1. 「比較表を載せたら、分かりやすくなりますかね」

中小企業の経営者の方とお話していて、こんな言葉をよく聞きます。

「同業のサイトを見ていたら、他社との比較表を載せているところがあったんです。○と×がずらっと並んでいて、自分のところだけ全部○。うちも作ったほうがいいんでしょうか」

比較表は、パッと見て分かりやすい形です。載せたくなる気持ちはよく分かります。

ただ、ひと口に比較表と言っても、何と何を比べるかで、効き目がまったく違います。自社のプラン同士を比べる表は、読む人の迷いを減らします。一方で、他社と並べる表は、根拠を示せないと逆に信用を落とします。

この記事では、比較表を載せるかどうかの分け方と、載せるならどう作るかを書きます。最後に、表を作らずに済ませる代案も紹介します。

この記事で書くこと

  • 比較表には2種類あり、効き目が違う
  • 自社のプラン同士を比べる表が、役に立つ理由
  • 他社と比べる表で、気をつけること
  • 比較表の作り方(項目の選び方・○×より具体的に・注釈)
  • スマートフォンでの見せ方
  • 比べ方を読む人に渡す、という代案

2. 比較表には、2種類ある

まず、比較表を2つに分けます。ここを分けずに話すと、判断が混ざります。

自社のプラン同士を比べる表

1つ目は、自社の中にある複数のプランやコースを並べる表です。「ライト・スタンダード・プレミアム」のような料金プランや、「点検のみ・部分補修・全面改修」のような工事の範囲を、横に並べて違いを見せます。

書いてあることは全部、自社の事実です。自分で確かめられますし、変わったら自分で直せます。

他社と比べる表

2つ目は、自社と他社を並べる表です。「当社・A社・B社」と社名を並べるもの、「当社・一般的な業者」のように相手をぼかすもの、どちらもこちらに入ります。

こちらは、表の半分が他社についての記述です。他社の事実を、自社が書くことになります。

読む人が、表に求めていること

比較表を見る人が知りたいのは、「自分はどれを選べばいいか」です。どの会社が優れているかを判定してほしいわけではありません。

この視点で2種類を見直すと、違いがはっきりします。

図:比べる相手で、表の効き目が変わる
① 自社のプラン同士
どのプランが自分に合うか

中身は全部自社の事実なので、正確に書けて、変わったら自分で直せます。迷っている人が、自分に合うプランを選ぶ手間を減らします。

読む人の迷いが減る
② 他社と並べる
当社は全部○、他社は×

読む人は「本当か」「どうやって調べたのか」と疑います。根拠を示せないと信用を落とし、他社の情報が変わっても気づけません。表示のルールの面でも注意が要ります。

根拠を問われる
③ 比べ方を渡す
選ぶときに見るところ

他社の名前は出さず、どこを見て比べればいいかを書きます。読む人が自分で比べるので、自社の良さは読む人が見つけます。

比べるのは読む人

①は載せる価値があり、②は避けたほうが無難です。他社との違いを伝えたいときは、②の代わりに③を使います。表で勝ち負けを見せるより、比べる物差しを渡すほうが信用されます。

3. 自社のプラン同士を比べる表は、役に立つ

プランやコースが2つ以上あるなら、比較表は載せる価値があります。

迷っている人の手間を減らす

プランごとにページや段落が分かれていると、読む人は行ったり来たりしながら違いを探します。表にすると、違いが1か所で見えます。

とくに、プランの違いが「回数」「範囲」「期間」のように数で表せるときは、文章で読むより表のほうがずっと早く伝わります。読む人は、自分の条件に合う列を探すだけで済みます。

「どれを選べばいいか」まで書く

表を置くだけで終わらせず、表のすぐ上か下に、どんな人にどのプランが合うかを書いてください。

  • ライト ― たとえば「まず1回試してみたい方」
  • スタンダード ― たとえば「月に1回、定期的に頼みたい方」
  • プレミアム ― たとえば「複数の拠点をまとめて任せたい方」

表は違いを見せますが、選ぶのは読む人です。選び方の一言があると、表を見たあとに手が止まりません。迷っている人は、自分の状況に近い説明を探して、そこで決めます。

料金の差には、理由を添える

プランの料金に差があるとき、読む人は「何にその差額を払うのか」を探します。表の数字だけでは、それが分かりません。

表の下に、差額で何が増えるのかを一言で書きます。「スタンダードとの差は、月1回の訪問と毎月の報告書です」。こう書いてあれば、読む人は差額の分だけ自分に必要かどうかで考えられます。高いプランが選ばれない理由が「高いから」ではなく「差が分からないから」であることは、よくあります。

