同じ重さで並べると、どれが大事かが伝わりません。
項目が多いと、読む人は1つずつ読んで比べなければなりません。探しているページがあっても、見つける前に疲れてしまいます。
③ 会社の言葉で名前がついている
「ソリューション」「コンセプト」「ワークス」「トピックス」。かっこいい言葉ですが、押した先に何があるのかが、名前から想像できません。英語やカタカナの名前は、特にこの形になりやすいです。
お客様は、メニューの名前を見て押すかどうかを決めます。名前から中身が想像できなければ、押す理由になりません。
3. ページ構成は、お客様の質問から作る
ここからが本題です。メニューを決める前に、ページ構成を決めます。そして、ページ構成は社内の組織からではなく、お客様の質問から作ります。
初めての人が、頭の中で聞いていること
貴社のサイトを初めて見る人は、だいたい次のような質問を持っています。
- 何をしてくれる会社なのか
- いくらくらいかかるのか
- これまでにどんな仕事をしてきたのか
- どんな人がやっている、どこの会社なのか
- どうやって頼めばいいのか
この質問の1つひとつに、答えるページがあるかどうか。それがページ構成の出発点です。質問に答えるページがあれば、それがメニューの項目になります。
電話やメールで聞かれることを書き出す
貴社の場合に、どんな質問が多いかを知るには、これまで電話やメールで聞かれたことを書き出すのがいちばん早い方法です。「土日も来てもらえますか」「見積もりは無料ですか」「〇〇市は対応エリアですか」。
よく聞かれることが、そのまま「お客様が知りたいこと」です。社内で会議をして考えるより、すでに聞かれたことを並べたほうが、実際のお客様に合った構成になります。
| お客様の質問 | 答えるページ | メニューの名前の例 |
|---|---|---|
| 何をしてくれる会社? | 仕事の種類ごとの説明 | たとえば「外壁・屋根の工事」。「事業内容」より中身が想像できる |
| いくらかかる? | 料金の目安と、高くなる条件 | たとえば「料金の目安」。探す言葉そのままにする |
| どんな仕事をしてきた? | これまでの施工の事例 | たとえば「施工事例」。「ワークス」は押す前に中身が分からない |
| どこの、どんな会社? | 会社概要、代表の顔と考え方 | たとえば「会社案内」。会社について書いたページは1つの名前にまとめる |
| うちまで来てくれる? | 対応エリアと、所在地 | たとえば「対応エリア」。会社案内の中に入れて、メニューに出さない形もある |
| どうやって頼む? | 相談から工事までの流れと、問い合わせの入口 | たとえば「無料で見積もりを頼む」。ボタンの形で右端に置く |
左の列は、どの業種でもほぼ同じです。変わるのは真ん中と右の列を、貴社の仕事の言葉で書くことだけです。質問が6つなら、メニューの項目も6つ前後に収まります。
1つのページで答えられるなら、分けない
質問ごとにページを作る必要はありません。1つのページで答えられる質問は、1つのページにまとめます。料金の目安がサービスの説明の中で書ききれるなら、料金のページを別に作らなくても構いません。
ページを分けるかどうかの目安は、そのページだけで読む人がいるかどうかです。「料金」で検索して来る人がいる、料金の説明が長い、という場合は、分けたほうが親切です。
4. メニューに並べる項目の数と、順番
ページ構成が決まったら、その中からメニューに並べるものを選びます。ページ構成とメニューは、同じではありません。全部のページをメニューに出す必要はないのです。
項目の数は、多くても7つまでを目安に
メニューの項目は、5つ前後、多くても7つまでを目安にしてください。これより多いと、パソコンでは文字が小さくなるか2段になり、どれが大事か分かりにくくなります。
項目が多くなりそうなときは、「似たものを1つにまとめられないか」を考えます。「会社概要」「代表挨拶」「沿革」「アクセス」は、「会社案内」の1つにまとめて、その中で分ければ十分です。
並べる順番は、お客様が確かめる順
