1. 「税込と税別、どっちで書けばいいんでしょう」

中小企業の経営者の方とお話していて、こんな言葉を聞くことがあります。

「チラシは税込で作ったんですが、ホームページは税別のままになっていて。お客様に『ネットで見た金額と違う』と言われてしまったんです。どっちに揃えればいいんでしょうか」

料金を載せると決めたあとで、意外と手が止まるのがここです。税込で書くか、税別で書くか。どちらにも理由がありますし、同業のサイトを見ても書き方はばらばらです。

先にお伝えしておくと、いちばん困るのは、どちらかを選んだことではなく、混ざっていることです。あるページは税込、別のページは税別、チラシはまた別。読む人は、どれが本当の金額か分からなくなります。

この記事では、どちらで書くかの考え方と、誤解されない書き方を順に整理します。料金を載せるかどうかの判断そのものは ホームページに料金を載せるか、載せないか にまとめてあるので、この記事はその続きとして読んでいただけます。

この記事で書くこと

  • 税込と税別で、読む人の受け取り方がどう変わるか
  • お客様が一般の方か事業者かで、違うことがある点
  • 同じサイトの中で混ぜないための決め方
  • 「〜円から」と、追加料金・送料・出張費の書き方
  • 値上げや税率が変わったときに直す場所

2. 税込か税別かで、読む人の受け取り方が変わる

まず、読む側で何が起きているかを見ておきます。

一般のお客様は、払う金額で考える

個人のお客様は、料金を見たとき、財布から出ていく金額として読みます。税別の数字を見ても、頭の中で税を足して考える人ばかりではありません。

そのまま覚えて、あとで請求を見たときに「書いてあった金額より高い」と感じます。差は税の分だけですが、受け取る側には「話が違う」という記憶が残ります。金額が高いことより、言われていたことと違うことのほうが、信用に響きます。

事業者のお客様は、税別で比べることも多い

一方、会社のお客様は事情が少し違います。見積書や請求書を本体の金額と税を分けて扱うことに慣れているので、税別の数字で比べる場面も多いです。

社内の稟議や予算も、税別で組んでいることがあります。そういう相手には、税別の数字が書いてあるほうが、そのまま使えて便利です。

書いていないと、どちらにも取られる

いちばん困るのは、税込とも税別とも書いていない数字です。

読む人は、自分に都合のよいほうで受け取ります。個人のお客様は税込だと思い、会社のお客様は税別だと思う。どちらで請求しても、どちらかのお客様には「違った」と思われます。まずは、どちらであっても数字の横に書くところから始めてください。

3. お客様が誰かで、決まりや慣習が違うことがある

ここは少し注意が要るところです。税込で書くか税別で書くかは、好みだけで決められるとは限りません。

一般のお客様向けには、総額での表示が求められる場合がある

一般の消費者に向けて商品やサービスの価格を示すときは、税を含めた総額で示すことが求められる場合があります。チラシや店頭の値札と同じように、ホームページの料金も対象になると考えておくほうが安全です。

ただ、どこまでが対象で、どう書けばよいかは、売っているものや売り方によって変わります。業種によって違うので、所管の窓口や専門家、公的な案内で確認してください。この記事では、細かい決まりではなく、読む人に誤解されにくい書き方のほうを扱います。

事業者向けの取引では、税別で示す慣習も多い

会社同士の取引では、税別で料金を示す慣習も広く見られます。読む人も、それを前提に読んでいることが多いです。

ただし、ここでも「税別」とはっきり書くことは欠かせません。慣習に頼って何も書かないと、個人のお客様が見たときに誤解が生まれます。会社向けのサイトでも、個人の方が読むことはあります。

両方を相手にしている会社は、ページで分ける

個人と会社、両方のお客様がいる会社もあります。その場合は、相手ごとにページを分けて、それぞれに合う書き方にするのが分かりやすいです。

個人向けのページは税込を主に、会社向けのページは税別を主に。そのかわり、どちらのページにも税の扱いを数字の横に書きます。相手ごとのページの分け方は 個人のお客様と法人のお客様、両方を相手にする会社のホームページ にまとめてあります。

迷ったら、両方を並べる

どちらか迷うときは、両方を並べて書く方法があります。

「11,000円(税込)/本体10,000円」

このように主にする数字を大きく、もう一方を添えれば、個人のお客様も会社のお客様も、自分の使う数字を拾えます。ただし、並べ方はサイトの中で1つに揃えてください。ここが次の話です。