プランが1つなら、表は要らない

プランが1つしかないのに、無理に表を作る必要はありません。1列だけの表は、ただの箇条書きです。

その場合は、料金と含まれる内容、含まれない内容を、文章と箇条書きで書けば十分です。料金をどう書くかは ホームページに料金を載せるか、載せないか で詳しく書いています。

4. 他社と比べる表は、根拠を示せないと信用を落とす

次は、他社と並べる表です。結論から言うと、載せないほうが無難です。理由を順に書きます。

読む人は、まず疑う

自社が全部○で、他社が×や△ばかりの表を見たとき、読む人は素直には受け取りません。

「書いたのは、○がついている会社自身だ」と分かっているからです。どうやって調べたのか、いつの情報なのか、都合の悪い項目は外していないか。疑いが先に立つと、表の中身より、表を作った会社の姿勢のほうが印象に残ります。

他社の情報は、いつの間にか古くなる

他社のサービスや料金は、こちらの知らないうちに変わります。

去年×だった項目が、今年は○になっているかもしれません。自社の表なら自分で直せますが、他社の変化には気づけません。古いままの表が残ると、事実と違うことを書き続けることになります。それを、比べられた側や、両方を知っているお客様が見つけることもあります。

項目の選び方で、結果はいくらでも変わる

比較表は、どの項目を並べるかで勝ち負けが決まります。自社が○になる項目だけを選べば、全部○の表は誰にでも作れます。

読む人も、それを分かっています。全部○の表は、項目を選んだ跡に見えます。表が整っていればいるほど、かえって作られた感じが出てしまいます。

表示のルールの上でも、注意が要る

他社と比べる表示は、示し方によっては、表示に関するルールの上で問題になる場合があると言われています。比べた内容が事実と違っていたり、根拠を示せなかったり、比べる条件が揃っていなかったりすると、読む人に誤解を与える表示と受け取られることがあるためです。

細かい基準は、業種や表示の内容によって違います。他社との比較を載せたいときは、所管の窓口や専門家に確認してからにしてください。この記事でお伝えできるのは一般論までです。

社名を伏せても、同じこと

「A社」「B社」「一般的な業者」のように相手をぼかせば大丈夫か、と聞かれることがあります。

伏せても、根拠を問われることは変わりません。むしろ「一般的な業者」は、誰のことを指しているのかが分からない分、確かめようがありません。読む人には、都合よく作った相手に見えることがあります。

他社との違いを伝えたい気持ちは、もっともです。その場合の書き方は、このあと第7章で代案として書きます。

5. 比較表の作り方

ここからは、自社のプラン同士の表を作る場合の作り方です。

項目は、お客様に聞かれる順で選ぶ

表に並べる項目は、お客様から実際によく聞かれることから選びます。料金、回数、期間、含まれる作業、対応できる範囲、申し込みから始まるまでの日数。電話やメールでよく聞かれる順に並べると、読む人の疑問の順番と揃います。

項目は多すぎないようにします。並べられるからといって全部入れると、どこを見ればいいのか分からなくなります。プランごとに違いが出る項目だけを残し、全プラン共通のものは表の外に1行で書くと、表が締まります。

○×より、具体的な中身を書く

比較表でよく見るのが、○と×だけで埋めた表です。一見すっきりしますが、読む人には情報が足りません。

「訪問対応:○」と書かれていても、何回まで来てくれるのか、どこまで来てくれるのか、別料金なのかが分かりません。○の中身を、数や範囲で書きます。

表:○×で書いた比較表を、具体的に書き直す(例はすべて架空)
項目○×だけで書いた場合具体的に書いた場合
訪問対応ライト:×/スタンダード:○たとえば「ライト:来店のみ/スタンダード:月1回まで訪問(〇〇市内)」
サポート両方○たとえば「ライト:メールのみ、2営業日以内に返信/スタンダード:電話も可、平日9〜17時」
報告書ライト:△/スタンダード:○たとえば「ライト:作業後に写真3枚をお送りします/スタンダード:写真つきの報告書を毎月お渡しします」
追加料金書かれていないたとえば「時間外の対応は、1回ごとに別料金です(料金表をご覧ください)」

