1. 「キャンペーンは終わったのに、サイトではまだやっていました」

中小企業の経営者の方とお話していて、こんな言葉を聞くことがあります。

「春の割引の案内を出したんです。チラシも配って、反応も悪くなかった。ところが夏になって、お客さんから『サイトに割引って書いてありますよね』と電話が来て。終わったあと、トップの案内を外すのを忘れていたんです」

キャンペーンは、始めるときには熱が入ります。ところが、終わる日には誰も手を動かしません。現場は次の仕事に移っていて、サイトの案内は忘れられています。

終わった割引がサイトに残り、見た人はその条件で頼めると思って連絡してきます。「もう終わっています」と答えると、相手は損をした気持ちになります。キャンペーンの評判は、始め方より終わり方で決まることが多いのです。

この記事で書くこと

  • キャンペーンの案内で、よく起きる3つのずれ
  • 載せる前に決めておく6つの項目
  • 急がせる言葉と、通常価格の書き方で気をつけること
  • トップに出すか、専用のページを作るかの判断
  • 終わらせ方を、始める前に決めておく手順
  • チラシやSNSと、日付をそろえる方法

2. キャンペーンの案内で、よく起きる3つのずれ

先に、何がうまくいかないのかを見ておきます。ずれ方は、だいたい3つに分かれます。

① 期間と条件が、はっきり書かれていない

「ただいまキャンペーン中」「期間限定でお得に」。こうした一行だけが載っていて、いつまでなのか、誰が対象なのかが分からない案内をよく見ます。

書いた側は、チラシに詳しく書いたので十分だと思っています。けれど、サイトだけを見た人には何も分かりません。結果として、条件の説明から始まる電話が積み上がります。

② 終わったのに、残っている

冒頭の話です。終わった割引が、トップのバナーや料金のページに残っている。サイトの中で、いちばん起きやすくて、いちばん信用を削るずれです。

とくに残りやすいのは、画像に文字を焼き込んだバナーです。文字が画像の中にあるので、サイト内を言葉で探しても見つかりません。

③ チラシやSNSと、日付が違う

チラシには「5月31日まで」、サイトには「5月末日まで」、SNSには「GW明けまで」。同じキャンペーンなのに、媒体ごとに書いてある終わりの日がずれていることがあります。

読む人は、いちばん都合のいい日付を覚えています。どれが正しいのかを説明できないと、ずれはそのまま揉めごとの種になります。

3. 載せる前に、決めておく6つの項目

3つのずれを防ぐには、案内の文面を書く前に、中身を決めておくことです。決める項目は6つあります。

何が、どれだけ変わるのか

「お得に」ではなく、何がいくらになるのかを書きます。割引率だけより、金額で書いたほうが、読む人は自分の場合を計算しなくて済みます。

いつから、いつまでか

日付は、年・月・日・曜日まで書きます。終わりの日には、時刻も添えます。「10月31日(土)17時受付分まで」。お店の営業時間で区切るのか、日付が変わるまでなのか。ここが曖昧だと、最終日の夜に連絡してきた人への答えが決まりません。

もう1つ決めておきたいのが、何の日付で判定するかです。申し込んだ日なのか、工事や来店の日なのか、支払いの日なのか。工事や予約の商売では、ここが抜けると揉めやすくなります。

誰が対象か

初めての方だけなのか、これまでのお客様も含むのか。地域や商品に限りはあるのか。対象外の人が読んで「自分は違う」と分かるように書いてください。

どうすれば受けられるか

チラシを持ってくるのか、予約のときに一言添えるのか、フォームで選ぶのか。受け方が書いていないと、割引を受けられたはずの人が受けられないまま終わります。

ほかの割引と重ねられるか

すでにある会員割引や、紹介の特典と重ねて使えるのか。数量や件数に上限があるのか。上限がある場合は、その数を書きます。「先着10件」と書くなら、本当に10件で締めてください。

終わったあと、どうなるか

これが最も書かれない項目です。終わったら通常の料金に戻るのか、次の回があるのか。終わったあとの案内まで決めてから、始めてください。詳しくは第6章で書きます。

表:キャンペーンの案内に入れる6つの項目(例はすべて架空)
項目書き方の例抜けたときに起きること
何が、どれだけたとえば「エアコンの分解清掃が、通常12,000円のところ9,800円」「お得に」だけでは、自分の場合が計算できない
いつから、いつまでたとえば「10月1日(木)〜10月31日(土)17時受付分まで」最終日の夜の連絡に、答えが決まらない
何の日付で判定するかたとえば「期間内にお申し込みいただき、年内に作業を行う場合」申し込みは期間内、作業は期間外の人と揉める
誰が対象かたとえば「〇〇市内のご家庭。法人のご依頼は対象外です」対象外の人からの連絡に、毎回説明が要る
どうすれば受けられるかたとえば「お申し込みのときに『秋の割引』とお伝えください」受けられたはずの人が、知らずに通常料金で頼む
終わったあとたとえば「11月1日以降は通常料金です。次回は来年春を予定しています」終わったあとに来た人が、次を待つという選択をできない

