1. 「学校から、職場体験の受け入れを頼まれまして」

中小企業の経営者の方とお話していて、こんな言葉をよく聞きます。

「近くの学校から、職場体験の生徒さんを受け入れてもらえないかと言われまして。せっかくなら、インターンも始めてみようかと。ただ、ホームページに何を書けばいいのか、さっぱりで。採用のページに1行足しておけばいいんでしょうか」

インターンシップや職場体験の受け入れは、会社のことを若い人に知ってもらう、数少ない機会です。地域の学校とのつながりにもなります。

ところが、ホームページには「インターンシップ受け入れ中」と1行あるだけ、という会社が少なくありません。何日間なのか、何をするのか、誰が対象なのか、どう申し込むのか。分からないことが多いと、申し込む前に電話で聞くか、そのまま候補から外すかのどちらかになります。

この記事で書くこと

この記事では、受け入れの案内ページに何をどう書くかを整理します。誰が読むのか、載せる項目、1日の流れの書き方、安全への配慮、申し込みと受け入れていない時期の表示、写真、採用ページとの関係まで。採用ページ全体の考え方は 採用のためのホームページ ― 求人媒体との役割分担 にまとめてあるので、あわせてお読みください。

2. 読むのは、学生本人と、先生と、保護者

案内ページを書く前に、誰が読むのかを確かめておきます。読む人によって、確かめていることが違うからです。

学生本人は「何をするのか」を見ている

学生がいちばん知りたいのは、参加したら、何をするのかです。見ているだけなのか、手を動かすのか。どんな人と話せるのか。自分にもできそうか。

会社の説明より、当日の場面が思い浮かぶかどうかで、申し込むかが決まります。

学校の先生は「任せて大丈夫か」を見ている

職場体験や、学校を通したインターンシップでは、先生が受け入れ先を探したり、生徒に紹介したりします。先生が確かめているのは、生徒を預けて大丈夫かです。

  • 安全 ― 危ない場所や作業があるか、誰が付き添うか
  • 連絡 ― 何かあったとき、誰に連絡すればいいか
  • 日程と手続き ― いつ受け入れられるか、学校からの依頼はどこに出せばいいか

先生は、多くの受け入れ先とやりとりをしています。この3つがページで分かるだけで、話が早く進みます。

保護者は「どんな会社か」を見ている

保護者も、子どもが行く会社のページを開きます。確かめているのは、会社が実在するか、きちんとしていそうか、行き帰りは大丈夫か、です。

保護者が会社のページをどう読むかは 社員の家族も、会社のホームページを見ている にまとめました。採用の応募者の家族と、見ているところはよく似ています。

インターンと職場体験は、分けて書く

同じ会社で、大学生のインターンシップと、中学生や高校生の職場体験の両方を受けることもあります。この2つは、対象も、申し込み方も、中身も違います。

1つの文章に混ぜると、読む人が自分の話がどれか分からなくなります。見出しを分けるか、ページを分けてください。「大学生・専門学校生の方へ」「学校の先生方へ(職場体験)」のように、読む人の名前で見出しを立てると、迷わず自分の欄に進めます。

3. 載せる項目を、先にそろえる

案内ページに載せる項目は、ほぼ決まっています。先に一覧にしておきます。

表:受け入れの案内ページに載せる項目と、主に誰が見ているか(例はすべて架空)
項目書くこと主に見ている人
期間受け入れている時期と日数。たとえば「夏休み期間の平日に、1日または3日間」学生・先生
内容見学だけか、体験もするか。1日の流れの例を添える学生
対象学年や学校の種類、学部や専攻を問うか。たとえば「高校生以上・学部は問いません」学生・先生
人数1回に受け入れられる人数。たとえば「1回につき2名まで」先生
申し込み方法学校を通すのか、本人が申し込むのか。窓口と、返事までの目安学生・先生
交通費・服装・持ち物交通費の扱い、服装、昼食、持ってくるもの、集合場所学生・保護者
安全への配慮入らない場所、させない作業、付き添う人、体調が悪いときの連絡先生・保護者

右の列は、主に見ている人の目安です。先生と保護者が見る項目ほど、抜けていると問い合わせが増えます。中の例は架空なので、貴社の受け入れ方に合わせて書き換えてください。