○×だと、何がどこまで含まれるかが分かりません。具体的に書くと、読む人が自分の条件に当てはめて選べます。△は、何が足りないのかが伝わらないので、とくに書き直したい記号です。

列の順番と、行の順番を決める

プランを並べる順番は、料金の安い順に、左から右へが読みやすい形です。読む人は左から読み、右へ進むほど内容が増えていくと理解します。順番が入れ替わっていると、どれが上位のプランなのかを考える手間がかかります。

行の順番は、先ほどの「聞かれる順」です。いちばん上に料金、その下に回数や範囲、いちばん下に契約の条件。判断に効く行ほど上に置くと、途中で読むのをやめた人にも大事なところが届きます。

「含まれない」ことも書く

×の欄は、空欄や記号で済ませず、何が含まれないかを言葉で書きます。「訪問は含まれません。ご希望の場合は1回ごとに承ります」のように、代わりの方法があれば添えます。

含まれないことが分かると、読む人は「この金額でここまで」と自分で線を引けます。あとから「それは別料金です」と伝える場面が減ります。

注釈は、表のすぐ下に置く

表には、注釈が欠かせません。

  • 税込か税別か ― 金額の列には、必ずどちらかを書く
  • いつの時点の内容か ― 「〇年〇月時点」と書いておくと、古くなったときに気づける
  • 条件 ― 「〇〇市内の場合」「最低契約期間〇ヶ月」など、表の数字が成り立つ前提

注釈は、表から離れたページの下のほうに置くと読まれません。表のすぐ下に、小さくしすぎずに置いてください。読む人が表と注釈を一緒に見られる位置が大事です。

6. スマートフォンでの見せ方

比較表は、パソコンの画面で作ると横に広がります。ところが、ホームページはスマートフォンで見られることも多くあります。

横に長い表は、スマートフォンで崩れる

列が4つも5つもある表は、スマートフォンの画面では入りきりません。文字が極端に小さくなるか、表だけ横にスクロールする形になります。

横にスクロールする表は、右側の列が見落とされます。いちばん見てほしいプランが右端にあると、そこまでたどり着かれないことがあります。スマートフォンで人が離れる原因は スマートフォンで見たときに、人が離れる7つのこと にまとめていますが、横スクロールはその代表です。

スマートフォンでは、1プランずつ縦に並べる

スマートフォンでは、表の形にこだわらず、1プランを1つのまとまりにして、縦に並べる見せ方が読みやすくなります。

それぞれのまとまりの中で、「料金」「回数」「訪問」のように項目名を毎回書きます。表の見出し行がスクロールで見えなくなっても、何の数字か分かるようにするためです。パソコンでは表、スマートフォンでは縦並び、と画面の幅で切り替える作り方ができます。

表を画像で作らない

比較表を画像にして貼るやり方は、避けてください。

  • 文字が小さくなる ― スマートフォンでは拡大しないと読めない
  • 直しにくい ― 料金が1つ変わるたびに、画像を作り直すことになる
  • 検索エンジンが中身を読みにくい ― 画像の中の文字は、ページの文章として扱われにくい

表は、ページの文字として作るのが基本です。直すときも、文字を書き換えるだけで済みます。

「おすすめ」の印は、1つだけ

プランのどれかに「おすすめ」「人気」の印をつけることがあります。つけるなら、1つだけにしてください。

全部に印があると、印の意味がなくなります。また、「人気」と書くなら、実際に選ばれている数の多いプランにしてください。根拠の無い「人気No.1」のような書き方は、読む人の疑いを招きます。

7. 代案:比べ方を、読む人に渡す

他社との違いを伝えたいけれど、他社と並べる表は避けたい。そんなときの代案があります。比べる表の代わりに、比べ方を書く方法です。

「選ぶときに見るところ」を書く

ページの中に、「〇〇を選ぶときに見るところ」という区画を作ります。そこに、業者を選ぶときに確かめておきたい点を並べます。

  • 料金に何が含まれているか ― 追加料金がかかる条件はどこか
  • 誰が来るのか ― 見積もりに来た人と、作業する人は同じか
  • 終わったあとの対応 ― 不具合があったとき、どこに連絡して、いつまで見てくれるか
  • 契約の期間と、やめるときの条件 ― 途中でやめたら何が起きるか

