1. 「オンラインでも相談を受けたいんですが、何を書けばいいのか」
中小企業の経営者の方とお話していて、こんな言葉をよく聞きます。
「最近、遠方の方から『オンラインで話を聞けませんか』と言われることが増えてきて。サイトにも書いておいたほうがいいんでしょうか。ただ、何をどう書けばいいのか分からないんです」
多くのサイトでは、「オンラインでのご相談も承ります」という一行が、問い合わせのページの隅に書かれています。嘘ではありません。ただ、この一行だけでは、読む人は動けません。
どこから申し込むのか。何分くらい話すのか。お金はかかるのか。顔は映さないといけないのか。当日つながらなかったらどうするのか。申し込む前に知りたいことが、ほとんど書かれていないのです。
慣れていない人ほど、分からないことが多い分だけ申し込みをためらいます。ためらった人は、電話もしてきません。
この記事で書くこと
この記事では、オンライン相談を受け付けるときに決めることと書くことを、順に並べます。特定のツールの使い方ではなく、どのツールでも同じように必要になることです。
- オンラインに向く相談と、向かない相談の見分け方
- 申し込みの受け方と、日程の決め方
- 申し込みのあとに送る案内と、当日の用意
- つながらないときの決めごと
- 無料と有料の線引きと、対面との選び分けの書き方
2. オンラインに向く相談と、向かない相談
先に、オンラインで受けてよい相談かどうかを決めます。決めずに「何でもオンラインで」と書くと、当日になって「やはり一度伺わないと」となり、相手の時間を使わせてしまいます。
向くのは、話と画面で済む相談
オンラインに向くのは、話を聞くことと、資料を画面で見せることで済む相談です。
サービスの概要の説明、見積もりの前の聞き取り、契約後の進み具合の確認。こうした相談は、同じ部屋にいなくても中身が変わりません。移動がない分、相手にとっても気軽です。
向かないのは、現物や現場を見ないと決まらない相談
逆に向かないのは、現物や現場を見ないと答えが出ない相談です。
建物の傷み具合、設備の不具合、体の状態、土地の境界。画面越しに写真を見せてもらうことはできますが、それで判断を言い切ると、あとで食い違いが出ます。この種の相談をオンラインで受けるなら、「概要を伺う場で、判断は現地で」と、役割を分けて書いておきます。
3つの質問で決める
迷ったら、次の3つを順に確かめてください。
- 現物を見る必要があるか ― あるなら、オンラインは入口の相談までにとどめる
- 書類の原本や本人確認が要るか ― 要るなら、どこで受け取るかを先に決める
- 相手がビデオ通話に慣れていそうか ― 慣れていない層が多いなら、電話を残したうえで足す
3つ目は見落とされがちです。お客様によっては、ビデオ通話そのものが負担になります。オンラインは、電話や来社の代わりではなく、選べるものを1つ増やすと考えたほうが無理がありません。
| 相談の種類 | オンラインで済むか | 理由と、書き方の例 |
|---|---|---|
| サービスの説明・料金の確認 | 済む | 話と資料で中身が変わらない。たとえば「30分ほどで、料金とお申し込みの流れをご説明します」 |
| 見積もりの前の聞き取り | 入口まで済む | 概要と予算感は聞ける。たとえば「正式なお見積もりは、現地を拝見してからお出しします」 |
| 建物や設備の傷みの判断 | 済まない | 写真だけでは判断を言い切れない。オンラインは「状況を伺う場」と書き、判断は現地にする |
| 契約・書類の受け渡し | 業種による | 原本や本人確認が要る場合がある。決まりは業種で違うので、所管の窓口や専門家に確認する |
| 契約後の進み具合の確認 | 済む | 顔を合わせて画面を見ながら話せる。たとえば「月に一度、20分ほど画面を共有してご報告します」 |
全部をオンラインにする必要はありません。どこまでがオンラインで、どこからが対面かを、相談の種類ごとに分けて書くだけで、当日の「やはり伺わないと」が減ります。中身は、貴社の仕事に合わせて書き換えてください。
3. 申し込みの受け方と、日程の決め方
オンラインで受ける相談が決まったら、次は申し込みの受け方です。いちばん手間がかかるのは、日程を決めるやり取りです。
候補を出してもらうか、こちらから出すか
日程の決め方は、大きく2つです。
- 相手に候補を出してもらう ― フォームに希望の日時を3つほど書いてもらい、こちらが選んで返す
- こちらが空いている枠を見せる ― 選べる枠を並べ、相手にその場で選んでもらう