順番も大事です。メニューは左から(スマートフォンでは上から)読まれます。お客様が確かめる順に並べると、読む人は左から順に押していけます。
多くの業種で収まりがいいのは、次の順番です。
- 仕事の内容 ― 何をしてくれるか。いちばん左に
- 料金 ― いくらかかるか
- 実績・事例 ― 本当にできるのか
- 会社案内 ― どこの、どんな会社か
- 問い合わせ ― いちばん右に、ボタンの形で
「会社案内」をいちばん左に置いているサイトをよく見ますが、初めての人が最初に知りたいのは、会社の沿革より仕事の内容です。社内での大事さの順ではなく、お客様が知りたい順に並べてください。
「ホーム」はなくてもいい
メニューの左端に「ホーム」や「トップ」を置く形もあります。これは置いても構いませんが、左上のロゴを押せばトップに戻れるようにしておけば、なくても困りません。項目を1つ減らせるので、ほかの項目に場所を譲れます。
問い合わせは、ほかの項目と見た目を変える
いちばん右の問い合わせだけは、ほかの項目と見た目を変えて、ボタンの形にします。メニューの中でいちばん押してほしい項目が、ほかと同じ文字の並びに埋もれないようにするためです。
ボタンの言葉は「お問い合わせ」でも構いませんが、「無料で見積もりを頼む」のように押した先が分かる言葉のほうが押されやすくなります。
5. 名前は、お客様の言葉でつける
メニューの名前は、短い言葉ですが、サイトの中でいちばん読まれる言葉です。名前を変えるだけで、同じページが押されるようになることもあります。
社内の言葉と、お客様の言葉
社内でいつも使っている言葉は、社外の人には伝わらないことがあります。たとえば、こんな言い換えです。
- 「ソリューション」 ― 「できること」「お受けしている仕事」
- 「事業内容」 ― 「外壁・屋根の工事」のように、仕事の名前そのもの
- 「ワークス」「プロジェクト」 ― 「施工事例」「これまでの仕事」
- 「リクルート」 ― 「採用情報」「求人」
- 「トピックス」 ― 「お知らせ」
例はすべて架空ですが、どれもよく見かける形です。右側の言葉のほうが、押した先に何があるかを、押す前に想像できます。
確かめ方は、電話で使われる言葉
名前を決めるとき、いちばん確かな手がかりは、お客様が電話で使う言葉です。お客様が「施工例って見られますか」と言うなら「施工例」、「料金表ありますか」と言うなら「料金表」。
お客様が使う言葉は、そのまま検索で使われる言葉でもあります。メニューの名前とページの見出しをお客様の言葉にそろえておくと、読む人がページを開いたときに「探していたのはここだ」と分かります。
似た名前を並べない
もう1つ気をつけたいのが、似た名前が並ぶことです。「会社概要」「企業情報」「会社案内」が別々の項目になっていると、読む人はどれを押せばいいか迷います。
似た名前が並んでいたら、中身が重なっていないかを確かめてください。重なっているなら、1つにまとめます。重なっていないなら、違いが分かる名前に変えます。
長さは、スマートフォンで1行に収まるくらい
名前は短くします。スマートフォンのメニューで、1行に収まる長さが目安です。折り返して2行になると、項目の区切りが分かりにくくなります。
短くするときに、意味を削りすぎないでください。「事例」より「施工事例」のほうが、少し長くても伝わります。短さより、伝わることが先です。
6. スマートフォンのメニュー
スマートフォンでは、メニューは画面の端のボタン(三本線のマークなど)の中にしまわれることがほとんどです。ここには、パソコンとは違う気をつけ方があります。
しまわれたメニューは、開かれないことがある
パソコンのメニューは、いつも画面の上に見えています。スマートフォンのメニューは、押して開かないと中身が見えません。開かずにページを読み進める人も多くいます。
ですから、大事なページへの入口は、メニューの中だけに置かないでください。トップページの本文の中にも、仕事の内容・料金・実績への入口を並べておきます。メニューを開かなくても、大事なページにたどり着けるようにしておくのです。
