1. 「SDGsのページを作ったほうがいい、と言われまして」

中小企業の経営者の方とお話していて、こんな言葉を聞くことがあります。

「取引先から、SDGsの取り組みはどうなっているのかと聞かれて。ホームページに何か載せたほうがいいんでしょうけど、うちは大したことはしていないんです。毎月、会社の前の道を掃除しているくらいで」

この話には、大事なことが2つ含まれています。1つは、載せる内容を、立派な宣言でなければいけないと思っていること。もう1つは、毎月の掃除のように実際にやっていることを、載せる価値のないものだと思っていることです。

読む人の側から見ると、順番は逆です。目標の名前を並べた宣言より、「毎月第1月曜の朝、社員5名で会社の前の道を掃除しています」という一行のほうが、ずっと具体的に伝わります。

この記事で書くこと

  • 宣言を並べたページが、読まれにくい理由
  • やったことを、いつ・どこで・何をで書く方法
  • 大きく見せない書き方
  • 写真と、写っている人の同意
  • 採用や取引先の信用に、どう関わるか
  • 続かなかった取り組みと、載せる場所

2. 宣言を並べたページが、読まれにくい理由

先に、よく見かける載せ方と、それが伝わりにくい理由を整理します。

目標の名前とアイコンだけが並んでいる

よくあるのが、目標の名前やアイコンを並べ、「当社は〇番と〇番の目標に取り組んでいます」と書いた形です。悪いことではありません。ただ、これだけだと何をしているのかが、読む人には分かりません。

「働きがいも経済成長も」のアイコンが置いてあっても、その会社で実際に何が行われているかは見えてきません。目標の名前は共通の言葉なので、どの会社のページにも同じものが並びます。並んでいるだけでは、貴社のことは伝わりません。

書く側が、大きな言葉を選びがちになる

宣言の形で書こうとすると、言葉が自然と大きくなります。「持続可能な社会の実現に貢献します」「地域とともに歩みます」。どれも嘘ではありませんが、何をどれくらいやっているのかが入っていないので、読む人は確かめようがありません。

確かめようのない大きな言葉は、読む人に少し引っかかりを残します。良いことが書いてあるのに、信じる材料が見つからないからです。

実は、書けることはもうある

一方で、お話を伺うと、多くの会社がすでに何かをしています。たとえば次のようなことです。

  • 会社の前や近くの道の清掃
  • 地域のお祭りや行事への協力、テントや機材の貸し出し
  • 少年スポーツのチームや地域の催しへの協賛
  • 中学生の職場体験や、学校の見学の受け入れ
  • 地元の福祉施設からの仕事の受注
  • 使い終わった資材の再利用や、分別の工夫

社内では「当たり前のこと」として、書く候補から外れているだけです。この当たり前のほうが、宣言よりも書く価値があります。

3. やったことを、事実で書く

ここからが本題です。書き方は1つで、いつ・どこで・何をしたかを、事実として書くことです。

1つの取り組みに、5つの要素を入れる

取り組みを1つ書くときは、次の要素を入れます。

  • いつ ― 日付、または「毎月第1月曜」「2026年から毎年」のような頻度
  • どこで ― 町名、施設名、行事の名前
  • 何を ― 掃除をした、テントを貸した、職場体験を受け入れた
  • 誰が・何人で ― 「社員5名で」「代表と若手社員2名で」
  • なぜ ― 始めたきっかけを一言。無ければ書かなくてもいい

5つ全部がそろわなくても構いません。いつ・どこで・何をの3つがあれば、読む人は場面を思い浮かべられます。

自社の仕事とつながっていると、伝わりやすい

本業とつながっている取り組みは、それだけで説得力があります。たとえば、工務店が地域の集会所の小さな修繕を手伝う。運送会社が行事の荷物を運ぶ。本業の技術や道具を使っていることが分かると、会社の姿がそのまま見えてきます。

