1. 「カードは使えますか、と毎回聞かれるんです」

中小企業の経営者の方とお話していて、こんな言葉をよく聞きます。

「お客様から『カードは使えますか』『振込でもいいですか』って、毎回電話で聞かれるんです。サイトには料金は書いてあるんですけど、払い方は書いていなくて。法人のお客様からは、締め日はいつか、請求書はどう届くかも聞かれますね」

よく伺う話です。料金はきちんと書いてある。でも、どうやって、いつ払えばいいかが書かれていない。読む人は、金額が分かったあとに、払えるかどうかを確かめに来ます。

支払い方法は、地味な情報です。ただ、ここで引っかかると、頼むと決めかけた人が止まります。支払い方法は、頼む直前の最後の確認です。

この記事で書かないこと

どの決済サービスを選ぶか、手数料がどうか、といった選び方の話は書きません。また、領収書や請求書に何を書けば税務上足りるか、といった判断も扱いません。税務の判断は、業種や取引によって違うので、税理士などの専門家や所管の窓口に確認してください。この記事で書くのは、すでに決まっている支払い方法を、読む人に伝わる形でサイトに書く方法です。

この記事で書くこと

  • 書いていないと、何が起きるか
  • 使える方法と、使えない方法を両方書く
  • 個人のお客様向けには、いつ払うかを書く
  • 法人のお客様向けには、締め日・期日・請求書を書く
  • 振込手数料と、領収書
  • 方法が変わったときに、直す場所

2. 書いていないと、何が起きるか

先に、支払い方法が書かれていないときに起きていることを並べます。

確かめるための電話が鳴る

いちばん分かりやすいのがこれです。「カードは使えますか」「分割はできますか」「振込は前ですか後ですか」。答えが毎回同じ質問は、サイトに書いてあれば電話にならなかった質問です。電話に出る側の時間も、かける側の手間も、両方が消えています。

電話をせずに、ほかを探す

もっと見えにくいのが、電話をしない人です。聞くほどのことではない、と思って、支払い方法が書いてある別の会社に連絡する。こちらからは、その人が来なかったことすら分かりません。

当日に払えない

来店や出張の当日になって、使えると思っていたカードが使えない。現金を持っていない。当日に分かるのが、いちばん気まずいパターンです。

法人の社内手続きが止まる

法人の担当者は、発注する前に、自社の支払いの決まりに合うかを確かめます。月末締めで翌月払いの会社が、前払いの取引先に発注するには、社内で別の手続きが要ることがあります。支払いの条件が分からないと、担当者は稟議を出せません。

「各種対応」は、かえって不安にする

「各種お支払い方法に対応しています」という一行もよく見ます。書いていないよりはましですが、読む人は「各種」に自分の使いたい方法が入っているかを知りたいのです。入っているかどうか分からない一行は、書いていないのとほぼ同じです。

3. 使える方法と、使えない方法を両方書く

書き方の基本は、方法を1つずつ並べることです。そして、使えない方法も書くことです。

並べる方法

多くの会社で、次のどれかに当てはまります。

  • 現金 ― 店頭か、出張先でも受け取るか。高額のときにおつりの用意があるか
  • 銀行振込 ― 前払いか、後払いか。期日はいつまでか
  • クレジットカード ― 1回払いだけか、分割やリボも使えるか。店頭だけか、ネットでも払えるか
  • 電子マネー・スマートフォンのコード決済 ― 使える種類は店頭の掲示と揃えて書く
  • 請求書払い ― 法人のお客様向け。締め日と期日
  • 分割払い ― 扱っているか、扱っていないか

使えない方法を書くと、問い合わせが減る

使える方法だけを書くと、書いていない方法が使えないのか、書き忘れなのかが分かりません。「カードはご利用いただけません」と一行あれば、カードで払いたい人は、最初から現金か振込の用意をして来ます。使えないことを先に知るのは、損ではありません。

条件つきのものは、条件まで書く

「カードは店頭のみ。出張先では現金かお振込みでお願いしています」「1万円未満は現金のみ」。こうした条件がある場合は、それも書きます。条件が書いていないと、使えると思って来た人が当日に困ります。

