1. 「目立つように、開いたら窓が出るようにしたんです」

中小企業の経営者の方とお話していて、こんな言葉を聞くことがあります。

「新しいサービスを始めたので、トップを開いたら案内の窓が出るようにしたんです。目立つほうがいいと思って。でも、知り合いに『閉じるところが分からなくて、そのまま戻った』と言われてしまって」

伝えたいことがあるとき、いちばん目立つ場所に出したくなるのは自然なことです。開いた瞬間に画面の真ん中へ窓が出れば、見落とされることはなさそうに思えます。

ただ、読む側から見ると、話は少し違います。ページを開いた人は、まだ何も読んでいません。その人の目の前を最初にふさぐと、伝えたいことより先に「どうやって閉じるか」が来ます。とくにスマートフォンでは、閉じる操作そのものがつまずきの元になります。

この記事では、開いたとたんに出る「お知らせの窓」(ポップアップ)を、使うかどうかの判断と、使う場合の決め事を整理します。

この記事で書くこと

  • 開いた瞬間に窓が出ると、読む人に何が起きるか
  • 窓を使ってよい知らせと、ほかの場所で足りる知らせの分け方
  • 窓の代わりになる置き場所
  • それでも使うときに、決めておくこと
  • 期間を決めて外す段取り
  • 検索での扱いの考え方と、自分での確かめ方

急な休業の知らせ方そのものは 台風や急な休業のとき、ホームページで何を知らせるか に、キャンペーンの中身の書き方は キャンペーンや期間限定の割引を、ホームページにどう載せるか に書きました。この記事で扱うのは、その手前です。知らせを、窓という形で出すかどうかに絞って書きます。

2. 開いた瞬間に窓が出ると、何が起きるか

まず、読む人の側で起きていることを並べます。作った側は窓の中身を知っているので、なかなか気づけないことばかりです。

読む前に、「閉じる」作業が来る

検索や地図から来た人は、何かを確かめるためにページを開いています。営業時間なのか、料金なのか、場所なのか。そこへ窓が出ると、確かめたいことの前に、窓を閉じるという作業が1つ挟まります。

窓の中身が、その人の確かめたいことと関係なければ、読まれずに閉じられます。閉じる手間を払ってくれるのは、まだよいほうです。手間を嫌って、そのまま前のページに戻る人もいます。

スマートフォンでは、閉じにくい

パソコンの大きな画面なら、窓の右上の「×」はすぐに見つかります。スマートフォンでは事情が違います。

  • 「×」が小さい ― 指で押そうとすると、窓の中のリンクに触れて別のページへ飛んでしまう
  • 「×」が画面の外に出る ― 窓の大きさが画面に合っておらず、閉じるボタンが見えない
  • 窓の外を押しても閉じない ― どこを押せば消えるのか分からないまま、手が止まる

どれも、作った人がパソコンで確かめただけでは見つかりにくいことです。スマートフォンで人が離れる理由は、ほかにも スマートフォンで見たときに、人が離れる7つのこと にまとめました。

何の会社か分かる前に、売り込みに見える

初めてサイトを開いた人は、まだ貴社が何の会社かを知りません。その段階で「新サービス開始」「ただいまキャンペーン中」と出ると、名乗る前に売り込まれたような受け取り方になります。

店の入口で、のれんをくぐった瞬間にチラシを手渡されるのと似ています。中身がよいものでも、受け取る準備ができていないと、目を通してもらえません。

何度も出ると、また出るのが嫌になる

ページを移るたびに同じ窓が出る、一度閉じても次に開いたときにまた出る。こうなると、読む人は窓を閉じることに疲れて、サイトそのものを見るのをやめます。伝えたかった知らせは、届くどころか、サイトを避ける理由になってしまいます。

3. 窓を使ってよい知らせは、少ない

では、窓はいつも使わないほうがいいのか。そうとも言い切れません。分け方の軸は1つです。

「見ずに来たら、読む人が困るか」で分ける

この知らせを見ないまま来店したり連絡したりすると、読む人が困るか。これで分けます。

困るのは、たとえば今日お店が開いていないとき、電話がつながらないとき、以前に載せていた大事な情報に誤りがあったときです。知らずに来ると、無駄足になったり、損をしたりします。こうした知らせは、目立つ場所に出す理由があります。