4. 同じサイトの中で、混ぜない

どちらで書くかを決めたら、次はサイト全体で揃えます。実際に誤解が生まれるのは、たいていここです。

混ざりやすい場所

料金のページだけを見て「うちは揃っている」と思っていても、ほかの場所で混ざっていることがよくあります。

  • トップページ ― 「〇〇円から」の案内だけ、作った時期が違う
  • サービスのページ ― 料金のページとは別の人が書いている
  • よくある質問 ― 答えの文章の中に、金額が埋もれている
  • お知らせ・キャンペーン ― 割引の金額だけ、税の扱いが違う
  • 画像やPDF ― 料金表を画像で載せている、会社案内のPDFが古い

同じ会社の中で、税込と税別が混ざっていると、読む人は計算し直すしかありません。計算させた時点で、読む人の手は止まります。

ページごとではなく、サイト全体で1つに決める

「このページは税込、あのページは税別」とページごとに決めると、いずれ混ざります。書く人が変われば、そのたびにずれます。

決めるのは、サイト全体の書き方を1つです。前の章のように相手ごとにページを分ける場合も、「個人向けのページは税込、会社向けのページは税別」と、決め方そのものを1つにしておきます。

書き方の型まで、決めておく

税込か税別かだけでなく、書き方の型まで決めておくと、ずれにくくなります。

  • 「税込」と書くのか、「税込み」と書くのか
  • 数字の後ろに括弧で書くのか、前に書くのか
  • 「税別」なのか、「税抜」なのか、「+税」なのか

どれでも構いません。1つに決めて、全部のページで同じ書き方にすることが大事です。言葉が揃っていると、読む人は迷わず同じ意味として読めます。表記の揃え方の考え方は ホームページと名刺・封筒で、書いてあることが違う にも書いてあります。

「税込」の文字を、小さくしすぎない

もう1つ、見た目の話です。金額は大きく、「税別」の文字は小さく、という作りをよく見ます。

デザインとしては整いますが、小さすぎると読まれません。スマートフォンで見たときに、潰れて読めないこともあります。金額と同じ行に、普通の文字の大きさで書いておけば十分です。目立たせる必要はありませんが、見落とされない大きさにしてください。

両方を並べるなら、端数まで確かめる

税込と本体の金額を並べて書く場合は、2つの数字が実際の請求と合っているかを確かめてください。税を足したときの端数の扱いで、1円単位のずれが出ることがあります。

小さなずれでも、見積書と並べたお客様は気づきます。端数をどう扱うかは、会計のやり方によって違うことがあるので、迷ったら顧問の税理士など専門家に確認してください。サイトの数字は、確かめた請求の数字に合わせます。

5. 「〜円から」の書き方

料金が条件で変わる仕事では、「〜円から」という書き方をよく使います。ここにも、税の扱いで誤解が生まれやすい点があります。

「から」の数字に、何が含まれているかを書く

「30,000円から」と書いたとき、読む人はその数字で何が受けられるのかを知りたいと思っています。いちばん安い場合が、どんな条件なのかを添えてください。

「30,000円(税込)から。〇〇の場合の金額です。△△が加わると上がります」

条件が書いてあれば、自分がその最低額に当てはまるかどうかを、読む人が自分で判断できます。

「から」の横にも、税の扱いを書く

「〜円から」の数字にも、税込か税別かを添えます。

ここが抜けていると、最低額を税込だと思って読んだ人が、見積もりを見たときに税の分と条件の分、二重に高くなったと感じます。条件で上がるのは納得できても、税の分まで上がると、「最初の数字は何だったのか」と思われます。

よくある金額の帯を添える

「から」の数字だけでは、多くの人がその金額で済むと思います。実際にご依頼の多い金額がもっと上なら、それも書いておくと親切です。

「30,000円(税込)からお受けしています。ご依頼の多いのは50,000〜70,000円(税込)です」

最低額を残しつつ、よくある金額を正直に書く形です。数字の幅の出し方や、条件で金額が変わる仕組みを読む人に見せる方法は ホームページに「料金シミュレーション」を置くかどうか にもまとめてあります。