つながっていない取り組みでも、もちろん書いて構いません。ただ、本業とつながっているものがあれば、それを先に置くと伝わりやすくなります。

表:宣言の書き方を、事実の書き方に直す(例はすべて架空)
宣言の書き方事実の書き方に直したもの直した理由
地域社会に貢献しますたとえば「毎月第1月曜の朝、社員5名で会社の前の通りを清掃しています(2025年から)」いつ・誰が・何をが入ると、場面が見える
次世代の育成に取り組んでいますたとえば「2026年8月、近くの中学校の職場体験で2年生3名を3日間受け入れました」「育成」は大きすぎて確かめられない。受け入れた事実なら確かめられる
環境に配慮した事業活動たとえば「現場で出た端材を、近くの工作教室に材料としてお渡ししています」何をしているかが分かると、言葉の重さがそろう
地域の皆さまとともにたとえば「〇〇町の夏祭りで、テント2張りと発電機をお貸ししました」「ともに」が何を指すかを、行動で示す
目標のアイコンを並べる取り組みを一行ずつ書き、関係する目標は横に小さく添える程度にするアイコンはどの会社も同じ。先に読ませるのは貴社の事実

左の言葉が間違っているわけではありません。ただ、どの会社のページにも同じ言葉が並ぶので、比べる材料になりません。右のように日付・場所・人数・行動を入れると、小さな取り組みでも貴社の姿が伝わります。中身は、貴社で実際にやったことで書いてください。

数字は、数えられる範囲だけ

回数や人数は、数えられる範囲だけを書きます。「これまで多数の行事に協力」より、「2025年度は3つの行事に協力しました」のほうが信用されます。

数えた数が小さくても、気にしなくて大丈夫です。小さくても、数があること自体が事実の証になります。逆に、記録が残っていなくて数えられないものは、無理に数字にせず、行動だけを書いてください。

4. 大きく見せない

事実で書くと決めても、つい言葉を盛りたくなるところがあります。ここでは、大きく見せないための注意を書きます。

参加したことを、主催したように書かない

地域の行事に協力した、参加した、協賛したのか、主催したのか。ここははっきり分けて書きます。

「〇〇清掃活動を実施」と書くと、自社で企画したように読めます。実際には町内会の清掃に社員が参加しただけなら、「町内会の清掃活動に、社員3名で参加しました」と書きます。主催した人たちが読んだときに違和感のない書き方が、いちばん安全です。

寄付や協賛の金額は、書くかどうかを慎重に

寄付や協賛をした場合、金額を書くかどうかは迷うところです。書いてはいけないわけではありませんが、金額が大きく出ると、活動より金額のほうが目立ちます。

多くの場合は「〇〇少年野球チームのユニフォームに協賛しています」のように、何に協賛したかを書けば十分です。相手の団体が名前の掲載を望んでいるかどうかも、先に確かめておきます。

環境への効果を、言い切らない

「環境にやさしい」「CO2を削減」のような言葉は、特に気をつけます。どれくらい、何と比べて、どうやって確かめたかが示せないなら、効果は書かず、やったことだけを書きます。

環境への効果や、商品の性能をうたう表示には、表示に関するルールの上で問題になる場合があります。どこまで書けるかは業種や内容によって違うので、所管の窓口や専門家に確認してください。目標のロゴやアイコンにも使い方の決まりがあることが多いので、使う前に出している団体の案内を確かめておくと安心です。

社員個人の活動を、会社の手柄にしない

社員の方が、休みの日に消防団や地域の役員、スポーツの指導をしていることがあります。立派なことですが、それは本人の活動であって、会社の活動ではありません。

会社として休みの調整などで支えているなら、「社員の消防団活動を、勤務の調整で支えています」のように、会社がしていることだけを書きます。本人の名前や活動を載せたい場合は、載せる前に本人に聞いてください。本人が望まない形で紹介されると、善意で続けていたことがやりにくくなります。

「やっていないこと」を書かない

当たり前のことですが、予定や構想だけのものを、取り組みとして書かないでください。「今後は〇〇にも取り組んでまいります」と書きたくなったら、実際に始めてから載せるほうが、あとで直す手間もかかりません。

5. 写真と、写っている人の同意

活動の報告に写真が1枚あると、読む人は場面をすぐに思い浮かべられます。ただ、写真には人が写ります。ここは載せる前に確かめることがあります。

写っている人に、載せてよいかを聞く

社員であっても、ホームページに顔が出ることを望まない人はいます。社外の人ならなおさらです。活動の写真を載せる前に、写っている人に一声かけてください。

できれば、撮るときに「ホームページのお知らせに載せることがあります」と伝えておきます。あとから一人ずつ聞くより、ずっと楽です。

子ども、施設、ほかの団体が写るとき

特に気をつけたいのは、次の3つです。

  • 子どもが写る ― 学校や保護者、団体の方針があります。顔が分からない撮り方にするか、掲載してよいかを必ず先に確かめる
  • 学校や福祉施設が写る ― 施設名や建物が分かる写真は、施設側の了解を得てから
  • ほかの団体の行事 ― 主催者の撮影や掲載のルールがあれば、それに従う