開いたら、1画面で全部見えるように
メニューを開いたときは、項目が1画面に収まって、スクロールせずに全部見えるのが理想です。項目が多すぎてメニューの中でスクロールが要ると、下のほうの項目は見られにくくなります。ここでも、項目を絞ることが効いてきます。
項目の下に、さらに小さな項目が隠れていて、押すと開く形もあります。これは1段までにしてください。2段、3段と入れ子になると、自分がどこにいるか分からなくなります。
電話と問い合わせを、メニューの中にも
メニューを開いた人は、何かを探している人です。その中に、電話番号と問い合わせの入口も入れておきます。電話番号は、押せばそのまま電話がかかる形にしておくと、探している人がその場で連絡できます。
閉じるボタンと、押しやすさ
開いたメニューを閉じるボタンが、小さすぎたり見つけにくかったりすることがあります。開いた人が、迷わずに閉じられるかも確かめてください。項目と項目の間が狭すぎると、隣の項目を押してしまうこともあります。
確かめ方は、自分のスマートフォンでメニューを開き、全部の項目を1つずつ押してみることです。押した先が正しいページか、戻ってまたメニューを開けるか。数分でできます。
7. フッターに回すもの、ページを増やしたときの整理
メニューを絞ると、「載せなかったページはどうするのか」という話になります。その受け皿が、ページのいちばん下にあるフッターです。
フッターに回すもの
フッターには、必要な人だけが探しに来るページを置きます。
- プライバシーポリシー ― 問い合わせフォームで個人情報を受け取るなら、置いておくページです
- お知らせの一覧 ― 更新が頻繁でないなら、メニューより下で十分です
- 採用情報 ― お客様向けのサイトなら、フッターに置く形がなじみます。採用に力を入れている時期は、メニューに上げても構いません
- 関連会社やグループのサイト ― お客様の用件とは別の入口なので、下に置きます
- SNSへの入口 ― サイトの外へ出ていく入口は、読み終えた人が見る場所に
通販のように、業種によってはサイトに載せる表記が決まっているものもあります。何を載せるべきかは業種によって違うので、所管の窓口や専門家に確認してください。プライバシーポリシーの書き方は ホームページのプライバシーポリシーに、何を書くか にまとめました。
フッターは、探している人の最後の砦
フッターには、メニューに出した項目も含めて、サイトの主なページを一覧で並べておくと親切です。ページの最後まで読んだ人が、上に戻らずに次のページへ移れます。メニューで見つけられなかった人が、最後に探す場所にもなります。
会社名・住所・電話番号・受付時間も、フッターに置いておきます。どのページの最後にも同じ情報があれば、どこから読み始めた人でも連絡先にたどり着けます。
ページを増やすときは、メニューに足す前に考える
ページは、公開したあとに増えていきます。そのとき、新しいページをそのままメニューに足していくと、すぐに項目が増えすぎます。足す前に、次の順で考えてください。
- 今ある項目の下に入らないか ― 新しいサービスなら「仕事の内容」の中に、新しい事例なら「施工事例」の中に
- 入れ替えられないか ― 1つ足すなら、1つ下ろす。下ろした項目はフッターへ
- しばらくだけのものではないか ― 期間限定の案内は、メニューではなくトップページの中に置く
扱う商品やサービスの数が多くて、メニューの下に入れても収まらない場合は、一覧ページの作り方を 扱う商品やサービスが多い会社の、載せ方 に書きました。事業そのものが増えて、お客様の種類が変わる場合は 事業が増えたとき、ホームページを分けるか、1つにまとめるか を参考にしてください。
整理するときは、ページの住所に気をつける
メニューを整理するとき、ページの名前と一緒に、ページの住所(URL)まで変えてしまうことがあります。これは慎重に進めてください。住所が変わると、検索や名刺から来ていた人が、ページを見つけられなくなることがあるからです。何を失うかと、その防ぎ方は リニューアルでURLが変わるときに、失うもの にまとめました。