一方、新しいサービス、キャンペーン、SNSのフォローのお願い、採用の案内は、見なくても読む人は困りません。こちらが伝えたいことであって、読む人が今すぐ知る必要があることではないからです。こうした知らせは、窓でなくても届けられます。

急ぎの知らせでも、帯で足りることが多い

臨時休業のような急ぎの知らせでも、窓が要るとは限りません。ページのいちばん上に、いつもと違う色の帯を1本出し、日付で始まる1行を置く。多くの場合は、それで足ります。帯なら、読む人の手を止めずに目に入ります。

窓を検討するのは、帯では見落とされると困るほど影響が大きい場合に限る、くらいに考えておくとよいと思います。

表:知らせの種類ごとの、置き場所の目安(例はすべて架空)
知らせの種類置き場所の目安理由
臨時休業・営業時間の短縮たとえば「10月12日(土)は臨時休業いたします」をページ上の帯に1行。詳しくはお知らせへ知らずに来ると無駄足になる。ただし多くは帯で足りる
電話がつながらない日帯に1行と、代わりの連絡先。影響が大きいときに限って窓も考える連絡できないと読む人が困る。代わりの窓口を添える
キャンペーン・期間限定の割引お知らせ欄と、関係する料金のページに1行見なくても読む人は困らない。料金を見に来た人の目に入れば足りる
新しいサービスの開始お知らせ欄と、サービスの一覧の中探しに来た人が見つけられる場所にあればよい
SNSのフォロー・メールの登録のお願いページの下のほうや、読み終わった位置読む前に頼むと売り込みに見える。読んで気に入った人が押す場所に

迷ったときは、「見ずに来たら、読む人が困るか」と問うと分けやすくなります。困らない知らせは、窓でなくても届きます。中身は、貴社の知らせに合わせて読み替えてください。

4. 窓の代わりになる置き場所

窓を使わないと決めたら、知らせをどこに置くかです。置き場所はいくつかあります。

ページの上の帯

いちばん使いやすいのが、ページのいちばん上に出す細い帯です。1行で、日付から始めて、詳しいことはお知らせのページへつなぎます。画面をふさがず、それでいて最初に目に入る場所です。

帯の文字は、画像に焼き込まず、文字として出してください。画像にすると、日付を1つ直すたびに作り直しになり、後回しにされます。

お知らせの欄

キャンペーンや新しいサービスのように、急がない知らせはお知らせの欄で足ります。新しい1件がトップのどこかに見えていれば、気になる人は開きます。お知らせの書き方は 「お知らせ」の欄に、何を書けばいいか にまとめました。

関係するページの中

キャンペーンの知らせなら料金のページに、新しいサービスならサービスの一覧に、1行添えます。その知らせを必要としている人が、すでに見に来ている場所に置くのがこつです。トップで窓を出すより、料金を確かめに来た人の目の前に1行あるほうが、読まれます。

最初の画面の中の1行

どうしても最初に見てほしい知らせなら、窓ではなく、トップの最初の画面の中に1行を置く方法もあります。ただし、最初の画面には「何の会社か」を伝える役目があります。知らせを詰め込みすぎると、その役目が果たせなくなります。最初の画面に何を置くかは トップページの最初の画面に、何を置くか に書きました。

読み終わった位置

SNSのフォローやメールの登録のお願いは、ページを読み終わったあたりに置きます。読んで「この会社はよさそうだ」と思った人が、そこで押してくれます。読む前に頼むより、読んだあとに頼むほうが自然です。

5. それでも使うなら、決めておくこと

影響の大きい知らせで、どうしても窓を使う。そう決めた場合は、次のことを先に決めておきます。

閉じるボタンは、大きく、言葉で

閉じるボタンは、指で押しやすい大きさにします。小さな「×」だけでなく、「閉じる」と言葉で書いたボタンを添えると、どこを押せばいいかが迷わず分かります。窓の外を押しても閉じる形にしておくと、さらに親切です。

画面全体をふさがない

窓は、画面全体を覆う大きさにしないでください。スマートフォンなら、画面の下のほうに小さく出る形にすると、後ろのページが見えたままになります。読む人は、窓を閉じなくても、確かめたいことを探し始められます。