件数が少ないうちは、前者で十分です。フォームに「第1希望」「第2希望」「第3希望」の欄を置き、時間帯は「午前」「午後」「夕方」のように幅で選べるようにしておくと、相手も書きやすくなります。
候補を出してもらう形では、返信までの間、相手は日程を空けて待っています。返すのが遅いと、その枠に別の予定が入ってしまいます。日程の返事は、ほかの問い合わせより早めに返すつもりでいてください。返信の速さの目安は 問い合わせが来たあと、何時間以内に返すべきか にまとめてあります。
予約の仕組みを使うかどうか
空いている枠を見せて選んでもらう形は、予約の仕組みを使えば自動で回せます。便利ですが、入れる前に確かめることがあります。相談の長さと、対応する人が、毎回ほぼ同じかどうかです。
30分の相談を代表1人が受けるなら、よく合います。長さが相談ごとに変わる、担当が案件ごとに変わる、という場合は、枠を作るたびに調整が要り、かえって手間が増えます。
判断の考え方は、予約をネットで受けるか、電話のままにするか に書いた「枠が単純かどうか」と同じです。オンライン相談だからといって、予約の仕組みが要るわけではありません。
フォームで聞くことは、当日に要ることだけ
申し込みのフォームで聞くのは、当日の相談に要ることだけにします。目安は次のとおりです。
- お名前と連絡先 ― メールアドレスは必須。つながらないときのために電話番号も
- ご相談の概要 ― 自由に書ける欄を1つ。長く書かなくてよいと添える
- 希望の日時 ― 予約の仕組みを使わない場合
- オンラインか、対面か ― 両方受けているなら、ここで選んでもらう
- 当日参加する人数 ― ご家族や同僚と一緒に聞きたい人もいるため
会社名や住所、予算の欄は、当日に要らなければ外してかまいません。聞きたいことは当日に聞けます。申し込みの段階で手を止めさせないほうが大事です。
「受け付けました」と「確定しました」を分ける
申し込みのあとに届く自動の返信には、「受け付けました」とだけ書き、日程が確定したわけではないことを一言添えます。
予約の仕組みを使わない場合、相手は自動の返信を見て「この日時で決まった」と思い込むことがあります。当日、相手だけが待っている。この行き違いを防ぐために、確定は別に連絡すると書いておきます。
4. 申し込みのあとに送る案内
日程が決まったら、確定の連絡を送ります。来社なら迷っても電話で聞けますが、オンラインでは案内に書いていないことは、当日その場で困るだけになります。
自動の返信で、受け付けたことを知らせます。日程はまだ確定していないこと、いつまでにこちらから連絡するかを書きます。
日時、所要時間、参加の方法、用意するもの、顔出しの扱い、つながらないときの電話番号、変更とキャンセルの連絡先を、1通にまとめて送ります。
短い確認の連絡を送ります。参加の方法をもう一度載せ、初めての人向けに、事前に一度開いて音を確かめてほしいと添えます。
こちらは開始の数分前から入って待ちます。相手が入ってこない場合に、何分待ってから連絡するかを決めておきます。
案内は、確定の1通にすべてをまとめるのがいちばん大事です。前日の連絡は、その1通を探さずに済むようにするためのものです。日数や時刻は、貴社の受け方に合わせて決めてください。
確定の連絡に、全部を入れる
確定の連絡は、それ1通だけで当日に参加できるように書きます。サイトのどこかを読んでください、という形にはしません。当日の朝、相手が探すのはそのメール1通だからです。
入れる項目は、上の図の②のとおりです。ホームページにも同じ内容を載せ、メールからそのページへリンクしておくと、書き直すときも1か所で済みます。
参加の方法は、手順で書く
ビデオ通話に慣れている人には、案内のリンク1つで足ります。慣れていない人には、それでは足りません。
「リンクを押す」「名前を入れる」「カメラとマイクの使用を許可する」。相手の画面で起きることを、順番に3〜4行で書いておくと、つまずく人が減ります。パソコンでもスマートフォンでも参加できるのか、スマートフォンなら事前に何か入れる必要があるのか、も書いておきます。
当日の流れも一緒に書く
「最初の5分でご相談の内容を伺い、残りの時間でご説明します」。こうした当日の流れを書いておくと、相手は何を話せばいいかを事前に考えられます。初めての相談で何が起きるかを書く考え方は、「初めての方へ」のページは、要るのか。要るなら何を書くか と同じです。
5. 当日の案内:何を用意し、顔は映すのか
オンライン相談を申し込むかどうかで、多くの人が迷うのがここです。何を用意すればいいのか、顔を映さないといけないのか。先に答えを書いておきます。
用意するものは、「手元に」と「画面に」で分ける
用意してほしいものは、置き場所で分けて書くと伝わります。