一覧にすると、探しやすい

方法と条件が増えてくると、文章では読みにくくなります。表にすると、自分が使いたい方法の行だけを読めば済みます。

表:使える支払い方法と、使えない方法を一覧にする(たとえば店頭と出張の両方がある店の場合。例は架空)
支払い方法店頭出張先補足
現金使えます使えます作業のあと、その場でお支払いください
銀行振込使えます使えます作業日から○日以内。振込手数料はお客様のご負担です
クレジットカード使えます使えません1回払いのみ
電子マネー・コード決済使えます使えません使える種類は、店頭の掲示と同じです
請求書払い(法人)使えます使えますたとえば月末締め・翌月末払い
分割払い扱っていません扱っていませんカードの分割も、店頭ではお受けしていません

表は文字で作り、スマートフォンでは1行ずつ縦に並ぶ形にします。「使えません」の行を消さないことが、この表のいちばん大事なところです。中身は、貴社の実際の取り扱いで書いてください。

分割を扱うなら、条件を書く

分割払いや、工事のように何回かに分けて払う形を扱っているなら、回数、最初に払う時期、途中で解約したときの扱いを書きます。分割の扱いには、取引の形によって守るべき決まりがある場合もあるとされています。表示の仕方に迷うときは、業種によって違うので、所管の窓口や専門家に確認してください。

4. 個人のお客様向けには、いつ払うかを書く

一般のお客様が知りたいのは、方法と同じくらい、いつ払うかです。払う時期は、業種によって大きく違います。

前払い・当日・後払いのどれか

まず、3つのどれかを書きます。

  • 前払い ― 予約のとき、申し込みのとき、作業の前。いつまでに払えば予約が確定するか
  • 当日 ― 来店のとき、作業が終わったその場で。作業の前か後か
  • 後払い ― 作業や納品のあと。何日以内か、請求書や振込先の案内がどう届くか

「当日」には、作業の前と後の2つがあります。出張の作業なら、終わってから払うのか、始める前に払うのかで、お客様の用意が変わります。

業種ごとの、よくある形

払う時期の形は、業種によっておおよそ決まっています。

  • 工事・リフォーム ― 契約時と完了時に分ける形が多い。何回に分けるか、それぞれいつかを書きます
  • 教室・スクール ― 月謝なら、何月分をいつまでに払うか。入会金や教材費をいつ払うかも分けて書きます
  • 予約制の店・飲食 ― 基本は当日。コースや貸切で前払いをお願いしている場合は、その条件を書きます
  • 出張サービス ― 作業後にその場で払うのか、後日振込か。追加の作業が出たときの払い方も書きます

前払いなら、取り消したときのことも

前払いをお願いしている場合は、取り消したときにどう返すかも一緒に書きます。返す時期、返す方法、手数料の扱い。キャンセルの決まりと同じ場所に置くと、読む人がまとめて確かめられます。

5. 法人のお客様向けには、締め日・期日・請求書を書く

法人のお客様の担当者が確かめたいことは、一般のお客様とは違います。自社の支払いの流れに乗るかどうかです。

締め日と、支払い期日

「月末締め・翌月末払い」「納品月の翌月○日払い」のように、締め日と期日を書きます。取引先の締め日に合わせられるなら、それも書きます。

締め日と期日がサイトに書いてあると、担当者は発注の前に社内の手続きを確かめられます。初めての取引では、ここで止まることがよくあります。

請求書の送り方

請求書がどう届くかを書きます。郵送か、メールで送るPDFか、両方か。宛名を部署名や担当者名にできるか。取引先によっては、請求書を受け取る部署や方法が決まっています。合わせられる範囲を書いておくと、最初のやり取りが短くなります。

請求書の流れを、順に並べる

法人との取引は、発注から入金までにいくつかの段階があります。サイトには、その段階ごとに何が起きるかを短く書いておきます。

図:法人のお客様との取引で、支払いまでの流れを順に書く(締め日や日数の例は架空)
① ご発注

初めての取引で、口座の登録や取引先の登録の書類が要るかどうか。必要な書類があれば、何をいつまでに出すかを書きます。

たとえば「初回のお取引の前に、ご指定の登録書類があればお送りください」
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② 納品・作業の完了

どの時点を「納品」とするかを書きます。作業の完了日か、検収の日か。締め日に数える日が決まります。

たとえば「作業完了日を、ご請求の基準日とします」
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③ 締め日と、請求書の発行