6つを書き出した1枚の紙が、サイト・チラシ・SNSのすべての元になります。金額や期間は、貴社の実際の条件で書いてください。

4. 急がせる言葉と、通常価格の書き方

項目が決まったら、文面を書きます。ここで気をつけたいのが、急がせる言葉と、値引き前の価格の書き方です。

事実でない「残りわずか」「本日限り」は使わない

「残りわずか」「本日限り」「今だけ」。読む人を急がせる言葉は、効きそうに見えます。けれど、事実でないなら使わないでください。

毎日「本日限り」と書いてあるサイトは、2回目に見た人にはすぐ分かります。一度気づかれると、料金も実績も、サイトに書いてあるほかのことまで疑われます。急がせて取れる1件より、疑われて失う信用のほうが大きいと考えてください。

残りが本当に少ないなら、数字で書きます。「10月分の枠は、残り3件です(10月12日時点)」。数字と日付があれば、読む人はそのまま受け取れます。そして、数字が変わったら書き換える。それができないなら、残りの数は書かないほうが安全です。

期限は「早めに」ではなく、理由で書く

急がせる代わりに、なぜ早いほうがいいのかを書いてください。「11月に入ると予約が埋まりやすく、作業日のご希望に添えないことがあります」。これは急がせる言葉ではなく、判断の材料です。

理由が書いてあれば、読む人は自分で急ぎます。「お急ぎください」だけだと、急がされていると感じて離れます。

通常価格を並べるときは、表示のルールを確かめる

「通常〇円のところ△円」のように、値引き前の価格と並べて書く形はよく見ます。分かりやすい書き方ですが、比べる元の価格の書き方には、表示についてのルールがあります。

たとえば、ほとんど売ったことのない価格を「通常価格」として並べると、問題になることがあると言われています。どこまでが許されるかは、販売の実態によって変わります。業種によって違うので、所管の窓口や専門家に確認してください。

ご自身でできる備えとしては、比べる元の価格で、実際にいつ、どれだけ売っていたかの記録を残しておくことです。記録がはっきりしない場合は、元の価格を並べず、「期間中は〇円」とだけ書く方法もあります。料金そのものの載せ方は ホームページに料金を載せるか、載せないか にまとめてあります。

「いつもキャンペーン中」は、キャンペーンではない

1年中ずっと何かの割引をしているなら、読む人から見ると、それが通常の料金です。表示のルールの面でも気をつける点が増えるので、通常の料金として書き直したほうがすっきりします。

5. トップに出すか、専用のページを作るか

文面ができたら、どこに載せるかを決めます。選び方は、キャンペーンの大きさで変わります。

小さなキャンペーンは、お知らせと料金の欄で足りる

条件が単純で、期間も短いもの。たとえば「〇月中は出張費を無料にします」のような案内です。この場合は、専用のページは要りません。

  • お知らせに1本書く ― 6つの項目を、短くまとめて載せる
  • 料金やサービスのページに1行添える ― 「〇月〇日まで、出張費無料(詳しくはお知らせへ)」
  • トップは、お知らせの一覧に出る程度でよい ― 大きなバナーまでは要らない

料金のページに1行添えるのが大事です。料金を確かめに来た人は、お知らせを読まずに帰ります。お知らせの書き方は 「お知らせ」の欄に、何を書けばいいか に書きました。

条件が多いなら、専用のページを1枚作る

対象の商品が複数ある、条件の説明が長い、チラシから人を呼びたい。こうした場合は、キャンペーンだけを説明するページを1枚作ります。トップからは、そのページへの入口を置きます。

専用のページを作るときは、ページの最後に、キャンペーンの条件で申し込むためのボタンを置いてください。「お問い合わせ」ではなく、「秋の割引で見積もりを頼む」のように、押したあとに何が起きるかが分かる言葉にします。ボタンの言葉の決め方は 「お問い合わせはこちら」のボタンを、何と書き、どこに置くか にまとめてあります。