迷ったときは、後ろ姿や手元、道具や場所だけの写真にします。清掃なら集めたごみ袋と道具、職場体験なら作業台と工具。人の顔が無くても、何をしたかは十分に伝わります。

個人の写真の扱いには、プライバシーや個人情報に関するルールが関わることがあります。細かい判断は業種や場面によって違うので、所管の窓口や専門家に確認してください。

写真は、貴社で撮ったものを

活動の写真は、その場にいた社員の方がスマートフォンで撮ったもので十分です。きれいに撮ることより、その日にその場所で撮った写真であることのほうが大事です。どこかから借りてきた写真や、似た雰囲気の素材写真は、事実を伝えるページには向きません。

6. 採用と、取引先の信用にどう関わるか

地域の活動を載せると、採用や取引先からの見え方は変わるのか。ここは、言い切らずに書きます。

応募を迷っている人が、見ていることがある

求人を見て応募を迷っている人は、社名で検索して会社のホームページを確かめることがあります。そのとき知りたいのは、条件だけではありません。どんな人たちが、どんな雰囲気で働いているかです。

社員が地域の行事に出ている様子や、職場体験を受け入れている話は、その手がかりの1つになり得ます。ただし、それだけで応募が増えるとは言えません。給与や仕事内容が分からなければ、応募の判断はできないからです。採用のページに何を載せるかは 採用のためのホームページ ― 求人媒体との役割分担 にまとめてあります。地域の活動は、採用のページから一言リンクする程度が収まりのいい置き方です。

取引先が見るのは、続いているかどうか

取引先や金融機関が会社のホームページを見るとき、地域の活動はおまけのような扱いかもしれません。それでも、何年も同じことを続けているという事実は、会社が地域に根を張って商売をしていることの裏付けになり得ます。

「SDGsの取り組みを教えてほしい」と聞かれたときに、ページのURLを1つ送れば済む、という使い方もできます。ただ、取り組みの有無が取引の判断にどこまで関わるかは、相手によって違います。載せたから信用が上がる、と考えるより、聞かれたときに答えられる状態にしておくくらいに考えるのが無理のないところです。

今いる社員と家族も、読んでいる

見落とされがちですが、こうしたページは社外の人だけでなく、今いる社員やその家族も見ています。自分たちが参加した行事が、日付と人数つきで載っている。それは、やったことがきちんと記録されているということです。

ここでも、言葉を大きくしないことが効きます。参加した社員が読んで「そこまで大したことはしていない」と感じる書き方だと、社内からの見え方まで損ないます。参加した人が読んで、そのとおりだと思える書き方を基準にしてください。

強みとは、分けて考える

地域の活動は、会社の強みとは別のものとして扱ってください。お客様が仕事を頼むときに比べるのは、仕事の中身です。強みの書き方は 「うちの強み」を、ホームページにどう書くか にまとめました。地域の活動を強みの欄に入れると、仕事の話を探している人には遠回りに見えます。

7. 続かなかった取り組みと、載せる場所

最後に、載せたあとの扱いと、置き場所です。

終わった取り組みは、過去形で書き直す

始めたけれど続かなかった取り組みは、どの会社にもあります。困るのは、終わったのに「継続中」のように読める文章が残っていることです。

消す必要はありません。「2025年から2026年まで、〇〇に協力していました」と、期間を書いて過去形に直します。終わったことを正直に書いてあるほうが、ほかの取り組みの書き方まで信用されます。再開の予定が無いのに「現在休止中」と書き続けるのも、同じ理由で避けたほうが無難です。