締め日と、請求書を出す日、送る方法を書きます。郵送かPDFか、宛名をどう書くか。

たとえば「月末締めで、翌月5営業日までにPDFでお送りします」
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④ お支払いの期日

いつまでに、どの方法で払うかを書きます。振込なら、振込手数料をどちらが持つかも同じ行に書きます。

たとえば「翌月末までにお振込みください。振込手数料はご負担をお願いしています」
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⑤ 入金の確認と、領収書

入金を確認したら連絡するか、領収書を出すかどうかを書きます。振込の控えを領収書の代わりにしてもらう場合は、その一言も。

ここが書いていないと、経理の担当者から確認の連絡が来ます

締め日・期日・送り方は、貴社の実際の運用で書いてください。法人向けの条件は、会社概要かよくある質問の近くにまとめると、担当者が見つけやすくなります。

インボイスの登録番号と、税の扱い

法人の担当者は、支払い方法と一緒に、インボイスの登録番号や、料金が税込か税別かも確かめます。登録番号の載せ方は インボイスの登録番号を、ホームページに載せるか に、税込・税別の書き分けは ホームページの料金は、「税込」と「税別」のどちらで書くか に書きました。支払い方法の近くに、この2つへのつながりを置いておくと、担当者が1つの画面で確かめられます。

6. 振込手数料と、領収書

支払いの方法と時期が書けたら、最後に細かいところを2つ。どちらも、書いていないと後で聞かれるところです。

振込手数料は、どちらが持つか

振込で払ってもらう場合、振込手数料をどちらが持つかを書いてください。お客様のご負担なのか、貴社が持つのか。書いていないと、手数料を差し引いて振り込まれることがあり、そのたびに確認のやり取りが発生します。

言い方の温度にも気をつけます。「振込手数料はお客様のご負担とさせていただきます」で十分です。理由を長く書く必要はありません。大事なのは、請求書にも同じことが書いてあることです。

振込先の口座は、どこで案内するか

振込先の口座番号をサイトに載せるかどうかは、会社の判断です。載せない場合は、「振込先は、請求書またはご予約の確認のメールでご案内します」と書いておきます。

もう1つ、書いておくと安心な一文があります。「振込先の口座を変更するご連絡を、メールだけでお送りすることはありません」。なりすましの請求への備えとして、お客様が気づくきっかけになります。実際に口座を変えるときの連絡の仕方と合わせて、社内で決めておいてください。

領収書を出せるか、どう出すか

一般のお客様からも法人からも、よく聞かれるのが領収書です。書いておくことは次のとおりです。

  • 出せるかどうか ― 店頭で、出張先で、振込のあとに
  • 宛名と但し書き ― 会社名で出せるか、但し書きを指定できるか
  • 紙か、PDFか ― 後日の郵送やメールに対応するか
  • あとから頼めるか ― 何日以内なら発行できるか

領収書や請求書に何を書けば足りるかは、税務の判断です。この記事では扱いません。業種や取引によって違うので、税理士などの専門家や所管の窓口に確認してください。サイトに書くのは、出せるかどうかと、頼み方です。

よくある質問に、一問ずつ置く

「カードは使えますか」「領収書は出ますか」「振込手数料はどちらの負担ですか」。この3つは、よくある質問にそのまま置ける問いです。答えは結論から一行で書き、詳しくは料金のページの表へつなぎます。問いの選び方と答えの書き方は 「よくある質問」を作ると、電話の本数が変わる にまとめました。

7. 方法が変わったら、直す場所

カードを使えるようにした、出張先でも電子マネーを受けるようにした、締め日を変えた。支払い方法は、思ったより変わります。そして、変わったときに直す場所が、思ったより多いのです。

支払い方法は、何か所にも書かれている

支払い方法が書かれやすい場所は、次のとおりです。

  • 料金のページ ― 表の本体。料金の載せ方そのものは ホームページに料金を載せるか、載せないか に書きました
  • 会社概要 ― 法人向けの締め日や請求書の送り方を置くことが多い場所です。会社概要の項目は 会社概要のページに、何を載せるか にまとめました
  • よくある質問 ― 「カードは使えますか」の答えの中
  • 予約のページと、予約の確認のメール ― 前払いのお願いや、当日の支払い方法の案内
  • Googleマップ ― 業種によっては、店舗の情報に支払い方法を載せる項目があります
  • 店頭の掲示、チラシ、請求書のひな形 ― 紙のものは、サイト内を検索しても出てきません