期間は、「いつ受け入れているか」で書く

「随時受け付けています」と書くと、いつでも行けると思われます。実際には、繁忙期は難しい、平日だけ、といった事情があるはずです。受け入れられる時期を、季節や月で書いてください。受けられない時期も書いておくと、無理な日程で申し込まれずに済みます。

人数と対象は、少なくても書く

「1回に1人まで」でも構いません。書いてあれば、先生は複数の生徒をまとめて頼むかどうかを先に判断できます。対象も、学年や学校の種類を書きます。「どなたでも」と書くより、受けられる範囲をはっきり書くほうが、合う人が申し込んできます。

4. 内容と、1日の流れの例を書く

学生が申し込むかどうかを決めるのは、この部分です。

見学か、体験か、を先に書く

インターンシップや職場体験といっても、中身は会社によって大きく違います。職場を見て話を聞くのが中心なのか、実際に手を動かすのか。どちらなのかを最初に書いてください。

手を動かす場合は、何をするのかを具体的に書きます。「製品の検査の一部を、社員と一緒に体験します」「お客様に出す見積書の作り方を、先輩の横で見ます」。実際にやっていることだけを書くのが大事です。書いたことと当日の中身が違うと、学生にも学校にも、がっかりされます。

1日の流れを、時刻つきで例として出す

いちばん伝わるのが、1日の流れです。時刻つきで並べると、学生は自分がその場にいる姿を思い浮かべられます。保護者や先生にとっても、何時に終わるか、昼はどうするかが分かります。

図:職場体験の1日の流れの例(たとえば、製造業の架空の例です)
① 9:00 集合・挨拶と、安全の説明

受付で名前を伝え、会議室へ。担当の社員が自己紹介をして、入ってはいけない場所と、守ってほしい約束を説明します。

ここで、付き添う社員と、困ったときに声をかける相手を伝える
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② 9:30 職場の見学

工場と事務所を一回りします。どこで何を作っていて、それがどこへ届くのかを、現場の社員が話します。

見学の途中で、質問してよい時間を取る
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③ 10:30 仕事の一部を体験

社員と一緒に、検査や仕分けなど、危なくない作業の一部をやってみます。手袋などの道具は会社で用意します。

刃物や重い物を扱う作業、設備の操作はしない、と書いておく
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④ 12:00 昼休み

休憩室で昼食をとります。お弁当を持ってくるのか、会社で用意するのかを書いておきます。

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⑤ 13:00 若手社員と話す・ふりかえり

入社して数年の社員と、仕事のことや学生時代のことを話します。最後に、今日やったことを一緒にふりかえります。

15:00ごろ解散。終わりの時刻を書くと、保護者が迎えの予定を立てられる

時刻も中身も架空の例です。書くのは、貴社で実際にやっていることだけにしてください。日によって変わる場合は「内容は日によって変わります」と添えれば足ります。

「例」であることを、はっきり書く

1日の流れは、日によって変わることがあります。ページには「1日の流れの例です」と書いておきます。約束ではなく例だと分かれば、当日少し違っても問題になりません。

社員の1日の流れを採用ページに書いている会社なら、その書き方を応用できます。社員インタビューで1日の流れを聞く方法は 採用ページの「社員インタビュー」を、どう作るか にまとめてあります。

5. 安全への配慮と、交通費・服装・持ち物

先生と保護者がいちばん気にするのが、安全です。ここは短くても、項目を立てて書いてください。

安全への配慮は、やっていることを書く

「安全に配慮しています」の一文では、何も伝わりません。何をしているかを、具体的に書きます。

  • 入らない場所 ― 立ち入りを断っている場所と、その理由
  • させない作業 ― 刃物、高い所、重い物、薬品など、体験では扱わないもの
  • 付き添う人 ― 「担当の社員が1日付き添います」のように、誰がつくかを書く
  • 道具 ― ヘルメットや手袋など、会社で貸し出すもの
  • 体調が悪くなったとき ― 誰が学校や保護者に連絡するか