- 手元に用意するもの ― 見積書や図面、現場の写真、聞きたいことのメモ
- 画面で見せてほしいもの ― 今のホームページ、困っている画面、送ってもらった資料
- 事前に送ってほしいもの ― 当日に画面越しでは見にくい細かい書類
事前に送ってもらう場合は、送り先と締め切りを書きます。何も用意しなくても大丈夫な相談なら、そう書くのも立派な案内です。準備が要ると思い込んで、申し込みを先延ばしにする人がいるからです。
顔出しは、どちらでもよいと書く
相手の顔出しは、どちらでもかまわないと書いておくのがいちばん無難です。家から参加する人、職場の席から参加する人、部屋を映したくない人がいます。
一方で、こちら側は顔を映して出るほうが安心してもらえます。誰が話しているのかが分かるからです。「担当の〇〇が、顔を映してお話しします。お客様はカメラをオフにしたままでもかまいません」。この一文で、申し込みの壁が1つ下がります。
録画するなら、先に伝える
相談の内容を録画や録音で残したい場合は、案内の段階で伝え、当日の最初にも了解をもらいます。何も言わずに残すのは避けてください。
録画したものをどう扱うか、どれくらいの期間保管するかも、プライバシーポリシーと合わせて決めておきます。個人情報の扱いの決まりは業種や扱う中身によって違うので、気になる場合は所管の窓口や専門家に確認してください。
同席する人と、通信の環境
ご家族や同僚と一緒に聞きたい人もいます。同席してかまわないなら、そう書いておきます。通信の環境にも一言あると親切です。「スマートフォンで参加される場合は、Wi-Fiにつながった場所をおすすめします」「イヤホンがあると声が聞き取りやすくなります」。どれも細かいことですが、当日の小さなつまずきは、事前の一行で防げます。
6. つながらないとき、を先に決めておく
いちばん取りこぼしが起きるのがここです。つながらなかった相手は、そのまま連絡してこないことが多く、「うまくいかなかった」という印象だけが残ります。
つながらない理由は、だいたい決まっている
つながらない理由は、そう多くありません。
- 案内のリンクが見つからない
- 音が出ない、声が届かない
- カメラやマイクの使用を許可していない
- 時刻を勘違いしている
どれも、相手の側だけでは解決しにくいものです。だから、つながらないときにどうするかを、こちらが先に決めて書いておく必要があります。
何分で、何に切り替えるかを決める
決めることは2つです。開始から何分待って連絡するか。そして、何に切り替えるか。
たとえば「開始から5分たってもつながらない場合は、こちらからお電話します」。こう書いておけば、相手は画面の前で焦らずに待てます。電話に切り替えれば、相談そのものは続けられます。画面を見せる必要がある相談なら、日を改める判断もここでします。
この決めごとは、確定の連絡と前日の連絡の両方に書いておきます。申し込みのフォームで電話番号を聞いておくのは、このためでもあります。
こちらが遅れるとき、出られないとき
こちらの都合で遅れることもあります。前の予定が延びた、通信が不安定になった。そのときにどこへ連絡するかも決めておきます。
相手の連絡先は、担当者がすぐ見られる場所に控えておきます。連絡先が分からないまま遅れるのが、いちばん信用を落とします。
終わったあとの一通
相談が終わったら、短いお礼と、当日話した内容の要点を送ります。次に何をするか、こちらから何をいつまでに送るかを書いておくと、相手は社内で話を進めやすくなります。オンラインで話したことは、文字にして残さないと、お互いの記憶だけが頼りになります。
7. 無料と有料の線引き、対面との選び分けの書き方
最後に、申し込むかどうかを決める材料になる2つを書きます。お金の話と、オンラインか対面かの選び方です。
無料の範囲を、時間と中身で決める
無料相談にする場合は、無料でやる範囲を、時間と中身で書いておきます。「30分まで」「概要の説明と、お見積もりの前の聞き取りまで」。
範囲が書かれていないと、無料の中で具体的な助言を求められ、断りにくくなります。書いておけば、「ここから先はご依頼いただいてから」と角を立てずに線を引けます。
無料相談で、売り込まないと書く
無料相談を申し込む人がいちばん心配しているのは、しつこく営業されないかです。
「相談のあとに、こちらから契約を急かす連絡はしません」と書いておくと、申し込む人の心配が1つ消えます。書いたからには、そのとおりにしてください。書いたことと違う対応をすると、サイト全体の信用を失います。
有料にするなら、料金と決まりを先に書く
オンライン相談を有料にする場合は、申し込む前に料金が分かるようにします。何分でいくらか、いつどう払うか、キャンセルしたときにどうなるかの3つです。