正本を1つ決めて、そこから写す

いちばん困るのは、場所によって書いてあることが違う状態です。サイトでは「カード可」、Googleマップでは「現金のみ」。どちらが正しいのか分からないと、読む人はいちばん不利な方を信じます。

対処は、正本を1つ決めることです。料金のページの表を正本にして、ほかの場所はそこから写す。変えるときは、正本を直してから、ほかの場所を順に直します。

直す場所を、1枚の表にしておく

支払い方法を書いた場所を、1枚の表にして残しておきます。ページの名前、どの段落か、紙かどうか。次に変えるとき、その表を見れば直し漏れが出にくくなります。

変える日を、先に知らせる

カードの取り扱いをやめる、締め日を変える、のように、お客様の側に影響がある変更は、変える日を先に知らせます。「○月○日のご利用分から、お支払いは現金とお振込みのみになります」。法人のお客様には、サイトだけでなく、請求書や個別の連絡でも知らせるのが丁寧です。

8. 雄喜晃の伴走:支払い方法を、頼む直前に確かめられる形にします

私たち雄喜晃のホームページ制作では、支払い方法を表にして、料金のページと、確かめに来る人が通る場所に置くところまでお手伝いします。

私たちがやること

最初に、今の取り扱いを伺います。使える方法と使えない方法、店頭と出張先での違い、払う時期、法人向けの締め日と期日、請求書の送り方、振込手数料、領収書。電話でよく聞かれていることも伺い、サイトに書けていない項目があればお伝えします。

伺った内容を、使える方法の一覧の表と、法人向けの流れに整えます。料金のページ、会社概要、よくある質問、予約のページに、正本と要点の一行を分けて配置します。Googleマップの情報とサイトで書いてあることが食い違っていないかも、一緒に確かめます。支払い方法が変わったときの書き換えは、月5回までの更新代行の中でお受けしています。

料金と条件

料金は制作費0円、月額8,800円(税別)からです。6ページ構成のプランは月額13,800円(税別)です。サーバー、独自ドメイン、SSL、保守はすべて月額に含まれます。

最低契約期間は6ヶ月です。7〜35ヶ月で解約された場合、サイトは非公開になります。36ヶ月以上ご継続いただいた場合は、サイトをお渡しします。

私たちがやらないこと

先に書いておきます。どの決済サービスを使うかを選んだり、その契約の手続きを代わりに進めたりすることはしません。支払い方法を増やすかどうかは、貴社の経営の判断です。また、領収書や請求書の書き方が税務の上で足りているかを判断することもいたしません。業種や取引によって違い、税理士などの専門家が答える話だからです。

支払い方法を書くことで問い合わせが増える、検索の順位が上がるとお約束することもありません。

実際にお作りしたサイトは 制作実績、料金と条件は ホームページ制作のページ に載せてあります。神戸市北区鈴蘭台を拠点に、2025年10月から活動しています。

「料金は書いてあるのに、払い方のことで毎回電話が鳴る」という方は、一度ご相談ください。

9. まとめ:払えるかどうかを、頼む前に分かるように

ホームページに支払い方法を書くときに押さえることは、5つです。

  • 使える方法と、使えない方法を両方書く ― 「各種対応」で済ませない。条件があるものは条件まで
  • 個人のお客様には、いつ払うかを書く ― 前払い・当日・後払い。当日なら作業の前か後か
  • 法人のお客様には、締め日・期日・請求書を書く ― 担当者が社内の手続きを確かめられるように
  • 振込手数料と領収書を書く ― どちらが持つか、出せるか、どう頼むか。税務の判断は専門家に
  • 正本を1つ決めて、変わったら全部直す ― 料金のページ、会社概要、よくある質問、予約のページ、Googleマップ、紙のもの

支払い方法は、料金の次に確かめられる情報です。払えるかどうかが分からないまま、頼む人はいません。頼むと決めかけた人が最後に止まらないように、先に書いておきます。

まず、今日できること

この1ヶ月で、支払いのことで聞かれた質問を書き出してみてください。カード、振込、領収書、締め日。3回以上聞かれたものが、サイトに最初に書く行です。書き出したら、今のサイトとGoogleマップで、同じことが書いてあるかを見比べてみてください。食い違っていれば、そこが最初に直すところです。