ここに書いたことは、当日そのとおりにやる必要があります。守れることだけを書いてください。

交通費・服装・持ち物・集合場所

交通費が出るのか、出ないのか。どちらでも構いませんが、書いておきます。書いていないと、聞きにくいことなので、聞かれないまま不安が残ります。

  • 交通費 ― 出る・出ない、出る場合の範囲
  • 服装 ― 制服、動きやすい服、汚れてもよい服、靴の決まり
  • 持ち物 ― 筆記用具、昼食、飲み物、学校から渡される書類
  • 集合場所 ― どの入口から入り、誰に声をかけるか

集合場所は、思ったより迷われます。事務所と工場の入口が分かれている会社は、どの扉から入るかを写真つきで見せると親切です。

労働条件や法的な扱いは、確かめてから書く

インターンシップの中身によっては、参加する学生が労働者として扱われるかどうか、報酬や保険をどうするか、という話が出てきます。何をしてもらうか、どれくらいの期間かによって扱いが変わることがあるので、一概には言えません。

職場体験でも、保険の加入や事故のときの対応を、学校とどう分けるかを決めておく必要があります。業種や内容によって違うので、専門家や所管の窓口、学校に確認してからページに書いてください。この記事では、ページの書き方だけを扱います。

6. 申し込み方法と、受け入れていない時期の表示

申し込みの入口を、読む人ごとに分ける

職場体験は学校を通して、インターンシップは本人から。申し込み方が違うなら、入口も分けて書きます。

  • 学校の先生方へ ― 依頼の窓口(担当者の部署、電話、メール)と、何週間前までに連絡がほしいか
  • 学生の方へ ― 申し込みのフォームか、メールか。書いてほしい項目と、返事が届くまでの目安

フォームで受けるなら、聞くのは、日程を決めるのに要ることだけにします。名前、学校名、学年、希望の時期、連絡先。志望動機のような長い文章は、ここでは求めないほうが申し込みやすくなります。

申し込んだあとに何が起きるかも書いておきます。たとえば「〇日以内に、担当者から日程のご相談のメールをお送りします」のように、次の連絡がいつ、誰から来るかが分かると安心されます。日程を決めて受け付ける形は、説明会や見学会の告知とよく似ています。書き方は 説明会・セミナー・見学会の告知ページを、どう作るか を参考にしてください。

受け入れていない時期は、そう書く

受け入れは、1年中できるわけではありません。忙しい時期や、担当者の都合で受けられない時期があります。そのときに、ページを消すのではなく、「今は受け付けていない」と書きます。

「現在、インターンシップの受け入れは休止しています。次の受け入れは、来年の夏ごろを予定しています。決まりしだい、このページでお知らせします」

次の予定が分からなければ、分からないと書いて構いません。大事なのは、ページを見た人が、今は申し込めないことと、次にどこを見ればいいかが分かることです。

去年の募集を、そのまま残さない

いちばん困るのは、去年の日程のまま募集が残っていることです。終わった日程を見た学生は、「この会社はもうやっていないのかも」と感じます。先生は、受け入れ先の候補から外すかもしれません。

ページの上に、いつ書いた情報なのかを日付で書いておくと、古さが分かります。受け入れを始めるとき、終わったとき、時期が変わったとき。書き換える日を、社内の予定に入れておいてください。パート募集のページで、募集していない期間をどう見せるかは パート・アルバイト募集のページを、どう作るか にも書きました。考え方は同じです。

7. 写真と、採用ページとの関係

写真は、本人と学校の了解を取ったものだけ

受け入れの様子の写真は、ページを読む人にとって、いちばん場面が伝わる材料です。ただし、写っているのは学生、それも未成年のことが多いという点を忘れないでください。

  • 撮る前に伝える ― ホームページに載せるために撮ってよいかを、撮る前に聞く
  • 本人と学校、保護者の了解 ― 未成年なら、本人だけでなく学校や保護者の了解も取る。学校ごとに決まりがあることも多い
  • 顔が分からない撮り方 ― 手元や後ろ姿、作業している場面だけでも、雰囲気は伝わる
  • 名札や制服 ― 学校名や名前が読めないかを、載せる前に確かめる
  • 載せる期間 ― いつまで載せるか、外してほしいと言われたらどうするかを決めておく

了解が取れなかった写真は、使わないでください。了解を取ったものだけを載せる。迷ったら、社員だけが写っている職場の写真で十分です。写る人の同意の取り方は 地域の活動や社会貢献を、ホームページにどう載せるか でも触れています。学校との関わりは、地域の活動として紹介することもできます。