6. 追加料金・送料・出張費を、どこにどう書くか

本体の料金をきれいに書いても、後から足される費用で誤解が生まれることがあります。

本体の料金の、すぐ近くに書く

追加でかかる費用は、本体の料金の近くに書いてください。ページのいちばん下や、別のページの注意書きに置くと、読まれません。

読む人は、本体の金額を見た時点で「このくらいか」と頭に入れます。そのあとで別の費用が出てくると、後出しに見えます。最初に目に入る場所で、最初から足しておくほうが、結果として信用されます。

足される費用にも、税の扱いを書く

送料、出張費、駐車場の料金、廃材の処分費。本体とは別にかかる費用にも、税込か税別かを書きます。

本体は税込なのに、送料だけ税別で書かれていると、読む人はまた計算し直すことになります。追加の費用も、本体と同じ書き方に揃えてください。

「別途」とだけ書かない

「出張費は別途」「送料別」とだけ書かれている例をよく見ます。これでは、いくらかかるのか分かりません。

金額が決まっているなら、金額を書きます。決まっていないなら、決まり方を書きます。「〇〇市内は無料、それ以外は距離に応じて〇〇円から」。目安が分かれば、読む人は自分の場合を見積もれます。

表:料金の書き方、誤解されやすい形と直した形(例はすべて架空)
誤解されやすい形直した形直した理由
「10,000円」とだけ書くたとえば「11,000円(税込)」と、税の扱いを数字の横に書く書いていないと、読む人が都合のよいほうで受け取る
ページごとに税込と税別が違うサイト全体で書き方を1つに決め、全ページで同じ型にする混ざっていると、読む人が計算し直すことになる
「30,000円から」だけたとえば「30,000円(税込)から。〇〇の場合。ご依頼の多いのは50,000〜70,000円」最低額の条件と、よくある金額が分かる
「出張費は別途」たとえば「〇〇市内は無料、それ以外は〇〇円(税込)から」と、本体の料金のすぐ下に書くいくら足されるかが先に分かる。後出しに見えない
料金表を画像で載せる金額は文字で書き、更新した日付を添える画像の中の数字は、サイト内を検索しても見つからない

どれも、金額そのものを変える話ではありません。同じ金額でも、税の扱いと足される費用を数字の近くに書くだけで、「話が違う」と言われにくくなります。中身は、貴社の実際の料金と条件で書いてください。

キャンセル料や振込手数料も、決めてあるなら書く

キャンセルしたときの費用や、振込手数料をどちらが持つかなど、取り決めがあるなら、それも書いておきます。

後から伝えると、どれほど正当な取り決めでも言われていなかった費用に見えます。料金のページの下に、短くまとめておけば十分です。

見積書と請求書の書き方も、サイトに揃える

サイトの書き方を揃えたら、見積書と請求書も見直してください。サイトは税込で書いているのに、見積書は本体と税が別々で、合計の欄が小さい。こういうずれもよくあります。

お客様は、サイトで見た数字と、見積書の数字を見比べます。サイトが税込なら、見積書でも税込の合計がひと目で分かるようにしておくと、照らし合わせやすくなります。サイトだけ整えても、手元に届く紙がずれていれば、同じ誤解が生まれます。

7. 値上げや税率が変わったときに、直す場所

料金を公開していると、いずれ書き換える日が来ます。値上げのとき、プランを変えたとき、税率が変わったとき。ここで取りこぼしが出やすいです。

直す場所を、先に一覧にしておく

料金を書いた場所は、思っている以上に散らばっています。

  • サイトの中 ― 料金のページ、サービスのページ、トップ、よくある質問、比較の表
  • お知らせとキャンペーン ― 過去の告知の中に残っている金額
  • 画像とPDF ― バナー、料金表の画像、会社案内やカタログのPDF
  • 送ったあとに出るもの ― 見積もりの自動返信メール、申し込みの確認画面
  • サイトの外 ― Googleビジネスプロフィール、業界の紹介サイト、SNSのプロフィール
  • 紙 ― チラシ、名刺の裏、店頭の貼り紙