Step 1(今週):聞かれた質問を書き出し、今のメニューと並べる
ここからはやる順番です。まず、この1〜2か月で電話やメールで聞かれたことを書き出し、今のメニューの項目と並べてください。答えるページがない質問、どの項目を押せばいいか分からない質問が見つかるはずです。
Step 2(今月):数を絞り、名前と順番を直す
項目を5つ前後に絞り、お客様が確かめる順に並べ替えます。名前は、お客様が電話で使う言葉に直します。各サービスのページそのものの書き方は サービス紹介のページは、どの順番で書けばいいか を参考にしてください。
Step 3(半年ごと):押されていない項目を見直す
半年に一度、アクセス解析(GA4など)で、メニューのどの項目のページがよく見られていて、どれが見られていないかを確かめます。見られていない項目は、名前が伝わっていないか、そもそも要らないかのどちらかです。名前を変えるか、フッターに下ろすかを決めてください。
8. 雄喜晃の伴走:お客様の質問から、メニューを一緒に組みます
私たち雄喜晃のホームページ制作では、メニューを、同業のサイトを写すところからではなく、貴社がよく聞かれる質問を伺うところから組みます。最初のお打ち合わせで、電話やメールでどんなことを聞かれるかを伺い、そこからページ構成とメニューの名前を一緒に決めます。
私たちがやること
お客様の質問を並べてページ構成を決め、メニューの項目の数と順番、名前を決めます。名前は、お客様が実際に使う言葉にそろえます。スマートフォンでメニューを開いたときに1画面で収まるか、全部の項目が正しいページに飛ぶかを確かめてから公開します。フッターの一覧と連絡先も、あわせて整えます。
料金と条件
料金は制作費0円、月額8,800円(税別)からです。6ページ構成のプランは月額13,800円(税別)で、仕事の内容・料金・実績・会社案内といった、メニューに並ぶ主なページを分けて持てる形です。サーバー、独自ドメイン、SSL、保守は月額に含まれます。月5回までの更新代行も同じ月額の中なので、半年後にメニューの名前を直したくなったときも、ご連絡いただければこちらで反映します。
最低契約期間は6ヶ月です。7〜35ヶ月で解約された場合、サイトは非公開になります。36ヶ月以上ご継続いただいた場合は、サイトをお渡しします。
私たちがやらないこと
見られないページを増やして、ページ数を多く見せることはしません。同業の大きな会社のメニューを、そのまま写すこともしません。また、メニューを直せば検索の順位が上がる、問い合わせが増える、といったお約束もしていません。やるのは、貴社のお客様が探しているページに、迷わずたどり着ける案内板を作ることです。
実際にお作りしたサイトは 制作実績、料金と条件は ホームページ制作のページ に載せてあります。神戸市北区鈴蘭台を拠点に、2025年10月から活動しています。「メニューの項目が増えすぎて、自分でもどこに何があるか分からなくなってきた」という方は、一度ご相談ください。
9. まとめ:メニューは、お客様のための案内板
ホームページのページ構成とメニューを決めるときに押さえることは、5つです。
- ページ構成は、お客様の質問から作る ― 社内の組織図ではなく、電話やメールで聞かれたことから
- 項目は5つ前後、多くても7つまで ― 似たものはまとめ、ページ構成とメニューを分けて考える
- お客様が確かめる順に並べる ― 仕事の内容から始めて、問い合わせはいちばん右にボタンの形で
- 名前は、お客様の言葉で ― 押す前に中身が想像できるか。似た名前を並べない
- スマートフォンとフッターで受け止める ― メニューを開かなくても大事なページへ。載せなかったページはフッターへ
メニューは、会社の組織を紹介するものではありません。入ってきたお客様が、探しているものの場所を知るための案内板です。案内板がお客様の言葉で書かれていれば、同じページでも、ずっと見つけてもらいやすくなります。
まずは今週、最近お客様に聞かれたことを3つ書き出して、今のメニューのどこを押せば答えにたどり着けるかを確かめてみてください。