参加した人の感想を載せるなら

参加した学生の感想を載せたくなることもあると思います。載せるなら、本人が書いた言葉を、本人と学校の了解を取ってからにしてください。それらしい感想をこちらで作文して載せるのは、やめておきます。名前は出さず、「高校2年生」のような書き方にとどめるのが無難です。

採用ページとの関係は、正直に書く

インターンシップや職場体験のページは、採用ページの近くに置くと見つけてもらいやすくなります。採用ページから1本リンクを張っておいてください。

ただし、受け入れと採用の関係は、正直に書きます。採用の選考とは関係がないなら、「この受け入れは採用の選考とは関係ありません」と書いておくと、学生も先生も安心して申し込めます。逆に、選考とつながっている場合は、そのことを先に書きます。どこまで採用と結びつけてよいかには決まりがある場合もあるので、そこは専門家や所管の窓口に確認してください。

いずれ採用につながってほしい、という思いがあるなら、ページの最後に「社員の募集については、採用のページをご覧ください」と案内を置くくらいがちょうどいい距離です。

8. 雄喜晃の伴走:受け入れの中身を伺い、案内のページにします

私たちがやること

私たち雄喜晃は、受け入れの案内ページを作るとき、まずいまどんな受け入れをしているか、これからどうしたいかを伺います。期間、人数、当日にやっていること、安全のために決めていること。伺った事実から、表の項目と1日の流れの例を書き起こします。

学生向けと学校の先生向けの欄を分け、申し込みの入口を整え、採用ページからのリンクも張ります。写真は、貴社で撮っていただいたものを、了解が取れているかを確かめたうえで、整えて載せます。

料金と条件

料金は制作費0円、月額8,800円(税別)からです。6ページ構成のプランは月額13,800円(税別)です。サーバー、独自ドメイン、SSL、保守は月額に含まれます。月5回までの更新代行も同じ月額の中なので、受け入れを始めたとき、休止したとき、日程が変わったときの書き換えも、ご連絡いただければこちらで反映します。

最低契約期間は6ヶ月です。7〜35ヶ月で解約された場合、サイトは非公開になります。36ヶ月以上ご継続いただいた場合は、サイトをお渡しします。

私たちがやらないこと

受け入れの中身や、交通費・報酬の扱いを、私たちが決めることはしません。それは貴社と学校で決めることです。労働条件や保険の扱いについて、私たちから判断をお伝えすることもしません。そこは専門家や所管の窓口にご確認ください。

また、実際にはやっていない体験の内容や、作文した参加者の感想を載せることはいたしません。申し込みの数や、採用につながることをお約束することもしません。

「受け入れはしているのに、ホームページには1行しか書いていない」という方は、一度ご相談ください。実際にお作りしたサイトは 制作実績、料金と条件は ホームページ制作のページ に載せてあります。神戸市北区鈴蘭台を拠点に、2025年10月から活動しています。

9. まとめ:3人の読む人に、それぞれ答えておく

インターンシップや職場体験の受け入れを、ホームページで伝えるときに押さえることは、5つです。

  • 読む人を分ける ― 学生は中身を、先生は安全と手続きを、保護者は会社を見ている。インターンと職場体験も見出しを分ける
  • 項目をそろえる ― 期間・内容・対象・人数・申し込み方法・交通費や服装・安全への配慮
  • 1日の流れを、例として書く ― 時刻つきで、実際にやっていることだけを
  • 受け入れていない時期も、そう書く ― ページを消さず、次の予定と日付を添える
  • 写真は了解を取ったものだけ、採用との関係は正直に ― 未成年なら学校と保護者の了解も

受け入れの案内ページは、会社が若い人や地域の学校とどう向き合っているかが、そのまま見えるページです。分かりやすく書いてあるだけで、「この会社なら安心して任せられる」と受け取ってもらえます。

今日できることを1つだけ挙げます。前に受け入れたときの1日を、時刻つきで紙に書き出してみてください。その紙が、そのまま1日の流れの例になります。

ぜひ一度、お話を聞かせてください。貴社の受け入れの姿が伝わる案内ページを、一緒に作るところからご一緒します。