何度も出さない

一度閉じた人には、しばらく同じ窓を出さない設定にします。ページを移るたびに出る、開くたびに出る、は避けてください。1回見てもらえれば、知らせの役目は果たせています。

中身は1行と日付、リンクは1つ

窓の中身は、帯と同じく短くします。日付で始まる1行と、詳しいことが書いてあるお知らせへのリンクを1つ。窓の中で全部を説明しようとしないでください。長い文章や大きな画像を入れると、スマートフォンでは閉じるボタンが押し出されて見えなくなることがあります。

スマートフォンで、閉じてみる

作ったら、自分のスマートフォンで開いて、実際に閉じてみてください。片手で押せるか、押し間違えて別のページに飛ばないか、閉じたあと元のページがそのまま読めるか。パソコンで確かめただけで公開しないことが大事です。

6. 期間を決めて、外す

窓でも帯でも、目立つ場所に出す知らせは、いつか外すものです。ここを決めずに始めると、古い知らせが残り続けます。

出す日に、外す日を決める

窓を出すときは、同じときに外す日も決めて、カレンダーに入れておきます。臨時休業なら再開の日、キャンペーンなら終わる日の翌朝。決めずに出すと、外す作業は誰のものでもなくなります。

終わった知らせが、いちばん困る

いちばん困るのは、終わった知らせが窓で出続けている状態です。臨時休業はとっくに終わっているのに、開くと「休業のお知らせ」が出る。読む人は、今も休んでいると受け取って、来るのをやめるかもしれません。何も出さないより、悪い結果になります。

外し方を、出すときに確かめておく

窓は、作った人しか外し方を知らないことがよくあります。担当が替わる、制作を頼んだ会社と連絡が取りにくい。そうなると、外したくても外せません。出す前に、誰がどこから外せるかを確かめておいてください。

図:目立つ場所に知らせを出してから外すまでの流れ(段取りの例)
出す前 ― 窓か帯かを決め、外す日もカレンダーに入れる

「見ずに来たら、読む人が困るか」で分けます。困らないならお知らせの欄へ。困るなら、まず帯で足りるかを考えます。出す日と外す日を、同じときに決めます。

▼
出した日 ― スマートフォンで開いて、閉じてみる

片手で閉じられるか、押し間違えないか、閉じたあとに元のページが読めるかを見ます。帯の1行とお知らせの本文の日付がそろっているかも確かめます。

誰がどこから外せるかを、このときに確かめておきます
▼
外す日 ― 窓や帯を外し、お知らせの欄に残す

目立つ場所からは外し、お知らせの欄には「通常どおり営業しています」「キャンペーンは終了しました」のように1行足して残します。

翌日、自分のスマートフォンでトップを開いて、残っていないかを見ます

窓でも帯でも、流れは同じです。出す日に外す日を決めておけば、終わった知らせが残り続けることはなくなります。

7. 検索での扱いと、確かめ方

最後に、検索との関係と、自分での確かめ方です。

検索での扱いは、一般論として考えておく

検索エンジンは、ページを開いた人が中身をすぐに読めるかどうかを、大事にしている考え方を示しています。開いてすぐに中身を覆う表示は、読む人の妨げになるものとして見られることがある、と言われています。

ただ、窓を1つ出したことで検索の順位がどう動くかは、窓の大きさや出し方、ページの中身によって違うはずで、ここで言い切ることはできません。私たちもお約束はできません。検索のために窓を外すというより、読む人の邪魔をしないために外すと考えておくほうが、判断を誤りにくいと思います。

検索から入ったつもりで、トップ以外を開く

自分で確かめるときは、トップページだけでなく、検索から入ってくる人が最初に開きそうなページも開いてください。料金のページ、サービスのページ、よくある質問。窓はトップだけに出しているつもりでも、設定によってはどのページでも出ていることがあります。

社外の人に、閉じてもらう

自分で作った窓は、閉じ方を知っているので、つまずきに気づけません。家族や取引先など、サイトを見慣れていない人のスマートフォンで開いてもらい、閉じるところまでを横で見てください。押し間違えたり、手が止まったりした場所が、直すところです。