トップのバナーは、文字を画像に焼き込まない

トップに大きく出す場合は、文字を画像の中に入れず、ページの文字として載せる形にしてください。

画像に焼き込んだ文字は、日付を1日直すだけでも画像の作り直しになるので、後回しにされます。検索エンジンや画面の読み上げにも伝わりにくく、外し忘れても言葉で探せません。日付や金額は、文字で載せる。これだけで、第2章の②のずれはかなり減ります。

6. 終わらせ方を、始める前に決める

ここがいちばんお伝えしたいところです。終わる日の作業は、始める前に決めておきます。

消すのではなく、「終了しました」に切り替える

終わったら案内を全部消せばいい、と思われるかもしれません。けれど、専用のページやお知らせは、すぐには消さずに、終了の表示に切り替えるほうが親切です。

終わったあとも、SNSの古い投稿や配り終えたチラシから人が来るからです。「ページが見つかりません」に着くと、会社ごと閉じたのかと思われることもあります。

終了の表示には、3つのことを書きます。

  • 終わったこと ― 「このキャンペーンは、10月31日(土)で終了しました」
  • 今の料金や条件 ― 「現在の料金は、こちらのページでご確認いただけます」
  • 次があるなら、その予定 ― 「次回は来年の春を予定しています。決まりしだい、お知らせでご案内します」

ページの一番上に、この3行を置くだけで足ります。

終わる日の作業を、カレンダーに入れておく

始めるときに、終わる日の作業もカレンダーに入れてください。終わる日の夕方か翌朝に「案内を切り替える」と、担当者の名前つきで書いておきます。

図:キャンペーンを始める前から、終わったあとまでの段取り
① 告知の前(1〜2週間前)

6つの項目を1枚の紙に書き出します。終わる日の作業も、この時点でカレンダーに入れます。

決めること:期間・対象・受け方・上限・終わったあとの案内・切り替えの担当者
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② 始まる日

お知らせ、料金のページの1行、専用のページを公開します。チラシとSNSの日付が紙と同じかを、もう一度見比べます。

確かめること:日付・曜日・時刻が、すべての媒体で同じか
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③ 期間中

上限があるなら、残りの数を日付つきで書き換えます。延長を決めたら、その日のうちに全部の媒体の日付を直します。

延長を何度もくり返すと、期限そのものが信じられなくなります
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④ 終わる日

専用のページとお知らせを、終了の表示に切り替えます。料金のページの1行と、トップの入口は外します。

切り替える場所:トップ/料金のページ/専用のページ/お知らせ/よくある質問/Googleマップの投稿/SNSの固定投稿
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⑤ 終わったあと(1週間以内)

何件の申し込みがあったか、どこから来たかを記録します。次の時期と条件を決める材料にします。

残すもの:件数・申し込みの経路・聞かれた質問・揉めかけたこと

いちばん抜けやすいのは④です。始める前に、終わる日の作業と担当者を決めておくことで、消し忘れはかなり減らせます。段取りは、キャンペーンの大きさに合わせて省いて構いません。

消し忘れやすい場所を、一覧にしておく

切り替える場所は、思っているより多くあります。とくに残りやすいのは、次の場所です。

  • トップの画像 ― 文字が焼き込まれていると、言葉で探しても出てこない
  • よくある質問の答えの中 ― 「今なら〇〇が無料です」のような一文が残る
  • Googleマップの投稿や特典の欄 ― サイトとは別の場所なので、まず忘れられる
  • SNSのプロフィールや固定の投稿 ― 古い告知がいちばん上に残り続ける
  • 店頭やレジ横の紙 ― サイトの外ですが、同じ日に外す

キャンペーンを始めるときに、案内を載せた場所をこの一覧に書き足します。終わる日は、上から順に見ていくだけです。

7. チラシ・SNSと、日付をそろえる

最後に、ホームページの外とのつなぎ方です。キャンペーンは、チラシやSNSと一緒に動かすことが多いと思います。

正しい情報は、ホームページに置く

媒体が増えるほど、どれが正しいのかが分からなくなります。そこで、正しい情報はホームページに置くと決めてください。チラシやSNSには要点だけを載せ、「詳しい条件はホームページで」と添えます。

チラシは刷ったら直せず、SNSの投稿は流れていきます。あとから直せて、いつでも同じ場所にあるのは、ホームページだけです。

刷る前に、日付の表を1枚作る

チラシを刷る前に、第3章で書き出した紙と、チラシの日付・曜日・時刻を1つずつ見比べてください。去年のチラシを元に作ると、日付だけ直して曜日が去年のまま、ということがよくあります。年をまたぐ場合は、年も書きます。