当日つながらなかったときの扱いも書いておきます。こちらの都合なら日を改める、相手の都合なら規定に沿う、といった形です。有料の相談で、料金の表示やキャンセル料の決め方にどんな決まりがあるかは業種によって違うので、所管の窓口や専門家に確認してください。料金そのものの見せ方は ホームページに料金を載せるか、載せないか にまとめてあります。
対面との選び分けは、読む人が決められる形で
オンラインと対面の両方を受けている場合は、どちらを選べばいいかを、読む人が自分で決められるように書きます。
- オンラインが向いている方 ― 遠方の方、まず概要だけ聞きたい方、移動の時間を取れない方
- 対面が向いている方 ― 現物や現場を見てほしい方、書類をその場で確かめたい方、画面越しの会話に不安がある方
「どちらがよいか分からない場合は、まず電話でご相談ください」と添えれば、迷った人の行き場もできます。そして、どちらを選んでも損をしないと分かるように書きます。オンラインだと軽く扱われるのでは、と心配する人もいるからです。
ボタンの言葉で、中身を伝える
申し込みのボタンにも、オンラインであることと、長さと、費用を入れておきます。たとえば「オンライン相談を申し込む(30分・無料)」。押したあと何が起きるかがボタンだけで分かると、押す前の迷いが減ります。言葉の決め方と置き場所は、「お問い合わせはこちら」のボタンを、何と書き、どこに置くか に詳しく書きました。
8. 雄喜晃の伴走:オンライン相談の受け口を、サイトの側から整えます
私たち雄喜晃がサイトをお作りするときは、オンライン相談の一行を書く前に、どんな相談を、誰が、どれくらいの時間で受けるのかを伺います。そのうえで、オンラインで受ける相談と対面で受ける相談を分け、申し込む人が迷わない形に組み立てます。
私たちがやること
オンライン相談の案内ページ、申し込みのフォーム、ボタンの言葉と置き場所を作ります。フォームの項目は、当日に要るものに絞ります。用意するもの、顔出しの扱い、つながらないときの連絡先も、ページの上で読める形にします。
公開したあとに、相談の時間や受付の曜日が変わったときは、ご連絡いただければこちらで書き換えます。
料金と条件
料金は制作費0円、月額8,800円(税別)からです。6ページ構成のプランは月額13,800円(税別)です。サーバー、独自ドメイン、SSL、保守は月額に含まれます。月5回までの更新代行も同じ月額の中なので、相談の枠や案内の文面を見直すときも、月額の範囲で直せます。
最低契約期間は6ヶ月です。7〜35ヶ月で解約された場合、サイトは非公開になります。36ヶ月以上ご継続いただいた場合は、サイトをお渡しします。
私たちがやらないこと
ビデオ通話のツールを、こちらから特定のものに決めて勧めることはしません。普段お使いのものがあれば、それを前提にページを作ります。相談を無料にするか有料にするか、いくらにするかも、経営の判断なので貴社に決めていただきます。
また、実際には受けられない相談まで「オンラインで対応」と広く書くこともしません。検索の順位や、申し込みの件数をお約束することもいたしません。
実際にお作りしたサイトは 制作実績、料金と条件は ホームページ制作のページ に載せてあります。神戸市北区鈴蘭台を拠点に、2025年10月から活動しています。「オンラインでも受けたいが、サイトに何を書けばいいか決めきれない」という方は、一度ご相談ください。
9. まとめ:一行ではなく、当日までの道筋を書く
オンライン相談をホームページで受け付けるときに押さえることは、5つです。
- オンラインで受ける相談を決める ― 話と画面で済む相談に絞り、現物を見る判断は対面に残す
- 日程の決め方を決める ― 件数が少なければ候補を出してもらう形で十分。予約の仕組みは、枠が単純なときに
- 確定の1通に、全部を入れる ― 日時、長さ、参加の方法、用意するもの、つながらないときの電話番号
- 顔出しと録画の扱いを書く ― 相手はカメラなしでもよい。録画するなら先に伝える
- 無料の範囲と、対面との選び分けを書く ― 時間と中身で線を引き、どちらを選んでも損をしないと伝える
「オンラインでもご相談いただけます」の一行は、入口の看板にすぎません。申し込む人が知りたいのは、申し込んでから当日までに何が起きるかです。
今日できることを1つだけ挙げます。オンライン相談の確定の連絡に書く項目を、紙に書き出してみてください。書き出した項目が、そのままサイトに載せる案内になります。
オンライン相談の受け方を、申し込みから当日まで整理したいという方は、一度ご相談ください。