他社の名前は一切出しません。それでも、読む人はこの物差しを持って、何社かを見比べます。貴社が答えられる項目なら、比べた結果として貴社が残ります。

自社に不利な項目も、入れておく

物差しを書くとき、自社に有利な項目だけを並べると、比較表と同じ問題が起きます。自社が強くない項目も、正直に入れてください。

たとえば、対応エリアが狭いなら「対応エリアは〇〇市内に限っています。エリア外の方は、地元の業者のほうが早く対応できます」と書く。不利な点を自分で書く会社は、残りの言葉も信じてもらえます。強みと弱みを一緒に書く考え方は 「うちの強み」を、ホームページにどう書くか にまとめました。

置き場所は、サービスのページの後半

「選ぶときに見るところ」は、サービスの説明と料金のあと、問い合わせの手前に置くのが収まりがいい位置です。

サービスの中身を読んで、料金を見て、まだ迷っている人がそこで物差しを受け取ります。迷っている人に、判断の材料を渡す位置です。何社か見積もりを取って比べている人には、比べ方の手順そのものが役に立ちます。相見積もりの揃え方は ホームページの相見積もりを、公平に比べる方法 で、ホームページ制作を例に書いています。

8. 雄喜晃の伴走:比べる表は、貴社のプランの中で作ります

私たち雄喜晃のホームページ制作では、比較表を作るときも、まず貴社のお話を伺うところから始めます。

私たちがやること

プランやコースが複数ある場合は、お客様からよく聞かれる質問を伺い、そこから表の項目を選びます。○×で済ませず、回数や範囲を具体的な言葉に直し、税込・税別や時点などの注釈を表のすぐ下に置きます。スマートフォンでは1プランずつ縦に並ぶように組み、表は画像ではなく文字で作ります。

他社との違いを伝えたいというご相談には、「選ぶときに見るところ」の区画を一緒に作ります。貴社が答えられる項目と、正直に書いておきたい不利な項目を、お話の中から拾います。

料金と条件

料金は制作費0円、月額8,800円(税別)からです。6ページ構成のプランは月額13,800円(税別)です。サーバー、独自ドメイン、SSL、保守はすべて月額に含まれます。月5回までの更新代行も同じ月額の中なので、プランの内容や料金が変わったときの表の書き換えも、ご連絡いただければこちらで反映します。

最低契約期間は6ヶ月です。7〜35ヶ月で解約された場合、サイトは非公開になります。36ヶ月以上ご継続いただいた場合は、サイトをお渡しします。

私たちがやらないこと

他社のサービスや料金を調べて、比較表を作ることはしません。根拠を示し続けることが難しく、貴社の信用を危うくするからです。「他社より安い」「地域で一番」のような、他社と比べて飾る言葉も使いません。

また、貴社のプランの中身や料金そのものを、こちらで決めることもしません。それは経営の判断です。検索の順位や問い合わせの件数をお約束することもしません。

「プランの違いが、お客様にうまく伝わっていない気がする」という方は、一度ご相談ください。実際にお作りしたサイトは 制作実績、私たち自身の料金と条件は ホームページ制作のページ に載せてあります。神戸市北区鈴蘭台を拠点に、2025年10月から活動しています。

9. まとめ:表で勝ち負けを見せず、比べ方を渡す

ホームページに比較表を載せるかどうかで押さえることは、5つです。

  • 自社のプラン同士なら載せる ― 違いが1か所で見え、読む人の迷いが減る
  • 他社と並べる表は避ける ― 根拠を問われ、情報が古くなり、表示のルールの面でも注意が要る
  • ○×より具体的に書く ― 回数・範囲・含まれないことを言葉にし、注釈は表のすぐ下へ
  • スマートフォンでは縦に並べる ― 横スクロールの表と、画像の表は避ける
  • 他社との違いは、比べ方で伝える ― 「選ぶときに見るところ」を書き、不利な項目も入れる

比較表は、作り方を間違えると、分かりやすさより疑いのほうが先に届きます。勝ち負けを見せる表ではなく、読む人が自分で選べる材料を渡すことが、いちばん信用される見せ方です。

今日できることを1つだけ挙げます。お客様から「どれにすればいいですか」と聞かれたときに、いつもどう答えているかを書き出してみてください。その答えが、表の項目と「どんな人に合うか」の一言になります。

ぜひ一度、お話を聞かせてください。貴社のプランを、選びやすい形に並べ直すところからご一緒します。