チラシから来る人の入口を決める

チラシにQRコードを載せるなら、トップではなく、キャンペーンの専用のページへ飛ばしてください。トップに着いた人は、キャンペーンの案内を探すところから始めることになります。飛ばす先の決め方は 名刺・チラシ・看板のQRコードは、どのページに飛ばすか に書きました。

専用のページのURLは終わったあとも残す前提で決めてください。チラシは配り終えてからも手元に残ります。半年後に読み取った人も、終了の表示から今の料金へ進めます。

毎年くり返すなら、季節の流れに組み込む

毎年同じ時期にするなら、季節ごとの段取りの中に入れてしまうと楽になります。去年の終了の表示を、今年の告知に書き換えて使い回せます。忙しくなる時期との重ね方は 季節で忙しさが変わる商売の、ホームページの回し方 にまとめてあります。説明会や見学会のように、日付のある催しを告知する場合は 説明会・セミナー・見学会の告知ページを、どう作るか も参考になると思います。

8. 雄喜晃の伴走:始める日と、終わる日を一緒に決めます

私たち雄喜晃のホームページ制作では、キャンペーンの案内を載せるとき、始める日の作業と、終わる日の作業を同時にお預かりします。

私たちがやること

  • 6つの項目を、一緒に書き出す ― 期間・対象・受け方・上限・終わったあとの案内まで、お話を伺いながら埋めます
  • 載せる場所を決めて、公開する ― お知らせ、料金のページの1行、必要なら専用のページを作ります。日付や金額は、画像ではなく文字で載せます
  • 終わる日に、終了の表示へ切り替える ― 終わる日をお知らせいただければ、その日に合わせて切り替え、トップや料金のページの案内を外します
  • チラシやSNSと日付を見比べる ― 刷る前の原稿をお送りいただければ、サイトとずれがないかを確かめます

料金と条件

料金は制作費0円、月額8,800円(税別)です。6ページ構成のプランは月額13,800円(税別)です。サーバー、独自ドメイン、SSL、保守は月額に含まれます。月5回までの更新代行も同じ月額の中なので、告知・延長・終了の切り替えも、ご連絡いただければこちらで反映します。

最低契約期間は6ヶ月です。7〜35ヶ月で解約された場合、サイトは非公開になります。36ヶ月以上ご継続いただいた場合は、サイトをお渡しします。

私たちがやらないこと

  • 割引の額や期間を、こちらで決めることはしません。それは経営の判断です。私たちは、決まった条件を読む人に伝わる形にするところを担当します
  • 事実でない「残りわずか」や、終わりのないカウントダウンは付けません
  • 表示のルールに当たるかどうかの判断を、代わりに下すこともしません。気になる表現は、所管の窓口や専門家に確認していただくようお願いしています
  • 検索順位や問い合わせの増加をお約束することもしません

実際にお作りしたサイトは 制作実績、料金と条件は ホームページ制作のページ に載せてあります。神戸市北区鈴蘭台を拠点に、2025年10月から活動しています。

「前回のキャンペーンの案内が、まだサイトのどこかに残っている気がする」という方は、一度ご相談ください。

9. まとめ:終わる日の作業まで決めてから、始める

キャンペーンや期間限定の割引をホームページに載せるときに、押さえることは5つです。

  • 6つの項目を先に決める ― 何が・いつまで・何の日付で・誰が・どうすれば・終わったあと
  • 事実でない言葉で急がせない ― 残りの数は日付つきの数字で、期限は理由で書く
  • 通常価格を並べるときは、ルールを確かめる ― 元の価格で売っていた記録を残し、迷ったら専門家に
  • 大きさで載せ方を変える ― 小さければお知らせと料金の1行、条件が多ければ専用のページ
  • 終わったら、終了の表示に切り替える ― 消し忘れやすい場所を一覧にして、終わる日に上から見る

キャンペーンの信用は、書いてあるとおりに始まり、書いてあるとおりに終わるかで決まります。割引の大きさより、そちらのほうが長く覚えられます。

まず、今日できること

貴社のサイトを開いて、「キャンペーン」「割引」「無料」「期間限定」という言葉を探してみてください。トップの画像と、よくある質問の中も見てください。終わったはずの案内が残っていたら、それが最初に直す場所です。

キャンペーンのたびに、終わったあとの案内で手が止まっている、という方は、一度ご相談ください。