置き場所は、お知らせから始める

取り組みを載せる場所は、いきなり専用のページを作るより、次の順で考えると無理がありません。

図:地域の活動を載せる場所を、たまり具合で決める3段階
① お知らせに、1回ずつ書く

活動があったら、そのたびに3〜5行で書きます。いつ・どこで・何をしたかと、写真が1枚あれば十分です。最初は専用のページは要りません。

たとえば「10月5日、〇〇町の秋祭りでテント2張りをお貸ししました」(例は架空)
▼
② 会社概要の下に、続いているものを一覧で

1年ほど続いた取り組みが2つ3つ出てきたら、会社概要のページの下に「地域での活動」として、続いているものだけを一行ずつ並べます。

一行ずつに、始めた年と頻度を添える。詳しい報告はお知らせへリンク
▼
③ 専用のページにまとめる

取り組みが増え、取引先から聞かれることも出てきたら、専用のページにまとめます。続いているものと、終わったものを分けて載せます。

いきなり③から作ると、中身が少ないまま、宣言だけのページになりやすくなります

読み方は上から順です。中身がたまってから、置き場所を大きくするのが基本です。①を続けていれば、②と③の材料は自然にそろいます。

お知らせ欄に何を書くかは 「お知らせ」の欄に、何を書けばいいか に、1本3〜5行で足りる書き方をまとめてあります。

登録や認定の制度に参加しているとき

自治体や団体の登録制度、認定の制度に参加している場合は、地域の活動とは別に、資格や認定と同じ扱いで載せます。名称、登録した年、何の制度かを一行で添えます。期限のある制度なら、切れたときに直し忘れないようにしてください。書き方は 資格・許認可・受賞歴を、ホームページにどう載せるか にまとめてあります。

1年に1回、まとめて見直す

年に1回、載せている取り組みを全部見て、続いているか、終わったか、数字は合っているかを確かめます。年度の初めや決算のあとなど、見直す時期を決めておくと忘れにくくなります。

8. 雄喜晃の伴走:やってきたことを伺い、事実の一行にします

私たちがやること

私たち雄喜晃は、地域の活動を載せるとき、まず貴社が実際にやってきたことを伺うところから始めます。清掃、行事への協力、職場体験の受け入れなど、社内で当たり前になっていることを一つずつ聞き出し、いつ・どこで・何をしたかの一行に直します。

置き場所は、お知らせから始めるのか、会社概要の下に一覧で置くのかを、たまっている中身に合わせて一緒に決めます。写真は、貴社で撮っていただいたものを整えて載せます。載せる前に、写っている方の了解が取れているかも一緒に確かめます。

料金と条件

料金は制作費0円、月額8,800円(税別)からです。6ページ構成のプランは月額13,800円(税別)です。サーバー、独自ドメイン、SSL、保守は月額に含まれます。月5回までの更新代行も同じ月額の中なので、活動があるたびのお知らせや、終わった取り組みを過去形に直す作業も、ご連絡いただければこちらで反映します。

最低契約期間は6ヶ月です。7〜35ヶ月で解約された場合、サイトは非公開になります。36ヶ月以上ご継続いただいた場合は、サイトをお渡しします。

私たちがやらないこと

やっていない取り組みを作文して載せることはしません。「持続可能な社会の実現に」のような大きな言葉で、中身の無いページを埋めることもしません。参加したことを主催したように書く、環境への効果を根拠なく言い切る、といった大きく見せる書き方もいたしません。

活動の撮影はお受けしていません。また、地域の活動を載せることで、応募の数や取引の結果、検索の順位が変わるとお約束することもいたしません。

「取引先に取り組みを聞かれたが、何を載せればいいか分からない」という方は、一度ご相談ください。実際にお作りしたサイトは 制作実績、料金と条件は ホームページ制作のページ に載せてあります。神戸市北区鈴蘭台を拠点に、2025年10月から活動しています。

9. まとめ:宣言より、続けている一行を

地域の活動や社会貢献をホームページに載せるときに押さえることは、5つです。

  • 宣言や目標のアイコンだけを並べない ― どの会社も同じになり、貴社の姿が伝わらない
  • いつ・どこで・何をしたかを事実で書く ― 小さな取り組みでも、日付と行動があれば場面が見える
  • 大きく見せない ― 参加と主催を分け、効果は根拠が無ければ書かない
  • 写真は、写る人の了解を取ってから ― 迷ったら、手元や道具や場所だけの写真にする
  • 終わった取り組みは過去形に直す ― 置き場所はお知らせから始め、たまってから大きくする

採用や取引先の信用にどこまで効くかは、言い切れません。ただ、聞かれたときに、事実で答えられるページがあることは、貴社にとって損にはなりません。

今日できることを1つだけ挙げます。この1年で、会社として地域の中でやったことを、日付と場所と人数つきで紙に書き出してみてください。3つ出てくれば、それがそのままお知らせ3本分の中身になります。