一度この一覧を作っておけば、次からはそれを上から見ていくだけで済みます。料金を書いた場所を、1枚の表にして残しておくのがいちばん楽です。

画像やPDFの中の数字は、検索で見つからない

サイト内を「円」で検索しても、画像やPDFの中の数字は出てきません。値上げのあとも、古い金額の画像だけが残るということがよく起きます。

できれば、料金は画像ではなく文字で書いてください。画像にする場合は、その画像がどのページで使われているかを、さきほどの表に書いておきます。

いつから変わるかを、日付で書く

料金を変えるときは、「〇年〇月〇日のお申し込みから」と日付で書きます。「近日」「来月から」だと、いつ読まれるかで意味が変わってしまいます。

切り替わる前後は、新旧の料金を並べて書いておくと、すでに見積もりを受け取っているお客様も混乱しません。期間を決めた割引や告知の始め方と終わらせ方は キャンペーンや期間限定の割引を、ホームページにどう載せるか にまとめてあります。

税率が変わったときは、確認してから直す

税率が変わるときは、いつの取引からどの税率になるかに、細かい取り決めがあることがあります。業種や契約の形によって違うので、所管の窓口や専門家、公的な案内で確認してから直してください。

税込で書いているサイトは、税率が変わると金額の数字そのものを直すことになります。税別で書いているサイトは、数字は変わらなくても、税込の金額を添えている箇所が残ります。どちらで書いていても、直す場所はあると考えておいてください。

8. 雄喜晃の伴走:料金の書き方を、サイト全体で揃えます

私たち雄喜晃の料金は、税別で書いています。月額8,800円(税別)、6ページ構成のプランは月額13,800円(税別)、制作費は0円です。この記事でお伝えしたとおり、税の扱いは数字のすぐ横に書いています。

私たちがやること

  • 料金を書く場所を洗い出す ― サービスのページ、よくある質問、お知らせ、画像やPDFまで、料金が出てくる場所を一覧にします
  • 書き方の型を一緒に決める ― 税込か税別か、どの言葉を使うか、括弧の位置まで決めて、全部のページを同じ型に揃えます
  • 追加の費用を、本体の近くに置く ― 送料や出張費、足される条件を伺い、料金のすぐ下に書きます
  • 料金が変わる日に、書き換える ― 変わる日と新しい金額をお知らせいただければ、一覧の場所を順に直します

料金と条件

サーバー、独自ドメイン、SSL、保守は月額に含まれます。月5回までの更新代行も同じ月額の中なので、料金の改定や表記の揃え直しも、ご連絡いただければこちらで反映します。

最低契約期間は6ヶ月です。7〜35ヶ月で解約された場合、サイトは非公開になります。36ヶ月以上ご継続いただいた場合は、サイトをお渡しします。

私たちがやらないこと

  • 貴社の料金そのものを、こちらで決めることはしません。価格は経営の判断です。私たちは、決まった金額を読む人に伝わる形にするところを担当します
  • 表示の決まりに当たるかどうかの判断や、税の計算の相談はお受けしていません。気になる点は、所管の窓口や専門家に確認していただくようお願いしています
  • 検索順位や問い合わせの増加をお約束することもしません

実際にお作りしたサイトは 制作実績、私たち自身の料金と条件は ホームページ制作のページ に載せてあります。神戸市北区鈴蘭台を拠点に、2025年10月から活動しています。

「サイトのどこかに、税込と税別が混ざっている気がする」という方は、一度ご相談ください。

9. まとめ:どちらで書くかより、混ぜないこと

ホームページの料金を書くときに押さえることは、5つです。

  • 数字の横に、税の扱いを書く ― 税込とも税別とも書いていない数字は、読む人の都合で受け取られる
  • お客様が誰かで考える ― 一般の方向けは総額での表示が求められる場合がある。詳しくは所管の窓口や専門家に
  • サイト全体で、書き方を1つに ― 税込・税別だけでなく、言葉と括弧の位置まで揃える
  • 「から」と追加の費用は、条件と一緒に ― 最低額の条件、よくある金額、足される費用を本体の近くに
  • 直す場所を、1枚の表に ― 画像、PDF、紙、サイトの外まで含めて、値上げや税率の変更に備える

読む人は、書いてある数字で払うつもりでいます。その数字と、実際に払う金額がずれないこと。税込か税別かの選び方より、そちらのほうが信用に効きます。

まず、今日できること

貴社のサイトを開いて、金額が出てくるページを3つ選んでみてください。料金のページ、トップ、よくある質問。それぞれの数字の横に、税込か税別かが書いてあるか、書き方が同じかを見比べます。1か所でも違っていれば、そこが最初に揃える場所です。

料金の書き方を揃えたいけれど、どこに何が書いてあるか把握しきれていない、という方は、一度ご相談ください。