何を見て、続けるか外すかを決めるか

窓を出したなら、その前後で、窓からつないだお知らせのページがどれだけ開かれたか、問い合わせや来店の様子が変わったかを見てください。窓を出しても、その先のページがほとんど開かれていないなら、窓は読まれずに閉じられています。その場合は、帯やお知らせの欄に移したほうが、読む人の手間が減ります。

8. 雄喜晃の伴走:知らせの置き場所を、窓より先に決めます

私たちがやること

私たち雄喜晃がホームページを作るときは、窓を使わなくても知らせを出せる場所を、ふだんから用意しておくようにしています。

  • 帯とお知らせの欄を、最初から用意する ― ふだんは隠れていて、文面を入れればページの上に出る帯と、新しい1件がトップに見えるお知らせの欄を作ります
  • 知らせごとに、置き場所を一緒に決める ― 「見ずに来たら、読む人が困るか」で分け、窓を使うかどうかもご一緒に判断します
  • 使う場合は、閉じやすい形で ― 言葉で書いた閉じるボタン、画面をふさがない大きさ、何度も出さない設定にして、スマートフォンで閉じられるかを確かめます
  • 外す日に、外すところまでやる ― 外す日を伺っておき、その日に外して、お知らせの欄に1行残します

料金と条件

料金は制作費0円、月額8,800円(税別)からです。6ページ構成のプランは月額13,800円(税別)です。サーバー、独自ドメイン、SSL、保守は月額に含まれます。月5回までの更新代行も同じ月額の中なので、帯やお知らせを出す、書き換える、外す、の作業もこの回数の中でお受けします。

最低契約期間は6ヶ月です。7〜35ヶ月で解約された場合、サイトは非公開になります。36ヶ月以上ご継続いただいた場合は、サイトをお渡しします。

私たちがやらないこと

  • 開いた瞬間に画面全体をふさぐ売り込みの窓は、お作りしていません。読む人の手を止めてまで出す理由がある知らせは、限られているからです
  • 事実でない「残りわずか」「本日限り」で急がせる窓も作りません
  • 窓を外したり出したりすることで、検索の順位がどうなるかを言い切ることはしません。順位や問い合わせの増加をお約束することもいたしません
  • 知らせの中身、たとえば休業するかどうかや、キャンペーンの条件を、こちらで決めることはしません。それは貴社の判断です。私たちは、決まったことを読む人に伝わる場所に出すところを担当します

実際にお作りしたサイトは 制作実績、料金と条件は ホームページ制作のページ に載せてあります。神戸市北区鈴蘭台を拠点に、2025年10月から活動しています。

「開いたら出る窓を、外していいのか迷っている」という方は、一度ご相談ください。

9. まとめ:知らせは、読む人の手を止めない場所に

開いたとたんに出る「お知らせの窓」を使うかどうかで、押さえることは5つです。

  • 開いた瞬間の窓は、読む前に「閉じる」を挟む ― スマートフォンでは閉じにくく、そのまま離れる原因になりうる
  • 分ける軸は「見ずに来たら、読む人が困るか」 ― 困らない知らせは、窓でなくても届く
  • 多くは、帯とお知らせの欄で足りる ― 急ぎは上の帯に1行、急がないものはお知らせと関係するページへ
  • 使うなら、閉じやすく、何度も出さない ― 言葉の閉じるボタン、画面をふさがない大きさ、中身は1行と日付
  • 出す日に、外す日を決める ― 終わった知らせが窓で出続けるのが、いちばん困る

伝えたいことがあるときほど、目立つ場所に出したくなります。ただ、目立たせることと、読んでもらうことは別のことです。読む人の手を止めない場所に置いた知らせのほうが、結果として目を通してもらえます。

まず、今日できること

ご自分のスマートフォンで、貴社のトップページと、料金やサービスのページを開いてみてください。開いたとたんに窓が出るなら、片手で閉じられるか、中身が今も正しいかを確かめます。終わった知らせが出ていれば、それが最初に外すものです。

ぜひ一度、お話を聞かせてください。貴社の知らせを、どこに置けば読む人に届くかを決めるところからご一緒します。